本との出会いを育む図書館(広報おびひろ令和8年2月号掲載)
最近、出張でJRや飛行機に乗っていると、スマホを操作している人の多さに驚きます。少し前までは、長距離移動といえば駅や空港の売店で買った文庫本や雑誌を読む人が多かったのではないでしょうか。
昨今は「活字離れ」といわれる一方で、スマホで音楽や動画を楽しむのと同じように、本や記事を読む人も増えているように思います。電子書籍は、文字サイズや画面の明るさを調整でき、端末さえあればどこでも読める手軽さがあります。子どもやお年寄りにも優しく、現代の読書スタイルとして、今後さらに利用が伸びていくと感じています。
今年3月、帯広市図書館が現在地に移転してから20年を迎えます。蔵書数は60万冊を超え、累計来館者数は令和5年に700万人に達しました。電子図書館やオーディオブックも整備され、図書館を利用するための間口も広がっています。
一方で、装丁や手触り、ページを開いたときのインクの匂い、厚みを意識しながら読み進む感覚は、やはり紙の本ならではの魅力だと思います。また、書架に整然と並ぶ背表紙にふと心をひかれて思いがけない一冊に巡り合う。そんな偶然も、図書館の醍醐味なのではないでしょうか。
私が人生で最も図書館を利用したのは大学3年生の頃です。静かで広い空間が共有された大学の図書館は、貧乏学生には夏も冬も快適で特別な場所でした。毎日、開館と同時に入館し、決まった席で勉強していたことを懐かしく思い出します。
社会環境の変化に合わせてサービスや機能は進化していますが、図書館が地域の学びの拠点として果たす役割は、今も昔も変わりません。読み聞かせの絵本を探す親子や、友人と受験勉強に励む学生、ビジネス書を耽読するサラリーマンなど、図書館はさまざまな人の人生と本をつなぎます。また、お気に入りの本を互いに紹介し合ったりすることで、新たな気づきや刺激を受けるなど、本を通じた学びと交流の輪もさらに広がっていきます。
きっと誰にでも、人生に影響を与える一冊があるように思います。これからも図書館が、そんな本との出会いを育む場として、多くの人に親しまれることを願っています。
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