もりの山(広報おびひろ平成28年9月号掲載)

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ページ番号1001606  更新日 2020年12月14日

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「新しい赴任地に行ったら、まずそのまちで一番高い場所に上る」。かつて転勤族であった30代に、先輩から教えていただいた「初動」です。先輩たちは、新天地に向かう時、まずこれからの数年間、チャレンジの対象となる地域・まちの全体を眺め、目に焼き付け、決意を新たにしたのだと思います。
私もこれに倣い、英国駐在時はオフィスの前にあったロンドン大火記念塔、札幌時代は藻岩山に登り、帯広に戻ってきた時には、当時、市街地で最も高かった市役所から帯広のまち全体を眺めました。自分の生きる場所を、まず遠目に全体として見ることが大切であると感じたことを思い出します。
さて、今、帯広の市街地で一番高い所はどこか、ご存知ですか。
今年の6月、帯広の森市民農園サラダ館の東側にできた高さ17メートルの築山がそれで、頂上の標高は市役所の屋上より高い95メートルあります。
市内児童が「もりの山」と名付けてくれたこの山の頂まで、110段の階段。それを上り切ると、「あおあお、ひろびろ」とした空間が、気分を爽快にさせてくれます。眼下には、市民の手で育まれてきた帯広の森の豊かな緑が広がり、北東には市街地が見渡せます。振り返ると、農業王国、十勝・帯広を支える広大な大地に、日高山脈の山並みが一望できます。市役所からの眺めとは一味違う景色に、十勝・帯広の魅力の神髄を見たように思いました。
私たちは日常において、仕事や家事、育児、介護など、日々の慌しさに追われ、つい目先や足元のことに心を奪われがちです。そして、心のゆとりや他者への思いやりを忘れてしまいます。そんな時に、広々とした所で遠く山を見たり、高い所から日々の日常の詰まった市街地を眺めたりすることはとても大切だと思います。
これからのまちづくりでも、遠く全体を見る視点と、近く足元を見る視点の両方が重要です。
より良い明日に向かって進んでいくためには、市民の幸せとは何かを思い、時代の変化の中で、一人ひとりの暮らしと社会全体のありようをバランスよく見つめながら対応しなければならない―。「もりの山」から帯広を眺め、かつての先輩の教えと重ね合わせながら考えました。
これから秋が深まり、まちも色づき始める良い季節を迎えます。
ぜひ、「もりの山」に上って、皆さんの暮らすこのまちについて、考えていただければと思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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