植物相調査について(令和4~6年度)

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ページ番号1015001  更新日 2023年6月18日

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野草園では植物相調査を実施しています

帯広市野草園では、令和4年度から令和6年度にかけて、園内の植物について調べる「植物相調査(しょくぶつそう)」を実施しています。

野草園植物相調査について

調査の目的

本調査の目的は、野草園の植生の現状を正確に把握することです。

前回調査から14年が経ち、その間に植物の分類方法が変わりました。

植物の生え方(植生)にも変化があるかもしれません。

また、調査によって分かったことを、これからも自然豊かな野草園を保つために「なにが必要なのか」「なにができるのか」を考え、対応していく基礎資料としても使っていきます。

どのような調査をしているのか

令和4年度で実施した調査は、以下の4点です。

1.植物相調査

野草園の中にどのような種類の植物があるのかを調査し、リストアップしました。

2.希少種の生息数調査

植物相調査で見つかった植物のうち希少種と帯広市の花であるクロユリについて、「どこにどの程度は生育しているのか」を記録しました。

3.植生調査

園内2か所に各10平方メートルの調査区を設定し、「その中にどの植物がどのくらい生えているのか」という割合を調べました。

4.毎木調査

園内2か所に各10平方メートルの調査区を設定し、樹木ごとの高さと太さを調べました。

どのようなことが分かったのか

令和4年度に実施した調査では、以下のようなことが分かりました。

1.植物相調査

84科314種の維管束植物(シダ植物と種子植物)が見つかりました。

前回調査では確認されなかったノビネチドリや、ナガホノナツノハナワラビなども確認されました。

2.希少種の生息数調査

今回の調査では、カタクリや、フクジュソウ、クロユリなど14科21種の希少種が見つかりました。

クロユリは、園内で511株が確認されましたが、いずれも5月下旬までに地上部が消失し、開花個体はみられませんでした。

光条件や昆虫による食害が、生長・開花を難しくしている要因の一つであるため、と考えられます。

3.植生調査

2つの調査区の両方とも、高木層はカシワが被度70%で優占していました。

しかし、草本層(地上に近い部分)では、両調査区に差がみられました。

〇調査区1では、クマイザサが被度90%で優占し、出現種数は15種と少なかったです。

このようなカシワ林の林床をクマイザサが優占する植生は、帯広周辺ではあまり見られないものです。

〇調査区2では、カサスゲが被度30%で優占し、出現種数は37種と多かったです。

カシワ林の林床をカサスゲとミヤコザサが優占する植生は、帯広周辺のカシワ林で見られる典型的な植生です。

4.毎木調査

〇調査区1は、カシワ、ハルニレ、シラカンバが20mで最大樹高であり、単層型の毎木構造でした。

高木種の下層木または小径木が貧弱であり、クマイザサに生育を妨げられている可能性があります。

〇調査区2は、カシワの大木の下に、オオヤマザクラやエゾイタヤが出現する複層型の毎木構造でした。

これは、標準的なカシワ林に見られる毎木構造です。

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