令和3年1月21日 市長記者会見
- 日時
- 令和3年1月21日(木曜日)15時00分〜15時45分
- 場所
- 市庁舎4階会議室
- 出席者
- 帯広市長 米沢 則寿
政策推進部 関口部長、中里参事、総務部 廣瀬部長、市民福祉部 下野部長、橋向参事、経済部 礒野参事 - 記者数
- 9名(テレビカメラ2台)
会見項目について動画(YouTubeへのリンク)でお伝えします。
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記者との質疑応答要旨については、会見終了後、1週間以内をめどにテキストで掲載しています。
会見項目
市長から
- 帯広市役所版イクボス宣言について
- 第58回おびひろ氷まつりについて
記者からの質問
- イクボス宣言について、取り組みの考えや理想のリーダー、人物像について伺いたい、ほか。
- 全職員がイクボス宣言を行うことを目指しているのか伺う、ほか。
- 新型コロナウイルスのワクチン接種について、帯広市の準備状況を伺う、ほか。
- 昨年12月末に帯広市と釧路市の人口の道内順位が逆転したことへの市長の受け止めを伺う、ほか。
- 日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に向けた動きの中で、公園の名称に「十勝」を加えるために、どのように関係町村と協議等を進めるのか伺う。
- 現在、ばんえい競馬の馬券発売額が好調であることへの市長の受け止めを伺う。
- 新型コロナウイルスのワクチン接種について、市では専門部署の設置を考えているか伺う。
市長から(要旨)
帯広市役所版イクボス宣言について
<市長>
イクボス宣言とは、一般的に行政や企業の管理職などが、部下のキャリアを応援しながら、自分の仕事と生活の調和を図るため、働きやすい環境づくりに向けた取り組みを具体的に宣言するもので、全国、全道の自治体や企業等で実施事例が広がりつつあり、管内においても帯広信用金庫や芽室町役場で取り組まれています。
帯広市では、これまでも時間外勤務の縮減など、様々な取り組みを進めてきていますが、ワーク・ライフ・バランスに向けた職員一人ひとりの意識をより一層高め、安心して働き続けられる環境づくりを主体的に進めていくため、帯広市役所版イクボス宣言を実施することといたしました。
一般的なイクボス宣言と帯広市役所版の違いでありますが、管理職等に限らず、すべての市職員を対象とすること、実践を振り返りながら、毎年度、宣言を行うこと、市役所にとどまらず、市内の事業者等にも取り組みを広げていくことの3点が挙げられます。
私自身も、先日宣言を行いました。(宣言文は配布資料参照)
コロナ禍の中においても、前向きな挑戦を続け、いきいきと働き続けられる地域づくりに取り組んでいきたいと考えています。
また、1月20日時点で、1,068名の職員が計画的な仕事の進め方の実践や定時での退庁、休暇の取得促進などの宣言を行っています。
来月には、市役所1階市民ホールにおいて職員の宣言文の展示も予定しています。
今後、3月までの試行期間を経て、令和3年度から本格的に実施していく考えです。
第58回おびひろ氷まつりについて
今年の氷まつりは、1月29日(金曜日)から31日(日曜日)までの3日間、中心市街地4か所に会場を分散し、歩きながら見て楽しめる「ウォークスルー方式」で開催します。
メイン会場となる、駅北多目的広場では、順路を設定し、氷彫刻展、氷のレリーフ、イルミネーション、アイスキャンドルや紙袋ランタンなどを展示します。
広小路会場では、商店街の方々にもご協力いただき、氷まつりの歴史を振り返るパネル展などを実施するほか、藤丸会場などでは氷のモニュメントやアイスキャンドルなどを展示します。
新型コロナウイルスの感染リスクを回避するため、いずれの会場においても、飲食やイベント、すべり台をはじめとする遊具の設置は行いません。
また、会場へ行かなくても、作る側・見る側どちらも楽しめるよう、市民の皆さまが、ご自宅などで制作した氷雪像をウェブ上で紹介する「写真で楽しむ作品展」を実施します。お子さんと一緒にお庭で作った雪だるまや、氷のお面、会社の仲間と制作した氷雪像など、自由に制作された作品をぜひご応募ください。
今後も、感染状況に応じて、開催内容を変更する場合がありますが、いつもとは違う形の氷まつりを、お楽しみいただきたいと思います。
記者との質疑応答要旨
<十勝毎日新聞社>
イクボスというと、部下のキャリアやワークライフバランスを理解し応援できる管理職、上司のことを指すと思うが、職員の育児休業の取得率を伸ばすなど、取り組みの考えや理想のリーダー、人物像について伺いたい。
<市長>
新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ、様々な難しい課題があるが、こうした時代だからこそ、これからの市職員には、それぞれの能力を磨き、最大限に発揮して、いきいきと前向きに仕事に当たってほしいと考えている。
コロナで世の中の状況は一変したが、大都市圏の現状を見ると、感染リスクや様々なストレスが大きいということが明らかになってきている。その中で、地方で暮らし、働くことが選択肢としてより現実味を帯びてきているように感じる。
今回、帯広市役所版イクボス宣言をしたが、地方での働き方、生き方、暮らし方のモデルをしっかりと発信していきたいと思っている。
仕事と生活を両立させていくには、管理者だけが一方的に責任をもつのではなく、働いているみんなが仕事や職場、上司・部下、チームのあり様について一緒に考えることに意義があると思う。帯広市役所では、みんなで良い仕事をし、パフォーマンスをしっかりと発揮していくために、上司だけでなく部下との双方向で、各職場の状況、上司と部下の関係性に応じて、仕事と生活のバランスをみんなでつくっていくことが大切だと考え、帯広市役所版のイクボス宣言とした。
上司と部下といった階層的な関係を前提とした考え方は、今ではずいぶん変わってきている。私自身は、これが理想の上司の姿、というものは持ち合わせていないが、チームで何かをつくり上げていくのが職場であり、それに最も有効なあり方を、各職場で考えていくべきだと思う。正解はないので、1年間取り組んでみて、振り返りながら、職場のあり方を考える契機にしたい。
<十勝毎日新聞社>
双方向でつくりあげる、とのことだが、全職員を対象としたのは、そうした意味も込められているのか伺いたい。
<市長>
そのとおり。「誰かがやってくれる」ではなく、それぞれの立場で、仕事と生活の両立を図るためにはどうしたらよいか、自分が考えていることを宣言し、周りがどう考えているかを知るという、コミュニケーションの機会になる。
宣言をまとめる作業も、良い機会になる。書きたいことはたくさんあると思うが、限られたスペースに表すため、自分は仕事にどう取り組み、生活との両立をどう図るか、そのために何をするか、など、まずしっかり考えることが大切だ。
宣言することが目的ではなく、それをしたことで、次にどうつなげていくか、という視点で、職員の間で議論し、帯広市役所版の制度としてくれたと認識している。
<北海道新聞社>
昨日までに、1,068人の職員がイクボス宣言をしたとのことだが、将来的には、全職員の宣言を目標としているのか伺いたい。
<市長>
これまで(正職員の)7割程度が宣言している。できるだけ多くの職員に参加してもらいたい。目標は、みんなで取り組めること。強制はできないが、みんなで前向きに、主体的に参加してもらえる環境をつくっていきたい。良い取り組みになっていけば、参加率も上がっていくと思う。
<北海道新聞社>
市役所の働き方改革につながり、優秀な職員を確保するための方策のひとつと考えられる。帯広市全体のことを考えているようにも思えるが、どういった意味合いが強いのか伺いたい。
<市長>
地域づくりとも共通すると思う。前向きにいきいきと暮らす人たちがたくさんいる地域、面白い仕事がある地域に、人は集まる。ご質問にあった、優秀な人を採用するという面でも、同様だと思う。
帯広市役所に勤めたいという人がさらに増えてほしいし、帯広市の仕事や職員が「どこか違うな」と思ってもらえれば、差別化もできるのではないか。市役所でそうしたことを意識して取り組んでいることが大切だと思うし、市役所以外、帯広市全体でも、市役所の取り組みに共感、共鳴していただける方がいれば、我々の考えややり方などもお伝えしたい。帯広市役所の取り組みを通じて、地域の皆さんにも考えていただけるきっかけになるとありがたい。
<NHK>
新型コロナウイルスのワクチン接種について、帯広市の準備状況を伺いたい。また、昨日、西條奈加さんが直木賞を受賞されたことへの市長の思いを伺いたい。
<市長>
はじめに、ワクチン接種については、現在、国から示されているスケジュールを踏まえ、接種開始に向けて検討事項や課題を整理しながら準備を行っている。
現時点で、市町村の具体的な事務について、国や道から情報提供がない状況。まずは、担当課の健康推進課を中心として、市民福祉部内での応援体制により対応している。
また、ワクチンの接種事務のため、1月18日から任期付職員の募集を開始したところ。今後も、必要に応じて、全庁的な応援体制も検討していく。いずれにしても、全市民が対象となる事業であり、市として万全な体制を整えてまいりたい。
現在、国では、医療従事者への先行接種、優先接種を3月中に実施するスケジュールとしている。3月下旬からは65歳以上の高齢者、また、4月以降に基礎疾患のある方や高齢者施設の従事者、5月以降にその他の方へ、ワクチン接種に必要なクーポンを送付していく予定である。
帯広市では、このスケジュールに基づいて、体制の整備や関連経費の準備を進めているところ。まずは、クーポン券の送付に必要な経費について、令和2年度の予備費を充用して確保した。さらには、ファイザー社のワクチン保管に必要な超低温冷蔵庫(ディープフリーザー)は、2月から6月にかけて、計10台が国から帯広市に配置されることとなっている。
市民の皆さんには、チラシの個別送付のほか、市のホームページなどを活用しながら、随時、ワクチン接種に関する情報を丁寧に周知してまいりたい。
次に、西條奈加さんには、心からお祝いを申し上げたい。十勝・帯広に縁のある方が、名誉ある賞に選ばれたことは、とても素晴らしいことで、地元にとって大変うれしいニュースだと感じている。
帯広図書館では、もともと郷土作家として西條さんの著書を展示していたが、今回の快挙を受けて、さっそく特設コーナーを設けた。
反響が大きく、受賞作となった「心淋し川(うらさびしがわ)」は、すでに33人の方が予約待ちをしている状況だと聞いている。
西條さんには、この受賞を契機として、ますますのご活躍を期待したい。
<十勝毎日新聞社>
昨年12月末で、帯広市と釧路市の人口の道内順位が逆転した。改めて、市長はどう受け止めているか伺いたい。また、今後、人口減少が進む中で、道東地域で連携しどのようなまちづくりを進めていくのか伺いたい。
<市長>
逆転の要因については、明確にわからない。十勝・帯広では、これまで、一体感、連帯感を持って様々なことにチャレンジしてきた。つながりを活かした取り組みの着実な積み重ねによって、今の状況があるのではないかと思う。
人口が減らないようにすることは難しいが、夢や希望を感じられる仕事がなければ、人はいなくなってしまうし、集まらない。魅力的な仕事があることが大前提だと思う。この10年間、フードバレーとかちやイノベーション・プログラムの取り組みの中で常に意識してきたのは、十勝の資源を活かして、良質な仕事をつくっていきたいということ。その仕事が夢を呼び、みんながこの地域で新しい価値をつくっていける。「雇用」というより、「仕事」をつくろうというのを合言葉に、地域の皆さんと取り組んできた。その結果が、ここに住むことに誇りを持ち、それを見ている周囲の人たちが「あのまちで働きたい、暮らしたい」と考えることにつながる。
まだ、明確に「これだけの仕事を生み出せた」とまでつながっていない部分もあるが、この地域で、新しい仕事づくりに懸ける人が多く出てきた、かつて誰もやっていない事業を始めた人がいる、といったことを、報道機関の協力も得ながら発信し続けてきた。先のわからない時代に、前向きな動きがある地域からあえて出ていかないだろうし、そこに行ってみたいという気持ちが生まれてくるかもしれない。十勝がそうした素地、文化がある地域であることを、これからも発信していきたい。
「都会にはすべてがある」と思って生きてきた人たちからすると、コロナの状況下で、都会にはリスクも多々あることが実感できたのではないか。また、リモートで会議や仕事をできる状況になると、距離的なハンディキャップへの感覚も変わってくるだろう。
その中で、自然資源が豊富にあるという価値、そうした空間での生活のしかたなどに、皆さん魅力を感じるようになるのではないかと感じている。ひがし北海道がもつ自然資源、また、空港や高速道路など時間的なハンディキャップを埋めるインフラ整備の進展は、皆さんがこの地域に優位性を感じる要素になると思う。
そうした時代であるから、競争よりも協働が大切であり、「つながる」ことの価値が見直されてくると思う。十勝でこれまで取り組んできたように、今後、ひがし北海道の各都市が、それぞれの魅力を磨きながら、協働して地域全体の価値向上につなげていきたいと思っている。
すでに、平成28年度から5年間にわたって、帯広市、釧路市、網走市の3市で連携して観光プロモーションに取り組んできている。アドベンチャーツーリズム、アウトドア観光の促進に関しても、協働で様々な取り組みを進めてきており、連携の素地はできていると感じている。
<北海道新聞社>
日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に向けた動きの中で、公園の名称に「十勝」を加えるために、どのように協議を進め、日高側へ提案、説明するのかについて伺いたい。
<市長>
まず、公園の名称を決めるのは環境省であり、我々で協議して決めるという性質のものではないことを理解いただきたい。
十勝の関係6市町村、そして十勝圏活性化推進期成会では、これまで、環境省に対して、新たな国立公園の名称に「十勝」を加えることを要望してきている。
先日、日高町村会でこの件について協議されたことも、報道を通じて承知はしており、日高側のお考えは受け止めたい。
日高山脈は、我々にとってふるさとの山。その名称に新たに「十勝」が加わることになれば、知名度の向上はもとより、ふるさとへの誇りや愛着をさらに高めることにもなると考えている。
また、名称に関する議論を通じて、地域と地域の結びつきへの認識が高まってくると改めて感じている。ひがし北海道、日高の皆さんと一緒に、国立公園を盛り上げ、新しい国立公園のあり方を考えていくことは、素晴らしいことだと思う。十勝・帯広でできることを一生懸命考えて取り組んでいきたい。
現在、環境省において、素案作成などの手続きが進められており、今年度内に関係市町村を含めた連絡会議が、環境省の主催で開かれ、進捗状況の報告等が行われると認識している。
帯広市としては、名称に「十勝」が入るよう、日高側の理解もさらに深めていただきながら、関係町村と一緒に、引き続き、環境省などへ働きかけを続けてまいりたい。また、地域住民の皆さんの機運の盛り上げにも努めてまいりたい。
<北海道新聞社>
現在、ばんえい競馬の馬券発売額が好調であることについて、市長の受け止めを伺いたい。
<市長>
私が市長に就任したころに、いわゆる「底」を経験したので、一言で言えば、大変感慨深いものがある。大変ありがたく感じている。
当時は、本当に事業として成り立つのか、と毎日考えていたが、事業スキームを再構築し、様々な取り組みをしてきた結果、現在の状況がある。大変な時期から支えていただいたファン、競馬関係者の皆さんと、現在の状況、うれしい気持ちを分かち合い、皆さんへお礼を申し上げたい。
この1年間の好調は、「巣ごもり」が長期化し、自宅で娯楽のひとつとして楽しんでいただいていることが要因だと思う。また、報道を通じた露出が高まっている。東京オリンピックの聖火リレーの候補地に選定され、また、地方競馬の連勝記録を更新する競走馬を話題にしていただいた。正月のレースの様子が全国ニュースで放送されるなど、注目度の高まりも影響していると思っている。
こうした状況を大変ありがたく感じ、これまでの地道な取り組みを応援してくださったファンや関係者の皆さんへの感謝は尽きない。
ただ、今後も、公正な競馬を保ち続けることが第一だと思う。ばんえいの魅力をしっかりと発信しながら、皆さんに楽しんでいただける競馬を開催していきたいが、私の経験から、企業経営で、予想を超えた状況が続くことは、その会社の永続性や健全経営に必ずしもプラスに働かず、マイナスに働く場合を多く目にしてきている。
現在、ありがたい状況が続いているが、緩んだものを締めるのが大切で、それは私の役割だと思う。頑張ったことは評価しつつ、締めることは必要以上に締めていかなければいけないと感じている。
<十勝毎日新聞社>
新型コロナウイルスのワクチン接種について、市では、専門の部署を設置して事務を進めることは考えているか伺いたい。
<市長>
今後、そうならないと言うわけではないが、現状では、国や道から多くの情報を得られておらず、我々が把握している範囲では、健康推進課で対応し、市民福祉部内で応援体制をとっていく、ということ。
様々な考えがあることは承知しており、専門の部署を新たに設置したほうが、市民の皆さんも安心、わかりやすいという意見もあると思う。ただ、皆さんにお金を支給するといった事務と異なり、今回のようなワクチン接種事務は、法律上の制約などもあり、専門的な知識をもつ職員でなければ対応が難しい面もある。ただ職員の数を集めたり、新しい部署をつくればいいという問題でもないと思っている。
しかし、最終的には、市民の皆さんに不安なく接種していただけるように、わかりやすい発信の仕方という観点から、今後、新しい部署をつくったほうが良いと判断されれば設置もありうるが、現在のところは、考えていない。
<十勝毎日新聞社>
現在の状況の中では、健康推進課を中心に、部内で応援体制をとることで対応できているということか。
<市長>
現状はそう考えている。
<以上>
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