令和2年10月9日 市長記者会見

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ページ番号1006681  更新日 2020年12月14日

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日時
令和2年10月9日(金曜日)11時00分〜11時40分
場所
市庁舎4階会議室
出席者
帯広市長 米沢 則寿
政策推進部 関口部長、中里参事、石井企画室長、桃井財務室長、総務部 廣瀬部長、市民福祉部 五十嵐参事、経済部 相澤部長
記者数
13名(テレビカメラ3台)

写真:記者会見の様子1

写真:記者会見の様子2

会見項目

市長からの話題

  1. 令和3年度予算編成方針について
  2. フードバレーとかちプロモーション事業「地域マーケティング事業」について

記者からの質問

  1. 予算編成方針の中で歳入面での制約について触れているが、具体的な懸念を伺いたい。
  2. 地域マーケティング事業について、今こうした事業に着手する背景、市長の思いを伺いたい。
  3. 地域マーケティング事業は帯広と東京で開催するが、地域内、地域外でそれぞれどのようなニーズを期待しているか伺いたい。
  4. コロナ後を見据えた予算編成の考え方や、リモート活用を広げる考えがあるのか伺いたい。
  5. 市内の小学校で、9月に児童が新型コロナウイルスに感染したが、学校名を公表したことの反響や、今後も学校名を公表するのかについて伺いたい、ほか。
  6. くりりんセンターの新施設の基本構想策定が1年延期になったことの受け止めと、今後の見通しなどについて伺いたい。
  7. 市長は「とかち航空宇宙産業基地誘致期成会」の会長も務めているが、インターステラテクノロジズ社の事業による地域への波及をどう捉え、期待しているか伺いたい。

市長からの話題(要旨)

令和3年度予算編成方針について

<市長>
本日、配布資料1のとおり、予算編成方針を各部長に示しました。
新型コロナウイルス感染症の影響が、市民生活や地域経済をはじめ、様々な分野に及んでいる状況を踏まえ、「新たな日常」を意識しながら情勢の変化にしっかりと対応していくこと、そして、新たな発想も取り入れながら、事業の見直しを進めるよう指示しております。
また、今回の予算編成においても、公約の実現や様々な行政課題の解決に向け、3つの重点を設定いたしました。
「地域経済」「ひと」「まち」の視点は、中長期的なまちづくりの大きな柱であり、これまでと大きく変わるものではありませんが、令和3年度予算編成においては、コロナ禍で改めて重要性を認識するようになった持続可能性や日常を安心して過ごせることの尊さなど、感染症収束後の未来を見据えたまちづくりにおいて、特に意識すべきことを盛り込みました。
令和3年度は、社会保障費の更なる増加に加え、感染症の影響などに伴い、歳入面での制約が強まることが懸念されることから、厳しい予算編成となることが想定されますが、市民の皆さんの納得感・信頼感を得られるよう、全庁一丸となって取り組んでまいります。
予算案は、来年の2月に発表させていただく予定ですので、これからしっかりと進めてまいりたいと考えております。

フードバレーとかちプロモーション事業「地域マーケティング事業」について

<市長>
本事業は、十勝・帯広に共感・共鳴し、熱心に応援してくれる方々、いわゆる「ファン」の人たちが十勝に何を求めているのかを調査・分析し、ファンの人たちの視点をまちづくりに活用することを目的として事業を実施するものです。
具体的には、十勝への移住者やふるさと納税の寄附者などへのアンケート調査を参考に十勝・帯広のファンを集め、ファンが感じている十勝・帯広の魅力を把握するワークショップ型ヒアリングなどを十勝と東京で実施することでファンのタイプや行動傾向の分析、十勝の魅力の言語化などを行うものです。
この事業により得られた分析結果に基づき、ファンの拡大や新商品開発、販路拡大など市の施策へ反映するほか、地元事業者への情報提供も検討してまいります。
なお、事業の概要については、配布資料2をご確認ください。

記者との質疑応答要旨

<北海道新聞社>
予算編成方針の中で、歳入面での制約について触れられている。具体的に、どのような懸念があるのか伺いたい。

<市長>
新型コロナウイルスの影響による企業倒産などは顕在化していないが、落ち込んだ経済も明確な回復基調を示していない。これから、税収への影響も生じてくるものと思う。自主財源のベースとなる税収について、決して楽観的な見方はできず、どちらかといえば悲観的、厳しめに見ておくべきだと思う。また、国からの財源も、かなり厳しくなるのではないか。両方ともマイナスに働くと認識している。

<北海道新聞社>
地域マーケティング事業は、「フードバレーとかち」と銘打っていることから、食を中心としたものをイメージしているのか、また、今こうした事業に着手する背景、市長の思いを伺いたい。

<市長>
まちづくりは、その地域の資源をどう発展させていくかということが肝になると思っている。十勝・帯広の中心的な資源は、やはり、食と農業であり、この10年間、「フードバレーとかち」という旗印を立てて取り組んできた。我々は手応えも感じているが、十勝・帯広のファンになっている方々が、我々の気づいていない部分に大きな魅力を感じている可能性もある。
また、小売業では、上位2割の顧客が売り上げの8割を占めるという「パレートの法則」がある。国内市場が縮小する中で、マスマーケティングの限界も指摘され、本当に伝えたいことが顧客に届いていないといった懸念や、パレートの法則の中で残り8割の顧客に向かって広告宣伝のお金を使うことへの疑問が言われている。
この十勝・帯広でも、これまでマスメディアも活用しながらPR活動を行ってきたが、十勝に何度も訪問されている方々、十勝を注目されている方々は、マスで出される情報よりももっと深い、濃い情報や地域の動きを知りたがっているのではないかと予想し、今回、地域マーケティング事業を試行的に実施し、確認してみることとした。
本来は、企業のマーケティング手法だが、新型コロナウイルスの影響でインバウンドの回復が見通せず、国内客を重視する地域づくりを考えていく中で、こうした視点は行政にも大切になるのではないかと考えている。
この事業は、コロナ禍によって急に生まれた話ではなく、我々は昨年から準備を進めてきた。昨年の「なつぞら」などで十勝が広く認知された中で、このパレートの法則が地域戦略に応用できるか挑戦してみたいと思う。小さなマーケットを奪い合っていかなければいけない時代に、コアなファンをしっかりとつくることが大切である。応援者をつくるクラウドファンディングやふるさと納税の考え方と同じで、地元住民はもとより、共鳴してくれるファンの視点を取り入れ、新しい地域づくりの担い手になってもらう端緒をつかむために実施する。行政としては珍しい手法で、面白い取り組みになると期待している。

<十勝毎日新聞社>
地域マーケティング事業の開催地は、帯広と東京となっている。地域内、地域外で、それぞれどのようなニーズや違いを期待しているか伺いたい。

<市長>
今回初めてチャレンジする中で、まずしっかりとアウトプットを出して、どういったものになるか見てみたい。その結果、さらに対象を広げて行う必要があるのかなどを検討してみたい。
今年度は、すでに十勝・帯広に移住してこられ、十勝が大好き、という方々の声をお聞きする。また、東京では、移住をお考えになっている方々の声を伺う。皆さんから引き出した声が、地元の事業者に役立つものであれば、地域力を高めることにもつながると期待している。

<十勝毎日新聞社>
新型コロナウイルスの感染拡大は見通せないが、コロナ後を見据えた予算編成の考え方を伺いたい。
また、コロナ禍によって「リモート」が活用されつつあるが、市ではリモートの活用をさらに広げていく考えはあるのか伺いたい。

<市長>
新型コロナウイルスの感染拡大防止は、引き続き、しっかりとやっていく。一方で、社会経済活動との両立も図っていかなければならない。コロナ禍にかかわらず、まちづくりは進めていかなければならないものであり、その意味では粛々と予算編成に臨んでいく。感染症対策は、これまでと同様に、国や北海道の動き、地域の状況などをしっかり踏まえ、必要な予算を計上していく。規模感や財源については、全体の予算の中で判断し、別枠とすることなどは想定していない。
皆さんは、コロナ禍の中で、リモートの良さと、リモートでないことの良さを、ともに感じておられると思う。リモートで済んでしまう、リモートで何の影響もないこと、あるいは、手渡しすることで何かが生まれる、お互い面と向かって話したり接点を持つことで、付加価値が生まれることもさまざまあるものと思う。リモートにできる、できないは、効率性のみで判断できない。
非効率な手続きは見直していくべき、余分な手続きは無くしていかなければならないが、何事も一足飛びでリモートにする、ということに対しては、気をつけていかなければならないと思う。プロセスは非常に大切で、行政に限らず、手数がかかるプロセスがある場合、手数がかかってもそれを超えていく過程で様々なリスクが回避されていくという側面がある。このことと、不要、非効率ということは区別しなければならないと思う。それを考えるのが、コロナ下の今である。その延長として、事業の必要性を検討し、見つめ直す機会が今年の予算編成だと考えている。

<十勝毎日新聞社>
9月に市内の小学校で児童が新型コロナウイルスに感染した。学校名を公表したことで、市長に届いている反響、また、今後も児童生徒が感染した場合、学校名を公表するのかについて伺いたい。

<市長>
記者会見で冷静な対応をお願いした結果、市民の方々からの教育委員会への問い合わせは、非常に少なかった。具体的には、「学校名を公表したことで、誹謗中傷を受けるのではないか」という問い合わせが1件あったと聞いている。
今後についても、これまで通り、個人情報保護の観点から、当該児童生徒の保護者の同意が得られた場合には、学校名を公表するものと考えている。また、学校は地域に密着した集団教育の場であり、学校名を非公表とすることで、地域の不安や誹謗中傷などが想定される場合、当該保護者に丁寧に説明する中で、公表の同意が得られた場合には、学校名を公表していく。
感染症の拡大を防止することをベースに、個々の状況に応じて、保健所と連携しながら、公表するかしないかの対応を検討する必要があると考えている。

<十勝毎日新聞社>
今回の場合は、当初から記者会見で「クラスターは想定していない」と話されていたが、そうした中で、どのようなスタンスで保護者に話をしていくのか。

<市長>
まず、疫学の専門家が、濃厚接触者の範囲や感染経路などから、クラスター発生の可能性を判断し、公表の要否を判断する。その上で、今回は、学校が関わる事例であり、管理者として、感染者を含め、子供たちを守っていかなければならないという立場から、市や学校も当事者として関わった。北海道の発表と報道の内容にそごがあり、地域や保護者の不安の拡大に拍車をかけていると見えたことから、その不安をできるだけ解消し、子供たちへ影響が及ばないよう、市や学校、保健所、保護者と一緒になって協議し、公表することとした。

<北海道新聞社>
くりりんセンターの新施設の基本構想策定が1年延期になったことで、現在の受け止めと、今後の見通しなどについて伺いたい。

<市長>
十勝圏複合事務組合の事業であり、組合長に対する質問かと思う。この場は市長としての記者会見であり、同じ人間といっても別組織の話題である。そこはご理解いただいたうえで、帯広市民の皆さんへの情報提供はしっかりと図っていきたいという思いでお答えしたい。
令和2年度における検討会議の開催状況は、昨日までに3回開催されている。
7月3日開催の第21回検討会議では、ごみの排出量削減・資源化の取り組みや、ごみ処理量の推計が示された。8月31日の第22回検討会議では、管内のゴミの資源化・減少化の現状や、中島地区における洪水発生時の浸水想定、我々、リニューアル方式の調査を進めているが、道内における他都市のリニューアル方式の検討状況などが示された。そして、10月8日の第23回検討会議では、一般廃棄物の資源化に関する事例調査、治水等に関する調査、先進都市における整備状況と新設以外の整備方法などについて、詳しく報告がなされた。
10月2日には、士幌町と上士幌町から、正式に、新中間処理施設の供用開始に合わせて、共同処理に加入したいとの申し入れがあった。新施設は、管内全19市町村のごみを処理することとなり、現在、鋭意検討を進めているところである。
今後については、当初予定していた令和9年度の供用開始に間に合うように、引き続き作業を進めていく必要があると認識している。

<NHK>
インターステラテクノロジズが、来週、十勝の企業に対して、事業参入への説明会を開催する。市長は、「とかち航空宇宙産業基地誘致期成会」の会長も務められているが、インターステラテクノロジズ社の事業による地域への波及をどう捉え、期待しているか伺いたい。

<市長>
一生懸命に取り組まれていると感じている。また、この地域の将来の方向性の中に、宇宙産業というものを持ち込んできてくれた、地域としてとても大切にしているベンチャー企業のひとつである。ロケット打ち上げの現場を見に行く方々も管内外にたくさんおられるわけで、地域を挙げてしっかりと応援していきたい。
お話のあった説明会については、詳しく承知していないが、地域の皆さんの思いを盛り上げていく活動は、とても重要だと思う。
今後に向けて、北海道経済連合会、北海道庁も含め、さまざまな機関のお力をお借りしながら、この十勝、大樹町へ航空宇宙産業基地を誘致していけるよう取り組んでいる。個別のベンチャー企業の動きだけでなく、発射場をどう立ち上げていくか、他の宇宙関連ビジネスをどう集積させていくか、といった動きは、とても夢のある話である。この地域の新しい可能性を拓いていく先駆けとしてインターステラテクノロジズ社があり、大樹町への注目も高まっている。
宇宙基地の実現に向けて、事業に関わる資金、会社のスキームも検討されているが、この手のビジネスは国内でも経験がないものであり、試行錯誤しながら進んでいくものと思う。地域としても、できる限りの応援をしていきたい。

以上

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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