あたりまえ(広報おびひろ令和6年3月号掲載)

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ページ番号1016645  更新日 2024年2月21日

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皆さんは日頃、安全について意識することはありますか。私たちの生活は、さまざまな危険と隣り合わせにあります。安全のための技術は進歩し、仕組みや環境も整ってきた結果、日々の生活において安全を意識することはあまりない、という方も多いのではないで しょうか。それでも、ミスやエラー、まさかと思うような事故も起きるのが現実です。技術が足りないのか、それに頼り過ぎているのか、安全を担保するには何が必要なのでしょうか。

人は、さまざまな常識やルール、コミュニケーションの中で行動していますが、あたりまえと思っていたことが、人や場所によって、捉え方が異なる場合があります。

私が、大学卒業後に初めて勤めた会社では「○(マル)」という言葉(符丁)が使われていました。形が「0(ゼロ)」と似ていることから「無くなった、キャンセルになった」という意味を指し、私も「あの予定は○になった」という使い方を自然とするようになりました。その後、転職して間もない頃、上司から「明日の予定は○になった」と伝えられ、手帳の予定を消したところ、翌日に「昨日伝えた件の資料はできているか」と問われました。「その予定は無くなりましたよね」と聞き返すと「予定通りに決まったから、○と伝えたんだ」と言われて、慌てたことがありました。その会社では、前の会社とは真逆の意味で「○」が使われていたのです。

世の中のルールやさまざまなモノの設計など、安全を担保するための仕組みが、常識をベースにつくられ、コミュニケーションが行われているとしたなら、ミスや事故は、その常識と思っていたことが、実はそうではなかった時に起こるのかもしれません。そう考えると、安全をはじめ、さまざまなリスクを回避するには、まずは、常識やあたりまえを疑ってみることから始まるように思います。

自分の持っているあたりまえは、時代に合っているだろうか、先入観や偏見は含まれていないだろうか疑ってみる。また、人と自分の考えるあたりまえも違うかもしれません。あってはならないということではなく、それをコミュニケーションにより、お互いが確認していく。それが何よりも必要なことのように思います。

分かっているだろう、常識だろう、あたりまえだろう、そう思っても一声かけて確認する。そんな日頃のコミュニケーションを大切にしていきたいものです。

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政策推進部広報秘書室広報広聴課広報広聴係
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