氷の文化は十勝のプライド(広報おびひろ平成25年2月号掲載)

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ページ番号1001649  更新日 2020年12月14日

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帯広三大まつりの一つである「おびひろ氷まつり」が、50回の節目を迎えました。

一年の中で最も寒さの厳しい時期に、帯広のまつり推進委員会の皆さんをはじめ、陸上自衛隊の皆さん、そして市民の皆さんの協力で歴史を積み重ねてきました。

毎年、数多くの氷雪像に感動を覚えます。特に、氷彫刻に太陽の光が射し込み、その美しさを際立たせるさまは、まさに芸術です。

氷点下20度の中での厳しい作業を考えると感慨もひとしおで、その中にある清漣さや透明感は、私たちの心を引き締め、凛とした気持ちにさせてくれます。また、その厳しさとは対照的に、会場を子どもたちがあどけなく走り回っている姿があり、その情景に十勝・帯広の厳しい寒さには氷の文化が息づいていることを改めて感じます。日々の暮らしに根ざした緩みのない、まさに倦まず弛まずの精神と生活に、この地域が発展してきた歴史の一ページを見るような気がします。

私たちは寒さの怖さやつらさを知っているからこそ、人の温もりを人一倍大切にする文化を受け継いできており、母親の手の温もりといった、温かさに対してより敏感な神経を持って育ってきているのではないでしょうか。

先人たちはこの厳しい自然環境の中で開拓を進め、その苦労を喜びや資産・財産そして文化に変えてきましたが、私たちの最近の生き方はそれをきちんと継承しているでしょうか。開拓131年目の今年、改めてそういうことを感じながら生きていかなくてはならないと思っています。

また、「快適さ」とは一体何でしょうか。厳しい寒さの中で暖をとれること、穏やかに眠れること、幸せとは、もしかするとそのありがたさを感じることなのかもしれません。安全な場所で生きていけること、口に入れるものが安全であること、暖かい布団で眠れること、そういう安心や信頼という温かさに守られて生きていること、これが実は豊かさということなのではないでしょうか。

十勝・帯広の人々はその本質を先祖から代々と受け継ぎ、知っているはずです。そんな歴史・文化の中で育ってきているということに誇りと、自負心を持ち続けたいと思います。そして、ここに住む一人一人がこの地域と歴史・文化に愛着を持ち、自身がこの地域の一員として、さらに豊かな場所にするために生きているというプライドを持ってほしいと思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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