「ちょうどいい」を考えてみる(広報おびひろ令和3年9月号掲載)

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ページ番号1009807  更新日 2021年8月20日

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最近、テレビや新聞などで目にする「SDGs」という言葉。日本語にすると「持続可能な開発目標」と訳されるようですが、「一体全体どういったものかよく分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。

簡単にいえば、「私たちが毎日生活する上で、どうしたら快適で幸せに暮らしていけるのかということを地球レベルで考え、そのために必要な共通の目標をみんなで実現していきましょう」というものだと、私は理解しています。

SDGsが掲げる17の目標には、人が、人間らしく生きていくための最低限の条件である「貧困をなくそう」や「人や国の不平等をなくそう」などとともに、「産業と技術革新の基盤をつくろう」といった経済活動に関する項目もあります。また、「気候変動に具体的な対策を」といった地球環境への配慮に関する項目もあります。

モノやサービスが不足していた戦後、我が国は、「より速く、より多く」といったスローガンのもと、効率性を追求した生産活動を通し、急激な経済成長を遂げてきました。こうした大量生産・大量消費の社会は、一方で過剰生産や過多なエネルギー消費を生み出し、大量の売れ残りや食べ残し、温室効果ガスの排出など、さまざまな問題を深刻化させています。

日本などの先進諸国は、これまで途上国の資源を活用し、自然環境に負荷をかけて大規模な産業をつくりだしてきました。今後、地球環境の維持と経済的な開発を両立させるにはどうすればいいのか。それぞれが、一つ一つの目標だけを見て盲目的に取り組みを進めると、目標同士が相反し矛盾したり、一方の目標が犠牲になったりする場合もあると思います。

「十勝・帯広はちょうどいいね」と評価していただくことがあります。人口規模や土地などのサイズ感に加え、都市機能と自然とが一方に偏らず、ほどよく調和するまちづくりを目指し続けてきたことで、住み心地の良さや適度なゆとりを感じられるまちとなっているからだと思います。

この地域の豊かさに感謝し、一つのことに偏ることなく、多角的な視点でやり過ぎることなく、また欲張りすぎることなく「ちょうどいい」を考えてみる。今を生きる自分たちの世代のみならず、次の世代に利益や幸せを引き継ぐポジティブな視点で一人ひとりができることを実践していくことが、SDGsの理念につながるのではないでしょうか。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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