平成22年12月 市長記者会見

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ページ番号1001214  更新日 2020年12月14日

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とき
12月15日(水曜)16時40分〜17時10分
ところ
市庁舎4階 会議室
出席者
米沢市長
農政部ばんえい振興室 合田室長
ソフトバンクプレーヤーズ株式会社 藤井社長
オッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社
新名(にいな)社長

写真:記者会見の様子

平成23年度ばんえい競馬開催について

(米沢市長)
本市単独開催から4年目を迎えております「ばんえい十勝」は、本年度の日程のうち102日間の開催を終えました。これまでのところ、発売額は前年度対比98パーセント、予算対比約95パーセントという状況で推移しています。

本年度は、昨年度開催しました薄暮(はくぼ)レースを中止し、デイ開催とナイター開催の2本立てで実施するとともに、9月末には、ばんえい十勝7カ所目となる網走場外発売所を新たに開設するなど、売上向上を目指し取り組んできたところです。

また、8月には、競馬場敷地内に地域産品や食、スイーツなどを販売する「とかちむら」をオープンいたしました。報道の皆さまのご支援を始め、道東自動車道の通行無料化などもあり、管内はもとより管外からも多くのお客さまをお迎えすることができました。競馬場スタンドへの入場者も昨年同時期に比べ25パーセント増で推移するなど、観光拠点としての定着を実感するとともに、多様な年代層のお客さまのご来場により、競馬場のにぎわい感や雰囲気が大きく変化していることを実感しています。

今年度の開催日数も残すところ50日を切りました。今後、各クラスのチャンピオン決定など重賞レースも多くなり、年末年始も開催いたしておりますので、ぜひ多くのお客さまに足をお運びいただければ幸いです。

このような環境の下、帯広市とオッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社は、このたび、次年度も引き続き両者で「ばんえい十勝」を運営していくことで基本的に合意しましたので、ご報告いたします。

現在、競馬をはじめ公営競技全般が厳しい運営状況にあると認識していますが、早期の景気回復など、取り巻く環境が好転することを期待する一方、地域が誇る世界唯一のばんえい競馬、馬文化を地域づくりの中に生かしていくため、主催者である帯広市はもとより、オッズパーク・ばんえい・マネジメント株式会社をはじめ、馬主(うまぬし)、調教師、騎手など、競馬関係者の皆さまのご協力をいただきながら、「ばんえい十勝」の経営の安定化や魅力ある競馬の実現に取り組んでまいる考えです。

次年度には、地方競馬主催者共同による発売払戻システム、共同トータリゼータシステムというようですが、この導入による新たな勝馬投票券の発売も予定しており、これらの動向も踏まえ、長期的な視点にたって「ばんえい競馬のあり方」を検討するとともに、これまでの経験やノウハウを基に、一つひとつの課題に対し、しっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

ファンあっての「ばんえい十勝」です。

変わらぬご支援、ご声援をいただけるよう、ファンの皆さまの声をしっかり受け止め、愛される競馬の実現に努力してまいります。

また、報道の皆さまにおかれましては、引き続き変わらぬご支援、ご協力をお願い申し上げ、私からの報告とさせていただきます。

(藤井社長)
藤井でございます。昨年、弊社の経営体制を変更しまして、本店所在地を帯広市に移し、私が代表ではなくなっていますが、今日は、親会社のソフトバンクプレーヤーズ株式会社の代表取締役としてここにおります。

ばんえい十勝は、発足4年目になりまして、市長の方から報告がありましたとおり、4年間にいろいろな取り組みを行ってきました。その中の一番大きい取り組みが「とかちむら」の開設です。とかちむらが実証した人の流れを変えるということを、今後さらに発展させていくことが必要になってきます。我々としては来年以降についてもとかちむらの実績、実証をみながら、来期以降にかけて期待をもちながら、さらに大きくしていきたいと考えています。

大筋合意ということになっていますが、4年前の支援の表明の時から変わらぬ思いは、我々ソフトバンクグループが支援している競馬事業という状態から帯広・十勝の観光拠点としての競馬場に変わっていき、総体的な姿として競馬場全体の産業の中で競馬事業の比率が小さくなっていくことが健全な姿だと思っています。それに向けて来年度も我々としても帯広市さんはもとより地元の皆さまと一緒に考え、実行していきたいと考えています。

資料

報道機関との質疑応答要旨

(報道)売り上げの最終見通しはいかがか。

(合田室長)例年、夏場と冬場の売り上げをみますと、冬場に伸びる傾向があります。なんとか100パーセントを目標に、届くようにこれから頑張っていきたいと考えています。お客さまに多く来ていただかなければ売り上げが伸びません。年末とお正月も5日間連続で開催しますので、多くの方のご来場をお願いしたいと思っています。

(報道)大枠の合意ということは、これからどういう調整があるということか。

(合田室長)基本的に来期も両者でやっていこうということです。今後、日程の調整ですとか、運営のあり方について、まだ一部両者で話し合っていかなければなりませんので、そういう意味で大枠合意としています。

(報道)これからうまくいかないということは基本的にないということか。

(合田室長)運営の部分では基本的に合意したと思っています。時間帯ですとか発走時間のことなど細部について、今後両者で考えていくということです。

(報道)「長期安定的な存続と更なる発展を可能にするため具体的な仕組みづくりに取り組んでまいりたい」とあるが、具体的にどういうことか。

(市長)事業ですので、計画というものをもって事業にあたらなくてはなりません。短期的に今年はとにかく黒字にしよう、ブレイクイーブンにしようということのみが目的になっていると、足元ばかり見てしまうことになります。確かに毎年今後の継続について議論をしますが、例えば5年間という中期的な視点を持ってこの事業をどう見ていくのかということを両者で確認しながら、考えていきたいと思います。そういう感覚がなければ、近視眼的な見方になってしまいますので、目標を作ってお互いに確認し合っていくという姿勢を改めて確認したというところです。

(報道)組織を設けるとか、定期的に話し合いの場を設けるということか。

(合田室長)我々が現在考えていますのは、競馬関係者はもとより経営的に外から見ていただけるような方にもお入りいただき、委員会方式のようなものを作り検討していきたいと考えています。

(藤井社長)4年前から繰り返し帯広市さんとお話させていただいているのは、馬券の売り上げに依存する事業モデルというのはきつくなっていくことは元から分かっていますということです。その中で、帯広競馬場を場所のビジネスとして考えて、馬券の収益に100パーセント依存しないようなモデル、今回とかちむらが一つのモデルになっていくのかなと思っています。

さらに発展させて十勝というブランド、観光拠点としての競馬場のあり方を議論していきたいとお話させていただきました。初年度からばんえい競馬の経営会議というのが年2回ほど公開で開催させていただきました。結果的には競馬の経営の議論に終始し、競馬場ビジネス、観光拠点の議論までには発展しなかったということです。5年目を迎え新体制になりましたし、新たな出発をし直したいということでお話をさせていただいたという経緯があります。

(報道)2009年度の決算でオッズパーク・ばんえい・マネジメントさんの方で赤字が発生し、市の基金から5,000万円全額を投入している。本年度、赤字が発生した場合は、今の構造では受託者の負担となると思われる。来年度以降も赤字、黒字が分からない中で主催者、受託者の立場としてどう考えるか。

(藤井社長)受託者としては当然、当初4年前の枠組みを踏襲しています。年度ごとに若干の変更はあるものの、契約を公開しています。相互理解の上で進めていると理解しています。とはいいつつも赤字が出ている状態で、累積額も計算すればそれなりの金額になりますが、もう一回仕切り直しですね。

これから先、例えば5年とかのスパンを見て物を考えていこうという方向に話し合いをさせていただいています。5年後の未来に期待を持ちながら、来年度も見極めをしながらやっていきたいと考えています。

(合田室長)来年度、新たなシステムも導入しますので、そうしたところの工夫を両者でやっていこうと協議をしているところです。

(市長)どのくらいのスパンで物事を考えるかで見方が変わってきます。短期、中期の両方の見方を持った上で、いろいろな事に当たっていきたいということを今、再確認しているということです。

(報道)現在、単年度契約であるが、今後、複数年契約の可能性もあるのか。

(合田室長)競馬の開催は、毎年度、総務省の指定申請を受けなければなりません。認可は1年ごとになりますので、運営を受託していただく方と帯広市の関係と、実際の法的な部分のことがありますので、確認をしつつ、契約は単年度になっていくと考えています。

(報道)来年の開催に合意されたのは、とかちむらのオープンがポイントになったと考えていいか。

(藤井社長)一つの判断材料として、とかちむらのオープンが非常に大きかったと思っています。人の流れが変わったと思っています。脱線しますが、私はJR東日本の出身です。丸の内から新宿に本社が移転した時に、新宿駅南口に新宿サザンテラスを作り、人の流れが相当変わりました。

当時の山ノ内会長が、「人の流れを変えられるということは大きいことである。人の流れを変えるということは経済を変えるということである。」と私に言った言葉があります。とかちむらで完全に人の流れが変わりました。これはすぐにではなくても来年、再来年に競馬場内の経済に良い影響をもたらすと思いますし、流れが変わったというのをステップに、さらにもっと流れを変えられるように考えていきたいと思ったのもあります。とかちむらは判断材料の一つではあるものの、大きな判断材料であったと思います。

(報道)来年は、エアドゥ(北海道国際航空株式会社)の就航や道東自動車道の開通などがあるが、計画している事業などはあるか。

(合田室長)我々、ばんえい競馬のセクションだけでなく、観光分野などさまざまなところでの仕掛けを既に始めています。今後、より強力に進めていかなければならないと考えています。

(新名社長)先日、札幌方面の旅行代理店さんなどに対して、オール十勝の取り組みということで観光コンベンション協会さんや十勝観光連盟さんなどとのキャンペーンあるいは十勝にはこういう物があるよという紹介も含めさせていただいています。また、ANA(全日空)グループさんに対して、帯広あるいは十勝川温泉に来ていただいた際に、PR、あるいは営業活動を一緒にまわらせていただいていることを始めています。

(報道)ばんえい競馬事業には一般財源から補填(ほてん)をしないとの方針であるが、事業継続の考え方はいかがか。

ばんえい競馬事業の経営において、民間企業経営者としての経験を踏まえた市長としての手腕をどう発揮するのか。

(市長)ばんえい競馬は今まで同様の考え方で、継続を大前提として考えています。4月の就任からまだ8カ月でありまして、フルに1年間見ているわけではなく、いろいろな形で勉強させていただき、自分の中でそしゃくしているところです。行政ですから継続性ということをまず旨としています。

私は民間にいて、大小ありますけれども会社の経営に携わらせていただきました。人、モノ、金といいますが、どういう組み合わせでいくのか、マーケットの大きさ、マーケットがなければ新しいマーケットを創造することが可能なのか、対象が大きな環境の中で変わっていくと思います。先ほど人の流れが変わって経済に影響するという話がありましたが、まさにマーケット自体が変わってくる予感がしています。その辺を見極めなくてはならないと思います。単純に数字で損益分岐点を判断するとしたなら、パソコンに入力すればすぐ出てしまう話で、誰でも投資が成功するわけです。リスクとリターン、時間軸、マーケットの大きさが重なってくるところを議論していくのだろうと思います。それを関係者でしっかりと議論をしながらやっていくのが経営だと思います。いわゆる「えいやっ」とその場で物事を判定するというのが本当に経営なのかなと。いろいろなことを取捨選択していくのが経営と考えています。冒頭に申しましたが、継続の中で新しい可能性も探っていきたいと考えています。

(報道)藤井会長から市長への期待をお聞かせいただきたい。

(藤井社長)市長への期待といえるかは分かりませんが、事業は継続することが大前提です。継続するということは何らかのステイクホルダー(利害関係者)の間において調和が求められていくことになります。今、100億円を超える売得額があるばんえい競馬は、帯広地区においては最大規模の産業の一つであると思われます。100億円規模を構成するすべての産業においてステイクホルダーを持つために、帯広市が先頭に立って、我々も馬主さんも関係者全員で調和のあり方について議論しながら進めてきたというのがこの4年間だと思います。これからは、新たなメンバーをどんどん加え大きな輪にしていき、全体のマーケットも大きくしていけたらいいと考えています。さらなる積極的なリーダーシップを市長に期待しているところです。

(報道)継続するに当たって大きな課題と考えられる競馬場のインフラ、老朽化した厩舎(きゅうしゃ)の整備や新馬登録数の減少などについてどう捉えているか。

(市長)ご指摘とおり課題があると認識しています。結局、バランスの中で考えていくしかないと思います。ない袖は振れませんので、先ほどステイクホルダーといいましたが、事業を継続していくためには、そこに関わる利害関係者の方々のバランスをとっていくというか、話し合いをきちんとして、その時々の環境にあったやり方をしていくしかないと思います。逆にそのどれが欠けても致命的なことが起きてしまう可能性があります。今は、皆さんで継続を前提とした中で考えていこうという姿勢になっているということです。

(藤井社長)厩舎の老朽化は問題だと思います。新馬の問題も馬主さんや生産者の高齢化もあり、代替わりがないということは賞金の問題も根深くあると思っています。そういうことも含めてどのように調和していくかということだと思います。恐らくどこかで改革の動きをする必要があるのではないかと私は思っています。その改革的な動きを、帯広市と我々が一緒に作り上げながら関係者と合意をとった上で、新たな姿に向かって進めて行くということが求められていると思っています。

馬券に依存しているモデルというのは限界があります。馬の頭数は何頭が適性なのか、賞金がどうあるべきかということも含めて、5年目を迎えますので、当初の枠組みをもう一度検証しながら考えていくタイミングではないかと、私個人としては思っています。

(報道)改革していくことが必要ということか。

(藤井社長)さきほど話が出ていた厩舎が古くなりました、逆説的に建て替えましょうが最適な答えではなくて、全体のバランスを保つ中で、厩舎を建て替えなくてもこうすればいいのではないかというアイディアがあれば、そのアイディアを検討した上で進めていかないといけないのかと思っています。

(報道)議会の方でも北海道からの支援がどうなのかという質問があったが、市長として北海道にどう支援を求めていくのか。

(市長)要望といいますか意見として出していただいたことを真摯に受け止め、どういう形で北海道とお話ができるのか検討しなければならないと思っています。

(報道)財政支援も含むと捉えていいのか。

(市長)どういうものが現実的かを庁内で考えて、実現化できる話で持っていかなければならないと思います。

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