平成22年度 6月補正予算(案)発表記者会見

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ページ番号1003165  更新日 2020年12月14日

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日時
平成22年6月4日(金曜)11時〜12時
場所

帯広市庁舎 4階 会議室

出席者
米沢市長、道見副市長、河合副市長
前田政策推進部長、西田総務部長、嶋野政策推進部財政担当企画監

6月補正予算の概要について

(市長)
6月補正予算の編成作業が、このほど終了いたしましたので、その概要につきましてご説明いたします。

今回の補正予算は、市長就任後、最初の政策予算となりますので、まさに選挙期間中に市民の皆さんにお話したまちづくりの基本施策の実現ということと第六期総合計画の事業を中心に、本市の現状に照らし合わせ緊急性を要するものにつきましても適切な対応を図るよう、意を用いて編成したところです。
お手元のカラーの資料は6月補正予算の項目を、私がまちづくりの5つの施策として訴えてきた項目に従いまして整理したもので、順次この資料に沿って、主な事業を中心にご説明いたします。

はじめに、「元気なおびひろ」につきましては、「フードバレーとかち」構想推進のため、中核となる組織として従来からありました「産業連携室」を部として設置し、構想の推進にあたってまいります。
就任1カ月の記者会見の折に、この構想の推進体制は、プロジェクト組織を立ち上げるのではなく、マトリックス組織を意識した推進体制をとっていきたいと申し上げました。
今回の「フードバレーとかち」構想は市政全体に関わる問題ですので、組織を独立させてそこで全てをやるというプロジェクトチームをつくるのではなくて、市役所全体で取り組んで行く形を考えています。
マトリックスという縦・横の組織に横糸を通さなければ組織は動きませんし、私が全部において旗を振ってやるわけにはいきませんので、縦軸に横糸を通すための組織として産業連携室を中心に行ってまいりたいと思います。
「フードバレーとかち」構想をコーディネートする核となる組織ですので、思いを込めた呼称といいますか呼び名を考えています。ここは大切な部門であると考えておりまして、市長就任の折に職員に「ぞくぞくする仕事をしたい」とか、「全く違う仕事をやっていこう」とか、「元気になる様に仕事をしよう」とか言ってまいりましたが、まさに横糸を通すこの組織には、そういう気持ちを具現化してもらえるような活動をしてもらいたいと思っています。それぐらい変えていきたいと意気込んでおります。

また、緊急性を要する口蹄疫対策といたしまして、すでに消毒用薬剤の購入に係る補助制度を創設し対応にあたってまいりましたが、今後に向けた対応といたしまして一層の予防の強化及び防疫資材の備蓄等を進めてまいります。

また、地域経済の状況については、日銀帯広事務所や帯広財務事務所発表によれば、持ち直しつつある状況にあるとのことですが、本格的な回復に向け、道路、上下水道等の生活基盤整備や公共施設の省エネ化改修等の公共事業を追加することとともに、中小企業の資金調達の円滑化を図るためセーフティネット資金及び保証料補給金を追加いたします。
さらに、雇用対策といたしましては、北海道の基金事業を活用いたしまして、全体で50人、うち新規47人の雇用・就業機会の創出を行います。「元気なおびひろ」は産業政策や雇用政策が中心となりますが、主だったものは以上であります。

つぎに、「人にやさしいおびひろ」につきましては、学校の耐震化といたしまして、栄小学校体育館の平成23年度の改築に向けた実施設計を行うとともに、昨年度実施いたしました校舎の耐震診断の結果、耐震化が必要となるもののうち、改築予定であるものなどを除いた16校全てについて、耐震補強の実施設計を行います。これらの校舎につきましては、平成23年度以降、順次補強を進めてまいります。

また、中等度難聴児への補聴器購入費助成につきましては、言語習得に大きな影響を与える幼児期に限り、言語訓練や集団での生活訓練等の促進を図るため、補聴器購入費の一部を助成するものであります。
このタイミングを逃してしまうと言葉を習得していけなくなるとか、この時期にやらなければ一生取り返しがつかなくなってしまうものであると認識をしておりまして、今回、助成をする予算を計上しました。さらに、依田保育所において、保育に対するニーズの高い1・2歳児の受入枠を拡大いたします。これも一つずつ、積んでいくという認識の中で入れております。

つぎに、「環境都市おびひろ」につきましては、環境基金を創設いたします。
この基金については、市民・民間企業の省エネ化等による経費節減額の一部を寄附していただくとともに、公共施設の省エネ化効果額の一部を積み立て、その基金を市民・民間企業等の創エネ・省エネ化に向けた取り組みの支援に活用しようとするものです。
さらに、その省エネ化等の効果額の一部を基金に寄附いただくなどして、環境や低炭素社会づくりに関わる資金が拡大し、循環する仕組みづくりを行おうとするものであります。

防犯灯の省エネ化ですが、現在、町内会で設置している防犯灯が約15,000灯ございますが、今後新設する防犯灯を含め、順次LEDなど省エネルギータイプの照明灯に更新しようとするものです。
本年度は、新設100灯、更新100灯を予定しております。なお、今後10年間で全体の半数を省エネルギータイプのものに更新する予定でおります。

つぎに、「人輝くおびひろ」に括れる項目として、朝陽市友好都市締結10周年記念事業については親善訪問団を相互に派遣するものです。
今回は親善のあり方や、親善訪問団の相互派遣の意義について、必ず意味合いがあって友好都市になっているわけですから、単発の消化イベントであってはいけないとの思いから、「人輝くおびひろ」という位置づけをあらためて考えてみようと議論しまして、今回の交流事業につきましては、人づくり・人育ての観点から高校生などの若い世代の方にも加わっていただき交流を行います。

これまでは経済界や日本文化を紹介する方の交流が多かったのではと思いますが、特に若い世代の参加者については、異文化に触れ、体験することで郷土である帯広・十勝を再認識するよいきっかけとなり、幅広い視点や考え方を持っていただけると思います。
私自身も海外に出ますと「目からうろこ」というのがありまして、自分が日本人であるということを感じる最大・最初のきっかけにもなり、自分たちの生活がどのくらいのレベルなのか、どのくらい快適なものなのか、また不便なのかを感じます。

それは若い時のほうが、よりいろんな面で感じるのではないかと思いまして、今回は中国、光と影のある中国ですから、ホームステイをしながら、北京や上海への観光旅行とは違ったものを見ることができるのではないか思います。

特に若い世代には、帯広とは何か、十勝帯広人である自分は何かということを分かってもらえるのではないかと思いまして、「人輝くおびひろ」のカテゴリーの中で予算付けを行いました。イベントを大きくして華々しくやろうということよりも、そういう考えで進めていきます。

アイヌ民族の理解促進事業につきましては、活動拠点でもある生活館を会場として「アイヌ生活文化展」を開催し、市民の皆さんにアイヌ民族の歴史や文化、生活様式等を理解していただこうとするものです。また、各公共施設でのアイヌ民具等の移動展も行います。

また、新たな学校給食調理場につきましては、保護者をはじめ多くの方々のご意見をお聞きし、議会でもご論議をいただきながら建設に向けた基本構想の策定を進めてまいります。いつまで基本構想づくりをやるのかというお話があるかもしれませんが、これは前にきちんと進めていかなければならないと思っており、大変重要な位置づけとなります。

つぎに、「未来に続くおびひろ」でありますが、市民対話推進事業につきましては私も勢い込んでおりますが、私自身が各地域や市民団体等と、まちづくりの様々な政策などにつきまして、意見交換をさせていただこうとするものです。
資料の中でわざわざ最初に掲げておりますのは、私の意気込みということでご理解をいただきたいと思います。選挙の際も、市民の皆さんと近い所でこれからも仕事をしたいと申し上げてまいりましたが、皆さんと対話をする機会を可能な限り設けていきたいと思います。

総合計画推進事業につきましては、今年から始まる第六期総合計画を効果的に進めるため、各部門の連携が必要な横断的な課題について検討するプロジェクトを推進するとともに、総合計画の推進にあたりまして、市民の皆さんと意識を共有するためのセミナーを開催するなどの機会をつくってまいります。

私のまちづくりの5つの施策の項目に合わせたものをご説明させていただきました。以上が6月補正予算の主な事業であり、予算総額は30億8351万1千円でございます。

なお、各会計別の予算規模及び事業の詳細につきましては、お手元の資料をご覧いただきたいと存じます。

以上が、6月補正予算の概要でありますが、これらの予算につきましては6月14日招集予定の議会に提案し、ご審議いただくことになっております。

報道機関との質疑応答要旨

(報道)
初の予算編成にあたり、民間企業とは積み上げや決定方法の違いもあったと思うが、終えられた感想と「フードバレーとかち」構想の推進事業費の具体的内容を教えて欲しい。

(市長)
今回の予算編成は初めての経験でありましたが、民間企業の場合はある目的を持ってつくった事業を特化させていきますが、行政の守備範囲、市民サービスの範囲が広いことを実感させていただきました。
今回の市長査定は実質3日間でやりましたが、その中で各部署の担当者の意見を聞きましたし、その中で私の考え方についても思ったことをお伝えしましたが、これだけの広いテーマについていい議論ができたと思います。補正予算につきましては、就任1カ月強という時期なりに、自分なりに、メリハリをつけることができた予算となったと感じています。

「フードバレーとかち」構想の予算ついては、大いに自由に使っていこうということで、この構想自体に対する皆さんのご理解やお感じなっていることに違いがあると思いますし、この構想は何かすぐに答が出るとか、これをやるということがあるわけではありませんので、これから構想していかなければなりませんし、そのための助走に使う費用です。

例えば、シリコンバレーでは何をやっているのだろうかとか、「フードバレーとかち」構想のバレーの部分は、結果としてそこに人が集まり、そこで大いに仕事を楽しみ、これまでには全く無かったマーケットを作り出すというきっかけであり仕組みとなるわけで、シリコンバレーとフードバレーの2つの成功に共通しているのはそういうことであると思います。

この十勝帯広を使って、これまでになかった新しいマーケットプレイス(市場)をみんなでつくっていかなければなりません。そのために、十勝帯広で何をやっていかなければならないかということを、一緒になって考えていかなければなりません。そのための調査費用であり、活動費であります。

庁舎の中で机に座り、インターネット検索をするのが仕事であると思っておりませんし、動くことになると移動にもお金がかかり、人件費や調査費もかかりますので、このような事業推進費を計上させていただきました。

(報道)
オランダやアメリカに職員が行くということか。

(市長)
まだ確定はしていません。何を見に行くのか、自分の中で位置づけができないまま調査に行っても分からないでしょうし、我々が行くとしたら、行政として何をやらなければならないのか、また、ここが分からないということが出てきたタイミングで、それが現地に行けば分かるのかどうかという議論を踏まえた上で必要なら行きます。

サンフランシスコのシリコンバレーに行って成功した話を聞く方がいいのか、それとも静岡県に行った方がいいのかまだ分かりませんが、本当に必要であると思った場合には行こうと思います。

(報道)
選挙期間中に訴えてきたことに意を用いたとのことであるが、ご自身のカラーを出すことができたと感じているのか。

(市長)
市民の皆さんに、こういうまちづくりをしたいと訴えてきましたので、そのことに対応するために意を尽くしたと思いますし、一方では目先に起きてくる緊急事態に対応できなければなりません。耐震化の話でいえば、こういうことは待ちの姿勢ではいけないなと思いまして、国が予算を付けることは当然「待ち」なんですが、国の予算がついた時に自分達が動ける体制になっているであろうかと思いました。

自分は民間企業におりましたので、時間というものに対して、行政の動きとの間にまだギャップがありまして、私の認識不足によるギャップもあるかもしれませんが、クリアしていけるギャップであるかもしれません。そこで、準備をしっかりやっておけば、時間の短縮ができるかもしれない部分については、早めにやってもらおうと思いまして、耐震化を進める16校については、準備をして待とうということでありまして、準備をしていないところに何もチャンスはありませんから、そういう面に気をつけたところです。

予算には組み込まれておりませんが、いろんな議論をさせてもらった中で、私の持っている感覚と行政の皆さんのこれまでの感覚との違いが共有されたのではないかと思っています。

(報道)
初めての予算編成であるが、自分で満足のいくものとなったかについて自己採点すれば何点になるのか。

(市長)
評価は自分ではしませんし、報道の皆さん方のお仕事であると思っています。ただ、現状の置かれたタイミングの中で、自分としては精一杯やったと思いますし、メリハリのついたものになったという気持ちでいます。

(報道)
「フードバレーとかち」構想の推進は、今ある産業連携室にいる方にそのまま担当してもらうのか、新たに専門の詳しい方に入ってもらうのか。選挙戦でお話しされていた子宮頸ガンの予防ワクチンや人間ドッグの助成制度が予算化されていないが、そのあたりのスケジュールを教えて欲しい。

(市長)
この部門は「ぞくぞく」するぐらい楽しくやって欲しいと期待しておりますし、誤解のないようにと思いますが、「遊んじゃって」といいますか、遊びって飽きないものですので、それぐらいの気持ちが持てそうな人たちと一緒に仕事をしていきたいと思っています。

固く言えばイノベーションだと思いますので、全く新しいものを創っていかなくてなりませんので、そのことが至上の喜びであると思える体質の人たちとか、元気ということでいえば、一定のリズムで歩いてくれる人、さっさと歩いてくれる人、素早く活動してくれる人、そういう様な組織を横糸にしていきたいと思います。
今の人たちが、満たされている人たちであればそのままとなりますし、そうでなければ考えなくてはなりませんし、何の基準もなしに人数割りをしたり、人選をするわけではありませんので、これから「フードバレーとかち」構想を大切なメインフラッグ(旗印)にしていかなければならないところですので、大変難しい仕事をお願いすることになろうかと思いますが、そのような考え方であります。

医療費助成の予算は今回入っておりませんけれども、忘れてはおりません。逆に、そう簡単にできるものでもなくて、ワクチンの問題で言えばきちんと手に入るのかとか、実施体制ですとか、いろいろきちんと考えないで、花火だけ打ち上げても仕方がないと思っています。
これについてはきちんと、然るべきタイミングから実施が可能となる様に準備を進め、その準備のコストは通常の仕事の中でと思いますが、明確に予算計上していかなければならない然るべきタイミングでやっていくつもりです。
このことは忘れておりませんし、逆にきっちりとタイミングを区切って、実施してからワクチンが足りませんとか、こういう問題がありますとかいうようなことがないようにと思いますので、今回、このタイミングでは出ていないと認識いただければと思います。

(報道)
エア・ドゥ就航に向けた支援内容と関西線への考えがあれば伺いたい。

(市長)
相手のある交渉事ですし、鋭意決めていくお話となりますが、タイミングがありますので、今現在この場ではお話できません。

関西線のお話ですが、東京線だけになってしまえば今後の産業振興を含めて人の流れも含めて不利な状況になると思いますので、関西圏に対するルートが欲しいと思いますので模索していくべきだと思いますし、中部圏についても可能性を探っていきたいと思います。

今回のエア・ドゥの件でも勉強させていただきましたけれども、準備していないところには絶対来ませんので、中部しか動いていなければ関西からは絶対飛んできません。そう認識をしていますので、可能性のあるところについては活動すべきであると認識しております。

(報道)
エア・ドゥへの支援は交渉ごとなので支援内容を明らかにできないとのお話であるが、税金を投入することになるので協力支援の方法について一定の考え方を示すべきではないか。「フードバレーとかち」構想では中国・東アジアや3大都市圏の展開の中での販路開拓事業に関わりが出てくるのか。

(市長)
隠しているわけではありません。税金を使うから市民に伝えるべきだといいますが、それは信じていただくしかないです。しっかりと交渉した上で、決まれば遅滞なくお伝えしなければなりませんし、議会にもお話しなければなりません。

我々のミッションは一円でも少なくすることだと思いますし、それが信頼ということで、交渉はしっかりやっていきますが、アカンタビリティーというのは、交渉した結果、この数字は何かと問われた時にきちんと説明ができる準備をしていくことだと思いますし、それにはタイミングがあります。

帯広市と市民にとってマイナスにならないよう、その中には単なるお金だけのことではなくて、就航便数とか、いろんな条件が絡んできます。今はそこまでのプロセスが進んでいると認識していません。

然るべくビューなプロセスをきちんと踏んで、タイミングをみてやっていきますし、その時に遅いと言われればなぜ遅いのかという議論になってきますが、先日のエア・ドゥ社との会見でビジネスライクと申しましたが、一方が儲かって、一方が損をするというのは、あまりレベルが高くないと思います。
ウィンウィンとも申しましたが、落とし所といいますか、物事が決まるのはある程度両方が納得できるラインだと思いますので、「もっと取れたんじゃないか」とか、「もっと少なくて済んだんじゃないか」といった議論があるかもしれませんが、将来にわたり継続し、拡大させていく議論をやっているわけで、将来に向けての投資ですから、ある程度リスクを両者できちんと納得して、シェアするのはどの辺なのかを議論するのが交渉事だと思います。

(報道)
今回の補正には入れないのか。

(市長)
はっきり決まるまでは入れませんし、確定した時に説明します。

「フードバレーとかち」構想は旗印と申しましたが、このコンセプトは私の中では結構大きな構想です。ものを作って生産物や加工品をどこかに売るというのは、ある一面です。そういう部分を含めて「フードバレーとかち」構想と呼んでいますが、それが抜けているという話ではありません。

今あるものを、あるものとして、販売できる道を中国や東アジアへと展開し販路拡大することは「フードバレーとかち」構想を進める上で重要であると思っていますし、これは入ります。三大都市圏に対しても同様でありますし、それで売るためにこちらに来ていただいて見ていただくことに越したことはありませんし、そういう面ではここにあげている事業は「フードバレーとかち」構想に関わってくることです。

ただ、今ある販路拡大などが単純に「フードバレーとかち」構想の全てであれば面白くありませんし、新しいマーケットというお話をしましたが、帯広に今あるものとアイデアを組み合わせてみたら、こんな所にマーケットがあったねというものをもし帯広が見つけられたら、すごいなと思っています。

たとえば今ある食物が売れないかなと、健康食品として売れないかと考えることも開発として重要であり大切ですが、それをもう一つブレークスルー(突破)するような何かを、「フードバレーとかち」構想という大きな旗印の中で作っていけたらなあと思っています。

(報道)
学校給食調理場であるが、基本構想から着工に至るまでどのようなスケジュールを描いているのか。

(市長)
どこにどれだけの時間がかかるのかということが随分あると思いますが、行政で物事を決めるには、5年後までのきれいな絵がなければ中々進まないと思っています。ここはどうなるのかと詰めがあり、実は5年後6年後にはいろんな環境が変わっていくにもかかわらず、その環境変化を無視して、今、理解できる環境の中で、5年後はこうなるという、きれいな分厚い絵が無いと中々ものが決まらないと思います。
民間はそうではなく途中でいくらでも方向転換したっていいじゃないかというような感覚で、いろんなプロジェクトを進めていきます。多分このギャップをどこかで埋めていくと、トータルでのスケジュールが縮まるのではないかと思います。

つまり、何を何のためにこのプロセスの中で議論し決めていくんだということを、従来とあまり変わらずに進められているとすれば、そういうところにもし皆さんのご理解をいただければ、今年から設計を始めて、6年後にできるスケジュール感であれば、それを4年後位に終わらせることができるよう、はざまを詰めていきたいなと思っております。

PFI方式でやってはというお話もありますが、結局1年間フィージビリティスタディ(事業可能性調査)に時間がかかるということになりますので、本当に詰まっているのかなという感じがしますので、スケジュール感と言われますが、できるだけ短くしたいと思います。

これは多分、不可能な期間だとは思うのですが、自分で決裁をしたら、自分で完成を見たいですよね。4年間しかありませんが、こういうスパンの仕事でいいのかなという感じがしていまして、それは4年間まで短くはならないと思いますが、どれくらい短くなるのかということについては、みなさんと話し合いながらと思います。必要だから建て替えをしようと思うのに、5年間かかるのです。そういう問題だから、何とかしたいと思います。

(報道)
「フードバレーとかち」構想について、これから構想するというお話があったが、いつまでにまとめるのか。市長査定の中で自ら予算付けしたものはあるか。

(市長)
構想についてですが、4年間しか任期がありませんので、構想づくりに3年はかけません。初年度に、2年目、3年目、4年目にどこまで持っていき、どのような形にするかを決めなければなりませんので、初年度に構想の方向性を詰めていかなければならないと思います。

私が予算付けしたものとして、中国朝陽市との親善訪問団交流事業では高校生を派遣することとし、参加負担と予算規模を変更し、学校の耐震化につきましては、国の補正予算ができた場合に直ぐにできるところまで持っていこうということで、実施設計を16校でやっていこうということで、これも付け加えたものです。
関西線についても、これまでは中部路線の存続に目がいっておりましたので、それは継続することとして、関西空港との路線再開も入れていこうと私の方から申し上げました。学校給食調理場建設のスピードアップ化についてもお願いしました。これは予算というものに数字として反映されているというよりも、今後の市政の進め方というところについてお話をさせていただいたところです。

(報道)
構想は初年度にペーパーにまとめて発表するということか。

(市長)
そこまではいかないかもしれません。

(報道)
どの程度までまとめるのか。

(市長)
これまで、アグリポリス構想、農業コンプレックス構想、産業クラスター構想といろいろとやってきていますが、今回やりたい仕事は、今までやってきたことをベースに、必ず良いことも悪いこともあったと思うので、何か成果を出していきたいと思います。

もう一つは、まちづくりの方向性の旗印としての形が「フードバレーとかち」構想ですので、10年経った時に帯広の人が、「十勝帯広はフードバレーなのよ」と胸を張って言ってくれるようなまちづくりをしていきたいと思っております。

産業政策で考えられるものは、農業を中心として周りに研究所があることが切り口になりますし、「フードバレーとかち」構想を演出している人はこんな人がいるということで、十勝で住みたかった人、十勝はいいところだという人たちが集まって新たな変革をおこすことができれば、まちづくりがそういう人を呼んだことになります。まちづくりには人に呼びかけるようなメッセージが無ければ誰もきません。

「フードバレーとかち」構想というメッセージを発信して、夢を持ってもらい、人も集まってくる、ここにいる人たちも「そうだ、フードバレーをつくっていくんだ。」というような、まちづくりをどのようにやっていくのかということを構想しようとしているわけです。

この研究所とこの研究所を結んで産学連携で産業集積しましたというところでは、たとえ絵は描けても、ものは出てこないのではと思いまして、そういう面では産業政策だけではなくて、総合政策としてみんなの真ん中に「フードバレーとかち」というメインフラッグがあります。

例をあげていえば、「フードバレーとかち」における学校給食調理場はコストだけでなく、食育の問題を含めてこういう給食調理場であるということを言えなければならないと思います。

そのことを含めて全体でつくっていかなければなりませんし、アウトプットのところまでは自分の中でコンクリートになっておりませんが、私に与えられた4年間のまちづくりの方向性として、大きな旗はあげたところです。

それを今後どうやるかについては、まさに第六期総合計画の向こう3年間、4年間の活動がそこに収斂していかなくてなりませんので、来年から一つずつ出していく予算もみんなそのうちの一つになってくるものと思います。

(報道)
学校給食調理場は基本的にセンターを改築するという考え方か。

(市長)
いろんなアイデアや主張があり、まだそこまでは決めておりません。

(報道)
自校方式も考えられるのか。

(市長)
そこも含めて結論を出しておりませんし、早く出さなければ前に進んでまいりませんが、市民の皆さんや議会の皆さんに納得していただかなければならないことですので、その選択を含めて考えていきたいと思います。

(報道)
今の段階ではどちらになるか分からないということか。

(市長)
議会の承認をいただかなければ決定しません。
市はこうやりたいが議会は反対だという構図は想像しておりませんので、あくまでもこれをどうやっていきましょうかということは、やはり皆さんで合意のためのプロセスは踏んでいかなければならないと思います。

(報道)
議会で提案が審議されるが、議会で理解されるという感触はあるか。そのために、どのような努力をされるのか。

(市長)
初めての議会となりますので、一生懸命やるほかないと思っています。
議会と我々は両輪ですし、その二つでものを決めていこうという事ですから、理解していただかなければなりませんし、理解していただけるものを出していかなければなりません。
もし、何か局面、局面で理解が得られないのであれば、出し方が悪いのか、出したもの自体が悪いのかだと思いますので、そこは一つずつ、誠実にお話をさせていただいて、議会は議論をする場ですので、議論していきたいと思います。

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