平成30年7月2日 市長記者会見

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ページ番号1001171  更新日 2020年12月14日

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日時
平成30年7月2日(月曜日) 13時30分〜14時02分
場所
市庁舎4階会議室
出席者
帯広市長 米沢 則寿
政策推進部 安達部長、河原室長
商工観光部 礒野観光航空戦略担当部長
記者数
9名(テレビカメラ2台)

写真:記者会見の様子1

写真:記者会見の様子2

会見項目

市長からの話題

  1. 国際農業機械展の開催について
  2. 地方創生フォーラム2018への参加について

記者からの質問

  1. 農業機械展について前回と今回との相違点はどこか
  2. 農業と他産業を結びつけるために、行政が行わねばならないことは何か
  3. 今回の人事異動で意識したことと、狙いは何か
  4. 大樹町でのロケット打ち上げが失敗したが、それについてどう思うか
  5. 気象衛星と農業の関係について、どのような期待を抱いているか
  6. 今後、政策的な予算に市長のカラーをどのように出していくのか

市長からの話題

国際農業機械展の開催について

<市長>
4年に一度開催される国際農業機械展は、今年で34回目を迎え、今月の12日から16日までの5日間の日程で、北愛国交流広場で開催されます。
このイベントは、国内外から約20万人の入場者を迎える地域最大級のものであり、今回は7カ国の海外出展を含む135社・団体の出展が予定されております。会場には、農作業の省力化や効率化を図る最新鋭の農業機械が一堂に展示され、成長産業としての農業や関連産業の一端に触れる貴重な機会が提供されるものと期待しております。
また、共催イベントとして、同会場にて「フードバレーとかち食彩祭2018」を開催します。十勝産の食材を使用したメニューの提供など、十勝の「食」にこだわった飲食ブースや物販ブース、およそ50店舗が出店します。 十勝の大地から生み出される安全・安心な農畜産物を活用したご当地グルメや特産品など、十勝の食の魅力や美味しさを存分に堪能することができます。
両イベントを通じて、十勝・帯広の良質で安全安心な農畜産物や農業機械の歴史など、幅広く国内外に周知できるものと考えております。
毎回、多くの市民の皆様にご参加いただいておりますが、市民の皆様への周知など、ご協力いただきますようお願いします。

地方創生フォーラム2018への参加について

<市長>
来月8月2日に札幌で開催される、ヤフー株式会社主催の「地方創生フォーラム2018」に、私が登壇することとなりました。
このフォーラムは、自治体と企業の連携のきっかけをつくり、地方創生を加速化することを目的に、札幌、東京、大阪、福岡の全国4か所で開催されるもので、今回で8回目と伺っています。
当日は、主催者や内閣府、共催・協賛企業によるご講演の後、帯広市からのプレゼンテーション、パネリストによる地方創生プランの提案、道内自治体や企業等の参加者によるワークショップなどが予定されています。
未来に向けた十勝・帯広の可能性について、全国でご活躍の企業関係者の方々や、地方創生に取り組む道内関係者の方々などから、私どもとは異なる目線で新鮮なアイデアをいただけるものと期待をしているところです。
以上であります。

記者との質疑応答要旨

<十勝毎日新聞>
農業機械展について。市長になってから2回目だが、前回と今回の出展の概要を見て変化などを感じる部分はあるか。

<市長>
前回、一番記憶に残っているものは搾乳ロボットなどの酪農関係のロボットが多かったが、その後GPSやドローンの技術を活用した機械がこれまでとは違った形で農業関係でも展開されてきている。さらに、様々な場所で実証実験が行われている現状もある。このような点が前回とは違っていると思う。今回の農業機械展の詳細はまだ見ていない。しかし2年前にAIやロボットが展示されるドイツのハノーバメッセに行ってきた。その際に農業関連の展示を見て驚いたのは、農業単独ではなく、宇宙関連や保険に関係するもの、さらには気象といった農業に関してリスクだと考えられるもの、どうしようもないと思ってしまうものについて、そのリスクを回避したりコントロールしたりするための産業が農業の周囲に多数、関連付けられており、そういったプレゼンを見たことだった。今回の農業機械展にどの程度こうした展示があるか、というのは楽しみである。ポイントとしては若干違うと思うが、「農業が成長産業になる」と先ほど述べたように、そういった異業種と関係を持つ中で、農業の生産性を上げていくこと、そして農作物の価格をどう維持していくのか、そのためにどのような金融や保険、先物取引といったものをどう繋ぎ合わせていくのかで、世界の農業が動いているということを、認識はしているが、今回の展示でどの程度でてくるか、具体的な中身を見ていないのでまだわからないが、個人的な関心がある。

<十勝毎日新聞>
先進技術を取りいれるだけではなく、他の産業と結びつけるということについて、地方行政がやるべきことはどのようなことだと思うか。

<市長>
難しい問題だと感じている。ドイツに行った際にも、行政が関わったものはなく、ほぼ民間企業が主体となった展示しかなかった。ある意味、先端ということに関して言えば、行政は一番遅れを取っている。それは他人任せということではないが、グローバルに言っても「こういう新しいビジネスを作っていくのだ」というところを民間企業が作ってきて、そこに国や地方行政がどのようなバックアップができるか、という形の順番だと思う。昔の経済産業省や通産省のような、「自分たちが考えたことが一番なのだからお前らもやれ」というようなパターンではない。そういう意味で私がこの地域に期待しているのは、フィールドと先端的な技術を作るアグレッシブな人々がいるので、このフィールドを使って日本における農業の最先端を、畜産大学も含めて作ってきていただけるというところに、常に寄り添い、民間企業などがリスクを取れない分野について、行政がそのリスクを負っていく、という議論ができればいい。そしてこれまでの日本にはない制度だ、ということになれば、それがつくれるのか、ということになるが。しかし我々が最先端を引っ張って、それに「こういうのぶら下げるから、みんなやっていかないか」というような、ものずごく古いパターンの産業創造のパターンではなくて、と考えていくと今回の農業機械展は様々な国から人や情報が来るので、ここの人たちを含めて、いろいろな刺激を与えてもらえるのであれば、我々はしっかりとこのイベントを今後も継続していけるようにフォローしていきたいと思っている。

<十勝毎日新聞>
明日以降、帯広市の人事が発表されると思うが、市長3期目ということも含めて、今回はどのような意識で人事異動を行ったのか。また、その狙いがあれば教えてほしい。

<市長>
人事は生き物で組織が硬直化しないように、といったようなことが必要であり、今回に限らず、いつも同じ気持ちでやっている。8年市長を務めたが、1期目、2期目と比較すると、職員の顔や声、個性など、さまざまなことがよりわかってきており、出した公約を実行していくのにどういった形が良いのか、ということを考えた人事だった。従来では入っていないような公約も入っており、公約を4年間で実現するためにやらなければいけないことを含めて今回の人事を考えた。今回は大きな組織改正には踏み込んでいないので、人でやらなければいけない。そして、4月の人事の際は今回の7月にも人事があるため、欠員が出た部署の人員補充などといった絶対やらなければいけない人事を行ったわけで、4月は例年と比べると100人弱くらい人数が少ない人事異動だった。そのため今回はその足りなかった分をやっていくので、100人弱くらいの人事異動になる。毎年4月に300人規模の人事異動が行われているが、ざっくり言うと、この4月は200人程度だったので、トータルでみるといつもと比べて特別変わっているということはない。どうしても2年、3年、5年といったローテーションを見通しながらやっているので、ある年は100人増えたとか、ある年は100人減った、というようなパターンではできない。

<北海道新聞>
大樹町でロケットの打ち上げがあり、市長も現地へ行かれていたと思うが、宇宙産業誘致期成会の会長でもあるが、今回の結果をどう受け止めたか。また今後に対する思いがあれば教えてほしい。

<市長>
ぜひくじけずに再チャレンジしてほしいと思っている。あの場にいた全員が「今日は上がる」という期待感と印象を持っていたのではないかと思う。多くの人は最初にパブリックビューイングのスクリーンを見ていたが、ロケットが上がり始めたのを見てスクリーンから目を離して実物が飛んで行く方向に目を向けたものの、ロケットが飛んでこないので、スクリーンに目を戻したら、爆発炎上している映像が流れていて驚いたと思う。あそこで止まってしまったというのはほとんどの人が予想していなかったと思う。予想していないことが起きると落胆は大きいと思う。しかし、堀江さんも言っていたが、そんなに簡単ではないということを我々は認識する必要がある。大樹で、民間主体でチャレンジしている、いわゆるベンチャーな企業がああいうものを飛ばしていくということは、難しいからこそ余計に価値があることだと思う。堀江さんは、「デスバレー」と表現したが、どうしても最初に新しいチャレンジをやっていくうえで面白い話、ユニークな話があると、投資家を含めて最初は期待をしてくれて資金も集まるが、中々大企業のように順調に進んでいかなくて、その間に資金が、キャッシュフローが枯渇してきて、苦しくなっていく。その間のお金の動きをグラフにすると、ぐっと下がる谷のようになる、ベンチャー投資ではデスバレー、死の谷という言い方をするが、デスバレーで2度と這い上がってこられなかった会社を何千社と見てきたが、でも這い上がってくる会社もいる。なので、そういう面では今回の原因などをしっかりと調べてほしいし、帯広市長としてではなく、ベンチャー投資の経験がある人間として言えば、起きたことをしっかりと捕まえて、投資家にわかるように説明さえすれば、このマーケットというか、このようなチャレンジはみんな夢を持ってくれているフィールドなので、またお金を出してくれる人もいるのではないかと思う。ただ、そこがわからなかった、というような話になったり発表が遅くなったりすると、だんだんと信頼関係がなくなってきてしまう。そういう面では拙速ではなく早急に、一生懸命やっているだろうが、投資家との接点を意識しながらやっていってほしい。我々行政としては、昨夜、芽室町で大樹町長と「頑張ろうね」という話をしたが、こちらの気持ちは以前と変わっていない。

<読売新聞>
先ほど、農業機械展の話でも宇宙関連のことに触れていたが、彼らが最終的に技術目標としているのは情報衛星の打ち上げだが、現在、気象関係の衛星打ち上げが流行しているように思う。これらと農業の関わりについて、どのように期待しているか。

<市長>
たしかに分かりやすいフィールドなので、皆さんは言うと思うが、宇宙から見ると日本は小さなものだと思う。それゆえに、おそらく宇宙との接点でみる農業というのはもっと大きくできると思う。アジアもこれからそのような問題がまだまだ出てくるだろうし。わかりやすく言えば、十勝は農業だ、だからそこに役立つように、となるが、十勝の農業産出額ベースで3千億円という中で情報料がいくらか、と考えるとたいしたことはない。わかりやすいから皆さんがそのように言ったと思うし、かつ、たくさんここで使ってくれるということだと思う。たしかに非常に有望なフィールドだと思う。生産性をどのように上げていくかということがものすごく重要であるし、いいものを作るだけでなく、作っていく過程でできるだけロスを抑えるために衛星から来たデータをどのように解析していくか、それを毎日の仕事にどのように活用していくか。例えば、水が足りない、というようなことはドローンでもわかるが、衛星だとすぐにわかる。そのような面ではデータをたくさん取って、そのデータと実際に現場で生じていることの間の関連性をものすごく精緻に分析できるようになれば、勘に頼らない農業ができる。そうなると、アジアなどの農業のノウハウがこれまであまりなかった地域で今後、品種改良も含めて、様々な作物が作れるようになったときに、ここで解析したノウハウを売れるようになる。今後は、畑作や酪農において、ビッグデータをどのように取っていくかが問題になると思う。そのビッグデータを、酪農であれば他地域より圧倒的な量をとれると思う。そうなると酪農におけるビッグでデータは集積してくる。それと畑作についていえば、宇宙から見たもので、出てきたデータを蓄積していける。データで肝要なのは量とそこで出てくる解というか、ある事象が生じたらこうなる、というようなことである。これが整理できる地域が日本の中で見ると十勝だと思う。宇宙から見ると雲があると映らない。そのような面では他地域で同じことをやるよりも十勝でやるとデータの集積が大量にできる。気づいていると思うが、どこから打ち上げても同じだろう、という話になってしまう。ただ、様々なものが集積していくと思う。そうなると、ここで農業に絡んで、ということになる。本当はデータの解析をするようなデータセンターもできると良いが、ネット環境も充実している現代では、そういった施設を作る際の地理的条件は関係ない、という形になっていくと思う。それゆえにそんなに簡単な話ではないと思うが、ただ、人が人の顔を見ながら、また、フィールドで現場の人たちと話しながら、様々なことを整理していく作業は無くならないと思う。そうすると、この地域は優位性を持っていると感じる。

<十勝毎日新聞>
先日の議案審査特別委員会において、議員からも質問があったと思うが、6月の補正予算の額がピーク時から十分の一程度になっている。年々保障費などが上がっていく中で、政策的な予算に市長の色を出してくためにどのような財政運営を行っていくのが効果的なのか、考えがあれば教えてほしい。

<市長>
まず、国の問題がある。議員が質問の際に言っていたのは、交付税を含めた税の分配のいびつさがあるということだったと思う。しかし、昔とはかなり変化があるのに、マスコミの皆さんからは「どのように個性を出していくのか」と聞かれる。しかし、従来、百万円使っていたものが十万円しか使えないとなると、できることは限られるが、そこは変わらない。とても難しい問題だが、できることは限られているので、我田引水の話をすれば、だから稼がなくてはいけない、となる。少しでも税収を増やすようにしていかなければ、待っているだけでは減らされてばかりで、扶助費、義務的経費が増えていく。それでは結局は何もできなくなってしまう。しかし、そのようなことに使わなくていい、将来、十勝・帯広は少ない金額ではあるがこういうことに投資をしている、これはゼロではない、というように市民に思ってもらえる部分をどのように作っていこうか、ということを、今回はたかだか9〜10億円くらいの中で、全体から見たら少額であり、それが政策かと言われるが、これが現実である。現実だが、すべてが扶助費で良い、他のすべては先々で良い、ということになれば将来何も変わらない。そのような面で、2018のフォーラムの話をここでしたのは、お金がかからないからである。そして皆さんに注目してもらいたい。なぜ注目してきたかというと、この地域が行っているアウトドアに関わる観光振興の話や、今後の人材育成のやり方、地域間連携の3つを地方創世の中で、ずっと継続してやってきている。その部分で、8年間の実績が出てきているというところが、おそらく今回声をかけてもらえることになったのだと思う。今度はそこにオープンイノベーションというと大げさだが、自分たちの中だけで何とかやっていこう、ということではなく、外部の力も借りた方が良いと思っているので、イノーベーションプログラムも外部の力を借りているが、今度は行政の人間も含めて2日に集まる。そこで十勝・帯広のチャレンジを話して彼らがどう反応するのかを聞いてみたい。その反応を聞いて我々の手伝いをしてもらえるのであれば、そうしてもらいながら、極力お金をかけずにやっていきたい。もしコンサル会社に依頼して仕組みを作ってある程度の期間を頼めば、数百〜数千万単位のお金を取られることになると思う。少ない中でも、未来につながるような、市民に理解してもらうには時間がかかるかもしれないが、ゼロにしない、やっていくことに関しては諦めずに、しつこくやっていこうと思っている。

以上

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