結節点から“要衝”へ(広報おびひろ令和3年7月号掲載)

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ページ番号1009462  更新日 2021年6月18日

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来たる令和6年度、道東自動車道が、釧路まで開通する見通しとなりました。高速道路のネットワーク化が進み、各圏域とのアクセスが向上することで、物流や観光面など、十勝・帯広に与える効果を期待する声も多く聞かれます。

この半世紀の間、全国で高速道路や新幹線、地方空港など、多様な交通網の整備が進められてきました。しかし、いざ「道」がつながってみると、大都市側に利益を吸い上げられたり、単なる通過地点になり、まちの活力が低下してしまった地域もあると聞きます。交通インフラの整備は、利便性をもたらすと同時に、自分たちのまちはこれから何を強みにして発展していくのか、まちの未来をしっかり考える機会を改めて与えてくれているのではないでしょうか。

北海道の縦横の道がクロスする結節点に位置し、大自然に恵まれた「ひがし北海道」の一翼を担う十勝・帯広。

単なる交通の結節点ではなく、ヒトやモノの流れにとって欠くことのできない“要衝”になるために考えるべきことは何か。

市が管内町村とともに取り組む「フードバレーとかち」では、食と農林漁業に関する基盤づくりなどを進めるため、1市単独の視点から十勝18町村との連携や海外をターゲットに加えることなど、広域的な視点を持って取り組みを進めてきました。

例えば、これまで牛肉を輸出するには、加工のため本州の工場まで輸送する必要がありました。このため、市は諸外国の厳しい衛生管理基準もクリアできる「と畜場」の整備を支援しました。こうした販路拡大やコスト抑制などにつながる基盤整備と生産者の皆さんの意欲が結びつき、近年、十勝における畜産の取扱量や生産額は、大きく伸びてきています。

高速道路の整備により、ビジネスの時間とコストが圧縮される中、これまでの当たり前と考えてきたことや、常識を超えた新しい景色の中に、「ひがし北海道」としての姿を考えることが、ますます重要になってくると思います。

十勝・帯広が有する資源を過大にも過小にも評価することなく、冷静に正しく評価・認識しながら、従来の考え方にとらわれずに新しいものや変化を受け入れる「開放性」と、自分と違う意見も尊重する「多様性」を持ち、「ひがし北海道」という大きなエリアの中で、その“要衝”たるには、いかにあるべきか、みんなで知恵を絞る時期に来ていると考えます。
 

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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