国際農業機械展(広報おびひろ平成30年7月号掲載)
4年に一度、十勝・帯広で開催される国内最大の「国際農業機械展」が、来る7月12日から北愛国交流広場で開催されます。
34回目となる今年は、過去最多となる135社の農機具メーカーが国内外から集い、会場には、農作業の省力化や効率化を図る最新鋭の農業機械が一堂に展示されます。来場者も20万人以上だった前回を上回ると見込まれています。
「うちの農機具はすごいよ」。昭和22年、十勝の鍛冶屋さんが一堂に農機具を持ち寄り、帯広市内で技術を自慢し合う「自由市場交換即売会」から始まった農業機械展。その後、全道、全国へと徐々に規模を拡大し、平成14年の第30回以降、海外からも出展する「国際農業機械展」になりました。
十勝・帯広の農機具メーカーは、農業団体、大学、国や道立の試験研究機関などとの連携による研究開発に心血を注ぎ、豆やジャガイモなどの収穫機をはじめとするさまざまな機械を開発し、この地域の農業の発展に貢献してきました。
最近では、ジャガイモの生産量世界第1位の中国や、第2位のインドにおいて、十勝・帯広の農機具メーカーが、現地の畑に合った収穫機の開発などを進めており、その優れた技術力は、海外からも高い評価を受けています。
今後、農業従事者の高齢化や労働力不足が懸念される中、無人トラクターなどの農作業を軽減する機械はもとより、気象や生育状況などのデータを活用した、効率的な農作業を行うための情報通信技術の役割が増しています。
現在、大樹町で民間ロケットの打ち上げ実験が行われていますが、この背景には、ロケットで宇宙空間に運んだ人工衛星から得られる画像や位置情報などの膨大なデータを、農業をはじめ幅広い分野で活用し、ビジネスにつなげたいという思惑があります。
また、地元の農協では、宇宙飛行士が食べる宇宙食の開発を行っており、国際認証規格に基づいて厳格に衛生管理された小豆が、宇宙食の赤飯の原料に採用されたという発表もありました。
壮大な十勝・帯広の大地で営まれている農業が、こうした形で宇宙とつながり始めていることは、この地域のスケール感をさらに広げるとても夢のある話です。
開拓時から集積してきた知識や経験、技術などが、この地域の人たちの情熱や挑戦によってつながりだすことで、十勝・帯広の未来の可能性が、ますます大きく膨らんでいくのではないでしょうか。
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