令和2年度 帯広市各会計予算(案)記者会見

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ページ番号1003155  更新日 2020年12月14日

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日時
令和2年2月17日(月曜日)11時〜11時45分
場所
市庁舎4階会議室
出席者
帯広市長 米沢 則寿
前田副市長、田中副市長
政策推進部 関口部長、中里政策室長、石井企画調整監、桃井財政担当企画監
総務部 河原行政推進室長、高橋企画調整監、石田防災担当調整監
商工観光部 吉田企画調整監、学校教育部 村松学校指導担当部長
機者数
14名(テレビカメラ2台)

写真:記者会見の様子1

写真:記者会見の様子2

配布資料

令和2年度予算(案)について

〈市長〉
予算編成に当たっては、加速的に変化する情勢に対応し、持続可能なまちづくりを進めるため、予算編成方針で示した3つの重点を念頭に、第七期総合計画や組織再編などを意識しながら議論を重ねてきたところであります。
令和2年度予算案は、市民の皆さんが希望を持って暮らし続けられるよう、各施策の着実な推進はもとより、未来への投資として必要な経費を盛り込んだ予算になったと考えております。

記者からの質問

  1. 令和2年度にスタートする「総合計画」や人口ビジョンに基づいた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で掲げている理念や施策を踏まえて、予算に力点を置いた部分があれば伺いたい、ほか。
  2. これまでに比べて目立った大型事業がない中で、一般会計で過去最大の予算規模になったが、すべての事業に意識して予算を配分した積み上げの結果という理解でいいのか、ほか。
  3. 中心市街地の活性化について、新しい事業の予算も計上されているが、現状をどのように認識されていて、活性化に向けてどのように取り組んでいくのか、考えを伺いたい。
  4. 起業家支援について、一年を振り返って、その成果をどのように認識し、来年度はどの部分に力を入れていくのか、考えを伺いたい、ほか。
  5. 市民への「フードバレーとかち」の浸透について、どのように考えているか伺いたい。
  6. ばんえい競馬会計について、好調を維持しているが、今、市長が感じている課題や懸念などを伺いたい。
  7. 観光振興に係る新たな財源検討の予算が計上されおり、宿泊税の導入についても考えていると思うが、今後、どのように進めていくのか考えを伺いたい、ほか。
  8. 「国土強靭化地域計画」について、今回、策定に着手することになった動機と、策定にあたって帯広市として重点課題に掲げようとしていることがあれば伺いたい、ほか。
  9. 公約達成の観点もふまえて、令和2年度の予算に対する市長の自己評価を伺いたい。
  10. 市長就任10年という節目の予算編成についての所感を伺いたい。
  11. 義務的経費と政策的経費との兼ね合いを考える中で、苦労された部分があるか伺いたい。
  12. 日米共同訓練が8日に終わったが、総括的に振り返って所感を伺いたい。

記者との質疑応答要旨

<北海道新聞社>
お話にあった「総合計画」や人口ビジョンに基づいた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」も令和2年度が新たなスタートになる。それらで掲げている理念や施策を踏まえて、予算に力点を置いた部分があればお伺いしたい。

<市長>
第七期総合計画の将来のまちの姿「あおあお ひろびろ いきいき 未来を信じる 帯広」は、ここに暮らして関わっている誰もが未来を信じて前向きに歩いていく姿勢を表していて、地域に立脚して、誇りと愛着を持って、未来を信じて挑戦していく、行動する人たちがたくさんいるまちにしていきたいということが目標である。
来年度予算ではこうした将来のまちの姿の実現に向けて、基本計画に示した各施策において、この目指す姿を見据えた編成を行ってきたところである。
その面では、すべての事業について総合計画を意識した予算となっている。

<北海道新聞社>
特に総合戦略に関しては、人口ビジョンをベースにした中で、さまざまな施策や今後のまちづくりの方向性を考えていく趣旨で策定されていると思うが、目標として掲げている将来推計人口に向けて、今後、見込まれる人口減少への対策として、具体的に今回の予算に反映させているものはあるか。

<市長>
我々が中長期的な課題として認識していることとして、生産年齢人口の減少、労働力や担い手不足の問題、超高齢社会、自然災害の頻発、地縁の希薄化、子育て家庭の孤立化などがある。
人口減少による経済規模の縮小、労働力や担い手不足についての対応として、第一点目の重点「持続的に発展する地域経済をつくる」を掲げ、創業・起業の支援、人材の育成に関する予算を計上している。
具体的には、「十勝・イノベーション・エコシステム推進事業」や、中心市街地活性化のための新たな補助制度の創設、一部、内容を変えて実施する「新事業創発加速化事業」などがある。また、多様な人材の交流をすすめる「フードバレーとかちプロモーション事業」の予算も計上したところである。
二点目の重点は、「新たな時代を切り拓くひとをつくる」。子育て支援としては、児童保育センターのクラブ増設により保育の受け皿を確保していく。それから、特に今回は、教育環境の充実に関する予算規模が大きくなったが、大空地区の義務教育学校の整備や、「おびひろ市民学」を新たに実施するほか、学校で使う大型提示装置、中学校のパソコン教室の端末更新なども行っていく。
三点目の「安心して暮らし続けられるまちをつくる」では、高齢者福祉として、介護保険施設等の整備支援、低所得高齢者の介護保険料の軽減強化、さらに自然災害の増加をふまえた地域防災の強化として、指定避難所等の環境整備、一斉情報伝達システムの導入など、予算に反映してきている。

<十勝毎日新聞社>
これまでに比べて目立った大型事業がない中で、一般会計で過去最大の予算規模になったが、すべての事業に意識して予算を配分してきた積み上げの結果という理解でよろしいか。

<市長>
ご質問のとおり、積み上げによるものだと認識しており、確かに数字だけを見ると予算規模が過去最大であるが、市を通して行う国や道の補助事業の増減もあり、単純に予算規模だけで、対前年で積極的という話ではないと思う。
教育や福祉をはじめとして、さまざまな分野で行政として取り組まなくてはいけない施策があり、当たり前だが緊急度や優先度、全体のバランスを考えることが、これまでもそうだが予算編成におけるスタンスである。
一般会計でいえば、予算が大きいのは大空地区の義務教育学校の整備、認定こども園への給付費、障害者自立支援給付、生活保護費などで、これだけでも20億を超えている。
特別会計は、ひと目でわかるが、ばんえい競馬会計がプラス55億円になっており、大型事業の金額を差し引くと、必ずしも予算規模が大きいとは言えないと認識している。

<十勝毎日新聞社>
総合計画がスタートする初年度に当たるため、各施策をバランスよくスタートしたいという意味で、予算に目配りをしたという理解でよろしいか。

<市長>
今回の総合計画、そして組織改編については、我々の政策を実行していく時に、従来の縦割りではなく、いろいろな部門で重なってくる、または重ねたほうが実行しやすい形にしようと考えたものである。その中で、全体のバランスを見ながら積み上げた予算であると思っている。

<十勝毎日新聞社>
中心市街地の活性化について、新しい事業の予算も計上されているが、現状をどのように認識されていて、活性化に向けてどのように取り組んでいくのか、考えを伺いたい。

<市長>
どのまちも中心市街地の活性化については、みんなが口に出すテーマだが、現状では大変難しいところがあると思う。来年度から「第3期帯広市中心市街地活性化基本計画」がスタートする。計画期間は5年だが、目標を達成できるように取り組みを進めていくには、市の事業だけでは実現できないため、事業者の皆さんの動きがこれまで以上に重要になってくるとの認識でいる。
そのため、中心市街地活性化のために行動する事業者を後押しするための予算を計上したいと考え、「元気な中心市街地づくり促進事業」に取り組むこととした。
中心市街地の活性化は、まずは当事者に取り組んでいただきながら、そこに我々の施策を絡めていく必要があるとの基本的な認識でいる。これまで、中心市街地の活性化のために事業者の方にいろいろと取り組んでいただいていたが、必ずしも我々の施策と有機的につながっていなかった部分もあるため、新たにこの促進事業の予算を計上した。
西3条9丁目の再開発事業なども進捗している中で、中心市街地のさまざまな動きが一段と活発化してほしいと考えている。

<十勝毎日新聞社>
起業家支援について、今年度も「新事業創発加速化事業」や、「十勝・イノベーション・エコシステム推進事業」の予算を計上しているが、一年を振り返って、「LAND」のオープンなどもあったが、その成果をどのように認識し、来年度はどの部分に力を入れていくのか、考えを伺いたい。

<市長>
「新事業創発加速化事業」や、「十勝・イノベーション・エコシステム推進事業」として、これまでもいろいろ実施してきている。特に「とかち・イノベーション・プログラム」は、「十勝・イノベーション・エコシステム」の傘をかぶせて5年続けて実施してきたが、予想よりもうまく進んでいると思う。
起業・創業の支援は、前職でも関わっていたが、口で言うほど、なかなかうまくいかない。国は、不景気になると起業・創業を煽ったり、ベンチャーを推進すると言ったりするが、景気が落ち着くと消えてしまうので、結果を出すのはすごく難しいところがある。
「とかち・イノベーション・プログラム」は5期目を迎え、44の事業構想が生まれ、そのうち14件が事業化、7件が法人化された。そして、450人のいわゆる挑戦者の塊、最近は十勝の「ベンチャーコミュニティ」と言っているが、そのコミュニティをこれからも持続していかなければならないと考えている。
新聞にも掲載されたが、先日、東京で開催された「ローカルイノベーションフォーラム2020」に出席した。そこで金融庁の遠藤長官が、ご挨拶の中で「金融庁として全国のこの手のチャレンジをチェックした中で、特に金融機関が絡むチャレンジとしては出色である」と言ってくれた。野村総合研究所の主催で、金融庁も関わっているフォーラムだったが、金融機関の皆さんに対して「十勝のイノベーション・プログラムを参考にしてほしい、偽物と本物があるけど、これは本物だから」と言っていただいて、非常に嬉しく思ったが責任も重いと感じた。
ご質問で触れられた「LAND」については、月にのべ600人程度、1月末までにのべ3,500人程度の利用があったところであり、このようなワークスペースとしては、うまく助走できたと思っている。
「十勝・イノベーション・エコシステム」全体としては、実績も積んできているし、それなりに評価もいただいているので、これからも続けていかなければならないと考えている。

<十勝毎日新聞社>
「十勝・イノベーション・エコシステム」については、国の地方創生交付金が令和2年度で終了するので、終了したあとも継続していくためには財源確保が必要になると思うが、どう考えているか。

<市長>
同じことをずっと続ければいいわけでもないが、地域として良いものは財産にしていかなければならない。国の補助金については、別の形で頂ける可能性もあるし、これまで寄附など個人からもご支援いただいている。企業版ふるさと納税をやっている意識はないが、「十勝・イノベーション・エコステム」に対して、企業や個人から随分、好意的にご支援いただいていて、そうした関係も維持していきたいと思っている。再来年のことなので、まだ決まっているわけではないが、ご寄附なども活用させていただきながら、継続していけるように進めていきたいと考えている。

<十勝毎日新聞社>
「フードバレーとかち」について、今年度も首都圏プロモーション事業などに取り組んでいるが、以前の市議会で、市長が、「手応えを感じているが、フードバレーとかちという言葉に距離感を持っている市民の方も少なからずいる」と発言していた。新たな取り組みもしてきている中で、市民への「フードバレーとかち」の浸透について、どのように考えているか伺いたい。

<市長>
もともと、ここにある「食」や「農」の資源をしっかりと見つめて、これから必要とされる新しい価値をそこからみんなで生み出していこう、そして、その想いに関心を持つ人たちがたくさん集まり、産業を興したり、生活していく場所を「フードバレーとかち」と呼びたいと言ってきた。
フード特区にも認定していただいて、取り組み自体については、市民の皆さんにもご理解いただいていると思うし、地域外の方たちも、この地域のポテンシャルや資源に関心を持って力を貸してくれており、この10年で、新しい会社が生まれ、投資を受けるようになるなど、いろいろな動きが出てきている。
フードバレーとかち自体の取り組みは、肌で感じていただいていると思うが、道を歩いている方をつかまえて「フードバレーとかちって何かわかりますか」と聞いたら、わからないと言われるかもしれない。ただ、十勝・帯広で行われている取り組み自体は皆さんの目にも触れていると思うので、説明すれば「あぁ、そのことね」と言っていただけるのではないかと思う。
先日、東京で開催された「野村グローバルフード&アグリフォーラム」に出席した時に、「フードバレーとかち」について紹介いただいたが、名称について「何のことか」とは言われなかった。食と農のビジネスに関わっている人たちであれば、名称のねらいを違和感なく感じていただいており、引き続きしっかりと取り組んでいきたい。

<北海道新聞社>
ばんえい競馬会計について、好調を維持しているが、今、市長が感じている課題や懸念などを伺いたい。

<市長>
単独開催になって14年目を迎えたところだが、私が市長になった10年前、100億を超えるかどうかと言っていた売り上げが、今、約300億円になろうとしている。さらに、オリンピックの聖火リレーの場所に選定されたり、ホクショウマサルの連勝記録がニュースで取り上げられたり、観光客の皆さんに来ていただいている状況を見ると、10年前の雰囲気とは随分変わってきており、本当にありがたいことだと感じている。
これからも、売り上げが何倍になったということよりも、安定的に運営・維持していくことが何よりも大切だと思う。これまで運営してきた中でいろいろな事件も起きたが、引き続き公正な競馬の確保にしっかり努めた上で、将来を見据えた安定的な運営体制を構築したい。
民間企業だと、売り上げが3倍になったり、経営が右肩上がりになってくると、経営者は大抵怖くなる。経験からいえば、安定的な経営を忘れて売り上げだけを伸ばすことばかりを考えていると経営を誤ることになると思う。
帯広市の職員だけではなく、いろいろな団体の皆さんに協力いただいているので、一つの組織ではないことを考えると、安定経営と公正競馬の確保は、口で言うほど簡単だと思っていない。
関係者の皆さんのご理解もいただかなくてはいけないが、公営競技でもあるので、財政への寄与も早くできるようにしたい。
基本に返って経営をする、ばんえい競馬の目的は一体何か、ということを改めてしっかり見つめ直していかなければならないタイミングだと感じている。

<北海道新聞社>
観光振興に係る新たな財源検討の予算が計上されている。宿泊税の導入についても考えていると思うが、今後、どのように進めていくのか考えを伺いたい。

<市長>
いわゆる法定外目的税である宿泊税については、ニセコの周辺は先に進んでいたが、今、道内でも函館や札幌など、いろいろなところで検討されており、我々もしっかり情報収集に努めていく必要があると考えている。
これもよく言われていることだが、訪日外国人の観光客が増えて、従来とは違った意味での受け入れ環境の整備が急務になってきている。そのほかにも誘客の強化や、観光消費額の拡大など、今後の観光振興を考えていく上で、自主財源の確保は重要なファクターであると認識している。
来年度は、観光振興に係る新たな財源に関する有識者検討委員会を設置して、検討を進めていきたいと考え、必要な予算を計上したところである。

<北海道新聞社>
基本的には導入する方向性で考えているのか。

<市長>
一般論としては、これだけ導入が広がってきている中で、導入することが当然のように感じられるかもしれないが、それぞれの地域で観光の歴史や状況が違う。
入湯税の有無、観光客の入り込み具合、関係団体の状況など、地域ごとの特徴があるので、一律にとにかくやればいいというものでもないと思うので、有識者の検討委員会でしっかりと議論をした上で進めていきたいと考えている。

<北海道建設新聞社>
新規事業として「国土強靭化地域計画」の策定があるが、道内の主要都市で策定に着手していないのは恐らく帯広市だけだと思う。昨年、全道的な状況について防災担当に取材した時には、国土強靭化計画に対応できるような地域防災計画があるため、策定については未定だというお話を聞いていたが、今回、策定に着手することになった動機と、策定にあたって帯広市として重点課題に掲げようとしていることがあれば伺いたい。

<市長>
これまでも災害に対しては防災計画に基づいて対応してきていたが、どちらかというと発災時や事後対応が中心だった。
「国土強靭化地域計画」は、さらにもっと前の段階において減災などの取り組みをしていくもので、必ずしも今の計画と100%重なっているものではなく、特にソフト面の対応については、「国土強靭化地域計画」のウエイトが高いと認識している。
ほかの地域でも策定している状況の中で、帯広市としても幅広く対応する必要があると考え、新年度に策定することとしたものである。

<北海道建設新聞社>
各地域で災害の起こり方に違いがあると思うが、帯広市としてどんな災害に対して、防災体制に力を入れたいと考えているのか。

<市長>
従来、帯広市における災害の想定の中心は地震だったが、ここ数年は、洪水、大雨がクローズアップされてきており、両方ともしっかり対応していかなくてはいけない。地震が多い地域として、特に寒い時期における災害への対応も考えなければいけないと思っている。

<防災担当調整監>
市長の言ったとおり、災害の中心は地震・洪水と考えているが、有識者懇談会も設けるため、そこでのご意見なども反映させながら策定していきたいと考えている。

<北海道建設新聞社>
計画の策定時期はいつ頃を目標にしているのか。

<防災担当調整監>
今年中に策定したいと考えている。

<十勝毎日新聞社>
今回は、任期の折り返しの予算で、これから後半戦に入るが、公約達成の観点もふまえて、令和2年度の予算に対する市長の自己評価をお伺いしたい。

<市長>
3期目の公約については、昨年度までにすべてに着手し、今年度は総合計画や行財政改革計画の策定、工業団地の造成、空港の一括運営委託、コミセントイレの洋式化、市役所組織の再編を進めてきており、公約の実現に一定のめどが立った印象である。
これから残りの2年で、しっかりと公約を達成していかなければならないので、来年度予算では、公約の取り組みをさらに加速させる必要な事業を盛り込んだところであり、これからも着実な推進を図っていく。

<十勝毎日新聞社>
市長就任10年という節目の予算編成についての所感を伺いたい。

<市長>
市長に就任した時は、第六期総合計画のスタートの年で、計画の策定には直接タッチはしていなかった。今回、第七期総合計画で初めて関与させてもらったので、意気込みとしては、いいスタートを切らなくてはいけないと思っているし、従来にも増して頑張っていきたい。
ただ、これもいつも使う形容詞だが、ものすごく変化している時代であり、先の見通しづらいタイミングでの総合計画の策定になった。そうした中でも3年ごとのチェックなどいろいろな新しい手法を取り入れながら、しっかりみんなで前向きに進めていく。
このまちに関心を持ってもらい、「このまちに住んでみたい」、「将来に向けてここなら夢が見られる」、「未来を信じることができる」と評価していただける地域にしていかなければならない。
当然、夢を見るには安全・安心で快適なまちではなくてはいけないし、お年寄りから子どもまで元気でなくてはいけない。もっと当たり前のことをいうと、将来に向けて無くならない仕事がここになくてはいけない。それらを総合的につくりあげていくためのものが、今回の第七期総合計画である。
市長として仕事をしてきて、この10年間でワンサイクルが回ったと感じており、先ほど、ばんえい競馬のお話もあったが、当時、市長になった時とは、随分違う状況の中で考えて策定することができたと思うので、新しい総合計画のスタートにあたって、しっかり気を引き締めていきたい。

<北海道新聞社>
総合計画のスタートの年にあたって、未来に向けた投資をしていくとの話だが、ほかのまちと同様、年々、扶助費をはじめとする義務的経費は増加してきていると思う。そうした経費と政策的な経費との兼ね合いを考える中で、苦労された部分があるか伺いたい。

<市長>
確かに、義務的経費に多くの予算を配分する現状にあるが、今回は、ここで生きている人たちが、まちづくりや自分たちの将来づくりに当事者として前向きに取り組みたいという気持ちになっていただくためにどんな予算が必要なのか、と考えてきたことが大きな柱になっていると思っている。
その結果として、「おびひろ市民学」の取り組みもそうだが、教育や福祉の予算の規模が大きくなっており、繰り返しになるが当然ではないかと思っている。
今回、福祉の組織も動かしたが、社会の中で福祉の各分野が一体的なものになってきており、そこに学校も密接につながってきている状況がある。将来に向けての視点として、福祉全体とそこにおける教育も重要だと思い、組織もそうだが予算についても意を用いてきたところである。

<北海道新聞社>
日米共同訓練が8日に終わったが、帯広市でも騒音測定に対応されていたと思う。総括的に振り返った所感を伺いたい。

<市長>
事故やトラブルもなく訓練が終わり、正直、ほっとしている。
我々の取り組みとして、タイムリーな情報提供を心がけ、ホームページなどでの情報発信を行ったり、これまでもそうだが、情報をきちんといただけるような体制の確保など、帯広市と自衛隊との信頼関係を壊さないでほしいと、国に要望してきた。
総括的に見て、十二分とは言えないかもしれないが、国にもそれなりの対応をいただいた中で終了したと思っている。
市民の皆さんからもいろいろなご心配やご意見をいただき、市としても騒音測定を行うなど、市民の皆さんとの接点もつくり、従来以上にコミュニケーションが図られたのではないかと思う。
いずれにしても、市民の皆さんの生命と安全を守ることが我々の使命であり、引き続き、皆さんの不安の払拭に努めていかなければいけないと考えている。

以上

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