平成24年4月 市長記者会見

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ページ番号1001203  更新日 2020年12月14日

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とき
4月20日(金曜)11時00分〜11時50分
ところ
市庁舎4階 会議室
出席者
米沢市長
政策推進部 原部長 草森企画調整監

任期の折り返しを迎えて 3年目の所感

写真:記者会見の様子

市長就任して2年。平成22年4月18日が選挙でした。21日が私の初登庁日で、ちょうど丸2年がたちました。
これまでを振り返って感じたこと、向こう2年に対して、今思っていることを資料にして、お手元にお配りしたところです。それをベースに皆さんからご質問を受けさせていただきたいと思っています。

どうしても振り返りですとか、これからの展望となりますと、非常に抽象的で大くくりな内容になっているかと思いますけれども、ご容赦いただきたいと思います。
よろしくお願いします。

報道機関との質疑応答要旨

(報道)
3点ほど。まず1点は、市長は2月17日の予算発表の時には、公約着手率100%、達成については4年目に話す、途中では話さないということでしたが、進捗度というのは今現在、市長ご自身でどのように考えていますか。

それと、選挙時の10の重点政策の中で、都心部ににぎわいを復活させるまちなか再生に取り組むという項目がありましたが、そこだけ、動きが10の中では見えないと感じています。今後5年間の新たな中心市街地活性化基本計画を策定する中で、どのような市長の考えを反映させていくつもりなのでしょうか。

それと、もう1点。市役所改革ということを掲げていますが、2年たってご自身の想い描く市役所像と比べて、できたという部分と、改善をもっとするべきだという点を教えてください。

(市長)
基本的に公約の進捗率や進捗度は、私自身は4年目が終わるまでに達成させる取り組みをしっかりとやっていきたいという考え方に変わりはありません。そのタイミングで、本当に終わっているかということなのではないかと考えています。いろいろ公約がありますが、ずっと継続的に効果が出てくるものであったり、制度を作ったからといってこれで終わったという話ではありません。

満足していただかなければなりません。または途中で、環境変化の中で見直していかなければならないこともあります。そういう面では、進捗度というご質問に対して、今、具体的には、これまでの数字以外には持ち合わせていません。これは、毎回ご質問いただいて、この場以外でもご質問をいただいていますけれども、おそらく、最後に、私自身はここまでこういう気持ちでやりましたというお話はさせていただくつもりです。

それまでは、皆さんの仕事を取らないようにした方がいいと思っているのが、この進捗度についてです。ぜひ皆さんの方から全然進んでいないじゃないか、それはどうしてか、それはこういうことだからだと紙面に書いていただいたら、またそれを見ながら、まだ足りないところや市民の声はこうなのかなと、ぜひ教えていただけたら逆にありがたいなと思っています。

2つ目ですが、まちなかのにぎわいです。これは、どこの自治体も非常に悩ましい問題だろうと思っていますし、46の公約の中でも一番難しい問題だと思っています。しかし、これは避けて通れないことだと思っています。今、思っていることを、思いつくまま言うと、まちなかの活性化やにぎわいというのは、ここに住んでいる人が、ここが、にぎわっていると感じてもらわなければいけないと思うのです。

活性化したと言っても、何をもって活性化というのか、というようなところはとても大切だと思っており、そうすると宛てがい扶持の制度で、箱を作ったからにぎわいを演出しましたとか、そういう問題ではないというのが、最近改めて感じているところです。

にぎわいとか、まちなか居住とか、こういう言葉は前からあったのです。ですから、今、ここから2年間、一番気を付けてやって行こうと思っているのは、市民の皆さんが、どんなものがにぎわいだと思ってくれるのか、これは都会の人と、帯広とではまた違うのかもしれないと思っており、今年、市民の皆さんと、もっともっとこの点について話したいと思っています。

ビルを建てて、何か施設を入れたからこれで活性化するでしょうという、そういう問題なのかというところも含めて、市民の皆さんといろんなものをシェア(共有)したいと思います。つまり、にぎわいは、市民が創るのです。これは、市役所では創れないのです。ですから市民の皆さんが、よし、俺たちのまちを一緒に創っていくぞという当事者意識、最近、あちこちで使ってしまいますけど、まちを創っていく当事者意識をどうやって市民の皆さんに持ってもらえるのか、我々も当事者です。

だけれども、政策でこうなったから、にぎわいが演出できるとか、企画できるといったことだけではないと、より強く感じていますので、そういう面では全ての市民の皆さんとどうやってこのまちづくりについて、今までとまたひとつ違った話ができるか、また参加してもらえるかということを今、ご質問いただいたタイトルに関して言えば、考えていきたいと思っています。

当然ですが、法定の協議会もありますから、そこでいろんな議論も出てくると思います。けれども、私としては、今申し上げたような視点で話を進めなくてはいけないのではないかと思います。例えば、商業施設を並べたら、本当にそこににぎわいができるのか、食べ物屋さんをそこに並べたら、にぎわいができるのか、そんなに単純なら、みんないろんなところでできていると思いますので、帯広市民が、何があったら集まってくるのか、こういうところがあったらにぎわっていると思うのか、過去にもやってきていると思いますが、改めてまちづくりを一緒にやっていくうえで、そういうお話も私自身はしたいと思っています。

それから市役所改革です。言葉はあまり好きではないけれど、意識改革から始めなくてはいけないという話をこれまでもしています。それは、合理化しようとか効率化しようと、いくら旗を振っても、市の職員がそれをしたいと思わなければいけないことです。また、しなければいけないという納得感がなければいけないことで、2年間、研修も含めて、いろんな議論も含めて皆さんとやってきたというのがこの2年間です。

今、ご質問にあったできたこと、まだまだ改革しなくてはならないことを言えば、私が言ってきたのは、変わらないと生き残っていけないのではないかということで、それについてはそれなりの反応があったと思っています。それから、我田引水になりますが、市長は変えようとしているということも認識してもらったのではないかと思っています。

変わりたいと思っている人の方が、研修の後のアンケートを取ってみても、変わりたい、変わらなければいけないという人の方が多いという結果が出ていますので、そういう面ではそういう意識になってもらえたと思います。問題はどう変わらなければならないのか、どうやったら変わっていけるのかというところに、ステージとしては入っていくのかなと思います。

外からの声も聞こえます。市長にはついていけないと、言っている人もかなりいます。また、市長とやっていきたいと言っている人もいますとか、その数字の割合は5対5であったり、7対3であったりと聞こえてきますが、私はそれなりに、0対10でなくて良かったと思っているのですけども、やはりそういうものだろうと思います。例えば、皆さんの会社で同じようなことを言っても、そのくらいの数字にしかならないのではないでしょうか。

社長が変わったと、それでどうだと言ったら、もうみんな、よし、この社長の下でやるぞという数字がどれくらいでしょうかと考えたら、私はわりと市役所の方が高いのではないかと思うのです。そういう面で、はぐらかした言い方をしているわけではないですが、動機付けであったり、問題意識について、皆さんに認識してもらったというところは、(イメージ通りになって)きたのかと思います。それで変えたい、変えないといけないのではないかというところも(イメージ通りになって)きたのかと思います。

最近申し上げているのは、行政改革もそうですが、プロセス(過程・経過)を変えないと変わらないと言っています。今までやってきた仕事を民営化しますとか、切り離すことは割と簡単でしょう。それで人数が減ったから行政改革だと、私は思っていないのです。行財政改革というのは、今までと同じ仕事を少ない人数でやらなければならないのです。ということは、今までと同じ仕事の仕方をしていて、ここの部分を外に出しました。

だから人数が減りました。これは、そんなに大変なことなのか、大変だとは思いますが、でも、これは改革ではないと思います。私が認識しているのは、今まで5人でやっていた仕事を3人でできましたと言って、仕事を減らしては駄目なのです。みんなの認識が変わらないとできないし、その人たちは今まで仕事をやってきていることで、3人でやるためにはどうしたらいいのだろうと、工夫しなくてはいけない。

いわゆる変革と創造というやつですが、そういうことの動機付けを今までやってきたのです。その中で、同じ給料で2倍働くのは嫌だという人は当り前だと思います。だけど、工夫して、こうやったら少ない人数でできるのではないのかというところをやろうというのを、今言っているのです。それでプロセス。プロセスを変えないで(行財政改革は)あり得ない。だから、今の仕事を変えていこうと言っています。

これは、一般論です。市役所がそうなっているとは言いませんが、長年一つのやり方を学んできた人に、プロセスをそれが自分のノウハウ(知識・技術)だと思って生きてきた人に、変われと言ったら、その人はキャリアを否定されたことになりますから、ここが私の、今思っている中では一番「胸突き八丁」だと思っています。ベテランの職員がこれまでやってきた仕事のやり方を捨てて、このようにやったらいいと提案をするくらいの発想の転換をしてもらいたいと思っています。

これは、なかなか大変でしょう。この大変なことに今チャレンジしているつもりです。1,400人もいる仕事(組織)なので、少しずつ管理職の人たちの意識改革、意識改革というと、いい歳をした人が「お前なんかに言われたくないわ」と言う人がいるかもしれないのですが、そういう面でもっともっと何かを残していってもらいたい。仕事もこういうふうに見てみたいという、そういうところを日々の仕事を通じてやっています。ですから、私は、いろんな会議でそうなのですが、こんな見方もあるのではないのか、こうなのではないのかということを、臆せずしゃべっています。臆せずというのは、思いついたら言っています。

私の発想と、これまでの部長さんたちの発想とをぶつけ合わないと何も生まれないので、最近、米沢とやる会議は長いのではないでしょうか。結論を出さないで、それはなぜとか、それ、こうやって見えませんかとか、そういうことをずっとやってきました。もう一つ例を出すと、北海道フードコンプレックスというのができました。私は取りたいと思って、これに賭けてきました。

今までは国がこういうものを作るから、この予算を欲しい人は手を挙げなさいと言われてきました。こういう特区を作るので、これをやりたい地域は手を挙げてくださいと。ここで言えば、北海道が総合振興局に降ろして、振興局が帯広市や町村に、これはできるかもしれないから提案してみたらと言って、提案と言っても向こうが言ってきたフォーマットを埋める。原案がもうある。それを、こことここに分けてやりましょうというようにやってきました。

だけど、今度のフード特区は、特区を取ることもそうでしたけれども、これからやることは、ここでこういう事をやりたいから、この法律を変えてくださいとか、これにいくら(予算を)付けてくださいとか、具体的にはこういうことをやったら、どのくらいの効果があると思いますから、例えばこの税制を変えてくれませんか、とこういうことをやるわけです。

これは今まで考えたことのない発想でしょう。これを今度作って、例えば十勝で作って、帯広で作って札幌へ持っていき、札幌にいる道庁から来た人とか、道経連から来た人と一緒にたたいて、それを国のテーブルに持って行き、またそれを説明するわけです。

申し上げたいことは、仕事(の流れ、仕組み)が違うでしょう。もともとの作りが。こういう違った作りの仕事をやってもらうことが発想の転換になるのです。意識改革なのです。よく議会でも言われますけれど、「意識改革はどのくらい進んでいますか」「それで市長は何をやっていますか」と言われて、ここに座学で並べて、君たち、モチベーション(やる気・動機)とはこういうものだと、やってはいますけれども、それだけで変わるはずがないのです。

仕事をやりながら、これでは全然通らない、この仕事はどうやったらいいのか。それやり方違うからではないのかと、そこでぶつかって、それで、はじき返されて、国からこんなもの駄目だと言われたと、「なんで帰ってきたんだ」と私は追い返すのです。こういうやり取りの中で仕事は変わっていくと思っていて、先ほどのプロセスを変えるのもそうなのですが、そういうことを変えないで、絶対に(意識は)変わらない。仕事は変わらない。それを確信しています。これで、先ほどの質問の回答になるかわかりませんが、改革は絶対に必要だと思っています。

能力は基本的に人間みんな変わらないです。ここであろうと民間の人たちであろうと私は変わらないと信じていますから、やる気だけの問題だと思っていますから、そういう面では市役所の改革は、私は確実に進んでいると思っていますし、従来型の回答で言えば、不断に進めるものだと思います。不断にというのは、終わりはないという意味です。それは、一つのことをクリアしたら、もっと良くしたくなってくるのです。だから、これをずっとこれからも続けていって、工夫して、要は楽にやりたいでしょう。たぶん変革というのは、楽になりたいからやるはずです。

工夫して今まで10使っていた力を7でできないかと思うから出てくるのであって、そういうところに気持ちをどう持っていくか、さっき言ったように仕事の中身、取ってきた仕事の中身自体を持ってきて、みんなにやってもらうことで変わっていく、特区の話がそうです。

それから、フードバレーを始めた時もそうです。今までどうでしょうか。町村から相談を受けることがあっても、こっちから町村に何かお願いしますと言ったことはたくさんあったのでしょうか。それほどでもなかったのではないのかと思うと、町村に動いてもらうために、何をしなければならないのかという発想で仕事することと、町村と一緒にやるのに町村から意見聞いて、やってやろうと思うのとではぜんぜん違います。

やってもらうというのは、要は物を売るのと一緒ですけど、相手から何か取ろうと思ってやるのと、言われたことを許認可したりするのとは違いますから、そういう面では市役所の仕事もいろんなフィールドがあるから、そればかりではないです。だけど、私が変えたいと思っているのは、ご質問にあった変革というのはそういうことを狙っています。

(報道)着実に進んでいるというのは?
先ほどの、外の噂です。3割とか、5割とか聞くと、私は何をやってもうまくいく時は、2割ぐらいの人が賛同してくれればいいと思っていたのですが、2割という声じゃなくて、3割か5割と聞いたものですから、すごく嬉しくなったのです。

半々ですということを聞いて、動いているのと、付いていけないと言っているのが5割5割だと聞いた瞬間、これはやったと思いました。これは私が調べた話ではなくて噂です。それは3対7でもたいしたものではないかと、言葉どおり取らないでください。気持ちとしては、一人で飛び降りてきて、1,400人(の職員が)いて、部長さんもいっぱいいて、初めて会った人で、そこで今、皆さんがそういう数字を言っていただいているのだとしたら、(市役所改革が)進んでいるというふうに思っていますし、まだまだやることもいっぱいある。

ただ、やっていくことは先ほど申し上げたような感覚で、仕事抜きで、私は肩抱きながら酒を飲んで話しても変わらないと思っていますから、やっぱり仕事通じて、その一つずつの仕事をやる時に、「これ違うんじゃない」「それそのまま、前と同じことをやっていていいのか」と毎日毎日の仕事の中でなければ変われませんから、それをずっと言い続けなければ変わらないだろうと思って、これまでもやってきたし、これからもやっていくつもりです。

(報道)
今、市長のほうからさまざまなお話があったので、答えとしては若干重複することもあるかと思いますが、改めてということで3点ほど2年間を振り返って、責任の重さとやりがいというところで、折り返しの2年という中での市長としての重み、あるいは、やりがいをどういったところに感じたのかというところが1点です。

もう1点が今後の抱負というところで、市民との信頼関係にということがあるのですが、市民に信頼感を持ってもらうためにはどのような取り組み、あるいはどのような行動が必要かとお考えでしょうか。

3点目は、これまで市長はさまざまな場面で、特にスピード感が必要だと常々お話されていますが、今後3年目に向けて特に重視していかなければならない部分というのは、そのスピード感を重視しなければならないのは、どのあたりとお考えになっているのかこの3点についてお願いします。

(市長)
1点目。責任の重さとやりがいです。これは本当に市政をお預かりしていますので、予算規模もそうですし、(人口、市民)17万、またその先の(十勝)35万、を考えると、それは責任が重いというのは当然考えますし、それから皆さんからいろんな要求もいただいたりしますけれども、最終的には項目によっては私が決定しなければならないことというのも、やはりたくさんあろうかと思います。

当り前のことですけれども、こうしてほしいという話と、その反対のやめて欲しいという話が、きれいに90対10にはならないわけで、だいたい拮抗(きっこう)するようなことが、難しいことです。でも、そういうことがこれからもいっぱい出てくるわけですから、最終的に私がAかBかで、Aと決めた時に、Aを賛成してくださった方は良かったと言ってくれますけども、問題はBだとおっしゃった方がどういう風にその後、市政に対して気持ちを持たれるかということがありますから、そういう面ではAを選んだ時にもBの方が納得、仕方がないと、言葉はおかしいかもしれないけれど、そういうものを模索しながら、グレーではないのだけども、決めていかなければならない。

そういう仕事は、すごく責任を感じるのです。そんなの市長の仕事だろうと言われますけれども、改めてそういうことがこんなにたくさんあるのかと、責任は重たいと思いましたし、逆にこれはものすごいストレスフルですし、プレッシャーのかかる仕事なので、私はそういうものにやりがいを感じるものですから、不謹慎かもしれませんが、面白い仕事だと思い、やりがいを感じます。それと、よく言うのですが、現役責任という言葉を何回か使ったことがあります。

行政ですから、これまでにやってきたことの継続性は必ずあります。大きな事情や状況が、変化がない限りは、それはその世界で行くと思うのですが、そのもの自体が私の考えと多少違ったとしても、違和感があったとしても、決意というか、決定をこの街がしてきたわけですから、それも飲み込んでいかなければならない。ですから、きちんと機関決定されたものについては、よほど大きな事情変更がない限り、環境が変わらない限り、私はきちんと継続していかなければならないという面で、現役の責任とはそういうものだと思うのですが、それもきちんとブレないでやっていかなければならないと思いますので、こういう仕事もなかなかないと思い、それでやりがいを感じています。これが1点目の回答になるかと思います。

それから、市民の皆さんとの対話と信頼関係づくりに努めたい。どうやっていくのかということですが、これはさすがに一朝一夕ではないだろうと思っています。今回いっぱい会いたい、対話をしたいと思っているのは、「気に食わないな、こいつ」と思っている人は、ずっと多分、米沢を気に食わないなと思っているはずなのです。

だけど、話さないでいるとずっと気に食わないままなのです。でも、話してみると、きっと気に食わないけど、認めてやるかということはあり得るのではないだろうかと思って、そういう面では、やっぱり出て行かないと駄目なのだろう思っています。

笑い話を一つ言ってもいいですか。今度の市長とまだ一回しか会ったことがないという方なのです。今までの人はいいぞ。今までの人はもっともっと会っていると言うのです。何回会ったのですかと聞くと、3回会ったと。私は、まだ2年しかやっていないのです。でも、そういうものなのだと思います。俺はこの市長と3回会って、3回話したことがある。だから俺の話を聞いてくれた。でも、米沢はまだ俺1回しか会ってない。今日初めてだろう、2年やって。でもこれにひやっとしたのです。そういうものなのだと。

だから、やっぱり皆さんとお会いしていかなければならないなと思います。もう一つは、かっこつけて聞こえるかもしれませんが、最近、(講演の)スライドでよく使っているのですけれども、3.11(東日本大震災)の後、いろいろなものが変わりましたけれども、多分、今まで見なかったものだとか、見ないようにしてきたものも、見なければならない時代が来たのではないかなと、受け売りも含めて言っているのですけども、その体(てい)でいくと、帯広の現実を理解していただくために、場合によっては嫌なことも発言しなくてはいけない。

たぶん、そういうこともやっていくと、市民は信頼してくれるのではないかと思います。というのは、耳障りな話はやめておいて、とにかく気持ちの良い話だけをしていくことはやめようと思っています。後は、評価はいろいろだから。それと、汗をかかないで信頼してくれというのは絶対ありえないと思っているので、そういう面では、資料に息が上がらない程度に走ってきたと書いたのは、それなのですけども、やっぱり何か動いているな、とか、帯広で汗かいているな、ということがないとそこから先、信じてもらえないのではないかと思います。

ですから、そういう面では、明快にこれができたらということはないのですけれども、やっぱり一生懸命やっていくことかなと思っていまして、評価は4年後に皆さんからしていただけることなのだろうと思っています。

最後のスピード感ですが、これもいろいろなところでよく出ます。議会では民間(出身)なのだから、スピード感がもっと必要なのではないかと言われるのですが、私が認識しているスピードは、決めた後のスピードなのです。決める前、議論しているときは、議論(の時間)を長くしてもやらなくてはいけない。私が民間の時もそうです。許せないのは、決めたのになかなかやらないことです。特に行政でまだまだ違和感がいっぱいあるのは、決まって、前に行っていいのに、なぜ、ここからまだ1年かかるのだろうかというようなことが、いろいろなところであります。

だから、私の持っているスピード感というのは、そういうことです。それと、待っていても意味のないところで待たない。別に今やっておけばいいのに、なぜここで一回一呼吸置くのだということに関しては、そこを詰めていけば、きっとスピードが上がるのだろうと、おそらくスピード感を持ってという発言は、そういうところを言っているのだろうと思うのですけれども、何か、フードバレーも2年たっても何も進んでないではないかと、そういう時にスピード感がないのではないかと言われると、「いやぁ」という感じがするのです。

だから、例えば特区についても、私はメリハリを付けてやってきたつもりです。動かなければならないときには、議会にもお世話になりましたけれども、自分が行かなければならないなと思ったら、議会にもお願いして(日程を)ずらしていただきました。それはプラスになっています。あの時、行かなければどうなっていただろうと思うと、ゾッとしたりします。だから、そういう面ではやれることを明日にしないというのはあるのですけれども、とにかく決まったことを急いでやろうと。行政だから、チェックアンドバランスがありますから、そこを端折ってやるのは間違いだと思いますので、それはやりませんけれども、決まってやれるのでしたら、自分で唾することを言うと、予算が決まり、1年間で使っていきます。でも、予算の使い方で瞬間的に使って終わりというものもあります。それを2月3月に使ういわれは、全くないということがいっぱいあるでしょう。

きっと、そういうことがいっぱいあるのです。2月3月に使っていること。4月5月に使えるものだったら、どれがとは言いませんけれども、早くお金を回した方がいいと思うのです。そういう面で、もしかすると、決まってしまうとこの1年の中でゆっくり使っていけばいいと、もしかするとそれが、行政が遅いと思われている部分なのかもしれないと思います。それはすぐ使えるものはすぐ使ってということなのかなという感じがしています。

(報道)
決めるまでは、慎重にという話がありましたので、例のがれきの話なのですが、これもやはり決めるまでは慎重に時間を置かなければいけないということなのでしょうか。
それと、フードバレーで何らかの成果に繋げる段階に来たと言われていますが、何らかの成果というのを私たちも早く見たいのですけれど、どういうイメージをしていますか。

(市長)
がれきの件は、ナイーブな(繊細な)問題なので、物事を決める権限があり、決められる人間が決める部分であって、そこが決まっていないのに、下流のところを決めるというのが、何かよくわからないのです。ですから、がれきの処理について何かあったら決断しますと言うのだけれど、前提条件、前でクリアしなければならないことが決まってないのに、下のことを決めるというのは無責任だと思うのです。ですから、そういう前提のものがどういうものかというのを、きちんと確認しなくてはいけない。

われわれがものを決めるためには、例えば、何が必要なのかを慎重に見極めないと、口ではイエス、ノーと簡単に言えますけれども、そういう面では、議会でも申し上げたのですけれども、本件は慎重に進めていきたいと申し上げているのは、そこなのです。私が決められることなのでしょうか。例えば、もっと言うと、地方の首長が決められることなのでしょうか。

国が決めることではないかと思っていて、国が決めて、手続き上、最終的に私が判を押さなければならないことがあれば、それはそこで決めることが出てくるかもしれませんが、現状は、まだそこまできていないような気がするのです。先ほど、責任という話がありました。責任を取れる人が物事を決めるのです。

がれきの処理でいろいろなことが議論されていますけれども、この地域で責任が取れる内容でしたら決めればいいと感じているのです。回答にならないかもしれませんが、がれきについては、これまでとスタンスは一緒です。本件については、まだまだ慎重に考えないといけないし、一人で生きているわけではありませんので、この地域というのがありますし、そういうところの人たちのご意見もしっかりと聴かなくてはいけないと思います。ただ、私の責任もあります。しかし、責任の先送り、下送りというのはあまりうれしくないと思っています。

もう一つは、フードバレーの成果です。「何らかの」と言ったのは、皆さんからご異論があるかもしれませんが、行政の成果と、いわゆる産業とか、そういうものが新しく出てくるという時の成果というものは、少し違うと思うのです。われわれは商売をやるわけではありませんので、産業というのは、だいたい民間企業がやっています。

国営でやっているのは一般的にみんなおかしくなります。根本的に役割が違うからなのです。だから、行政がやるのは、あくまでも仕組みづくりで、今回フードバレーを始めて、特区を持ってきました。そうすると特区で、こういう仕組みができました、こういう有利なことがありますと、皆さん、こうやって使ったらどうですか、または、皆さんの意見をわれわれが間に入って持って行きますということ。これも一つの成果なのです。

これがなかったら、イーブン(互角)で戦わなければならないでしょう。同じ農業王国が二つあって、十勝ともう一つがあったとします。そうしたらここ、イーブンで戦うとしたら、今、明らかにこちらの方が有利になっていませんか。何かやろうとした時に、プラス、有利です。一方には無い、特区という制度の利用可能性をここに作ったのです。例えば、隣の地域は、中にある町村が手をつないで推進していきましょうというような入れ物があるでしょうか。

そこで作ったものをそこの農協が全部入って、意見の集約をして、これから何か必要なものはないかというようなことをやっているでしょうか。少なくとも十勝は今、そういうものがあります。そして、それを発信してきています。フードバレーとかちといって発信しています。そうすると「フードバレーとかちって何」という問い合わせもあれば、「あなたのところでこういうことをやったらどうなるの」という問い合わせも来るということも、これひとつの成果なのです。

これは行政による成果だと思うのです。それを使って、そういうアドバンテージ(優位性)、行政が持ってこられるアドバンテージを使って、仕事をやれるのが民間です。民間の人たちが、そういう気持ちになれるところまでまず持ってきて、でも、このようにやっていても、ポテンヒットというか、そこに溝があったら困りますから、もう一歩出ようと思っています。

しかし、あまり出過ぎてしまうと、国策というようになってしまう。最後、税金で整理しなければならなくなる。そういう面では事業と行政とのインターフェース(接点・接触面)というのは非常に難しいと思うのです。これだというスパッとしたものがないから、十勝だったらどこまで行政がせり出していって、民間の人たちがどこまで出てきてくれるのか、そこに新しい枠組みができたら、十勝に外の人たちが飛び込んできてくれるのか、何かそういうことを今仕掛けているのです。だから、私にとっては、そのフレームワーク(枠組み)を作った、それでは、成果はいつだと言われたら、いや、この2年間で動いてこなかったら無いのですから、フレームワークも成果なのです。

我田引水だから言わなかったのですが、でも、これも一つの成果です。無いところはできないのです。そこから先、市役所の人間に仕事させますか。要はビジネスさせますか。でも、仕事(民間のビジネス)が得意だったら民間企業に勤めているはずです。行政が好きだから市役所に入っていると思います。その人たちが、このビジネスは、こうやったら良いと思いますよと言われたら、ビジネスマンはいったい何をやっているのですか、という話になるでしょう。

だから、そこをもう少し、十勝なりの接点があるのではないかと思って、それをやっていきたい。具体的な成果の種は向こう(民間)でなければいけない。私たちのサイドにはないのです。大きく農業について、日本で七つの戦略特区に農業を何とか入れました。これは周りも期待しているようです。農業の周辺で何かビジネスというものを、このフィールドで考えるのは皆さんです。その時に、もう少しここは制度的に変わってくれたら、俺たちもっとやりやすいと言ってきてください。

そうしたらわれわれは、この特区を使って、(制度改正に努力します)いろいろな話がこれまでよりもやりやすくなっています。こういうことをやって行きたいのです。だから、どんな成果が出てくるのかと言われたら、このように、こういうことやりたいけどという話が、ここから先、もし2年たっても、5年たっても、5年は特区の期間ですが、何も無かったらここにビジネスの種はないということです。

なぜならこんなに他の地域よりも税制などで優遇されるかもしれないことなど、いろいろなこと言っているのに、ここに何も出てこなかったら、可能性高いですと言ったことがうそだったということです。だから、ここから正にそういうものが「出てくるように、出てこないかな、出てよ」と一所懸命に振っているのが行政の仕事なのですけど、それ以上の成果とは何でしょうか。だからいつも答えられないのです。成果はいつ出るのだ。

だけど、子供みたいなものです。この子供は、どういうふうに立派になっていくのだろうと、可能性をいっぱい秘めているのです。親は一生懸命に引っ張ります。私は今、行政としてそれをやっているのです。でも、農業の周辺で何か欲しい、何とか欲しいと思うのです。一般論で言えば、新しく、十勝の会社と合弁会社を作って、十勝らしい、十勝の食材を使って、こんな全国区の食べ物を作ったとか。アジアに持っていける新しい品種改良をして、それを使ったもので商品、製品を作って、アジアの新しい輸出になった。

または、こういうものが輸入代替で、今まで輸入でほとんどやられていたものが、十勝の新しい品種のおかげで、これだけ変わりましたということ。そうして、輸入代替したのだから食料自給率が上がります。そんなものが、ここで出てきてほしいというのが、このフードバレーとかちなのです。その成果がどんなところに出てくるのかといったら、このフィールドですとは言えますが、具体的な絵がほしいのです。

ただ、種が出てきたのではないかと何度も申し上げているのは、問い合わせが増えているからです。問い合わせであったり、外の会社が特区の話を聞いたのだけど、こんなのも特区で可能なのかどうか、こういうもの作ってみたい、食農医連携などをやろうと特区の中に入っているけれども、例えばそういうものがどうなのか、と関心を持ってきてくれているという動きですから、それを見ていて、ここの人たちが、あれに一つ乗りたいなというふうになっていってくれれば、ここに新しい会社ができるかもしれないということなのです。

そのベースに、(農産物を)大規模に作れる1戸平均40へクタールのこれだけの土地があって、そういう技術を持っていると一方であったとすると、新しい備蓄の話にしても、私が食料備蓄の基地になるのだと言ったときに、どの位たくさん作れるのかと、どんどん議論が膨らんでいきます。作って備蓄するならどんな建物にしなければならないのか、それは、絶対に建物は商売です。そして、備蓄の仕事が出てきます。だから、そうやって可能性があるから、一歩前に出なくてはいけないのです。

でも、事業というのはリスクですから、私はずっとそんなことばかりやってきましたから、あえて言えば、リスクを取らないでリターンはありません。それで、官僚というのは税金使ってやっているのですから、一番リスクを取ってはいけない人ですので、私にリスク取らせては駄目です。だから、リスクを取ってくれる人たちが集まって欲しいのです。そのときに、私がせいぜいできることは、リスクを取るときに個人のリスクだとやってられませんから、そこにリスクマネー(投資資金)をどうやって引っ張ってくるかです。要はリスクを背負えるお金というのは世の中にはあります。今度、農水省で考えている新しいファンド(運用資金)があります。

たぶん、10月に(国会を)通ると思いますけど、あれもリスクマネーです。会社を作るとき、最初はいつつぶれるかわかりませんから、誰もそこに(多額の)お金を貸してくれません。そういうところにみんなでプールしたお金を使おうといって、そこに農水省がお金を半分出しますという法案を通そうとしていますけど、それを実際やるときに、フードバレーとかちだと言っていると、あそこなら可能性があるのではないかと思って、投資家はお金を出してきます。何にも動きないところに(投資家は)来ない。

だから、それも今、インフラを作っていますから、たぶんそういうファンドがここに来て、金融機関が勝手に、捕らぬ狸で来ると思うのです。それで、今言った(事業を)やる人、リスクを背負う人が、100%自分でリスクを背負わなくても、金融機関だとか農水省の人たちが応援してくれたお金で、最初の立ち上げのところができます。そうすると今までだったらできなかったことも、そういう仕組みが使えるなら、「ひとつやってみようかな」という可能性がある。

私はその仕組みづくりをずっと、この2年間やってきて、発信をしているつもりなのです。成果については、もっと硬く言えばいいのかもしれませんが、正直にお話しすれば、そういうことを感じているのです。

以上

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