平成22年5月 就任1カ月記者会見

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ページ番号1001222  更新日 2020年12月14日

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とき
平成22年5月21日(金曜日)10時30分〜11時10分
ところ
帯広市庁舎 4階 第3応接室
出席者
米沢市長

就任の印象・感想について

(市長)就任より1カ月が経ったところですが、印象としては本当にあっという間であったというところです。大変という字は大きく変わると書きますが、これまでの私の人生とは、生活のリズムも含めて大きく変わりましたので、大変なことでありました。日々、新しいこととぶつかるわけですので、大変面白く興味深く1カ月間を過ごさせていただきました。

特にいろんな大勢の方々とお会いしますし、これまでも人の中で生きてきたつもりですが、これまでお会いした方々とは違ったタイプの方々とお会いするということで、興味深く、面白く過ごさせていただいております。
ただ、「いろいろ、期待しているよ。」というお言葉をいただきますので、それに関して言えば、責任の重さをつくづく噛みしめております。

昨日、全道市長会総会がありまして、何人かの方から「新鮮な感じがする。」と言われました。もう54歳ですから新鮮な年齢ではありませんが、新しいという言葉を使ってくれたことは、私にとって嬉しいコメントでありました。
私を市長に選んでいただいた市民の皆さんは、これまでとは違う市政を望まれ、これまでとは違ったチャレンジにご期待をいただいていると認識しておりますし、それが私の使命と思っていますので、そこは外さずにやっていきたいと思っています。

就任の時にも申し上げましたが、私は壊し屋ではありませんし、何でも壊していこうとは思っておりません。変えるべきものは変え、残すべきものはきっちりと残し、熱に浮かされず冷静にやっていきたいと思います。
変えようと思えば、これまでの歴史やしがらみから、いろんなご意見をいただく形になろうかと思いますが、自ら変えるべきと思ったことに関しては軋轢があることも前提とし、勇気を持って、きちんとやっていきたいと思っています。ただ、いたずらに軋轢を起こす気もありませんし、そこは誠実にお話をしながら、やっていきたいと思っております。

私の好きな言葉に、北海道大学の「エンレイソウ」という建物の中に新渡戸稲造先生が書かれた掛け軸があるのですが、毛筆で「Haste not,Rest not.」という言葉が書いてあります。
額からはみ出んばかりの筆で、翻訳すれば「急がず 弛まず」という言葉になるのかもしれませんが、とにかく倦まず弛まず、立ち止まることなく、あきらめないで一つずつ、行政ですから立ち止まることや断絶ということは許されませんので、きっちりと自分の仕事を進めていきたいと思います。

職員には、「面白い仕事をやろうよ。元気に仕事やろうよ。今までと全然違ったやり方でやっていこうよ。」と語りかけてきました。
行政ですから、きっちりと安定的に市の行政をやってくれていると思いますが、私に期待されているのは、それをベースとして、その上に立って帯広を変えていくことであると思っていますので、普通では考えられないことを戦略的に考えていくことが私の仕事と思います。これも再度一貫して自分に再確認をしなければならないことだと思っています。

あまのじゃくですので、その手の言葉が好きで、例えば、頑張らないで頑張ろうとか、急がないで急ごうとか、割とそういう言葉が自分の中にはよくあります。書き言葉にすれば、漢字で「頑張らないで」と書いて、カタカナで「ガンバロー」と書くとか、そのぐらいの気持ちでいこうとやっています。
普段は考えないようなことを考えようというのは、案外ちょっとした差であろうと思っていますので、職員ともそういうものをベースにいろんな話をする中で、お互いの新しい発見をしながら、新しい市役所をつくっていきたいと思っております。

昨夜、阿寒で温泉ホテルを経営する大西雅之社長の講演を聞く機会がありまして、どの地域にも侍はいると、非常に気持ちよく話を聞かせていただきました。
その中で、地域と共に成長するとか、郷土力を磨くというお話をされておりまして共感できるなと思いました。地域と共に成長するというのは、みんなが当事者になるというお話であると聞いておりましたが、これからみんなが新しい帯広を創っていく当事者になってもらうために、舞台立てや方向づけについて、私も考えていかなくてはならないと思いました。

もう一つの郷土力という言葉は、私が進めようとする「フードバレーとかち」構想そのものであると思いますし、十勝帯広にはアイデンティティーが必要であると思います。
「十勝が好きだよ。」と言った時に、「それって何だよ。」ということになりますが、それがいつまでも百数十年前の晩成社ではないだろうと思いますし、晩成社はベースになりますけれど、そういう中で、今回、私は「フードバレーとかち」を掲げたのだとあらためて考えました。
これからの帯広を考えていく上で、みんなが中心に置くアイデンティティーとして「フードバレーとかち」というものを共有していきたいと思います。

この面白いところは発展途上であることでありまして、これからつくっていけるところが面白いと思います。
祖先から譲り受けたものを金科玉条の如く持っているアイデンティティーではなく、これまでをベースにしながらこれから現在進行形で創っていくもので、これが郷土力に重なるものだと思って聞いていました。

大西社長は阿寒に100年ブランドを創りあげると言っていましたが、今、この「フードバレーとかち」で新しい十勝帯広を創っていくために、面白おかしくやっていこうと思っておりますが、見据えるのは今から50年後、そして100年後であるとお話を聞いていてなるほどと思ったのですが、50年後の絵が100年後にも続く、100年後の種になる、そういう絵にならないといけないと思いました。

帯広の森も100年プロジェクトと言われます、100年後は中々見通せませんが、50年はあるんだなとつくづく思いました。今回、「帯広の森・はぐくーむ」がオープンしましたが、あの施設があるから、これから帯広の森をどのように使っていこうかということにつながると思います。
その当時は循環型とか環境モデルとかいう言葉は無かったはずですので、やはり何か動いていく、やっていくことが大切だと記念植樹の折に思いました。

「フードバレーとかち」が十勝のアイデンティティーと申し上げましたが、それを50年後に向けて取り組み、その発想が100年後に耐え得るものであるかということもきっちりと考えていけるような、そういう作品づくりを今を生きているメンバーと一緒にやっていきたいと思います。

ある方から3の倍数で物事を考えてみたらと言われまして、3日、3週間、30日、3カ月、3年という期間となりますが、なるほどだなと思っておりまして、ちょうど3週間、1カ月経ったところで考えていますのは、新しい環境の中に入って自分を適応させることと、適応できない部分はどこかということを確認しているところです。

報道機関との質疑応答要旨

(報道)補正予算の市長査定がスタートするが、「フードバレーとかち」の位置づけ、ウエイト、予算規模など6月補正に盛り込む中身があれば教えていただきたいことと、推進に向けた専門部署設置についてのお考えを。

(市長)予算に関しては補正で大量の予算が残っておりますので、これをどうするかということですけれども、私のマニフェストもどきを読んでいただいたと思いますが、殊更、第6期総合計画に抵触するようなパターンではつくっておりません。

「フードバレーとかち」も言葉としては新しいですが、これまで十勝帯広がチャレンジしトライしてきたことを旗印的に使っているわけで、「フードバレーとかち」と言った瞬間に新しい予算が出てくる様な形ではありません。
私が指示しましたのは、それぞれ今までやってきたことを「フードバレーとかち」に収斂させていくために、それぞれの部門でやっている仕事をもう一度、優先順位を含めて、並べ直してもらいたいということです。

今までやってきていないことを、やっていくわけではないですから、今まで何をやってきて、それがなぜ止まってしまったのか、または失敗したのか、または放って置かれたのか、そういうことをきちんと確認し合うために、その作業を急いでやってもらっているところです。
補正予算で急にそのための予算を特段引っ張り出して、目玉的な形でやろうということではありません。

ほかにも全部で46の個別施策を出しましたし、10の重点施策も出しておりますが、検討しなくても直ぐに実行できるものについては実行していきましょうということで、リストアップしてもらっており、それに対応していくということを考えています。
私がこれまで何かを継続してやってきているのであれば、そういうものは出しやすいのですが、逆にそこはあまり拙速にやりたくはないとの認識があります。

次に組織ですが、プロジェクトとして引っ張り出してやっていくかということですが、少なくとも私のこれまでの会社員生活では、プロジェクトといって引っ張り出して成功した割合より失敗した割合の方が多いのです。

特に組織で考えると、新しい市長が目玉公約でプロジェクトということで5人10人選ぶとすると、選ばれた人間ができてしまいますし、選ばれなかった人間もできてきます。そうすると選ばれた人間は一生懸命に頑張るかもしれませんが、選ばれなかった人間は割りと横を見るというのが、私が見てきたところです。
帯広市がそうだとは申し上げられませんが、この1カ月の中で帯広市がそうであるか、そうでないかの見識を得るには至っていないということでありまして、これまでの経験から言えば、現状ではマトリックス組織でやった方がいいなと考えます。

今、大きな議論をやっている時にプロジェクトでやってしまうと先程のようなことになりますので、全部がどこかで関わってくることから、マトリックス組織で動かしておいて、個別に短い時間のタイムフレームの中で、何かの結論を出さなければならないような項目が出てきた時に、プロジェクトといいますか、タスクフォース的に動かした方がいいと考えております。

今回は、この時点ではプロジェクト室というものは創らない方がいいかなという判断をしました。

私としては「フードバレーとかち」をアイデンティティーとするために、市役所全部を上げてやらなければならないことだと思っていますので、先ずは市役所職員のみんなが「これで行くぞ。」、「これをやるんだぞ。」という気持ちを持ってもらうことに当面は時間をかけながら、できるだけたくさんの人達と話さなければと思っておりまして、これからそういう時間をとっていかなくてはならないと考えています。

それをやるのにあたっては、私のこの手の話を聞いていても分からないと思いますので、昭和の時代にあったアグリポリス構想や、その後の産業クラスター構想など、その時の帯広市のセクションではどのように対応したのかについて、もう一度見直しをしてくれと言いました。
その報告が来ますので、担当職員とそれを題材に話ができますし、私が考えていることを話して、お互いにこれから取り組む「フードバレーとかち」についての認識を共有化していけるのではないかと思っています。

過去の失敗をあげつらうことではありません。当時も絶対努力したはずですが、時代が早すぎたのか、その時代の制約要因があってできなかったのか、今ではその制約要因はなくなっているのか、ということが分かってくるはずです。

全部長が集まった時に聞いたんです。こんなことをやりたいんだけど、絶対無理だと思う方は手を上げてくれと。これはアイデンティティーだということと、もう一つ、この旗印でここで仕事をしてみたいとか、面白そうだからここでやってみたいとか、いろんな人とか知恵が集まってくるための仕組みでもあるわけです。そんなことをやったって絶対無理だとのっけから思うのであれば、初めから言ってくれと、始まってから言われても困る、と言いましたら、全く無理だという方は一人も手が上がりませんでした。

次にできなかったとしたら、時代が早かったのかと皆さんに聞いてみましたが、そういう状況認識はとても大切であると思っておりまして、それをやっているところです。

これを就任して1カ月目で全部終わらして、2カ月目から急に走るという具合のものではないだろうと思っておりまして、そこは拙速にならないように、しっかりやっておかないと、いろんなセクションがマトリックスだといってあっちこっちへと走られたら大変な事になるので、それをきっちりとやっていきたいと思います。

(報道)副市長人事も焦点になるが、庁内の人心掌握のために庁内から登用すべきとか、新しい市政を始めるのだから退職OBを含め民間人を登用すべきとか、庁内でも色々なことが囁かれていると思うが、方針があれば伺いたい。

(市長)人事は決まるまでしゃべるものではないと思います。人事はいろいろなメッセージを発しますし、人事自体が最終的なメッセージになるわけですから、方針というものが、いろんなものをミスリードしたり、人心を攪乱してしまうのではないかと思います。

自分の中でしっかり取り組まなくてはならないと考えておりますし、私が帯広市第9代の市長に選ばれたことについて、自分なりの認識はしっかりした上で選ばなければならないと思っております。
最終的にはいろんな声がこれから聞こえてくるでしょうが、それも全部込めて結果だけだろうなと思っています。

(報道)口蹄疫の対策はどうか。

(市長)ここまでいろんなイベントを含めて中止にしてきていますし、農政部の方でできる限りの予防をやっているはずですので、それ以上、今お話しできることは持っておりません。

今、国家的な対応に入ってきておりますので、我々もそういうところに違背しないよう、最優先事項ですので予防には取り組んでいかなければならないと考えています。

(報道)エア・ドゥの支援策はどうか。

(市長)こちらに入ってきていただけることはありがたいことですので、それに我々の方で、協力という形で一緒にやっていけることがあればできる限りのことはしていかなければならないと思います。

ある意味でビジネスですし、まだ、先方さんといろんな面で議論をしていく途中ですので、個別具体のことにつきましては、当然ですけれど、我々にとりましてはできるだけ、いろんな面でかからないようにしたいと思います。それ以上のことは申し上げられませんが、ぜひ前向きなご検討をお願いしたいと思います。

飛行機の便数が少なくなったり、東京便だけになり名古屋、大阪地域へのアクセスルートをどうするのかと考えますと、経済的、時間的なロスが出てくると思います。
これからの帯広を考える上で、他エリアへのアクセスルートをどうするのかについては、選択肢は多ければ多いほどよいですし、コスト的にも少なければ少ないほどよいと思いますので、そのために出てくる方策については全て前向きに検討していかなければならないと考えています。

(報道)名古屋線についてはこれからも要請活動を続けていくのか。

(市長)いつまでも未練たらしく言っているなと感じられるかもしれませんが、希望としては我々がそうあってほしいという気持ちを伝え続けていくべきではないかなと思っています。

いろんなご事情があって今回のような方向に動いているのだと思いますが、世の中何が起きるか分かりません。日本の経済状態が上向いてきたり、航空会社の経営状態も含め、どうなるかも分かりませんので、それをこちらが決めつけてはいけないと思っています。

それよりも、こちらがこうして欲しいということを伝える、小牧空港に何か問題があるのであれば、その代替はないのという形で、一つのことにスティックして、そこで止まってしまわないように考えていった方がいいなと思います。

これも交渉ですから、打ち切ってしまえば何もなくなってしまうと思います。しつこいかもしれませんが、我々は中部あるいは関西エリアに対してどういう気持ちがあるのか、どういうニーズを抱えているのかということを弛まずにやっていって、先方の状況が変わった時にこちらで対応できるようにしておくことが大切かなと思っています。

(報道)市長になって1カ月、一番印象に残ったことは何か。

(市長)まちを歩いていると皆さんが笑顔で話しかけてきてくれます。「頑張ってね」、「いいまちにしてね」といっていただきますので、どこに行っても皆さん私のことを知っていて、顔を見ると飛んできてくれて話しかけていただけるということで責任の重さを感じますし、こうやって市民の皆さんから声をかけていただける市長でありたいなと思っております。

(報道)普天間基地の移設に絡んで、政府は全国の自衛隊基地への訓練移行を要請する考えがあるようであるが、それについての考えは。

(市長)是々非々です。一部分だけでコメントする問題ではないと認識しておりますし、自衛隊の位置づけは非常に重要な問題でありますので、仮定でお話しても仕方ありませんので、そういう話が実際に出てきた段階でじっくり考えたいと思います。

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