炎の向こうに観つめるもの(広報おびひろ令和2年12月号掲載)

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ページ番号1006975  更新日 2021年1月17日

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パチッ、パチッ。薪がはぜる音にゆらぐ炎を見ながら、夕暮れ時の澄んだ空気の中で夢を語り合う。10月7日、今年で5回目となる「ドリームマップ会議」は、十勝幌尻岳の麓のキャンプ場でたき火を囲んで開催しました。
ドリームマップ会議とは、十勝・帯広の起業家たちが、年に一度、近況報告をしたり、新しい出会いをつなぎながら新たなチャレンジを促進する場です。大きなホワイトボードに夢や十勝の未来像、さらにそれを実現するためのアイデアを描いて意見交換したり、昨年は十勝を飛び出して東京で首都圏の企業や投資家たちへのプレゼンに挑戦するなど、毎年、趣向を変えて実施しています。
そして、今年は野外の開放的な環境の中で、十勝・帯広で創作活動をしているアーティストの方々に参加いただきました。
自分の内面に向き合いながら、感性や美学、芸術を表現する活動を日常的に実践している人たちと関わることで、意外な視点やヒントが見つかるのではないか。そんな発想で行われた今回の会議。
「十勝の自然に似合う洋服をつくりたい」「この風景をイラストにしたいと思い移住を決めた」「十勝産の素材をモノづくりに活かしたい」。分野はさまざまですが、漫画家や陶芸家、デザイナーといった方々が、起業家の皆さんと同じように、十勝・帯広にもとからある資源が、自分たちの活動の源になっていると話されている姿が印象的でした。
変化が激しく未来を予測しにくい時代、世界的な感染症の流行により、さらに不確実性が高まったといわれている中、「目に見えていないものを深く観つめる」そんな物事の本質や存在意義を問う「哲学」の思考が、今、見直されてきているそうです。
これからのまちづくりにも、人々がどんなことに幸せを感じるのか、「人」そのものを観つめながら、考えていくことが大切だと感じます。そのためには、豊かな想像力や思考力を持つ必要がありますが、これまで目にしてきた常識や尺度にとらわれずに、物事を突き詰めて考えることは簡単ではありません。
十勝の圧倒的な自然の中で境界を取り外し、五感を研ぎ澄ましてみる。いろいろな人と感性を解放して語り合う。作品を手から手へと渡す。この会議が、リモートでは見えにくい大切なものを観つめ直し、思いや考えを深める場を創ってくれたように思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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