とかち帯広空港(広報おびひろ平成27年7月号掲載)
7月に入ると、いよいよ本格的な観光シーズンの到来となります。空の玄関口「とかち帯広空港」では、今年の夏も、多くの観光客やビジネス客などに対応するために、東京線で使用する機材の一部を既に大型化し、8月は、中部国際空港への直行便が週4往復運航されます。
観光は、旅行業を中心として、運輸業・宿泊業・飲食業などに関連する裾野の広い総合産業といわれています。したがって、需要創出や雇用創出などの経済効果が非常に大きく、多くの観光客が訪れることは、この地域に好循環をもたらします。
最近、中国を中心とする東アジアの観光客が急増しています。「とかち帯広空港」が、こうした外国人観光客を受け入れるためには、税関・入国管理・検疫(CIQ)の対応が必要です。また、国内線7往復の合間を縫って就航するためには、施設の整備・拡充も必要となります。
「とかち帯広空港」の受入態勢が拡大すれば、それに見合った宿泊や飲食の施設なども必要となります。単に空港を利用するだけの「通過型」ではなく、この地域で楽しんでもらう「滞在型」の観光でなければ、地域経済の好循環は生まれません。
観光客は、夏場がピークとなります。年間を通して、訪れる観光客を維持することは容易ではありませんが、この地の強みである豊かな「自然」と、そのもとで育まれた「食」を生かし、冬場の魅力を創出することや、この地域の産業を強くすることで、ビジネス客を増やすことも重要です。
また、十勝から海外や本州に向かう人が少なければ、機材を小型化したり、路線が縮小されることもあります。このため、地元の人たちの更なる空港利用が、「とかち帯広空港」の発展につながります。これまで以上に外に出掛けることで、自分たちが気付いていない十勝の魅力や価値を発見したり、新たな人とのつながりや、ビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
観光客のニーズを把握し、「とかち帯広らしさ」という付加価値をつくり提供するにはどうするか。観光客の満足を得られる受入態勢・能力は充分か。来年、開港35年を迎える「とかち帯広空港」を取り巻く環境の変化を見据え、この地域全体の将来収益を最大化するために、今準備しておくべきことは何かということを、地域全体で考える必要があると思います。
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