国際認証制度(広報おびひろ平成28年3月号掲載)

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ページ番号1001613  更新日 2020年12月14日

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「HACCP」「GAP」「MSC」「FSC」、ズラリと並んだこれらの横文字。なじみの薄い言葉ばかりですが、これらはいずれも、食品などの安全性を高める仕組みや国際認証制度の名称です。
HACCP(ハサップ)は、食品の安全性を確保する衛生管理システムの名称で、アメリカ航空宇宙局が、病院のない宇宙において、絶対に安全な宇宙食が不可欠であることから考案したものです。
現在では食品製造業などで、原材料の受け入れから製品が完成するまでの工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などの危険を分析し、その防止方法をチェックする安全管理の仕組みとして、十勝管内の企業にも徐々に広がってきています。
また、農畜産物の生産において、農薬や肥料の適正な使用、農業従事者の衛生管理など、生産・収穫、調製・出荷までの一連の生産工程を管理する手法が、GAP(ギャップ)といわれているものです。
自分の作った物をいくら自ら安全だと主張しても、それを証明する手段がなくては、安心して取引することはできません。
食材などが国境を越えて広く流通する欧米諸国では、安全性を確保するために、特定の規格や基準に対する適合性を第三者が評価して認証するさまざまな国際認証制度が早くからできました。
環境や生態系に配慮した漁業で収穫された海産物であることを証明するMSC、適切に管理された森林から生産された木材であることを証明するFSCなど、国際認証制度は食品などの安全確保にとどまることなく、持続可能な環境、社会、経済の実現を地球規模で目指す仕組みへと拡大しています。
今では国を越えた流通や国際イベントにおいて、世界のスタンダードとなった国際認証制度。現在、わが国は、2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて準備を進めていますが、国際オリンピック委員会は、会場で使用する食材や、競技場の建設に使用する木材に、国際認証を取得したものを求めていることを、皆さんはご存知でしょうか。
オリンピック・パラリンピックなどの国際的なイベントの開催や参加を通じて、日本独自の文化の素晴らしさを改めて見つめ直し、海外に発信していく。その一方で、世界標準となっている考え方を、私たち一人ひとりが理解し、高い意識を持って受け入れ対応していく。こうした柔軟性が求められてくるのではないでしょうか。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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