歩くこと(広報おびひろ令和元年7月号掲載)

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ページ番号1001574  更新日 2020年12月14日

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以前、「一歩って、どういう状態をいうの?」とチコちゃんのように聞かれて、言葉に詰まったことがありました。片足だけ踏み出した分を「一歩」と思い込んでいた私は、左右半歩ずつ、つまり「半歩+半歩」で一歩と数える説もあると聞いて、大変驚きました。
皆さんは、日々、どのくらい歩いているでしょうか。歩数計やスマホの計測アプリでは、片足を踏み出すと、一歩としてカウントされるそうですが、全国的な調査では、一日の平均歩数は、成人の男性で約6800歩、女性で約5800歩だそうです。私も、なるべく歩こうと思い、ほぼ毎日計測していますが、仕事をしていると、歩く時間が少なくなり、あまり平均値を超えることができません。
歩くことは、手軽な運動法の一つですが、寝たきりや認知症などの病気に予防効果があることも、これまでの研究でわかってきています。また、車に乗っていると見過ごしてしまう景色を、違う視線でゆっくり見ることができたり、街の空気や音、匂いなどを体感できる、思考がまとまる、集中力が高まるなど、歩くことで刺激や気付きを得ることもあります。
先日、人間国宝で噺家の柳家小三治師匠が、自身の闘病や舞台裏などについて、密着取材を受けている番組が放送されていました。その中で、今年、80歳になる師匠が、「さぁ、また、歩きはじめるかな」と、さりげなくつぶやいたひと言が、とてもすてきで心に残りました。状況は違いますが、私にも、30歳になった時、アキレス腱を切ってしまい、3カ月間ほど歩けなくなった経験があります。周りのスピードについていけず、仕事や社会においても、自分だけが立ち止まっている感覚になり、精神的にもつらい時期でしたが、その分、再び、歩けることの喜びを実感する出来事でもありました。
私たちは、生きる力や新しく始める意欲を、「人生を歩む」「一歩、踏み出す」など、歩くという言葉に重ねることがあります。「歩くこと」にはいろいろな効用がありますが、人の心や気持ちを明るく前向きにさせる、元気の源と言えるのかもしれません。
昨年度に引き続き、「健康」をテーマに、市民の皆さんと意見交換する地区懇談会が始まります。7月は、企業の協力を得て、フィットネスクラブでの開催を予定しており、健康と「歩く・走る」ことの関連性についてもお話しします。歩くことの大切さについて、一緒に考えてみませんか。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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