「豆の国」十勝(広報おびひろ平成26年11月号掲載)

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ページ番号1001628  更新日 2020年12月14日

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「十勝は『豆の国』。食べ物を代名詞として使える場所なんて、ほかにあるかしら。」
「大豆100粒運動」でも著名な料理家、辰巳芳子さんからお話をお聞きした時、私の脳裏によみがえったのは、子どもの頃、ストーブの上でコトコトと音を立てて煮えていた煮豆のことでした。
十勝の豆は、今も昔も、日本で指折りの生産量を誇っています。豆の加工や流通の歴史も古く、かつてはここに豆市場が立ち、「赤いダイヤ」といわれた小豆の相場で財をなす人も現れたそうです。
生産から加工、流通、そして食卓まで、豆は生活に密着していたわけで、十勝はまさに「豆の国」と呼ばれるにふさわしい土地柄であったといえます。
それが最近、食卓から豆が遠ざかってきているように感じられるのは、私だけでしょうか。
豆類の平均摂取量は、若い人ほど少ないという傾向が全国的に見られます。その理由は、さまざま考えられるところですが、「十勝の子どもたちが豆のことを知らないで、全国の子どもたちに分かるはずがないじゃありませんか」という辰巳さんの一言は、心に大きく響きました。
種類にもよりますが、豆には、お年寄りの方に不足しがちなタンパク質のほか、生活習慣病の予防に役立つともいわれる食物繊維やポリフェノールなどの成分が、豊富に含まれています。健康な体づくりに役立つことを科学的に証明し、食品に表示することができれば、大きなビジネスチャンスにもつながります。
また、十勝の豆がおいしいといわれる秘密は、この地の気候によって、豆の糖分が増すためだというお話を聞いたことがあります。十勝の風土に育まれた豆を使い、おいしくて栄養バランスに優れ、長生きにもつながるような食品や、子どもたちが将来懐かしく思い出してくれるような、産地だからこその豆料理ができないか。十勝の豆に新しい価値や魅力を加えて、次代へつないでいくことに、夢を膨らませているところです。
食を取り巻く時代の変化を受けて、しなやかに進化しながらも、どこか変わらない部分を持って受け継がれていくもの。それが「食文化」だと思います。
百年記念館には、200種類に及ぶカラフルな豆が展示されています。皆さんもぜひ一度訪れて、「豆の国」十勝のこれからについて、想いを巡らせていただければと思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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