バイスタンダー(広報おびひろ平成28年2月号掲載)

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ページ番号1001614  更新日 2020年12月14日

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突然、正常に拍動できなくなった心臓に、電気ショックを与え、正常なリズムに戻す医療機器「AED」。日本において、医療従事者以外の一般の人が、この機器を使えるようになったのは、今からおおむね10年前だそうです。
病院以外で、突然心臓が停止して亡くなる人は、全国で年間約7万人。交通事故で亡くなる人のおよそ17倍で、毎日190人ほどの人が亡くなっている計算です。
「バイスタンダー」とは、第一発見者や同伴者など、「救急現場に居合わせた人」を指す言葉です。AEDの普及とともに、この言葉を耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか。
心臓が血液を送らなくなると、1分経過するごとに、生存率は7~10%低下、3~4分以上で脳の回復が困難になるといわれています。救急車の到着までの間、バイスタンダーが、心臓マッサージの実施やAEDを使うことができれば、救命率が高まります。
おととしは、救命講習を受講していた当時帯広三条高校の女子生徒が、昨年末には、スポーツクラブのスタッフが、それぞれ心肺停止状態の人を救護しています。
しかし、いざ自分がこうした場面に遭遇したとき、助けたいという気持ちがあっても、ためらいや葛藤が生じて、傍観者となってしまうのが現実ではないでしょうか。
人は、知らないことや、経験の無いことに対して、ためらいや葛藤が生じます。AEDに触れたことの無い人が、人の生命を左右する緊迫した場面に遭遇すれば、AEDを使うことに、恐怖心すら覚えるかもしれません。
「小さきことは分別せよ。大きなことは驚くべからず」徳川光圀の言葉ですが、大きな出来事に平常心を保てる人は、ほとんどいません。しかしながら、普段から、いざというときに備えて、準備をしておけば、大きなことに対する驚きは小さくなるものと思います。
救命措置と同様に、この広報で紹介している「認知症サポーター」「消防団」「献血」など、少子・高齢社会の到来により、これまで以上に、人が人を支えていく仕組みが、ますます重要になってきます。
市民の皆さん一人ひとりが、相手の立場や気持ちを、自分のこととして捉え、自らができることを、勇気を持って実践していけば、もっと住み良いまちになります。
帯広市では、毎月9日と19日に普通救命講習を開催しています。あなたにも救える命があります。ぜひ受講してほしいと思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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