消防団(広報おびひろ令和元年12月号掲載)

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ページ番号1001569  更新日 2020年12月14日

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「三度のごはん きちんと食べて 火の用心 元気で 生きようきっとね」―井上ひさしの戯曲「兄おとうと」の終盤に繰り返される歌です。私がずっと心にとどめている一節で、9年前のコラムでも紹介しました。短い歌詞の中に、仕事や安全、健康など、まちづくりの基本的な要素が表されていると感じています。
火気の使用が増える12月は、「火の用心」をより心掛けたい季節です。師走の慌ただしさが重なり、不注意になりやすいこの時期、毎年、消防団の皆さんが地域を巡回し、家庭訪問しながら、火災予防を呼び掛けています。
皆さんは「消防署」と「消防団」の違いをご存じでしょうか。消防署は、専業の消防士が24時間体制で勤務していますが、消防団は会社員や農家、学生、主婦など、本業を持ちながら、平常時は主に訓練や啓発活動に、災害が発生した時は消防署と連携し初期消火や住民の救助にあたっています。現在、市の消防団には地域ごとの分団と、女性で組織される桜華分団の計13分団があり、約350名の市民の皆さんが活動しています。
今年も年末の25日から消防団による夜回りが行われ、私も活動の慰問のため、川西・大正地域を含めた各分団の詰所を訪れます。市街地より冷え込みが厳しい農村地域では、敬礼で迎えてくれる皆さんと真っ白な息を吐きながらお互いに冷たくなった手で、労いの握手をするのが恒例です。私も今年で10回目の訪問となり、毎回、顔を合わせる方も多いですが、中には世代交代されている方もおられます。農家の息子さんに「大変だね」と声を掛けると、「いやぁ、小さい時から、親父がやっているのを見ていたから」と当然のように答えてくれたことが印象に残っています。
消防団の強みは、幼い時から知っているあの子や近所のお父さんたちが団員としてそばにいてくれること、また、地形や道路、水利を把握し、速やかな消火活動や避難誘導ができるなど、住民ならではの土地勘があることだと思います。自分たちの地域やそこに住んでいる人をよく知っている身近な人たちが関わるからこそ、いざという時の信頼感や安心感につながるのではないでしょうか。
多くの火事は、一人ひとりの少しの注意と心掛けで未然に防ぐことができます。年の瀬の消防団との触れ合いを通じて、改めて火の元を点検し、明るく元気に新年を迎えてほしいと思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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