平成24年10月 市長記者会見

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ページ番号1001199  更新日 2020年12月14日

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とき
10月19日(木曜)16時00分〜16時35分
ところ
市庁舎4階 会議室
出席者
米沢市長 本迫副市長 嶋野副市長
政策推進部 原 部長 神田 政策室長
草森 企画調整監
池原 財政担当企画監 桃井 財政課長補佐

平成25年度予算編成方針ついて

平成25年度の予算編成について説明します。
お手元に配布しています平成25年度予算編成方針を本日、各部長に示したところです。
来年度の予算は、私の今任期中における最後の通年予算となります。同時に就任以来、まちづくりの旗印として掲げているフードバレーとかちも4年目に入るということです。

平成22年はフードバレーとかちも含めて考え方を周知し、23年度は種を蒔いて萌芽させようと、24年度は生まれた、出てきた芽を発育成長させるために、さらに動きを加速させていくという時期だと説明させていただいてきたところです。次年度は出てきた芽をしっかりとつぼみにしていくと言いますか、つぼみに成長させて開花につなげていく、そういう年にしていきたいと考えているところです。

市民生活に目を転じますと、経済は依然として先行きが不透明です。それから、エネルギー需給ひっ迫による節電対応、それから「社会保障と税の一体改革」に伴う消費税の増税ということで、市民の間には不安感や閉塞感が高まっているだろうと感じているところです。これを払拭すると言えば大きいですが、市民が幸せを実感できるようにするために、市ができること、これが、本市の施策になるわけですが、今一度、政策の目的とか本質にしっかりと立ち返って、改めて言うまでもないですけれども、前例にとらわれることなく見直すものは見直しながら、政策の質の向上を目指していかなければならないと考えています。

平成25年度の予算編成に当たっては、平成24年度予算で設定した「経済」「ひと」「安全安心」この3つの視点の重点という形でお話ししましたけれども、この考え方を継続しつつも、今、お話したような社会情勢や帯広市の現状などを考慮して改めて3つの重点を示したところです。
配布資料の一番下に書いてありますが、一つ目ですが、「人が躍動し、地域経済が強いまちをつくる」です。

フードバレーとかちが4年目で、これまで構築してきたフレームワーク、枠組みをきちんと活用しながら、プレーヤーのさらなる活躍を支援していきたい。結局それが地域経済を活性化させるさまざまな取り組みにつながっていくことなのだろうと思います。従来から言っていますが、私どもは商人ではありませんし、また、農家でもありませんので、行政として、地域経済を活性化させるさまざまな取り組みをしっかりとやっていかなければいけないと思っています。
二つ目は、「健やかに育ち、つながりが強いまちをつくる」です。いじめ、孤独死などのニュースが続いていますが、やさしさとか温もりなどが実感できるように、人を育てて、人のつながりを強くしていきたいと考えているものです。

三つ目は、「地球に優しく、災害に強いまちをつくる」です。日本再生戦略の重点ですけれども、グリーン成長戦略、節電、再生可能エネルギー、こういうことへの意識の高まりがありますから、きちんと対応していこうと思います。それから、東日本大震災以降、国をあげた防災・減災の取り組みを進めていますけれども、帯広市も地球に優しく災害に強いまちをつくると、これを三つ目にしました。
言うまでもないかもしれませんが、今言った三つの重点は、それぞれ独立してあるわけではなく、それぞれの取り組みはそれぞれときちんと連動していく。相乗的にその効果が循環していくというのが、おそらくまちづくりなのだろうと思います。

産業政策だけが独立しているわけではなく、市民の幸せにきちんとつなげていくというのが、真ん中です。その狙いに向けて、今言った三つをきちんとつなげて循環させていく。そう考えた時に、十勝・帯広の自然環境と言いますか、または地域資源というのか、それがうまく重なるのだろうと思います。十勝帯広の地域性を考えないと3つがつながっていくということがなかなか出てこないと思っていまして、ここはそういう地域資源、自然環境があって良かったと思っています。ですから、それをやっていきたいです。

予算編成手法ですけれども、より効果的な予算としなければならないので、政策・施策評価と予算の連動をさらに強めていかなければいけません。その中で事業の選択と集中を図っていかなければならないと思っています。それから、各部が、各部門と各施策の枠を越えて、連携しながら編成していかなければならないと思っています。
先ほどの3つのつながりという話をしましたけれども、従来的な組織の縦割りの中で完結するということは、今の時代の中の課題ということで考えると、連携が非常に重要になってくると感じています。
昨年度と同様、予算編成の段階ごとに私の考え方が反映できる場を設けています。検討経過を確認しながら、編成作業をしていきたいと思います。これは昨年度と変わっていません。

本市の財政状況において、市税・地方交付税をはじめとした歳入の減少、社会保障費の増加、さらに新たな学校給食調理場の建設、市街地再開発事業などの大型事業も予定していますので、非常に厳しい予算編成が想定されますけれども、評価結果から導き出された課題等の解決に向けて全庁一丸となって取り組んでいきたいと考えているところです。
平成25年度の予算案は来年の2月に発表させていただく予定です。これからしっかりと進めていきたいと考えています。

報道機関との質疑応答要旨

(報道)
何点か質問させていただきます。
フードバレーとかちに関して、今年の2月の予算案発表の会見時に、ゴールはどの辺りのところと考えているのかという質問に対して、一つで二つでも目に見える形でというお話があり、民間投資によるところも大きいと思うのですが、行政として目に見える成果をどのような形で仕掛けていくのかを25年度予算で考えているのか。というのが1点。

フードバレーとかちが目指す方向性、旗印の認識というのは市長就任以来、さまざまな場所でお話されてきて、地域を含めた周知はされていると思いますが、なお、目に見える実感が(ほしい)という方も少なくない中で、これも2月の会見でお話されていたのですが、目に見える形、わかりやすい形で示す成果というか、メジャーみたいなものも必要ではないか検討したいというお話をされていましたが、それについてどのようなことを考えているのでしょうか。

最後に、先日の決算審査特別委員会の中で、市内の教諭の不祥事があった事案の議会への、それは市民へのということにもなるのですが、報告を含めた教育長の対応についてです。また、(本会議で)人事案件に反対者が出ていたことについてどのように考えているか。以上3点よろしくお願いします。

(市長)
どのように行政としての成果に向けて仕掛けていこうとしているのかというご質問かと思いますが、われわれは行政ですので、個別のビジネスを立ち上げることはできないのです。人が奮い立って動いてくれるような仕組みをつくっていくことが、実はフードバレーとかちというものだと思っているのです。それを最初は産業政策とさせていただきました。それは、当然お金もうけしなければ税金が増えないし、税金が増えないといろんなことにお金が使えないわけで、それで仕事をつくらなかったら、みんなプライドを持って生きていけないし、そうやって考えていくと全部、連環して、関連していくのです。

それがさっき言った3つがつながっていますという意味ですけれども、最初は産業政策が一番重要だと思って始めましたけれども、いろいろなところでフードバレーとかちというものを口にしていただいているのです。不透明だという方もいますけれども、例えば、フードバレーとかちらしい何かとか。フードバレーとかちだったらこういうことをすべきではないかというように言っていただいて、今、大きく、まちづくり全体に対してフードバレーらしさとかになってきているのです。

それで、2点重ねて言うと、私もずっと民間にいて数値目標を持ってやってきた人間ですから、2月のご質問でもメジャーがあったらいいと言いました。それは今、言っていただいたとおり、取り組みの成果を市民の皆さんに分かりやすく伝えていくためのものだと思って、ここまで考えて検討してきたのです。ただ、そのように言ったけれども、難しいと思っているのは、例えば農業の算出はこれだけ増やすようにしたいという部分であれば、これもすぐ終わってしまうのです。

今、第六期総合計画(六期総)に取り組んでいます。これをどう実現していくかという時の旗にフードバレーとかちという視点を入れています。ですから、あえて言えば、この総合計画の成果指標をつくっていくこと、数値的な面のことで、例えば、フードバレーとかちらしい医療制度をつくりますとすると、そうしたら医療制度の方にいってしまって、結局まちづくりの方へいってしまうのです。ですから、フードコンプレックスで1,300億円の付加価値をつくっていく上で、十勝はどのくらいその中でコントリビュート(提供する・貢献する)していくのか、これも一部なのです。

ですから、それができたから、フードバレーとかちに何割まできましたという形の提示の仕方ができません。ここが難しいところだと実は思っているのが現状です。ただ、市民の皆さんに進んでいるのではないかという実感をもってもらうためにどういうものを提示していったらいいのか、今日現在、明確に持てていないけれども、どうしても何かと言われれば、先ほども言いましたけれども、六期総の成果指標。その中に農業産出額、あとは産業とか経済に関連する数値が並んでいますけれども、それをまず確実に達成させていくということでしょうか。

私自身、選挙に出る時に六期総を読ませてもらって、どのようにやっていくのだろうと思ったのが事実です。ですから、どのようにやっていくのかと考えたときに、ここの地域資源をきちんと使った形で、皆さんに動いてもらわなかったら行政はできませんから、そうすると、人を鼓舞して動いていくために、働きかけてきたのです。ですから、六期総をフードバレーとかちの旗のもとできっちりと仕上げていくのが私の仕事だと思っていますし、もし、フードバレーとかちの旗を掲げたことで、六期総で予定していない分野にまで、もし広がりが出てきたら、それはそれで今度改めてそういうものも追加していければいいことだと思っています。ですから、何よりも市民の皆さんが、進んでいるな、いいのではないか、というふうに実感してもらえるための何かが必要だと思っていますけれども、2月にメジャーなどと言ったのですけれども、尺度は簡単ではありません。

明快な言い方ができなくて申し訳ないけれども、あえて目標値というのであれば、六期総というところに集約させていくのが現状で一番正確な話だと思います。
次に、決算審査特別委員会のお話ですが、あのときも、いち早く現状についてのご報告と、市民の皆さんに不安を持たせたということに対してのおわびを、可及的速やかにやらなければならなかったのだろうと思います。その点で遅れがあったということについて、皆さんからもお叱りを受けていますし、もっともっと改善していかなければいけない部分があったと認識しています。

今、改めてですけれども、議会への報告は市民の皆さんへの報告ですので、市民の皆さんに不安を与えないような体制をきちんと、報道の皆さんにもご協力をいただかなければならないと思いますけれども、一丸となって体制を作っていかなければならないなと思います。一種の危機管理の問題だと認識しています。足りないところがあったというのはその通りだと認識しています。
それから、人事案件に反対があったことについてですけれども、反対があってはいけないのでしょうか。同意が条件ですが、32人の議員がおられるのですから、あのように手続きにのっとって決定したわけです。

特段、あのような状態になったから、なぜ騒がなければならないのかなと思います。どちらもあるのではないでしょうか。全員賛成というのもあれば、今回のようなことがあっても、それは当然議会の中で、議会の制度として予定されているからあのようになっているのではないかと思いますし、物事の考え方ですから、10人いれば10人いろいろなように考えると思いますし、私自身は、私の職責と言いますか、持っている権限も含めて私が市長として仕事をすべきために、ベターでありベストである判断をその都度していきたいと思っているわけです。

(報道)
フードバレーに関してです。来年度予算では1期4年の総仕上げだと思うのですが、他方で今回の特別職人事で、(産業連携室の)参事が特別職、監査委員になるということで後任に関してどのようにお考えなのか。配置したときは、特命のお二方ということで余人をもって変え難いというお考えもあったと思うのですが、市長の最大の公約のフードバレー総仕上げの年に当面は3人の部長職が2人に、おそらく後任を置かないのではないかと思うのですけれども、今後どういう体制になるのでしょうか。

(市長)
人事のご質問ですが、ここで、次はどうするこうすると確定的なことを言う場だと思っていません。当然、今回、参事が、特別職になっていただきました。私の公約を実行する上で重要だとか、一種の目玉的なお話がありましたけれども、私はフードバレーとかちをやるだけのために市長をやっているわけではありません。市政全般に対しての責任を負っていますので、その全体の中でベストと言いましたけれども、その中で物事を決めていく立場だと思ってます。

よく、フードバレーの米沢さんと言われますけれども、市長の米沢です。そういう面では限られた人材も人的資源、いくらでも人を増やすわけにはいきませんから、そういう中で市役所のパフォーマンスが最も高くなるようなことを考えて仕事をしています。そういう中で、適材の方だと思ったのが一つです。
この1年間振り返ってみると、少し我田引水ですが、フードバレー政策の中で随分、プログレス(前進・発展)があったと思うのです。例えば、フード特区の指定を受けました。

あれは申請書を出してすぐ決まったわけではありません。その前に定住自立圏協定を結んで、その後に、フードバレーの推進協議会を設立して、戦略を作ってと、そういうものをずっと作り上げてきたわけです。そういう中で、参事二人を産業連携室に置いていたからできたと私は思っています。市役所だけで作ったわけではありませんから、商工会議所であったり農協であったり、いろいろなところにいろんな関係の方に入っていただき進めてきたわけで、そのコーディネーション(調整・取りまとめ)にはものすごく負荷が掛かった部分だと思っているのです。

何度か議会でも委員会でも二人の参事から報告があって、それを聞かれたと思いますけれども、あれだけの外交をしてもらって積み重ねをしてきたわけなのです。だから(フードバレーとかちが)動いたのです。うまく今のこの位置にいると思っているのです。ただ、立ち上げはものすごく大変なのです。ゼロからですから。でもやはり1年なり1年半なり、積み重ねてきて、全体を眺めた時に、それはあのタイミングでは余人を持っては変え難かった。いつまでも、余人を持っては変え難い仕事をさせているのは、マネージャーとしては無能と言われるのです。

人事というのは、この人しかいないというのは人事ではないと私は教えてもらってきたのです。ただ、それは長期的な話なのです。瞬間的にはこの能力がいるということは当然あります。つぶれる会社は、自分の下に優秀な人物を置いておきたいからと、この人でなくては駄目だという人事をやって、会社がつぶれているのです。わがままだから、自分が楽をしたいから。だから私が人事をやるときに、この人しかいませんからと言うことはおかしいと思っています。ただ、このタイミングでベストはこの人だから、この時間だけこの人を置こうというのはあると思うのです。

今回の参事においても、私は一度も、3年も4年も置いておきますと誰にも言っていませんし、あのタイミングで組織スキーム(体系)が自分なりにベストだと判断したのです。ただこれが、(一般的な)行政の人事のやり方と違いすぎて見えているのかもしれないです。そういう質問をされる方が多いから。でも、仕事のために人事権を持っています。好き嫌いでやる気はありません。ですから、今この仕事をやる上でこれがベストだと思ったからあの時に配置しました。それで、その時だって帯広市の市政全体の責任を持っているわけですから、その中のバランスでやっているのです。今回も全く同じようにやっているのですけれども、皆さんだけではなく、道を歩いていてもそのような質問をされるので、どうしてなのかと思います。私の人事観、私の人事政策への認識がそんなに異常なのかと思っているのです。逆にいかがでしょうか?

なぜかと言うと、この人しかいないという、そんな仕事しかないのでしたら、そんな組織はつぶれると思います。誰がやってもできるようにしていくのがマネージャーの仕事であり、その人がいないときに困りますから、きちんと形式化していかなければならない。ですからそういう面では、今回の参事は、部長職を同じ場所に置くのに、部長3人とはなりませんから、職名を考えなければならないとかありました。私は仕事のためにここにいるし、ここの組織も仕事をするためにありますので、その時その時に抱えている課題に対して、最も有効な体制はどういうものかを考えています。それに1年に1回の人事異動があるわけですから。

継続性の中での安定感というのもありますけれども、その時にやらなければならない優先順位は私の頭の中で考えてやっています。ですから、後任がどうのと言っても、そこにある私たちがこれから考えていく仕事量であったり、市役所全体の仕事量やそれからここの仕事量。この仕事とこの仕事の、この時点における優先順位を考える中で、限られた人的資源をどう配置していくかを考えるのが、私の仕事だと思っています。特別職人事もそういうものだと思っていますから、先ほどの人事案件に対しての回答も一緒なのですけれども、そういうことを決めていくのに、僕は責任を取れるのです。取らなければいけないのです。そう認識すると責任を持った発言をするのです。

(報道)
予算の編成方針の関係です。
これまで、種を蒔いて育ててという話で、それが開花にというところ、開花の後に実を付けていくということもあるのかと思いますが、そうなるとこの4年では足りないのではないでしょうか。開花結実時期を25年度予算でどのような考え方でいるのでしょうか。

(市長)
多分、異常気象があると早めに実がなったり、遅れたりということがあるので環境にもよりますので、あまり決め打ちでいくと間違ってしまうと思いますので、今できることをきちんとやっていくことが大切と思っていまして、フレームワークはできましたので、今度は人をどうやって揺らして、そこでその気にさせていくのが行政としての仕事だと思っています。どの時点で花が咲いたのか、先ほどの指標の話と重なりますけれども、難しいものだと思っているのです。

例えば、皆さんは花を買ってくるときに満開の花を買ってきますか?
買ってきて翌日、散ってしまうような感じの時に買うか、1週間くらい楽しみに咲かせて行こうかなというのと、人によって買ってくるときの植木鉢の値段が変わるでしょう。ですから帯広市民が、進んでいる、どこまでいったらという期待感を持ってもらえるようなところが一番いいですし、これも誤解があるかもしれませんが、できれば私が頭の中で描いている花より、ずっとすてきな花が咲いてほしいです。それは限られた一つの頭や、この辺りで考えているより、市民の皆さんや日本中の皆さんが、十勝の価値に注目してくれて、ここでこのフレームを使って、こんなことをやろうといろいろな人が入ってきてくれて、出てくる花があると思うのです。

私たちが考えている絵はこのようだ、それに対してのプログレス(前進・発展)、達成度がどのようだと、結局はコップの中の話なのですけど、適当なこと言っていると思われるかもしれませんが、ここの可能性をできるだけみんなに見せて、その可能性を使っていろいろな人がここに集まって、食を中心とした、食べることを中心にしたいろいろなものを創り上げていってほしいというのが今のフードバレーの旗になっているのです。

ですから、どこまで行ったらという話をしてしまうことが、自分で先にあるものを摘んでしまう。それこそ芽を摘んでしまうのもいやだという気持ちも芽生えてきているのです。詭弁のように聞こえるかもしれませんが、そんなもの行政ではないと言われるかもしれませんが、行政は最後までできませんので、このような言い方をしました。

(報道)
予算編成における3つの重点の中で、共通キーワードは「強い」だと思うのです。一昨年は、「元気」がキーワードで、昨年も元気だったのですが、今年は「強い」という言葉が共通しているのですが、そこに込められた思いはあるのでしょうか。

(市長)
気持ち的には前のめりです。元気でいようというときは、あまり危ないこともしないで、健康的できちんとご飯を食べているでしょう。でも、強いという気持ちのときは、前かがみだと思うのです。強いを誤解されていると困るのですけれども、強者、弱者という対比のところの強者ではありません。例えば、災害に強いは強者・弱者ではないでしょう。しっかりしたという意味です。よく聞く言葉で「強くなければ生きていけない、でも、優しくなければ生きていく資格がない」その両方なのです。

前提として、最初に、何で強くなければ生きていけないかという世界なのです。やはり強靭でないと戦っていけません。ですけど、そう言ったからといって、弱者を切り捨てるなどというそんな気は全然ありません。本当に強いのはそれを全部包摂した世界だと思います。

前に進んで、他との地域間競争も絶対あります。経済で言えばきっちりと強いものをつくって行こうとします。磐石な地域経済、循環経済とはどのようなことかと考えて行かなければなりません。ですから、戦略的にここが他に対して優位であることを真ん中において、あとは何ができるのか、先ほど3つがつながりますと話をしましたが、他の地域はもしかすると3つはつながらないのです。ここは、環境も、エネルギーもありますし、そういう分野の経済を強くしていこうとすると、環境産業とか、グリーン産業とかが、当然のように、環境に優しいと出てきますが、そこに新しい雇用が生まれてくると仕事ができて、納税者が増えて、教育や福祉などに予算配分していけます。

ところが、そういう地域資源がないところで強い経済をつくりましょうといってもつくれませんが、この地域は、これからの国をあげて課題になっている、これからの課題に対して、何らかの接点のある地域資源が、経営資源とか、そういうものがある地域だと思っているのです。そうであれば、それをきっちりと確実につくっていくことで他に影響を受けない強い経済がつくっていけます。
昨日、全道市長会があり、私の隣に室蘭の市長がいて話を聞いていたら、東京に行って陳情から帰ってきたばかりだと言っていました。

石油産業とかいろんなところの再編の中で、あの辺りにある企業がこれからどうなっていくのかすごく不安だと教えてくれました。今、帯広でここからいなくなったらつぶれてしまう産業があるでしょうか。地域資源がここにあって、それにあった産業をここで作れば逃げていきませんから、強い地域がつくれる。ところが、労働力が安いだけでは、もっと安いところがあればいなくなってしまうとか、そういうことになったら他人任せではないでしょうか。

そういう視点では、地域資源を使った強い産業をつくっていけば、仕事をきちんとやって、人間関係も強くなっていくのではないでしょうか。やっぱり、仕事がない、給料が上がらないという中で、いろいろな事件などが起きている可能性もあるので、そういう面では産業政策というのはきちんとやっていくのですけれども、負けてはいけない強いものをつくっていかなくてはならなくて、そこで自信を持って働ける、誇りを持って働ける仕事を本当につくっていきたいのです。そうしたら、その背中を見ている子どもたちもきちんと育っていくでしょう。

そうは言いながらも災害に強くなくてはいけない。でも環境にも優しくなくてはいけません。その分野の仕事が産業の分野できちんと位置付けられていたらものすごく良い循環になるのでないでしょうか。それがタイミングとして3・11のあとにエネルギー問題がものすごく取り上げられるようになって、今までと違った自然エネルギーに対しての期待感が強くなってきました。従来から話がありましたけれども、そういうタイミングだからこそ、今、時代性の中でわれわれはエネルギー産業というのが、帯広・十勝の中でできないのかという議論ができます。

それと食料問題があるというときに、十勝の食料自給率もより高めていこうとか、安全なものを作っていこうとかということも、ここへ突っ込んでいこうというときに、もう時代遅れだからやめろという分野ではないです。そういうところに仕事を作っていかなければならなくて、そのためにフードバレーの旗を振っているのです。

以上

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