陸リンクから世界へ(広報おびひろ平成26年2月号掲載)
今、十勝・帯広は、まさに「冬本番」を迎えています。特に冷え込んだ朝には、大気中の水蒸気が凍ってキラキラと輝き舞い降りる「ダイヤモンドダスト」と呼ばれる幻想的な世界を見ることができます。
この空気も凍らせる程の厳しい寒さは、十勝ならではの冬のスポーツ文化を生み出しました。
管内の小中学校のグラウンドでは、雪を踏み固めた上に水をまいて、スケートリンク、「陸リンク」を造ります。私も子どもの頃、冬になると、このリンクで毎日のように滑ったことを覚えています。
大人になった今だからわかることですが、夜遅くまでの水まき作業はとても過酷で、先生や保護者をはじめ、リンク造りをされている方々には、本当に頭が下がる思いです。
こうした皆さんの陰の力が、十勝・帯広を「スケート王国」に押し上げる礎となったのは間違いありません。
スケートは、「七転び八起き」のことわざのように、何度も転び、ときには痛い思いをしながらも起き上がり、滑り続けることで上達していきます。人生も同じで、何度失敗しても、めげずに立ち上がることで成長し、大事を成し遂げることができるのだと私は思います。むしろ、小さな失敗は大いにすべきだと思っています。
この地で生まれ育った十勝の子どもたちは、スケートを通じて、知らず知らずのうちに体験して、身に付けていると感じるのは私だけでしょうか。
そして、成長し大人になり、十勝の地域力につながっていくのではないかと思います。
さて、いよいよ、2月7日から、4年に一度の冬季オリンピック・パラリンピックがロシアのソチで開幕します。
これまで、十勝からは、長野オリンピックで日本スケート史上初の金メダルを獲得した清水宏保さんをはじめとする多くの選手が活躍し、地元のみならず日本中を大いに沸かせてくれました。
今回も、17人のスピードスケート選手団のうち、半数近い7人が十勝にゆかりのある選手で占められています。
選手たちには、十勝の冬景色のようにキラキラと輝くメダルをめざして、陸リンクで鍛え、明治北海道十勝オーバルで磨かれた力と技を遺憾なく発揮し、子どもたちに、夢と勇気を与えて欲しいと願っています。
皆さんも是非一緒に応援してください。
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