大人が輝き、子どもが憧れるまちに(広報おびひろ平成24年5月号掲載)
新しい年度が始まり、一カ月が経過しようとしています。開拓130年市制施行80年の記念の年に帯広市では18歳から33歳までの48人の職員を新たに採用しました。新規採用職員研修では、仕事に対する姿勢や市職員としての心構えなどについて講話しました。
昨年度は「志あれば道は拓ける」という西洋の格言やウォルト・ディズニーの言葉を引用し、夢を持つことの大切さやそれを実現するための秘訣について語りかけました。さらに「強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは変化に対応できる者である」という公務員が苦手とする変革と創造を常に考えてほしいと伝えました
今年度は、強靭な組織を作るために日常的なコミュニケーションと議論の大切さや、仕事上の当たり前や価値観を全職員で共有してほしいということ、不断の努力としっかりとした意志や目標を持ち続けること、そして、今後帯広市の職員としてどう生きていくのかを真剣に考えてほしいと伝えたところです。彼らには、次代の主役として大きく期待するところですが、緊張感のせいか、少し受け身の姿勢というか若々しい反応が足りないように感じたところです。
先日、あるニュース番組で新卒者のうち入社3年以内に会社を辞める人たちが約4割にものぼるとの報道がありましたが、なぜそうなったのかを私の経験も含めて考えてみると、これまでわれわれ大人が、親が、仕事や職業について、その大切さや自立することの素晴らしさ、厳しさを子どもたちに日々の生活を通じて、きちんと伝えてこなかったことが原因のひとつではないか、そして多くの若者たちが目標を持ちにくい社会にしてきてしまったのではないかと思い至りました。これは、社会の責任、われわれみんなの責任として、目をそらすわけにはいかない問題です。われわれみんなが当事者として、少しずつでも改善していかなければなりません。まず、私たちは、若者たちの見本・目標となり得る上司に、また、子どもたちが早くお父さんやお母さんのようになりたいと思えるような大人になっていかなければなりません。
多くの新社会人の皆さんは、夢と目標を見つけ出し、それをしっかりと持って、どんな職場においても小さな積み重ねこそが仕事であると認識し、ベストを尽くしてほしいと思います。そして、みんなで「子どもが大人に憧れるまち」を創りたいと思います。
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