平成26年10月22日 市長記者会見

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1001186  更新日 2020年12月14日

印刷大きな文字で印刷

とき
10月22日(水曜日)、11時30分〜12時
ところ
市庁舎4階 会議室
出席者
帯広市長 米沢 則寿
前田副市長、田中副市長
政策推進部 阿部部長、池原政策室長、磯野企画調整監、川端財政担当企画監、桃井財政課長補佐

写真:記者会見の様子

平成27年度予算編成方針について

<市長>平成27年度の予算編成について、ご説明します。

ただいま、お手元に配布しました「平成27年度予算編成方針について」のペーパーを、本日、各部長に示しました。来年度の予算は、2期目就任後、最初の通年予算となります。

これまでの4年間、全ての市民の皆さんの幸せを念頭におきながら、十勝帯広の特性、豊富な地域資源を活かした「フードバレーとかち」を進めてきました。来年は、「フードバレーとかち」をさらに加速させて、根を深くし、深化させ、成果を一つ一つ着実に生み出していきたいと考えています。
国は、地方創生に向けて、「まち・ひと・しごと創生本部」を発足させ、年内にも総合戦略をとりまとめることとしています。人口減少、少子高齢化の地域社会への影響が懸念される中、国のこうした動きを取り込みながら、将来にわたって、この地域が持続可能なまちづくりに取り組んでいくことが必要と考えています。

このような状況に的確に対応するため、平成27年度の予算編成にあたりましては、人口対策の視点を持ちつつ、3つの重点を設定しました。

一つ目は、「力強い地域経済をつくる」です。
十勝帯広の経済は、着実に持ち直しているとされていますが、TPP交渉の動向による基幹産業である農業への大きな影響も予想されますし、本年11月からの電気料金の引き上げ、明年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げなど、市民生活への影響、地域経済の活力低下が懸念される状況にあります。このため、食と農業、環境など、十勝帯広の豊かな資源を活かした働く場の確保、十勝への人のプラスの流れ、産業振興などにより、地域経済の活性化を図っていくことが必要であると考えています。

二つ目は、「未来をつくるひとを育てる」です。
人口減少の進行をできる限り抑えていくためには、外から入ってくる人を増やすなど色々と考えなければなりません。その中でも、子どもたちや女性を含め、地域づくりを支えて、地域の未来をつくる「ひと」を育てることが大切であると考えています。

三つ目は、「安心できる暮らしをつくる」です。
人と人の優しさ、つながり、地域で支える仕組みづくりを大切にしながら、健康で生きがいのある暮らし、快適で安心できる暮らしの実現に向けた取り組みを進めていきたいと考えています。

なお、予算編成手法は、より効果的な予算とするため、政策・施策評価結果や、サマーヒアリング等を踏まえて、将来を見据えた事業の選択と集中を図り、各部の連携のもとに編成することなどを示しました。

平成27年度は、地方交付税をはじめとした歳入の見通しがまだ不透明であることや、社会保障費の増加、電気料金の引き上げ、労務費、資材単価等の高騰などに伴い、非常に厳しい予算編成が想定されますが、市民の皆さんの納得感・満足感を得られるよう、全庁一丸となって取り組んでいきます。
平成27年度予算案は、来年の2月に発表させていただく予定ですので、これから、編成作業を進めていきたいと考えています。
私からは以上です。

報道機関との質疑応答要旨

<報道>今回、人口対策の視点が一つポイントだと思います。各施策で、人口対策を意識しながら予算編成していくイメージと理解しています。
もう少し、市長の具体的なイメージをお聞きします。

<市長>人口対策の視点では、大きく3つくらいに分かれると思います。
1つは減少トレンドだといわれている中で、その減少トレンドの進行を止める何か政策があるのかを考えなくてはいけません。
2つめは人口減少、人口構造の変化による影響をどのように抑えていくのかということ。
3つ目は、どちらかというと僕のスタイルですが、「マイナス」のことばかりではなくて、「チャンス」はないのか。「チャンス」に変えるようなことを、この地域の経済や地域の社会生活において、見方によってはプラスに考えられることはないのか。たぶん、この3つくらいの視点を見なくてはいけないと思っています。

国の検討項目の中に入っていますが、地方への人の流れを作るためには、ここに仕事がないとなりません。
仕事や病院がない等の要因で、人が出て行く可能性や、人がそこに住みたくないなどがあります。働く場や子育てなどを意識しながら、この地域の状況や将来がどうなっていくのかを、みなさんへの発信、または取り組みを予算に反映させていければと思っています。

<報道>2番目の重点項目「未来をつくるひとを育てる」は、教育関係の分野と思いますが、具体的にどのようなものを考えていますか。

<市長>今回、人口減少をベースにお話しました。
人が減っていくことは、単に生きる死ぬという話ではなくて、ここから移動していなくなるということです。
理由を考えると、ここに居ると、今よりも悪くなると思うからだと思います。つまり、ここに居たら今よりも良くなることや、未来につながることがあれば、いてくれるのではないか。そういう中で、教育となると大きくなってしまうのですが、子どもたちがここで育っていくために、この地域はどのように作っていくのか。
それから、ここで生きていく上で、生涯学習としてどういうものを勉強していけるのか非常に大きいと思います。

それらの前提に、安心安全、災害、病院、医療などの問題があります。今まで広域連携などを行っていますので、それを進めていくと、先ほど申し上げました。改めて、この地域は、人に焦点をあてていくメッセージを出していくべきだと思っています。
私の今回の公約の中にも、人の項目があり、帯広市にある社会的な仕組みで学校を中心として、どういうものを打ち出していけるのか、今回の予算の中でも、考えてもらおうと思っています。

<報道>予算の話からずれてしまうのですが、今、十勝の幕別町で、若手の職員による人口減対策のワーキンググループを作っています。帯広も、昔、人口減の対策チームがあったと聞いています。
新たに人口減の対策会議を開いたり、他の市町村と連携して立ち上げたりなどの考えはありますか。

<市長>帯広の人口問題対策会議は、過去に作っていて、働く場、魅力あるまち、子育て、住まいなどの4つ視点を意識して行っていました。
何かパッチあてのように、市民の皆さんがここにいたら、何かもらえるからということで、安定的に人口対策ができるわけでないと感じています。まさに今までやっていることが、人口対策になっているはずで、そして、なって行くのではないかと思っています。
はじめは、フードバレーを産業政策として掲げていましたが、産業政策だって仕事を作るということです。だから、新しいタイプの仕事や雇用作りをしようということで、十勝全体でやっています。
消防の広域連携もやって、十勝全体でどうやって災害への対応を作って、やっていくかということを進めてきている。それから、帯広で厚生病院を3次医療の頂点にして、ある程度の時間の圏域の中で、病院、医療の対応をしてきています。

安全安心、医療、それから、仕事、教育などの何かが欠けるから、おそらく人口が減っていくのではないでしょうか。
今更どうしようもない人口のボリュームのことは別です。これから増やそうとしても、20、25年にならないと就労人口は増えません。
そこの手立ては、確かに子どもという話があるかもしれませんが、そこに納得感があって、今足りなくても、将来何かが繋がっていくものを提示できるから、人口対策になると思っています。
これを十勝全体で取り組んでいくために、定住自立圏を形成してやってきています。
定住自立圏は、真ん中の帯広市が全てを決めて、それぞれの町村に一斉にやってもらうのが、定住自立圏ではありません。中心市とそれぞれの町村の個性を活かしてやっていきましょうということです。
大きな塊のほうが、より効率的な取り組みとなるので、やってきています。

今、大騒ぎになっているから、人口対策を始めるというよりも、基本的な我々の取り組みをしっかりとやっていくことに対して、市民の方や十勝の皆さんが他の地域よりはここはやってくれそうだという納得感や希望、思いを共有してもらいたいと考えています。
先ほど人口減への3つくらいの対策を言いましたが、歯止めをかけたり、新しい繋がりの中で新しいビジネスができるかもしれないなどと考えています。

<報道>人口減少について、改めてお伺いします。
道内の人口が減っている中でも、十勝帯広はほんの少しずつ減っています。一方で、日本創生会議では、帯広でも若い女性の人口が50%近く減ると出ていたと思いますが、人口対策を打ち出すにあたって、帯広市の人口減少に対する危機感や現状をどのように受け止めているか聞きたい。

<市長>増田レポートは、一定の要件の中で作られていると思います。
もし、増田さんにお話を伺えれば、「十勝は大丈夫ではないか」と言っていただけると思っています。

大きな人口動態は一番裏切らないデータといわれるように、何もしなければこのようになっていくのだろうと思います。
先ほども言いましたが、何もしない地域に将来を賭けようという人はいませんので、人はいなくなるのだろうと思います。私は危機感があります。人がいなくなったら、何もなくなってしまいますから。4年間しっかりやってきたと自負しています。

細かな数字は手元に持っていませんが、1市3町の圏域で人口を考えたら、おそらく、北海道で唯一増えているのではないかと思っています。石狩も振興局ベースで見たら増えていますが、札幌市を抜いたら減っています。江別などのベッドタウンとして見たら増えているところはあります。
1市3町では0.2%の人口プラスだと思うので、帯広だけの数字でいいのかと考えています。十勝全体の振興局ベースで見ても、石狩圏を除いて減少率の少ないところです。非常に特異な地域で、減少率をきちんと解析しないといけないと思っています。

日本中の人たちと同じ視点でわさわさするのではなくて、現状を庁内や十勝全体でも考え方を共有して、人口減少に当たっていかなくてはいけないと思っています。
どこに力をかけたらいいのか地政学的に考えると、十勝での帯広の場所や道路は非常に面白いと思っています。例えば、帯広は渋滞のない道路を持っていますというように見るべきではないか。東京にものすごい医療機関がこんなにありますなどといわれても、渋滞する高速道路を持っているので、時間帯によっては、どうなるかわからないです。
ここに住むことがどういうことなのかを、東京の人たちが作っている安心安全の医療という説明ではなくて、ここのプラスとして発信していく。
ここでの1時間圏域とはどこまでだろうとか考えると、十勝のありようは面白いと思っています。このことを十勝全体で共有して、人口対策を各市町村で対応するのも、なかなか出来ないだろうと思っています。

<報道>関連して、国の地方創生の動きも取り込みながらとお話されていました。
それとは別に帯広市独自で人口対策を打ち出して考えていくという考えはありますか。

<市長>具体的にこうしようというのはまだ考えていません。
これからの動きを見ながら、革新的にこういうところだという議論が出てくれば、否定することではないと思います。
国がいろいろな対策に出てくる時に、我々が何をしたいのかを持っていないと、捕まえ損ねたり、振り回されてしまったりするのではないかと思っています。

市の3つの柱も国と一緒です。やらなければならないポイントは一緒で、それに追随していくのか、それとも自分達の言葉で自分達の地域の実情を考えて、ロジックを作って、政策などを行っていくのかで、大きな差になると思っていますので、帯広市は自分達で考えてやっていきたいと思っています。

<報道>フードバレーの関係で、「根を深くして、着実に」ということでした。
今のフードバレーの成果をどのように捉えていて、具体的にどの部分に来年度の予算へ重点的に反映していきたいと考えているのか。

<市長>金額では非常に微々たるもので、フードバレーの予算として独立して多くありません。
「フードバレーとかちは旗です」とお話してきたように、みんなに自信と誇りを持って、この地域で何かを作っていく、新しい価値を生んでいくという考えです。

帯広市役所だけで、価値の創造はできませんので、ここに住んでいる人たち、または、この地域に来て何かをやってみようという人たちの動きを作ることが最大の政策目的なので、大分動きが出てきたと思っています。
報道のみなさんがいろいろと報道していただいて、集めるとムーブメントに見えると思います。
例えば、海外の食品関係の商社さんが、ここに支店を出しました。これも一つの成果だと思っていますし、若い方が6次産業化と大上段に振り被らなくても、周りの方がここに来て、レストランを作ってみようなどのいろいろな動きが出てきています。それから、東京では、帯広出身の方のビズカフェのようなものを作ろうという動きがあります。

このまちに関心を持ってくれて、このまちで何かをやって行こうとする新しい動きが、食の周辺でイノベーションを作っていこうという動きが出てきていると思っています。
フード特区の補助を使いながら、いろいろな建物ができました。箱物を作ればいいというわけではありませんが、安い資金を使って倉庫も出来たし、と畜場の話も動き始めました。

旗をあげてやっていると、人が動き始めてくれる。それをこれからどう繋いでいくかということだと思いますし、動き始めたムーブメントをもっと大きくダイナミックにやっていくのか。最初は不安ですから、大きく入っていくわけはないし、そういう動きが出てきて、どういう塊にしていくのか。
2年目の十勝人チャレンジ支援事業が終わり、3年目の来年になると合計30人の集団ができます。
ムーブメントがなく、大きな会社が来て繁栄するとは思っていないですが、大きな会社が来たらありがたいです。
僕はいよいよこの地域に動きが出てきて、それを見た人がこれから増えてきて、起業してみようという人が出てくるなどの広がりが出てくるのではと期待しているところです。そういうような周辺に予算をつけていく形になると思います。

<報道>交付税や市税の見通しも含めての歳入や歳出の収支の見通しはどういう感じでしょうか。

<市長>バランスをもってやるしかない。

<阿部政策推進部長>基本的には平成26年と同じベースで、今のところ考えています。
いずれにしても交付税も今年度の予算として5億円以上も落ちていますから、来年度も、電気料金の値上げや消費税などいろいろな課題がありますので、厳しい予算編成には変わりないと認識しています。

<報道>先日、国交省関連で、帯広空港の調査事業に補助金が付いたという話を聞きました。
どのような具体的な調査を考えているのか、狙いとして将来的にどういったものを考えての補助事業なのか。

<市長>先般、先導的官民連携支援事業ということで、1100万円の国の補助事業の採択がありました。
これは空港の管理運営に関する調査を行うことになっています。
民活空港運営法が昨年成立し、国では仙台空港をモデルとして、民営化の取り組みを進めています。民営化だけではないですが、効率性などを追求した空港経営改革が求められているわけで、現在モデルにしていますが、将来的には他の地方空港にも考え方を波及させる目的があると思います。

とかち帯広空港も開港して30年経過します。
滑走路などの基本施設の改修もありますし、もっと大きくしなくていいのかという声もあります。それから、管理運営手法も、従来とは違った視点からいろいろなことを言われるだろうと思っています。
帯広が管理運営している施設機能などの将来的なあり方をどうしたらいいのか、関係団体を交えて議論しなければならないです。その時に、何も考えなしに聞いても、いろいろなことを言われてしまうだけになりますから、専門的な調査をして、議論の材料として提示できるようにしていかなければならないと思っています。
期限として、来年の3月までに終わらせなければなりませんし、この事業を利用して、予算措置も検討していこうと思っています。

以上

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するご意見・お問い合わせ

政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
〒080-8670 帯広市西5条南7丁目1番地
電話:0155-65-4109 ファクス:0155-23-0156
ご意見・お問い合わせフォーム