十勝はひとつ(広報おびひろ平成27年4月号掲載)
いよいよ平成28年度から十勝圏の消防広域化がスタートします。
広域化とは、現在6つある管内の消防本部を1つに統合し、より効率的な体制で消防業務を行い、住民サービスの向上を図るものです。
広域化によって、消防車や救急車などが市町村の区域を越えて出動可能となり、現場到着時間が短縮され、大規模災害発生時にもより緊密な協力体制をとることができます。
十勝の広域消防は全国一の管轄面積、構成自治体数では全国2番目となります。
全国・北海道の他地域でも消防の広域化を試みた自治体は多々ありますが、なかなかうまく進んでいない現状と伺っています。十勝圏でも、平成21年度から検討を続けて来ました。この間、各議会・町村長・職員の方々と課題を共有し、一つ一つ解決に向けて地道に議論を重ねてきたところです。
それぞれの地域・組織の持つ歴史・慣習・文化の違いを超えて、一つになるということは並大抵なことではありません。しかし、将来の人口減少社会を見据えて、19市町村で力を合わせて、安全安心な地域を創るという思いが、数々の壁を乗り越える原動力になったと思います。
ローマはその繁栄を築きあげる過程で、常に譲り続けたといわれます。十勝の19市町村は、最も大切な安全安心という市民サービスの向上に向けて、「お互い様」「謙譲」の精神を持って、広域消防の合意に至りました。
2月20日に、管内19市町村長が一堂に会し、「とかち広域消防事務組合」の設立に向けた調印式を行いました。平成23年7月7日の「十勝定住自立圏協定」に続く「十勝はひとつの証」、強い信頼関係をベースに、広域連携による十勝らしい地方創生に向けた狼煙を高々とあげた大変意義深い日となりました。
私は管内首長の中では最も若輩になります。この間先輩首長の皆さんに多くを教えていただきました。わけてもお互いを知ること、そして信頼関係構築の大切さを教えていただきました。広域化の道筋がついたこの間、19首長が一人も変わらなかったことも大きな縁というものを感じます。
消防の広域化を通じて、十勝は一段とお互いの地域を理解し、尊重しあうことが出来るようになりました。開くこと、動くこと、繋がることの大切さを知った十勝はひとつです。
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