歳を重ねること(広報おびひろ令和元年9月号掲載)

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1001572  更新日 2020年12月14日

印刷大きな文字で印刷

9月の第3月曜日は、長寿を祝う「敬老の日」ですが、皆さんは歳を取ることをどう思われていますか。プラスに捉える人、マイナスに捉える人、さまざまだと思います。
中国の思想家・孔子は、歳を重ねるにつれて人が成長していくことを説いた言葉を残しています。40歳を「不惑」と表したことはよく知られていますが、さらに歳を重ねた60歳は「耳順」、70歳は「従心」と表現しました。「60歳で人の意見に素直に耳を傾けられるようになり、70歳で心のままに動いても人の道からはずれることがなくなった」という意味のようです。
今、60を過ぎた私は「耳順」に当たる年代ですが、相手の話を虚心坦懐に聞き、話の背景や核心を正しく理解し、嘘やうわさ話は寛容に受け流す力を備えることが耳順ではないかと考えています。
「従心」で思い出すのは、大変個性的かつ大胆な生き方をされたかつて仕えた上司です。まるで、思いつくままに発言・行動されているように見えて、いつも正しく大きな成果を挙げられていました。今になって思えば、常に問題意識を持って、情熱を失わず新しいことに挑戦しておられたからこそ、従心の域に達していたのだと思います。
歳は年齢で区別するものではなく、未来で評価されるのが「若人」、現在で評価されるのが「大人」、過去で評価されるのが「老人」と教えていただいたことがあります。そして「還暦を超えたこれからも現在で評価される“大人”であり続けてほしい」と励ましていただきました。これまでの仕事で評価されようと思わず、いくつになっても未来につながる今、何かを創り続けなさいというメッセージと受け止めています。
生きることに関心や興味を持ち、やりたいことを見つけ、新しく始めるということを忘れてしまわなければ、年齢に関係なく前向きでいられるのだと思います。そして、いくつもの「やりたい」を実現しながら歳を重ねてきた人たちの生き方を、未来ある子どもたちに引き継いでいけたら、明るく元気なまちになっていくのではないでしょうか。そんなまちになれたら、まちも人も豊かに生き続けていけると感じます。
人生百年時代の「敬老の日」に、「子どもの日」「勤労感謝の日」も含め、それぞれの時代、世代の健やかを言祝ぎ、現在・過去・未来をつなぎながら、歳について考えてみませんか。

このページに関するご意見・お問い合わせ

政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
〒080-8670 帯広市西5条南7丁目1番地
電話:0155-65-4109 ファクス:0155-23-0156
ご意見・お問い合わせフォーム