十勝の総合力(広報おびひろ平成29年5月号掲載)
桜が咲き誇る美しい季節を迎え、公園などで焼き肉に舌鼓を打ちながらお花見を楽しまれる方も多いのではないかと思います。
ここ十勝では、人口約34万人を上回る約44万頭の牛が飼われているのをご存じでしょうか。乳牛と肉牛の生産は道内最大であり、都府県で最大の鹿児島県でさえ29万頭ですから、ここ十勝は、日本有数の畜産の生産地といえます。
2016年の日本の牛肉輸出額は前年比23%増の135億円。国は2020年には輸出額を250億円に増やす目標を掲げています。
昨年、帯広にある北海道畜産公社十勝工場では、輸出に必要な「HACCP」認証の品質管理や処理工程などの要件を整え、シンガポールへの輸出が承認されました。これにより、岩手まで持ち込んで処理して輸出していた牛を、十勝で処理できるようになりました。さらに衛生管理の厳しい米国への輸出を目指す工場も完成し、1日当たり450頭の処理能力は国内最大規模となっています。
また、帯広畜産大学では、乳製品工場の国際安全基準を満たした施設を整備しているほか、3月には食品や生物系の分野の試験検査能力を国際的に証明する「ISO17025」の認定を取得しています。世界レベルで通用する食品の安全と家畜の感染症検査ができる大学がこの地にあることは、大きな強みとなります。
昨年、十勝・帯広の農業は、天候不順や台風の影響により農作物に大きな被害を受けました。小麦や豆類などの耕種部門では前年よりも2割以上減少し、一時、農業産出額は例年よりも大きく下回ることが予想されましたが、生乳や肉牛などの畜産部門の堅調な伸びにより、帯広市では史上3番目となる農業産出額を記録しました。天候に左右されやすい畑作のリスクを、畜産が補う役目を果たし、十勝の基幹産業である農業の底力が改めて示されました。
「十勝には何が求められ、何ができるだろうか―」畜産のみならず、それぞれの分野において、しっかり先を見据えて一つ一つ準備を行い、おのおのの立場で着実に手を打ち、努力を積み重ねてきました。まさに「積小為大」の実践です。「十勝の発展」という同じ志を抱き挑戦してきた私たちの取り組みは、今年に入って農林水産大臣賞、経済産業大臣表彰、北海道知事賞などの受賞に結びつきました。
今、皆さんの努力がつながり、明日の十勝・帯広の大きな推進力になっていると実感しています。
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