変化と戦略(広報おびひろ平成29年12月号掲載)

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ページ番号1001591  更新日 2020年12月14日

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先日、訪日外国人の旅行ビジネスに精通し、観光庁など、国の検討委員も務める原田劉静織さんのお話を聴く機会がありました。
多くの中国人観光客が日本を訪れ、家電製品や高額な商品、化粧品や医薬品、さらには、お菓子に至るまで、日本の商品を大量に買い込む、いわゆる「爆買い」が過ぎ去り、中国人の訪日観光客数も落ち着いたと捉えている方も多いのではないでしょうか。
中国の海外旅行者は、現在、日本の人口に匹敵する約1億人といわれていますが、中国の人口約14億人のわずか1割足らずであり、5年後には、7億人にまで増加すると、原田さんは予測しています。
また、世界の海外旅行者の主流は、20代から30代の若者となっていて、インターネットを使い、情報収集や発信を得意とするこの世代には、体験型のツアーや、写真映えのする絶景や観光名所を撮影するツアーが人気だそうです。
さらに、世界的な女性の社会進出を背景に、女性の一人旅や、社会貢献活動を行うツアーなどの需要があり、日本は、こうした世界の動向に着目した観光戦略を練る必要があると指摘されました。
訪日観光における中国の潜在力の高さを改めて認識させられると同時に、旅行者といえば、働く世代よりも、退職して余裕のあるシニア世代を漠然とイメージしがちな私たち日本人の「思い込み」に、目からうろこが落ちる思いでした。
これまで、私たちは台湾からの観光客誘致に取り組み、一定の成果を得てきました。しかし、時代とともに世界の海外旅行者の動向やニーズも変化しており、今まで成功してきたことが、そのまま通用するとは限りません。
雄大な自然と豊かな食。十勝・帯広のど真ん中の地域資源を、さらに魅力ある観光資源に仕立て上げていくためには、これまでと同じ視点、ましてや勝手な思い込みで見ていては、チャンスや、その本質を見逃しかねません。
今、分かっていることは何か。逆に、分かっていないことは何か。その両方を正しく見極め、現状を正確に把握する。さらに、自分たちの側からだけでなく、外側から、自分たちはどう見えているのか。そもそも競争相手は誰なのか。そして、何よりもどんな「お客様」を迎えようとしているのか、一体「お客様」は誰なのか―。
原田さんのエネルギッシュなお話を通じて、しっかりとした戦略を持つことの重要性を改めて考えさせられました。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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