Grand Challenges(グランドチャレンジ)~世界の課題~(広報おびひろ令和4年8月号掲載)

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ページ番号1012637  更新日 2022年7月20日

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6月、帯広市は「ゼロカーボンシティ」を表明しました。

ゼロカーボンとは、気候変動に大きく影響する二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを、2050年までに地球規模で実質ゼロにするもので、日本をはじめ、先進国が実現に向けた取り組みを進めています。最近では、地域として取り組むことを表明する自治体も増えつつあります。

私が、環境政策の重要性に気付かされたのは、2010年に米国の「コーネル大学」に訪れた時です。そこで、当時、時代をリードしていた研究者たちが熱心に説明してくれたのは、「サステナビリティ(持続可能性)」や「ダイバーシティ(生物多様性)」といった、聞き慣れない言葉ばかりでした。今思えば、のちに、社会経済活動を維持しながらも地球環境を守るため、国連が掲げた世界共通の目標「SDGs」のベースとなるキーワードでした。

中でも、印象に残ったのは、地球の絵とともに説明を受けた「ワンヘルス」という言葉でした。 人間と動物、植物なども含めた生態系の健康は一つであり、そのバランスのもとで地球全体の健全性が維持されているという考え方です。近年、地球規模でこうしたバランスが崩れ、地球温暖化はもとより、新型コロナやサル痘など、動物由来の感染症が発生している原因ではないかと指摘する学者もいます。

温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという、高い目標を掲げるゼロカーボン。これまでの気候変動対策は、省エネやリサイクルなど、CO2を「排出」しないことに重点が置かれてきましたが、ゼロカーボンは、森林の管理などによる「吸収」の視点にも着目し、排出量と吸収量を差し引きすることで、全体としてCO2のゼロを目指す取り組みです。

市民の皆さんが、大切に守り育ててきた「帯広の森」や「農地」など、広大な緑が広がる十勝・帯広。こうした緑には、植物の光合成により、社会活動などで放出される大気中のCO2を吸収する役割もあります。

気候変動、水資源の枯渇、食料の安全保障、そしてエネルギーの供給。グランドチャレンジ(世界の課題)といわれる、この四つの課題に対応できる資源を有し、これまでその価値を磨き上げる「フードバレーとかち」を推進してきた十勝・帯広は、持続可能な社会の形成にも、前向きに貢献していけるのではないでしょうか。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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