夜空を見上げて思い出すこと(広報おびひろ平成25年11月号掲載)

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ページ番号1001639  更新日 2020年12月14日

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秋が深まるにつれ、空が高く感じるようになってきました。
仕事帰りに、ふと夜空を見上げると、星がきれいに見えて、子どもの頃に見たプラネタリウムを思い出すことがあります。
耐震補強改修工事のために、しばらくの間、休館していた児童会館が7月下旬に再オープンしました。
玄関ホールや食堂、外壁などが明るく生まれ変わり、利用者からは好評の声をいただいています。
児童会館は、昭和39年の開館以来、子ども向けの行事や科学展示などを行ってきました。
平成12年からは、子どもたちが木と触れ合い楽しく遊べる「もっくん広場」を設けて、多くの親子に親しまれています。
そして、十勝・帯広で生まれ育った私たちにとって、児童会館と言うと、真っ先に思い浮かべる宿泊学習は、開館当時から今も変わりなく続けられています。
私は、何を「学習」したのかは正直なところあまり覚えていませんが、同級生と一緒にお風呂に入った気恥ずかしさや、夜遅くまで起きていて先生に叱られた「宿泊」の記憶は、今も心に残っています。
これまで、宿泊学習を経験した子どもの総数は、十勝の人口よりも多い37万4千人にもなります。
今年宿泊した10歳から、開館当時に宿泊した60歳までの幅広い層の人が、同じ年齢のときに、同じ場所で、同じ経験をしています。
もしかしたら、三世代で「夕食時、ナイフとフォークうまく使えた?」、「えっ、今は箸で食べているよ。」などの話題で会話がはずむ家庭もあるかもしれません。
小学5年生の多感な時期に、同級生と一つ屋根の下で寝食をともにするという経験は、仲間との連帯感や、互いの信頼感を築く上で大切なことだと思います。
さらに、世代を超えて、経験を共有することは、地域への愛着心にもつながるのではないかと思っています。
サイロの形をした天文台や二段ベッドが並んだ宿泊室、らせん階段のフーコーの振り子などは、今回の工事後も、50年前の雰囲気のまま残されています。
街並みなどが目まぐるしく変わる中、時を越え、昔と変わらず息づくものに価値を感じ、大切に思うのは、私だけでしょうか。
今度、家族と一緒に満天の星を映し出すプラネタリウムを見に行きたいと思っています。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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