「おいしい」給食(広報おびひろ令和4年9月号掲載)

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ページ番号1012907  更新日 2022年8月19日

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パンが焼き上がる”おいしい“ 香り。4時限目になると、教室にも漂ってくるパンの香ばしい香りに、お腹が空いてきたことを思い出す。私が子どもの頃の給食は、学校ごとに校内で単独調理する自校方式が主流でしたが、児童生徒数の増加などに伴い、帯広市をはじめ、共同調理によるセンター方 式を採用する学校が、全国で6割を占めるようになりました。

大量の給食を効率的につくることができるセンター方式。統一した衛生基準の確保や安定した食材調達が可能となる一方、レパートリーの充実や配送時の温度管理などといった課題があるといわれてきました。

平成27年に移転・新築した市のセンターでは、小中学生約1万2 千人分の給食をつくり、市内全校に届けています。移転により最新の設備を導入したことで複数メニューの同時調理が可能となり、高い衛生管理基準に対応しながら、提供するおかずの品数を増やせるようになりました。また、食缶など器具類の保温性が高まり、より温かく提供できるようにもなりました。当時、特にこだわったのは、看板となるような新メニューの開発で、「いのちのスープ」教室で有名な料理家、辰巳芳子さんのお話を伺ったりもしました。そして、市内ホテルの料理長に考案いただいたのが、帯広ならではの「オビリースープ」です。

戦後、我が国は、高度経済成長を遂げる過程で、質より量が優先され、短時間でより多くのモノを生産しようと、効率性や合理性が追求される社会となりました。しかし、モノがあふれる現代では、質の良さに豊かさを感じたり、環境に配慮した消費活動が重視されるなど、人々の価値観も変化しています。こうした考え方は、コロナ後、一層、広がっていくのではないでしょうか。

先ほど紹介したオビリースープは、職員がいつもより30分早く出勤し、十勝産食材をふんだんに使い、時間をかけてじっくり煮込むことで出来上がります。

大人の私たちが、効率性だけではなく、時間やひと手間をかける視点も大切にする。やがて、それが子どもたちの「おいしい」、そして、まちへの愛情、誇りにつながっていくと感じます。

帯広の給食における「おいしい」や「ひと手間」とは何か?子どもたちが大人になった時に「給食って、おいしかったね」と思い出してもらえる給食を、みんなで考えていきたいと思います。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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