平成30年4月20日 帯広市・競馬モール株式会社 共同記者会見

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ページ番号1001175  更新日 2021年1月15日

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とき
4月20日(金曜日)14時45分〜15時10分
ところ
帯広競馬場2階 会議室
出席者
楽天株式会社執行役員・ドリーム事業長
競馬モール株式会社代表取締役社長 木村 美樹 様
競馬モール株式会社運用部長 新名 貴之 様
帯広市長 米沢 則寿
帯広市農政部 ばんえい振興室 佐藤 徹也

写真:楽天株式会社との共同記者会見の様子

ばんえい競馬振興に関する帯広市と楽天株式会社の取り組みについて

<市長> 楽天競馬さんには、インターネットでの勝馬投票券の発売を行っていただいております。昨年度の発売額は、対前年度比121.03%の約56億円に達し、ばんえい十勝の売り上げ増に大きく貢献いただきました。
このほか、昨年度は、JRAジョッキーデイをはじめ、多くのイベントへのご支援や、ばんえいアワードの実施のほか、「楽天競馬 馬産応援賞」を通じた生産者への支援など、さまざまな形で、ばんえい十勝の振興に力強いご支援をいただきました。
今年度も、競馬場のイベントへのご支援のほか、さらなる生産者振興策や魅力発信のための新たな取り組みを企画されており、大変ありがたく、心強く感じております。
この楽天競馬さんの応援企画によって、ばんえい競馬の魅力を発信し、全国にファンがさらに広がり、これまで以上に盛り上がることを大いに期待しているところであります。私からは以上です。

<木村社長> 本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。楽天株式会社の木村でございます。競馬の運営に関しましては、楽天100%子会社の競馬モール株式会社を運営しておりまして、そちらの代表取締役も務めさせていただいております。
初めに、ばんえい競馬をここまで発展されてこられました米沢市長と再びこういう場所で会見できることを、改めてお礼申し上げます。

まず、「ばんえい十勝応援企画」の説明をさせていただきます。元々、ばんえい競馬は日本ではここでしかやっていない特殊な競馬ですので、まだまだ全国的にいうと平地競走に比べ認知が低いという課題がございました。そうした認知度を拡大していって、参加者を増やしていくことが、この企画の趣旨でございます。馬券を買ってばんえい競馬をみんなで支えるという意識を持っていただくとともに、どのチャネルで買っても同じ値段・同じ価値の馬券を、競馬ファンの皆様に敢えて我々楽天競馬で買っていただく意義を実感していただくための企画です。2017年度は先ほど市長からありました通り、ばんえい競馬全体で約220億円の売り上げのうち約56億円を楽天競馬で発売させていただきました。

2013年から「ばんえい十勝応援企画」と銘打ちまして、帯広市と共同でさまざまな企画を実施してきました。主に施設整備やイベントの実施、また昨年度からスタートした「ばんえいアワード」の創設など、ばんえい競馬の魅力を外部に伝えると同時に、新たな魅力を創出することに充ててまいりました。

2017年度の取り組みを振り返ると、目玉だったのは、多くのメディアに取り上げていただいた「馬産応援賞」、生産者賞です。この10年はどちらかというと売上向上策に主眼を置いてきたのですが、市長からもございました通り、売上は見違えるほど急激に回復してきたと感じております。直近はばんえい競馬の売り上げが非常に好調で、単独開催でも過去最高の数字を残しています。一方で、今後ばんえい競馬を継続的・安定的に運営していくに当たっては、生産振興策の不足に伴う競走馬の新規登録数が減少している現状が最大の課題であると、帯広市と共通の認識を持っているところです。そこで帯広市と協議の元、生産振興策にフォーカスして取り組んでいこうということで、当「馬産応援賞」の設定を進めさせていただきました。また、「ばんえいアワード2017」においても、新たに生産者賞の部門を制定しました。これら一連の取り組みを含めて、生産者に少しでもスポットが当たるといいますか、ばん馬の生産を促進していただくことに注力したのが、2017度の取り組みでございました。2017年度の「ばんえい十勝応援企画」はこの「馬産応援賞」を含め、総額1000万円の拠出をさせていただきました。

それでは、2018年度、本日からの取り組みをご紹介します。馬券をご購入いただくばんえい競馬ファン向けに、大きく2つのキャンペーン内容で設定をさせていただいております。ばんえい十勝というものを知っていただくための継続的な取り組みに全て利用させていただくことを柱として、合計で1100万円を積み立てる計画を立てております。積み立てたものをどういう形で使っていくかについてもご説明させていただきます。

まず生産者賞については今年度も継続させていただくのですが、帯広市との協議のもと、当「ばんえい十勝応援企画」ではなく、主催者である帯広市の単独事業として拡大・継続していくことになりました。帯広市から合計510万円を生産者賞に拠出されます。楽天と帯広市共同の取り組みとしましては、本年度、これから生産頭数を拡大していくという流れを創っていくために、将来の馬主になっていただく候補者の拡大にチャレンジしていこうと考えております。通常のサラブレッドよりも価格帯的に所有しやすいということもございますので、そういったことも含めて馬主になっていただくための促進策というものを取り組んでいきたいと思っております。こちらに関しましては、帯広市と手を携えて、帯広市の手の届きにくいところを楽天が担っていきたいという考えの元で創設した企画でございます。

先ほど第1レース発走前の市長ご挨拶にもありましたが、やはりばんえい競馬を全国の方々に知っていただき、また買っていただくということが我々にとっての使命だと感じております。ばん馬というものを平地競走のファンはまだ知らないということもございますので、各地イベントに参加してばんえい競馬のPRを行なうPR用ばん馬を、現状の3頭にもう1頭追加で導入したいと考えております。楽天競馬で買っていただいているお客様の6割から7割は、東名阪(関東圏・中部圏・関西圏)でございますので、そういった地域を中心に、その1頭を加えたPRばん馬にて、全国的なばんえい競馬周知のためのイベントを展開していきたいと考えています。

また、以前より継続している取り組みですが、楽天競馬でばんえい十勝を買っていただくことをより促進していくため、「ばんえいコイン」というプログラムを導入しています。今年度はさらにこのプログラムを充実していきたいと考えています。従来から、「厩舎や馬に人参をプレゼントする」という特典や、「十勝管内の特産品」などを景品として出してきていますが、さらにそのラインナップを充実させていくとともに、コインの交換だけでなはなく、よりレアなグッズ、例えば騎手や競走馬が使用したものといった、中々入手しにくい商品を取り入れて、よりばんえい十勝の魅力を伝えながら買っていただく方を増やしていければと考えています。こちらは説明が難しい部分もありますが、特設サイトの方も充実させておりますので、そちらをご確認いただければと存じます。

最後に、本年度のスケジュールです。先ほど説明しました通り、今年度の新たな取り組みは、新たな生産振興策として将来の馬主候補を増やすための取り組みと、新たなPRばん馬を導入すること、この2つとなります。これは現在関係者と協議をしておりますが、だいたい夏頃までには概要が固められるのではないかと考えております。総じて、ばんえい十勝の魅力というものを各方面に拡散していくのが、プラットフォームを提供している楽天という会社の使命だと思っておりますし、楽天市場であれ楽天トラベルであれ、楽天が提供しているサービスは同様のコンセプトで臨ませていただいております。
私からは以上です。

報道機関との質疑応答要旨

<報道> 新しく始める馬主を増やすための策として、具体的に決まっているもの、計画しているものを教えてください。

<木村社長> まず、楽天競馬会員の一部の方を対象にした生産牧場見学ツアーを考えています。今まで、ばんえい競馬の馬主になりたいと思った人がどういうふうになれるのかわからないという方がかなり多くいらっしゃるということを我々は聞いていますので、馬主になるための情報も含めて生産牧場とのコミュニケーションを増やしていく中で、馬主になれることを周知していきたいと思っています。

<報道> こういう支援に取り組むのは全国の競馬場で初めてですか?

<木村社長> サラブレッドの平地競走の場合、(セリやネットオークションなど)馬の入手チャネルというのが割と揃っている部分があります。ばんえいにおいては、一時危機的状況だった売上面はだいぶ危機を脱している現状ですので、今後、長い期間でばんえい競馬を続けていくためには、やはり生産頭数の減少が課題です。生産頭数を増やしていくためには、まず馬主になってもらえる人を増やすことが良いのではないかと考えています。そういう取り組みは地味ですが、それを地道にやっていくことで、「ばんえい競馬の馬主になるにはこういう風にやるんだ」とか、「サラブレッドの約半額くらいでなれるのかな」とか、そういった具体的なことを伝えていくというところから進めていきたいと考えています。ツアーに関しましては、参加者は当初は10名規模の少人数になるかもしれませんが、ツアーの状況などをホームページなどを通じて発信していくとことで、より多くの馬主になりたいと思う人たちなどにお伝えしていきたいと考えています。

<報道> 新しい振興策の1つとして、PRばん馬の導入について、今のPRばん馬3頭のうち、リッキー号は帯広市の嘱託職員で年齢は20歳ぐらいの高齢でもうじき卒業するのではと思っていたが、その後継馬ということか。また、新しいばん馬は、現役の競走馬から選ぶのか、それとも引退したばん馬かということをお教えいただきたい。

<木村社長> 具体的に今後リッキーをどうするのかといったことに関しては帯広市の判断ですので私からお答えは難しいところですが、確かにPRばん馬の高齢化は認識しております。PRのため全国を回らなければならないということを考えると、3頭だけ、さらに高齢化が進んでいるばん馬では難しいということを帯広市からもご相談いただいていましたので、もう1頭ということで考えています。どの馬をPR馬に導入するかということも、現在、相談させていただいている途中であり、まだ決まっていません。

<報道> 所属は楽天競馬さんで持つ馬になるのですか?帯広市の嘱託職員としてのPR馬になるのか?

<新名部長> 今のPR馬と同じ位置づけになると考えています。

<報道> 先ほどの生産牧場ツアーの時期は、具体的に決まっているのですか。

<木村社長> 具体的に何月とは今の段階ではお答えできませんが、夏頃までにはやりたいなと思っています。

<新名部長> 補足させていただきます。夏までにというのは、概要を固めさせていただくということです。実際にツアーを行く際には馬がいる、いないというのは、季節によって変わるものですから、せっかく行っても馬がいないという場合にはツアーの魅力が削がれてしまうので、その辺りも実際に見に行かせていただく生産牧場と相談させていただきながら、実際のツアーの時期は決めさせていただきたいということでございます。

<報道> 道外イベントについて、馬券売り上げの70%が東名阪地域ということですが、名古屋の売り上げが良いという理由を教えてください。

<木村社長> 人口が多いということです。楽天の場合インターネットで地域の偏りなく発売しますので、統計通り、人口の多い東京、大阪、京都、兵庫、愛知などが多くなります。また、競馬場がある都道府県では比率は少し高くなるので、人口比率よりも若干売り上げが増すという傾向があります。名古屋は大都市であり競馬場もあるため売り上げが多くなります。

<報道> 2017年度の219億円という過去最高額の売り上げで、黒字が増えて喜ばしいことだと思うのですが、一方で、帯広市としてばんえい競馬における課題はどういうところですか。

<市長> 過去最高額の売り上げを記録することができたわけですが、老朽化した競馬場の施設、そして設備の更新改修ということは、我々にとって緊急性を考慮したうえで、きちんと計画的に進めていかなくてはいけないという課題と認識しています。今年度は、老朽化した厩舎のうち、2棟を建設予定ということになっています。それから、これはもう永遠の課題ですけども、いわゆる公正な競馬の確保ということで、これまでも関係者と一丸となって信頼回復に向けて不断の努力をやっておりますけども、これからも気を引き締めて事故というのはあってはいけないことですから、その辺もしっかりと、運営上の課題として認識しているところです。

<報道> 今回、生産頭数の減少に対応するために馬の生産を新しく増やすことというのは市としてどういうふうに捉えていますか。

<佐藤室長> 生産者賞を単独で楽天競馬さんがやられた部分を引き継いで、帯広市のほうで予算化しております。昨年は800万円の予算だったものを2600万円に増やしております。それと合わせて、地方競馬全国協会さんと協議させていただいて、日本馬事協会さんから通じて4500万円、生産支援のための予算をいただくことになっています。その4500万円というのが、2歳馬、今年度デビューした馬の出走回数に応じて、その生産者の方にお支払いをするということです。予算は頭数によって、一回当たりの出走に関するお支払が変わりますけれども、そういった予算を頂戴してそれを帯広市からお支払いするという、総額7100万円の予算で生産者の方に生産振興ということで支給させていただくということになっております。

以上

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