春はあけぼの(広報おびひろ令和8年3月号掲載)
3月20日は春分の日です。暦の上では、立春(2月4日)と立夏(5月5日)の中間に当たります。北海道では、一日の平均気温がプラスとなり、雪解けが進むこの頃から春の始まりを感じる方も多いのではないでしょうか。
「春はあけぼの」。春と言えば、誰もが思い浮かべる清少納言の随筆の冒頭です。枕草子では、春に続き、「夏は夜」「秋は夕暮れ」「冬はつとめて」と、春夏秋冬それぞれの趣のある時間帯や光景が端的に描かれています。ここで気になるのが、「あけぼの」と「つとめて」です。いずれも朝を表す言葉ですが、皆さんはどちらがより早い時間帯だと思いますか。
「あけぼの」は夜明けの兆しが見え始める頃を指し、「つとめて」は夜明けから間もない早朝を意味します。そのため、「あけぼの」の方がやや早い時間帯になります。春は、夜が明けていく移ろいの時間帯が美しいと描かれています。私も、自宅の窓から見る夜明けの光が、春分の頃になると柔らかく、明るさも増してきて、季節の変化を実感します。
また、春分の日は秋分の日と同じく、「昼と夜の長さがほぼ同じになる日」のはずですが、なぜか、秋より春のほうが明るく感じられます。春分の頃は大気の屈折によって太陽が実際より少し高く見えることや、太陽の大きさの見え方の影響で、体感として昼がわずかに長く感じやすいことがあるそうです。さらに雪の照り返しが加わることで、同じ日差しでも明るく感じられます。春分の日と、本号の配布が始まる2月20日とを比べると、日の出は47分早くなり、日の入りは34分遅くなります。毎日、少しずつ日が長くなり、わずか1カ月で春はこんなに進んでいることがわかると思います。
そして、3月中旬頃に咲き始める花で連想されるのは、帯広の銘菓のパッケージにも描かれている黄色い福寿草です。福寿草は春を告げる花として、江戸時代には「福告ぐ草」と呼ばれ、のちに「寿」の字が当てられたそうです。私は色の中で暖かみがある黄色が一番好きなのですが、福寿草は見た目も名前も、春そのもののように感じています。
厳しい寒さも和らぎ、花が咲き始めると、外へ出ようという気持ちが自然と湧いてくるものです。春分の日は暦の節目であると同時に、日に日に増していく明るさが気持ちを前向きにしてくれるように感じます。そんな春の始まりを、今年も大切に迎えたいと思います。
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