つながる(広報おびひろ平成29年8月号掲載)
8月に入るとお盆を迎えます。お盆の時期は、地域によって異なりますが、全国の多くの地域では、8月13日から16日までとしているようです。お盆休みには、故郷に帰ってくるお子さんやお孫さんの元気な姿を心待ちにしている方、あるいは、故郷の友人たちと集い、にぎやかなひとときを楽しむ方など、さまざまなお盆を過ごされることと思います。
日本古来の伝統的な風習であるお盆は、家族や親戚が集まり、先祖の霊を迎え、今の自分があるのは、先祖のおかげであると感謝し、供養を行う行事といわれています。 かつて、自分を大切に思ってくれていた人や、友人との懐かしい昔の思い出に会いに帰るお盆。それは、これまでの自分を振り返りながら、これからの自分を見つめ直す時間なのかもしれません。
近年、インターネットやスマホなどが普及し、私たちの暮らしはとても便利になりました。これまでは知り合う機会のなかった人や、世界各国の人たちとも、時間や空間を越えてコミュニケーションが可能となるなど、人と人がつながる機会は増えています。
しかしながら、こうしたコミュニケーションは、人と人が直接顔を向き合わせながら行うものとは大きく異なります。また、インターネットや大型店などでは、お店の人と一言も会話を交わさなくても、買い物ができる時代です。
最近、出勤時に、近所に住む小学2年生の女の子と顔を合わせます。「おはようございます」。最初は、伏し目がちで小さな声でしたが、今では、私の目を見て、大きな声で元気にあいさつを返してくれます。心が通じ合えたように感じ、うれしくて、これまでよりも少し早く自宅を出て、毎朝の小さなつながりを楽しみにしています。
今の時代、生き方を自由に選べることは素晴らしいことですが、一方で、人々の生き方や人生観が多様化し、身近な人でさえ分かり合えない場合もあります。また、面と向かって話をする機会が減り、人とのつながりが希薄になることで、人間関係で苦労したり、時として孤独を感じることもあります。 しかし、そんな時代だからこそ、大切な誰かと心と心がつながる時間が必要なのではないでしょうか。
お盆休みが終わり、故郷を後にするとき、自分とつながっている大切な人たちとの有意義な時間や思い出を振り返りながら、「また明日から頑張ろう」という前向きな気持ちになっていただけたらいいなと思っています。
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