「川」に思う(広報おびひろ令和4年7月号掲載)

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ページ番号1012055  更新日 2022年6月20日

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河口がいく筋にも分かれていることを意味するアイヌ語「オペレペレケプ」が由来の「オビヒロ」。清らかで豊かな水源を有する帯広市には、十勝川や札内川をはじめ、無名川も含めると、百以上の大小さまざまな川が流れています。

最近、帯広川に架かる「鎮橋(しずめばし)」の工事に関する報道を見ました。小学生だった頃、「しずめばし?川に沈まないためにある橋の名前に、なぜ”沈め“なんてつけたんだろう?」と思ったことがありました。当時、川が氾濫したことがあり、「川の水があふれたら大変なのに・・」と感じていたため、「沈め橋」という言葉からくる語感のギャップがあったのだと思います。長じて、勢いを抑えること、自然などに宿る神々の怒りを収めることを意味する「鎮める」という漢字が当てられていると知り、納得がいったことを思い出します。

川は、古くから生活用水や農耕に利用されてきましたが、物資の輸送・交通機能も有するようになると、人々の生活や経済の基盤づくりに大きな影響を与えました。

海外の都市も、水運に支えられて発展してきた歴史があり、パリ市の紋章には、こんな標語が刻まれています―「漂えども沈まず」。 「たゆたえども沈まず」というタイトルで小説にもなっているため、ご存知の方が多いかもしれません。パリを流れるセーヌ川の氾濫による水害を何度も乗り越えてきた歴史や、一つのことに固執せず、さらりと受け流すことを美徳とするフランス人の気質を表しているといわれています。

船は、荷物を積み過ぎると沈んでしまいます。沈まないためには何かを捨て、軽くなるしかない。私は物事がうまく進まない時には、この言葉をそう捉えて「残すべきものは何か、捨てるべきものは何か」と自分に問いかけてみることを大切にしています。川は、人の生き方や気持ちの在り様に例えられることが多く、さまざまな示唆を与えてくれる存在だと思います。

身近に豊かな自然を感じられる帯広の川。毎年、町内会の皆さんが中心となり、全市一斉河川清掃に取り組んでくれています。40年以上も続く活動で、今年も9河川で2千人を超える参加がありました。また、この地域の水道水の源である札内川では、企業や子どもたちによる清掃ボランティアなども行われています。

天気の良い日は、市民の皆さんの手で、きれいな景観や環境が守られている川辺に出掛けてみてはいかがでしょうか。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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