平成26年4月21日 市長記者会見

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ページ番号1001191  更新日 2020年12月14日

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とき
4月21日(月曜日)、10時〜10時35分
ところ
市庁舎4階 会議室
出席者
米沢市長
政策推進部 原部長、東堂企画調整監

写真:記者会見の様子

二期目就任にあたっての抱負について

<市長>
おはようございます。それでは、今日から市長二期目の任期がスタートしましたので、お話をさせていただきます。
まず、まちづくりの舵取りを担う職責ということで、今朝、改めて身が引き締まる思いでした。これから、また4年間、市政の発展、市民の皆さんの幸せのために、精一杯頑張っていく決意でありますので、どうぞよろしくお願いします。

市政執行にあたって、公約集にも一部書いてありますが、納得感のある開かれた市政を目指していきたいと思っています。
それから、これは従前から言っていますが、自ら考えて自ら主体的に行動していく自治体を目指さなくてはいけないと思っています。
3点目、十勝として一体的な発展に強い意志と行動力をもってあたりたいと思っています。夢を語れるまちづくりに取り組みを強化していきたいと思っています。これが、3つの私の基本姿勢になろうかと思います。

当然、今回二期目なので、一期目の経験、それから成果などをできるだけ生かしていきます。さらに、十勝・帯広がより元気になるために必要なことを、もっと深く考えなくてはならないと思っています。
次も従来から意識して使っている言葉で、ここに住んでいる人たちに誇りを持って、自らのまちについて語り、発信していけるような地域にどうやってしていくかと、意を用いると申しますか、一生懸命考えていきたいと思っています。
その結果、一期目は、「フードバレーとかち」を産業政策の色合いを強く押し出しました。ただ、一期目から、実は、まちづくりへの大きく傘にかける言葉として「フードバレーとかち」を使う意向でしたが、議会などにおきましても、結果をだす議論が多くあり、産業政策に重点を置いて動いてきたことは事実です。
産業や商業のほうがわかりやすく、その分野でやってきましたが、改めて「フードバレーとかち」というせっかく育てていただいた言葉を、さらにまちづくりの視点で加速をしていき、もう一度皆さんと深く考えていくこともしていきたいと思っています。

今回は、産業振興のみならず、健康づくりや福祉・教育の充実、快適な環境づくりと言っています。これも横糸というか、あるコンセプトを持ってないと議論が深まっていかないと思っています。そういう面でも、「フードバレーとかち」を標榜している地域としての健康づくりの特徴や特徴的な福祉政策がないのかということを、二期目で考え、そして実行していきたいと思っています。

協働のまちづくりと言えば、人事(ひとごと)になりがちですが、皆さんが参加していると実感できるまちづくり、そしてお互いが支えあっているというまちづくりをリンク(連結)しながら、考えていきたいと思っています。
それから、二期目にあたって、これまでも意識をして、さらに選挙のときも言いましたが、改めて市民の目線をもう一度きっちりと、把握していかなければなけないと思っています。
その上で、世代の断絶などがあり、町内会活動一つとってみても、ずいぶん高齢化してきているという話もあります。十勝・帯広の中で、世代を繋いでいく方法はないのかということにも、力を入れていきたいと思っています。
これはもしかすると、知らないことが多いから、「町内会活動」と聞いた瞬間に「あっ、いいです。」という話で、食わず嫌いになっているのではないかと思っています。町内会活動のどの辺に、皆さんが参加することに抵抗があるのかというところまで、本当に現場で繋がっているのかと考えます。
逆に、若い人からみて、高齢者の皆さん活動がすごいと思う部分がきっとあるに違いないと思います。それがうまく見えていないかもしれないので、一つの考え方として「今の若者は」というのは簡単ですが、若者の本音を、世代を越えて理解しようという気持ちはきっとあると思います。日本全体もそうだと思いますが、理解をするための機会などが少ないので、今回の公約の中でも書き、二期目では少し意識して、繋ぎ合わせるきっかけや仕組みを、行政という立場で見つからないのかということを、改めて職員に投げかけて、行政の仕事として、どのように大切にしていけるかを考えていきたいと思っています。

それから、本筋からはずれますが、ばんえい競馬が先週の13日から始まりました。おかげさまで今のところ、入場者数と売り上げ共に上々の幸先の良いスタートを切ることができていて、非常に気持ちが良いです。
4年間、積み上げてきたものを次に繋ぐのが、二期目の信託をいただいた最大の私のミッション(使命)と思っていますので、一期目以上に精一杯頑張っていきたいと思っています。私の方からは以上です。

報道機関との質疑応答要旨

<記者>4年前、初登庁のとき、雪が降っていたことや民間から行政に入るという気持ちもあって、白いキャンバスに絵を描いていくという天気をなぞらえての心境を話されました。
今日はうす曇でところどころ晴れ間は見えるけれど、まだ寒い天気にかけての心境はどうでしょうか。

<市長>なかなか答えるのが難しいですが、「らしいな」と思いました。
先ほど就任の挨拶をしたのですが、当日、原稿を書こうと思っていたので、今朝3時に起きました。今は4時半くらいから明るく、日が昇ってきます。最初は晴れていましたが、だんだん暗く曇ってきて思ったのが、「らしくていいな」と思いました。
らしいというのは、二期目に向かって、華々しく楽しいものがたくさん並んでいるわけではなくて、まだまだ越えなければならない課題がいっぱいあります。この先も見えないことや、それからそれが市の力だけでどうにかなるものばかりではなくて、大きな力が必要な国やグローバルな問題が多くあるということです。
春の陽気でいい気持ちになるというより、少し肌寒い中で身の引き締まる気温ぐらいがちょうどいいと感じたので、そういう面で「らしいな」と思いました。

<記者>先ほど職員向けの訓示の中で、4年前におっしゃられていたことと全く同じ趣旨を、前段に言われていました。
その意図は、どういったところにあるのでしょうか。

<市長>不易流行ではありませんが、マネジメントをやっていく上で、トップの視点は変えるものではありません。
今日の第一声で、二期目は姿勢が変わるのかなどに大きな関心を持っているはずなので、環境認識という点においては変わらないということをまずメッセージとして出したかったわけです。
4年前に思いつくまま、気楽に書いた割には結構、今回も全く変わらず、話せる内容の引用だったと改めて今朝、感じていたところです。そういうように意識して引用したということです。
特に先ほどのスピーチの中でも言いましたが、改めてラインホルドニーバーの言葉※1を自分にも投げかけたつもりです。
特に、この1年ほどで、公共施設マネジメントなどの取捨選択をしていかなければならないというか、手にするだけでは進まない時代になってきた中で、もう一度、あの言葉を市の職員のみんなに、かみしめて欲しいと思いました。何を捨てるか、何を残すか、それを判断する知恵などを、よりビビッド(鮮明)に感じてもらえるのではないかと。4年前は、どこかから降りてきた市長が、なにか知らないいろいろなことをしゃべっていたと思いますが、改めて現況の中でかみしめてもらいたいという気持ちがあって、お話をしました。

<記者>無投票になり、選挙活動の中で、市民に直接話しかける場面は少なかったと思います。
今後二期目の中で、どのようなところで、市民に対して政策を伝えていくのかお聞かせください。

<市長>政策を市民の方に訴えるのは現状の選挙の期間の中でも、なかなか難しいと認識しています。マスコミの皆さんにお手伝いいただきながら、政策を広げていくこともかなりあると思っています。
今、二期目をスタートして、政策を予算にどう落としていくかということになります。ですから、公約がまた新たに33あるということよりも、これからの予算を作っていく過程や実行している過程で、公約として提示したことが、きちんと説明していくことが基本になると思います。
どうしても公約は理念的なことが多く、説明して歩くと理念先行と言われそうなところもありますので、それより具体的に予算でこういうところに昇華したという話を説明していく機会を作りたいと思っています。

<記者>今、お話にもありましたが、今回の公約で数値目標やいつまでやるという記述が少ないという印象を受けました。
今もお話がありましたが、その部分について、今後、市民に段階的に予算の形で伝えたいということでしょうか。

<市長>僕も、公約を前回も今回も勉強させてもらっていますが、いろんな形の公約があると思って拝見しています。でも、スケジュールまできっちり入って、定量的なものまで約束している公約は、あんまりたくさんあると認識していません。
4年の間にこういうことをしたいという提示の仕方をしていますので、4年の中ですぐ着手、実行できるものもあれば、時間をかけてやらなくてはいけないものもあります。毎年の予算編成の中で、議会での議論もいただきますし、市民の皆さんへできればこれまで以上に、予算のことばかりではありませんが議論できる場を、作っていきたいと思っています。

<記者>TPPの交渉が詰めの協議を迎えて、改めてTPPに関する米沢市長のご意見と、アメリカもなかなか妥協する姿勢を見せない中で、今後交渉が農作物の関税撤廃とする場合に、帯広市としてもしくは十勝全体としてどのような行動を起こしていく予定なのでしょうか。

<市長>これまでもずっと申し上げてきたことですが、きちんとした説明もなし、または対応の説明もなしに進んできている中で、十勝は大変な影響を受ける可能性があるので、きちんと説明をしてもらいたいと申し上げてきました。
説明なしで決められていくことについて、我々は反対だと申し上げてきました。それについては何も変わっていませんし、これまでと同じように十勝をあげて、また北海道が入るかもしれませんが、一人ひとりで行くよりは、これまでのように組織立てて、きっちりと言う事は言っていくような対応していくということが筋だと思います。
何分にもわからない状況は、これまでも今も何も変わっていません。ですから、我々はこれまでの主張をとにかく曲げずに、お話をしていくことだと思っています。

<記者>交渉も佳境に入っている中、これまでも国に対して要求を伝えていると思いますが、伝わっている実感はおありですか。

<市長>伝わると言うのをどのように解釈するかだと思います。
然るべき人たちが然るべきステップを踏んで持っていっています。それで伝わらないのは聞く気がないということでしょう。ですが、僕らとしては伝えているつもりです。
伝わっていないか、伝わっているかというのは、相手の話なので、僕らはとにかく伝わるようにこれまでも動いてきましたし、これからも動いていきたいと思っています。

<記者>TPPに関連して、確たることは私も知りませんが、今週はオバマ大統領が訪日する予定で、そこで何か発表があるのではとの報道が出ています。
仮に何か大きく交渉の内容がわかった、妥結したなどがあった場合、先ほどの国の説明不足や、いったいどうなるという部分があったら、十勝で農水省に説明を求めるなどの具体的な上京などのアクションを、市長は考えているのでしょうか。

<市長>現状、いつ、なにをするなどの話はありません。ただ、おそらく何かそういう要因が起きれば、連絡を取り合ってどうするのかという話になるかと思います。具体的にこうだったら、こういうことをするというものは持ち合わせていません。

<記者>地元選出の代議士の先生とは、なにか協調体制をとっているのでしょうか。

<市長>協調というよりもずっと一本で、これまでも同じことを言ってきています。皆さん全員が同じだと信じています。

<記者>TPPで24日に、もしかしたら発表があるのではという報道もありました。日豪EPAも同じように説明もないまま、妥結してしまう。国会の批准という手続きがありますが、TPPも日米の協議も再開して妥結してしまえば、そのまま進んでしまうという恐れが出ています。その割に、十勝全体の動きが鈍いと私には写っているのですが、市長として現状をどのようにお考えですか。

<市長>先般も知事を筆頭に、農水大臣のところへ木曜日に行ってきましたし、私はすべきことを粛々とやっていくのだろうと思っています。
状況は、お話のようになるかもということなので、一つずつ事実が積み重なってきたときに、行動を起こしていくべきであって、憶測で動いている間は、所詮憶測という形で対応をされるのではないかと、私個人的には思っています。
現実としていろいろなことが出てきたとき、どう対応していくかということですが、最近の動きは水面下での動きで、さらに発表される内容もほとんどわからない発表のされ方なので、これまでも大きなことが動いたときには割と十勝は、早く動いているのではないかと思っています。

<記者>実際に決まってしまうと、もう多分、止められないのではないかと感じはありませんでしょうか。

<市長>それについて、私はどうお答えしたらいいのか、わからないですが、非常に答え方が難しいです。我々が反対であることを、我々はきちんと伝えていくことだと思います。
TPPが決まってしまったら、止められないのではないかと言われるのは、制度として止められないのであれば、どうやって止めるのかというご質問なのかもしれません。現状では、突き詰めていけば、お話のように決められてしまうのです。でも、TPPの妥結についてそうならないように、我々の意向をきちんと伝えていくしか方法がないです。

<記者>今日の訓示で、市長は「信」という言葉を使い、信じると言われていました。
先般、札幌市民の方が口座を2回も差し押さえられたという話があって、私も電話取材して、帯広市には非常に不満を抱いているということでした。この件についてもそうですが、スピード違反など、割と職員の不始末があると思います。市長が二期目に入り、先般の2回の差し押さえの件について、庁内の意識徹底や、何かお考えがあればお願いします。

<市長>今回の事務処理の間違いは、行政のプロとしてあってはならないと重く受け止めているところです。当然ですが、再発防止、それから職員の質的な意識の向上を、不断にやっていかなければなりません。改めてこのような事態が発生したということで、徹底していきたい。
先ほどのお話の通り、市民の信頼を一度失うと、なかなか回復が大変難しいです。現実としてなってしまいましたので、皆さんの信頼回復にとにかく努めていくしかない。毎日の日常の仕事で二度とこういうことがないように徹底していくことと、市民サービスを更に向上させていくということではないかと感じています。改めてお詫び申し上げます。

<記者>見て見ぬふりをしないということを、選挙期間中おっしゃっていました。それに対して、多分行政だけでなく議会や市民に対してのメッセージだと思いますが、具体的にどのようなことを念頭において発言されているのか。

<市長>かなり広く、足元もあります。
私が「十の敵」※2と言っている中に、自分のところと関係がなかったらいいという「セクショナリズム」という言葉があります。セクショナリズムは、全体としての当事者意識が欠けていて、それは自分のところではないという組織です。
そういうことをなくさなければならないということが、身近なところでもありますし、市全体でも同じことがいえるのではないか。まちづくりの当事者になったら、いろいろなところに気になることが出てくるはずです。自分とは関係ないところということで、黙っていることが多いのではないかと思っています。
こうしたらいいと思ったときに、そのことが言える雰囲気を作っていかなければならない。それから言った人が馬鹿をみるような形でもいけない。足元から、少なくとも市役所の中からきちんとやっていきたいと思います。
市が関与しているいろいろな会合もありますからそういう時でも、「物言えば唇寒し秋の風」になってはいけないという気もしています。少し抽象的な言い方になりましたが、それをやっていかなくてはいけないだろうと思い、それはJR北海道の問題とか見るにつけて感じることです。想像になりますが、あれも多分周りでは、いろいろな人がいろいろな思いを持っていたのかと、マスコミ等の書き方からも感じます。それは「他山の石」だと思いますので、改めて意識してやっていかなくてはいけないので、その意識だけはしっかり持っていきたいと思っています。

<記者>考えていただきたいことです。今もありましたように、この前の二度同じ男性の口座を差し押さえてしまった件で、一度目が起きたときに課内だけで対応したそうですが、そういう場合、公表するなり、全庁的に広げたほうがよかった。また起きてしまった点で、市の発表のあり方というのも問題が多い。特に2度目が起きたとき、道新さんが書いて発覚しているのですが、それでいいのでしょうか。
やはり、こういうことがあったと市自らが積極的に情報を出していかなければいけないのではないかと考えます。今後の発表のあり方について、ご検討いただきたいと思っています。

<市長>発表それから庁内におけるそういう事態の扱い方について、今も言っていただきましたが、しっかりと考えていかなければいけないと思っています。
これまでのルールがありますから、そういうルールの中でやってきたことが、世の中の常識と大きくかけ離れているということがこのように、一つずつ表に出てきますので、きっちりと先ほど申し上げたようなお話の延長として徹底したいと思っています。

<記者>色紙いいですか。漢字一文字で二期目の思いを表していただけないでしょうか。

<市長>漢字一文字。

<市長>僕は今回世代を越えて、世代を繋ぐということを意識して二期目に向かおうと思っています。
そう言ったあとで、日本語にはもっときれいな言葉があると人に教えられまして、繋ぐというより結ぶという方が言葉がきれいだと言われて、なるほどということで、結合の「結」です。
皆さんからもいろいろと言っていただいていますが、セクションを越えて、いろいろな産業の枠を越えて、いろいろなものを今までと違った組み合わせで繋いだり結びつけたりすることで、新しい考え方やアイデア、もっと大きくいえば、変革のようなものが出てくるのではないかと思っています。
農業と情報産業や、農業と車の産業などのいろいろな組み合わせがあると思います。我々の普段の仕事でも、保健の関係と子どもの関係、他のセクションといろいろな組み合わせがあると思います。ただ、単純に繋ぐだけだと、ではその後、勝手にやってとなるのですが、それをきっちりと結びつけるところまでやっていくことが必要と思っていまして、今回、とにかく結んでみたいと思っています。

<市長>どうもありがとうございました。

以上

  • ※1米国神学者ラインホルドニーバーの言葉「守るべきものは守る冷静さと、切り捨てるべきものを切り捨てる勇気と、そして、いずれを守り、いずれを切り捨てるかを判断する知恵が大切である。」
  • ※2十の敵「1.セクショナリズム、2.官僚主義、3.悪平等、4.自己中心主義、5.拝金主義、6.事なかれ主義、7.内向き思考、8.当事者意識の欠如、9.教条主義(形式主義)、10.唯我独尊(傲慢)」

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