帯広市の国指定文化財 十勝幌尻(ポロシリ)岳

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ページ番号1005207  更新日 2022年3月27日

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写真:名勝ピリカノカ 十勝ポロシリ岳

ピリカノカとは

ピリカノカとはアイヌ語で「美しい・形」を意味し、アイヌの物語や伝承、祈りの場、言語に彩られた優秀な景勝地群を総称するものです。
平成24年9月19日、十勝幌尻岳は国指定名勝ピリカノカの八番目の構成資産として追加指定されました。

名勝ピリカノカ構成資産(※平成26年4月時点)

候補地名称

市町村名

指定年月日

九度山(クトゥンヌプリ) 名寄市 平成21年7月23日
黄金山(ピンネタイオルシペ) 石狩市 平成21年7月23日
神威岬(カムイエトウ) 枝幸町・浜頓別町 平成22年2月22日
襟裳岬(オンネエンルム) えりも町 平成22年8月5日
瞰望岩(インカルシ) 遠軽町 平成23年2月7日
カムイチャシ 豊浦町 平成23年2月7日
絵鞆半島外海岸 室蘭市 平成24年1月24日
十勝幌尻岳(ポロシリ) 帯広市・中札内村 平成24年9月19日
幌尻岳(ポロシリ) 平取町・新冠町 平成25年10月17日
オキクルミのチャシ及びムイノカ 平取町 平成26年3月18日

十勝幌尻(ポロシリ)岳

写真1
中札内村東戸蔦地区から撮影した十勝幌尻岳

「北海道の背骨」と言われる日高山脈の北部・東側に十勝幌尻岳はあります。

十勝幌尻岳の標高は1,846メートルで、十勝平野から日高山脈を眺めたとき、ひときわ大きくそびえて見えます。このため、十勝のランドマークにもなっていて、その雄大な山容は、住民に広く親しまれています。

動植物が多く生息する自然の豊かさもこの山の魅力で、ヒグマやエゾシカ・キタキツネ・エゾクロテンのほか、高山帯にはシマリスやナキウサギなどが生息しています。切り立った稜線と山頂付近に発達するカール地形は日高山脈の特徴で、十勝幌尻岳からも見ることができます。このような眺望や地形、自然の魅力により、多くの登山客が訪れる山でもあります。

アイヌ文化と十勝幌尻(ポロシリ)岳

「ポロシリ」はアイヌ語で「大きい・山」を意味し、昔からカムイ(アイヌの神)が鎮座する山、カムイヌプリ(神聖な山)として崇められてきました。

このため、十勝幌尻岳は帯広のアイヌの人たちのチノミシリ(霊山)として信仰の対象となってきました。

現在、帯広のアイヌの人たちが行っている儀礼においても、ヌサ(祭壇)にはポロシリカムイ(幌尻岳の神)のイナウ(木幣)が必ず祀られています。

写真2
ヌサに祀られるポロシリカムイへのイナウ

十勝幌尻(ポロシリ)岳の湖には海の動物がいる?

「此川の水源ポロチヌプリには、夙にカンナカムイといふ最も威霊の神が在はして、十勝國一円を所領してゐた。
所が海を領してゐるレブンカムイが、一朝カンナカムイに叛き反抗して見たが、力及ばず敗北し、降伏の償ひに海中の魚介海草の類まで、悉く之をカンナカムイに献上した。
それ故、山上の神湖には海の魚を放つてゐるので、この川には時々海中に産するものが流れてくるのだとゐはれてゐる。」
(工藤梅次郎『アイヌ民話』, 1926, p.178)

大昔に海の神であるレプンカムイ(シャチ神)が、十勝一帯を所領していた天の神カンナカムイ(雷神)に戦いを挑みましたが敗北してしまいました。

負けてしまった償いとして、レプンカムイは海の魚や海草をカンナカムイに献上しました。

これを十勝幌尻岳の頂にある神湖(カムイトー)に放っているので、この川(札内川)には海産物が流れてくるのだといわれています。

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