平成28年度 帯広市各会計予算(案)記者会見

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ページ番号1003159  更新日 2020年12月14日

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日時
平成28年2月16日(火曜日)11時〜11時45分
場所
市庁舎4階 会議室
出席者
米沢市長
前田副市長 田中副市長
政策推進部 阿部部長、池原政策室長、磯野企画調整監、川端財政担当企画監、桃井財政課長補佐

写真:平成28年度予算案記者会見

平成28年度各会計予算案について

〈市長〉
平成28年度の予算編成についてご説明します。予算の編成に当たって、地方創生、TPP対策など、国・地方が歩調を合わせて取り組むべき課題について、的確に対応していくこと。そして、市民が安心して未来に希望を持って暮らしていけるよう、予算編成方針に定めた3つの重点に沿った取り組みについて作業を進めてきました。
また、平成27年度よりスタートした第六期の「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」、「子ども・子育て支援新制度」のさらなる推進や、4月より施行される「障害者差別解消法」の趣旨に沿った取り組みの推進など、高齢者や障害者、子育てなどの施策についても充実を図ったところです。
地方創生の取り組みは、市民の皆さんにもご参加をいただき、作成してきた「帯広市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の施策展開が本格化します。先駆的な施策に取り組むため、国の交付金を平成27年度補正予算に計上し、平成28年度予算と一体的に執行してまいります。
また、少子高齢化の進行、そしてTPP協定の動向など、地域社会への影響が見込まれる中、将来にわたって安心して住み続けられる、持続可能なまちづくりに必要となる経費を盛り込んだ予算になったものと考えています。
私からは以上です。

報道機関との質疑応答要旨

〈記者〉
帯広市が策定している総合戦略に示された施策を、どう事業に落とし込むかが、ひとつポイントだったと思いますが、市長が特に意識されたことなどを教えてください。

〈市長〉
総合戦略は、いくつかの柱に基づき進めようとしていますが、国の地方創生加速化交付金ですとか、国の施策とうまくリンクさせながら進めていかなければならないと考えています。
フードバレーもそうですが、地域にある資源をどう活かしてまちづくりをしていくかということは、「地方創生」という名前を付けようと、これは今までと何も変わりません。人口対策とか、仕事づくりとかをどうやっていくかということを、今までも発信してきましたが、ちょうど地方創生という流れと、私どもがやってきたことと一致しています。
都会に住むという選択肢の他に、地方に住むという選択肢をどうやって若い人たちに提案していくか、その中心となる仕事をどうつくっていくか、この二つが大きな意味で柱だと思いますが、これらは従来からやってきた「フードバレーとかち」で毎年説明している内容と変わりません。ここに、国の政策としての地方創生の予算をつけているということであり、我々が今までやってきたこと、これからやっていこうとしていることを、皆さんにご理解いただくように説明していくことが重要だと思っています。

〈記者〉
仕事づくりですとか、人材育成の部分では、市長の独自性のようなものが現れたという印象を持っているのですけれども、そのあたりの(市長ご自身の)評価はいかがでしょうか?

〈市長〉
これまで5年、6年と市長の仕事をやらせていただき、色々な政策をやってきましたが、やはり「人材」というのは核だなと感じています。抽象的な人材というのではなくて、ここで仕事をつくっていく、新しい価値をつくり出していく人、こういうような人たちをしっかりとつくり出していくべきと思っています。
こうした人づくりをこの地域でどうやっていくのかについて、職員を通じて色々な議論をしてきたところあり、「とかち・イノベーション・プログラム」を昨年やって、来年度はそれをもう少し発展させていこうと水面下で取っ掛かりをつくってきたわけです。
「来年度予算がついたらやろうね」というようなものではなく、「急いでやらないと」という気持ちで、昨年度、地域のみなさんにご支援いただきながら、とにかく動かしてきました。これについては、色々な所で発表する機会がありましたが、我々の予想を超えて反響が大きく、ポジティブな反響も多かったので、これを来年度の予算の中に、レベルアップ、ブラッシュアップしていけるような形で取り組んでいこうと考えています。

〈記者〉
市長の「想い」が反映されていると考えてよろしいでしょうか。

〈市長〉
そうですね、「想い」というのは先程冒頭にちょっとお話しましたけれども、みんな「人が大切だ」と言うのだけれど、「どんなような人をつくらなければならないか」がありません。「いい人欲しい」と言うのであれば、「いい人」の定義もなければなりません。
ここで仕事なり、雇用をつくっていきたいので、やっぱり「人」が中心になるだろうと。その時に「どんな人たちがここで育っていかなくてはいけないだろうか」「どんなきっかけづくりをしなくてはいけないのだろうか」ということをみんなで議論していきたいということです。そういった気持ちは、来年度予算の「十勝・イノベーション・エコシステム」などにそれなりに反映していると認識しています。

〈記者〉
とかち・イノベーション・プログラムや総合戦略など、市が施策を展開する一方で、市民との「協働」というのがひとつキーワードとして掲げられています。昨年秋の市民との懇談会において市長も説明されていましたが、「総合戦略や予算の内容が市民の方にどこまで浸透したか」「同じ方を向いてもらっているか」というところを念頭に、今回の予算編成を行ったのかどうかお聞かせください。

〈市長〉
行政の手で、みなさんと一緒に色々なことに挑戦していけるような体制をつくっていかなければならないと思っています。これまで行ってきた色々なジョブプログラムは、まだ数ヵ月間の取り組みですが、産官学のつながりが出来た取り組みだったと思います。
今後必要なのは、プログラムに参加した方たちが、これからどう動いてくれるのか、どういう発信をしてくれるのかということと、そこから出てきた色々な隘路などを乗り越え、具体化していかないと、どれもアイデア発表会で終わってしまうことになります。したがって、こうしたものを来年度つくっていかなければならないなと思っていますし、マスコミのみなさんにも発信していただくことで、市民のみなさんにも注目していただけることになると思っております。
多少、手前味噌の話を申し上げますけれども、我々が発信するツールの一つとして、「広報おびひろ」があります。こういったものが、皆さんにどのくらい読んでいただいているのかという疑問を以前から持っていました。今年の広報の新年号の新春対談では、ちょっと思い切って、「これからの時代どうなっていくのだろうか」というテーマについて、野村総合研究所の谷川理事長との対談を掲載しました。実は、この対談を企画する段階においては、内部で「話がわりと難しく硬くなるんじゃないか」とか、「十勝にも元気な人がいっぱいいるよ」など色々な議論がありましたが、この企画で新春対談をやってみて驚きました。広報おびひろの今年の新年号について、もう何人もの方から色々な場所で話をいただきました。思ったより反応が良かったです。「面白かった」というのと、それから「ああいう人がいるのか」といったご意見などがありました。他の市町村においても広報紙はあるけれども、こういった対談を、広報の正月号の柱に持ってきた帯広市は「レベル高いね」って言われました。そういう面では、広報紙などは皆さんに読んでいただいていると実感できましたし、ああいう内容でもお正月じっくり読んでいただいて、ご評価いただけることは、非常に嬉しいことだと感じています。
「市民周知」は、簡単ではありませんが、まだまだ我々がその手法について改善しなければならないことや、気をつけていかなければならないことがたくさんあると考えます。「これからこのまちどうしていくんだ?」「世の中どうなっていくんだ?」ということに関して、ものすごく関心をお持ちの方が、これだけおられるということを、私はこの二ヵ月の間に実感し、勇気をいただきました。
やはり、市民のみなさんが自分たちが目指す方向と言いますか、「将来帯広のまちをこんな風にするんだ」という自分達の意思表示が、今回つくった総合戦略だと思っていただけるようにならなければと思います。まだまだ足りないですけれども、発表の仕方、これからの予算の執行など、それぞれにもっと意を用いてやっていかなければならないと感じているところです。

〈記者〉
帯広に限らず全国において、義務的経費が年々増加していくことは避けられないことですが、市長が描く方向としては、まず「稼ぐ力」を最大化する。それによって、義務的経費の部分もそうですけれども、財政的な部分を少しでも良くしていこうというイメージでしょうか。

〈市長〉
「このまちをどんなまちにしたい」という価値観みたいなものを、みなさんと共有化したいと思っています。でも、なかなか一言で言えるようなものはなく、そういったものつくることは難しいものです。しかし、それをやっていかなければなりません。
今「稼ぐ力」と言われましたけれども、このことは、一番前に出して言いづらいことだったりするわけです。義務的経費が増加していくなかで、「稼がなかったらどうしようもない」という当たり前のことを言っていかないといけない。放って置いても増えていくものについては、みんなが確認できますが、やらなかったら出てこないものは、口に出して言ったり、働き掛けないと駄目ですよね。分配するものはいっぱいあるが、稼がないと分配できないという話を正面から言わなければならないということで、「稼ぐ」ということを言っています。
「稼ぐ」ためには、人が集まらなかったら話にならない。ここに集まって何かをやろうという動きが無かったら稼げないわけです。先程「資源」と言いましたけれど、「人」も含めて、このまちに何があって、その「あるもの」で、「このまちは何をやろうとしているのだろうか」ということが示せると、このまちに関心を持つ人たちが集まってきてくれるはずです。この発信をしなければ誰も来ないんです。
ここにいる人も、外にいる人たちも、冒頭に言いましたけれども、生きるうえでの選択肢として、東京や札幌などの都会だけではない、この地域においても、「ここでこうやって生きる方法があるんだ」という選択肢をつくっていかなければならないんです。「もうありますよ。こうなっていますよ」というものは無いんですよ多分。これ日本中探しても無いと思いますが。
であるならば、次にあるのは「意思」だけです。こういう風にしようと思う「意思表示が出来るまち」と、そうでないまちに分かれるのだと思います。我々が「こういうまちにしたい」というものを、よそのまねじゃなくて、もっと具体性とか主体性を持った形で戦略にしたいと思い、みなさんにご努力いただきながら、良いものが出来上がってきたと思っています。このまちに住んでいる人たちに対してもそうですが、外から将来来てもらえることになりそうな人たちに対しても、こうしたことを発信していかなければならないと思っています。
国の地方創生加速交付金の対象になったことは一つの評価だと思います。それは、外から十勝・帯広を見る人たちにも見えることであり、「どうして帯広にこの予算がついたのだろうか」となるので、単純に予算をいただくだけではなく、外への発信としても使えると思っているところです。

〈記者〉
ばんえい競馬ですが、ごく一部による人間の不祥事がありましたが、予算額は大幅な伸びになっています。これについて、どのように受け止めているのか、また今後の決意などを教えてください。

〈市長〉
ばんえい競馬の不祥事につきましては、みなさんからの信用や信頼に疑念を抱かせるようなことが起きたということに対して、本当に遺憾に感じています。我々は、今後みなさんへの信頼を回復出来るために何が出来るのかということを、関係者一丸になって進めていく必要があります。これは、我々が「ここまでやりました」「これで十分でしょ」ということではなく、みなさんに信頼を回復していただけよう、頑張っていかなくてはならないと考えています。
予算が増えたことは本当にありがたいことだと思っております。応援してくださるみなさんからのお声に対して、真摯に我々がお応えできるようにこれからも頑張っていきたいと思っております。

〈記者〉
景気対策事業に関して、重視した予算編成の考え方ですとか、特に力を入れる事業について教えてください。

〈市長〉
景気自体がまだ回復していない、またはそういう実感がない、公共工事も減っているという中で、総事業費20億円を超える予算を積み上げました。これまで学校給食調理場の建設などの大きな工事があったことから数字が膨らんでいますが、こうした要因を除いて考えれば、かなり頑張った数字であると自負しています。

〈記者〉
景気回復は浸透していないという認識ということでしょうか。

〈市長〉
「緩やかな回復基調」とか色々な言葉が出てきますけれど、実感として市民のみなさんや、工事に携わってくれた方を含めて、実感されているように私も思っておりません。公共工事は、国や道の予算がどんどん減っていますので、そういう中でも、我々が出来る中で精一杯頑張っていきたいということで、こういう数字になったということです。

〈記者〉
地方創生が進んでいく中で、自治体の独自性が求められていくと思います。重点の「持続可能な地域経済をつくる」や、「イノベーション・プログラム」に関連する人材育成という部分は、独自性をすごく感じるのですが、少子化対策とか、教育、福祉、まちづくりというような点で、そこまでの独自性があるのかな?と思うのですけれども、いかがお考えでしょうか。

〈市長〉
先程も申し上げたのですが、地方創生と言われたから、急にやっているわけではなく、この5〜6年間ずっとやってきたことなのです。来年度の予算案の中には、今言われた「独自性が無い」部分は、これまでと比較すると如実に増えているのではないかと思います。
例えば、教育の場合、何か変わったことを急にやるというのは独自性では無いですよね。逆に教育は、急に変わったことをコロコロ変えてなんていきませんよね。そういう面では、これまでずっと積み上げてきた教育に対する色々な環境とかインフラをしっかり使っていかなくてはならないと思っています。このため、公約にも入れていますが、今回、基金を設置して、皆さんにも御協力をいただくことを予算化しています。
独自性が「ユニーク」という意味であれば、ユニーク性はありませんが、「フードバレーとかち」「イノベーション・プログラム」も同様ですが、ものすごく当たり前のことをやっています。「地域の特性にあったものどうやって育てていくか」ということであり、「そこにいる人たちをどうやって元気にしていこうか」ということをやっているわけです。
「金融機関と、どこどこが連携して、地方創生について連携協定を結びました」といったものは、ほとんど中身はないですよね。「いいもの出てきたら、そこを助けてあげましょう」とか、「情報を交換しましょう」という中には、「俺がやる」ってどこも無いですよね。「俺がやる」「自分がやる」というのをつくらないと人材育成にならないし、地方創生にならないという意識がありましたので、「イノベーション・プログラム」をやったわけです。
地方創生というのは、「アリバイづくり」とか、「国から何か言われるからやっています」といったものではなく、「本当に何かを作っていなかったら、もう間に合わない」というものではないかと。将来の雇用を生み出していくためには、まず事業がないと駄目であるから、実際に事業をつくり出していくことや、今ある事業で将来の雇用が生み出せるのか、といった検証も必要になります。
第二創業という言葉がありますが、これにどうやって色々な資源を入れていくんだということに具体的に入っていかなくてはいけなくて、情報を繋ぐ「何だか連携」みたいものになってしまってはいけないと思っています。
教育についても、思いつきで何かを変えたりしていい分野と、してはいけない分野があると思っています。先ほど申し上げた独自性がない分野においては、キャッチフレーズで引っ張っていくことができない、しっかりとやっていかなければならない部分だと思います。
「仕事があるから」だけでは人は来なくて、教育や福祉などの分野もしっかりしていないと、やはり人は集まって来てくれません。東京や大阪と比較してみても、地方の良さがあるというような、そういう選択肢として出せるようなものをしっかりとつくっていかなければなりません。都会で住むこととここで住むことを比較してみたら「それなりに面白いじゃないか」となるから人が来てくれるわけで、こうしたものが、これまで議論してきた「我々がやらなければならない地方創生」ではないかと思います。

〈記者〉
市長は、ちょうど去年の今頃、「フードバレーに関して、種が芽を出して花が咲いてきた」と言っています。それが今年度を通じて、花がどのようになったか。それと、新年度の予算を組むにあたり、今後花を育てていくための肥料として、特に色濃く反映出来た部分というのはどういった項目になるのか教えてください。

〈市長〉
「フードバレーとかち」とは、「ここで色々驚いたり、感動したりしながら、ここで人生送ってもいいよ」というものをいっぱいここに集めたい。そんな花だったんです。若い人たちの動きというのがずいぶん出てきたことは、花は咲きつつあると思っています。
昨年実施したイノベーション・プログラムでは、約70人が応募してくれて、かなりタフなプログラムだったのですが、落伍しないで最後まで居てくれましたし、最終的に10個の事業の発表に至りました。また、その発表会にも、かなりの人が聞きに来てくれたという流れをみても、ずいぶん変わってきたと感じています。
また、農家の方々と話す機会がずいぶん増えました。最近言われているのが「いやー、フードバレーって分からなかったけれど、なんか分かってきたぞ」と言ってくれる人が増えてきました。そういう会話がずいぶん出てきたというのは、すごくありがたいと思っています。フジッコさんとの連携は昨年からやっていますけれど、ああいったものも一つずつきちんと積んでやっていくということが、すごく重要になってくるのだろうと思います。
先般、熊本と富士宮市との連携がスタートしましたが、こうした動きもひとつ象徴的だなと思っております。ずっと閉じた世界でなく、開かれた連携が出てくると、そこで色々な新しい気づきも出てきますし。
それから、お正月に、ご挨拶も含めて東京で上場会社さんをいくつか回りましたが、それなりの反応がありました。それなりの反応というのは、十勝・帯広の資源と自分たちの事業との連携といったものについてのお話をいただいています。これも従前からたくさんありましたが、まだ飽きられていないというか消えていませんので、そういう意味では、これから機能性に関わった研究ですとか、まだまだ広がる予感を持っています。
園芸農業にご関心を持っておられる企業もあり、十勝での展開を検討いただいたりしている所も1箇所とか2箇所ではないということで、これも今まで我々がずっと発信してきたものです。それから、工業団地がほとんど売れてしまったことも、ひとつの成果だと思います。隣に増築するという話があって、また新たに雇用を10人くらい生むかもしれないということになれば、これまでずっとみんなで頑張ってきたことが一つずつ結果となったのだと感じています。以前、工業団地は「こんなに余ってどうするんだ」と言われていたのが、今度は「足りないじゃないか」ということで、新しい工業団地について動きを始めなければならないところまできたというのは、花は咲いていないかもしれないけど、かなり動いてきたという感じがしています。

〈記者〉
市税が前年に比べて1.5%増となっています。市長の「フードバレーとかち」は、産業政策で稼いでそれを回すということですが、具体的に数字で表れる部分は、市税であるということでしょうか。

〈市長〉
正確な数字は持っていませんが、事業所の数が極端に減ってはいるわけではなく、逆に新しい会社をつくる数が増えているという認識があります。他の地域の人口が減っている中、この地域の人口が減っていないということがどういうことなのか。まだ、この地域に可能性があるということだと思います。嫌だったら人は移動の自由があるわけで、他の地域に住むことは簡単にできるわけです。人を集めるのがフードバレーだと言ってきたことから、市長をやっている5年間のうちに、人がどんどん減ってしまっては、だんだん声も小さくなりますが、まだ減っていないわけです。
ここに住んでおられる方たちが、「どこで生きるか、生活するか」ということを考える時に、まだ捨てられる地域になっていない。多少なりに社会増となっているのであれば、それはここで仕事をしようということをお考えいただいている方たちが、少なからずおられるから増えるのだろうと思っています。例えば、自衛隊で何千人がポンと来ましたということがあっても、それは別物ですけれども、社会増が少なからずあるということは、多少といえども、この5年間やってきたことがマイナスには作用していないということだと思っています。

〈記者〉
2期目の3年目に入る予算ですが、4年というスパンを考えた時に、来年度の予算の位置づけや、公約の到達度といったところの考え方はどうでしょうか。

〈市長〉
特段、今何年目だからこうやらなきゃいけないと、強く考えたことはありません。「もうあと2年しかないな」ということを考えないで仕事をやっているのかと言われたら、残りの自分の時間を考えてはいますが、出来ることと出来ないことがあります。少なくとも「フードバレーとかち」という形でやろうとしたことを潰さないで、諦めないで、どうやってつくっていくかということはずっと考えています。それを自分は2期あるから8年をこうやって終わって、8年の最終年度にこうなるためにこうするといったスケジューリングは一切やったことは無いです。
あまりにも世の中の動きが早く変わる時代ですから、今回の総合戦略の中にも書いてありますが、「それに向かって今出来る最大のことは何か」ということを考えて実施していくことが重要だと考えています。今年1年間の予算もそうですが、どこまで出来るだろうか、その最大はどの辺だろうと考えながら予算の議論をしてきました。
「時間が文脈をつくってくれる」。少し他人任せの表現に聞こえるかもしれませんが、諦めないで一つのことをずっと言い続け、そして実績を積んでいくと、何かが出てくるのではないかということです。例えば、僕が市長になった時に、「国際総合戦略総合特区」や「バイオマス産業都市」に係る法律はありませんでした。それをひとつずつやってきました。また、当時、「定住自立圏」に係る法律はありましたが、でもみんなが定住自立圏を活用していたわけではなく、十勝・帯広では、これは使えると判断して活用してきました。
この地域で他に選択肢は無いと思っていますし、どこの地域でも無いと思います。でも、当たり前のことをちゃんとやっていたら、結構ついてくるものだなというのが実感です。ですから、自分で勝手に8年の案を作って、周りとは関係無しに「今年はこれだ」「俺はこうする」とかやるのではなく、今あるものと上手くマッチさせながらやっていくことで出来るんだと。そういう意味で大変文学的ですが、「時間が文脈をつくる」と表現したわけです。僕の関係を見れば、政権とは関係なく色々なものが出てきている。だから、もう少しアンテナ高くしていきたいと思います。

〈記者〉
今、国や北海道の方で、道内の空港一括民営化という話が出ていますが、新千歳を中核として帯広もという話が出ていますが、それについて市長の考え方やスタンスを改めてお聞かせいただけますか。

〈市長〉
なかなか難しい質問なのですが、帯広市長としては、あの空港を活用して、市民のみなさんのサービスを上げることが仕事であり、そこだけで言えば、これまでとやること何も変わりません。
今お話いただいた民営化などは、ひとつの選択肢だと思っていますし、帯広空港は市が管理していますが、所有者は国です。上にある建物は、帯広空港ターミナルビルが管理運営をしており、社長は私です。こうした関係からいえば、帯広空港をどう民営化していくかについて当事者能力は無いです。
帯広市長として、市民があの空港を使う時に、より便利でよりサービスが向上することや、空港があることで、ここのまちづくりにプラスになることはどういったことなのか。そして負担というのも当然生まれてくるから、出来るだけ将来の負担というのはミニマムにしたいなど、そういった目でしか今見ていません。それ以上のところは当事者能力が無いわけで、「一括民営化についてはどうですか?」と問われたら、「ニュートラルです」と答えるしかありません。
私がやらなければならないのは、これからどういう方向に行ったとしても、十勝・帯広の空港、さらには十勝・帯広の価値がこれから上がってくるというものをつくることしかありません。ここから先は想像ですけれども、新千歳空港が民営化となった時には、将来のキャッシュフローを計算することになります。すると、そのまちにどのくらいお客さんが来るかとか、この空港がどの位使われることになるんだろうかなど、そうしたことを考えることになると思います。
人の来ない空港に値段はつきません。この地域の価値が上がっていくから、空港の価値も上がるのだと思います。したがって、やるべきことは何も変わらなくて、やはり十勝・帯広の魅力を高めて、観光に来る人、ビジネスで来る人など、みんなから評価される地域になる必要があります。
国や北海道と、十勝・帯広の関係者がきちんと情報交換しながら、十勝・帯広の人たちの価値をしっかりと伝えていくということに時間を使うべきだと思っております。

以上

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