ZOOレター 平成26年度
寂しがりやで食いしん坊なラマたち 広報おびひろ平成27年3月号
平成23年に動物園にやって来たオスのラマ「雪丸」。ラマは南アメリカのアンデス地方で多く飼われている家畜で、群れで暮らす習性がありますが、動物園のラマは雪丸だけだったので、寂しがってよく飼育員に甘えた声で鳴いていました。
昨年秋に、新たにメスのラマが仲間入りしました。十勝の大樹町生まれ「小梅」です。1歳になったばかりのお嬢さんで、雪丸をとても気に入った様子。雪丸の姿が見えなくなると、「プープー」と鳴きながら落ち着きなく動き回ります。
ラマたちは寂しがりやであると同時に、とても食いしん坊です。飼育員はいつもバケツに好物の野菜類を入れて持っていくので、バケツを見るだけで耳をピンと立ててよだれまで垂れてくる始末。われ先にとバケツに顔を突っ込もうとします。
食いしん坊は元気な証拠。この先もずっと元気な姿を見せてくれることを願いつつ、いつの日か夫婦として連れ添ってくれることにも期待を寄せて、今日もバケツ片手にラマ舎に向かいます。
ラマ
- 名前/雪丸
- オス、16歳・好物:キュウリ
- 名前/小梅
- メス、1歳・好物:トウモロコシ、サツマイモ
飼育展示係 入交 利都
片耳ウサギ!?のロップ 広報おびひろ平成27年2月号
園内東側にある「ちびっこふぁーむ」には、18羽のウサギが暮らしています。その中の1羽に、ロップイヤーの「ロップ」がいます。ロップイヤーとは、耳が垂れ下がったウサギの総称で、鼻先がつぶれたようになっているのが特徴です。
ロップは、毛が床につくほど長く、モップのようです。他のウサギといてもすぐに見分けることができます。とても元気がよく、寝室内を走り回っています。時には、同居しているカイウサギの「ダディ」と寄り添って寝ていたり、かわいい姿を見ることもできます。
お客さんから、「片方の耳しかない!」とよくいわれることがあるのですが、よ~く見てみると、モフモフな毛に覆われて垂れ下がったもう片方の耳がきちんとあります。聞き耳を立てて、周りの様子をうかがっているロップ。そんなロップに会いに来てね!
カイウサギ(ロップイヤー)
- 名前
- ロップ
- 性別
- オス
- 好きなもの
- リンゴ、ニンジン
飼育展示係 相澤 由香理
男前コウタ、ただいま22歳 広報おびひろ平成26年12月号
同い年のチンパンジーのヤワラちゃんとコウタ君は幼い頃から大の仲良しで、いつも一緒にいます。ちょっとでも離されると、怒って、暴れて、お腹をこわして下痢をしちゃうほどコウタ君はヤワラちゃんが大好き。若い頃は、要領がいいヤワラちゃんの後をついて歩いていましたが、ここ2、3年はヤワラちゃんの前を歩くようになりました。移動する時は常にヤワラちゃんの様子をうかがい、遅れてくる時は待っていたり、ついてこない時はお迎えに行ったり…。「なんて、男前なの」と思いきや、一生懸命ヤワラちゃんの毛づくろいをしている姿を見ると、「振り回されているだけなのでは?」なんて思いも込み上げてきます。
こんな様子を楽しめるのは、人間に最も近い動物とされるチンパンジーだからこそ。じっくり観察していると、ヤワラちゃんとコウタ君の面白い関係が見えてきます。
チンパンジー
- 名前
- コウタ
- 出生地
- 宮崎県
- 好きな異性
- ヤワラちゃん
飼育展示係 杉本 加奈子
いつまでも元気に 広報おびひろ平成26年11月号
今年で54歳のナナ。人間でいうと80~90歳ぐらいのおばあちゃんです。おびひろ動物園に来て51回目の冬を迎えます。ゾウは暖かい地域に生息していて、体毛はほとんどありません。ナナも寒さが苦手で、冬が大嫌い。ナナのために、室温を20℃程度になるように寝室内を暖めたり、寝室の掃除で外に出す時間を短くするなどしています。現代の飼育では、寒さに慣らすよりも、できるだけゾウの生息地に近い暖かい環境で、寒さのストレスを軽くする方法がとられています。寒さの厳しい日や天気が悪い日は、開園しても、お客さんから見えない暖かい寝室内で過ごしてもらうことがあります。寒さはナナおばあちゃんの体にこたえるので、ご了承ください。そんな日は特別に寝室内でスポットガイドを行います。
インドゾウ
- 性別
- メス
- 名前
- ナナ
- 出生地
- インド
- 好きなもの
- フルーツ、水浴び、砂浴び
飼育展示係 冨川 創平
片足立ち選手権大会優勝?ヨーロッパフラミンゴ「ソラ」 広報おびひろ平成26年10月号
正門から入ってまっすぐ進むと、フラミンゴ舎があります。フラミンゴは現在20羽いて、その中でもひときわ体が大きいのが「ソラ」です。平成24年7月8日に生まれて、名前はお客さんからの募集で決まりました。フラミンゴたちの中で名前が決まっているのは、ソラだけです。まだ2歳ですが、他の仲間に負けないくらい立派に成長して、体の大きさはフラミンゴ舎で1、2を争うほどです。
フラミンゴたちは、いつでも片足でバランスを崩さず休んでいます。その姿はまるで片足立ち選手権大会。ソラの立ち姿は特に美しく、バレリーナのようです。
これからもすくすく育って、容姿端麗なバレリーナのようになってほしいです。
ヨーロッパフラミンゴ
- 名前
- ソラ
- 好きな食べ物
- アミエビ
- 特徴
- 右足につけた黄色のリング
飼育展示係 小澤 惇稀
見つめられると細くなる? 広報おびひろ平成26年9月号
フクロウ舎の南端に、トラフズクの「タクロウ」が暮らしています。平成21年、飛べずにうずくまっているところを保護されました。
トラフズクの体は虎斑模様、頭にはうさぎの耳のように突き出た「羽角」と呼ばれる飾り羽があります。目はオレンジ色でクリっとしていて、勇ましさの中にもかわいらしさがあります。性格は、とてもシャイ。人の視線に気付くと、緊張からか体が細くなってしまいます。「ふっくら」したタクちゃんを見ようと、のぞき込めばのぞき込むほど体は「ほっそり」。唯一、飼育員が餌のひよこを持って扉を開けると、少し「ふっくら」します。
サービス精神は旺盛で、カメラを向けると高い確率でカメラ目線をします。でも写真の撮り過ぎはストレスになるので、控えめにしてくださいね。
シャイでかわいらしいタクちゃんをぜひ見に来てください。
トラフズク
- 好きな食べ物
- ひよこ
- 特技
- 音もなく飛ぶ
- 愛称
- タクちゃん
飼育展示係 河瀬 浩章
える(L)はまだSサイズ 広報おびひろ平成26年8月号
サル山では、晴れの日も雨の日も元気なニホンザルの姿を見ることができます。群れで遊ぶ子ザルたちの中で、特に活発な男の子が「える」です。
平成24年6月に生まれたえるは、生後4カ月でお母さんを亡くしてしまいましたが、まだ甘えたい盛りだったえるには、1歳年上の笑子お姉さんがいて、いつも一緒にいてくれました。他のサルたちとケンカをしては、獣医さんに何度も手当てされた時期もありましたが、今では群れでの暮らしに慣れて、他のサルたちと共にたくましく成長しています。ぜひ、えると笑子に会いに来てください。
ニホンザル
- 生年月日
- 2012年6月6日
- 出生地
- おびひろ動物園
- 性別
- オス
- 好きな食べ物
- りんご(果物大好き)
飼育展示係 吉田 和重
軍手好きの軍ちゃん 広報おびひろ平成26年7月号
園内東側にある「どんぐりのいえ」には3頭のエゾモモンガが暮らしています。そのうち、昨年保護されて仲間入りしたのがオスの「軍ちゃん」です。
保護されてしばらくの間、軍手をねぐらにしていたのでこの名前がつけられました。よほど気に入ったのか、巣箱の中には今でも軍手が入っています。
エゾモモンガは夜行性で、昼間は巣箱の中で眠っていることが多く、姿を見られるのは一日のうちわずか数時間だけ。飼育員ですらその姿を見られない日もありますが、開園直後が比較的見かけやすくてお勧めです。もし出会えたら、その愛らしい姿に夢中になること「間違いなし!」です。
エゾモモンガ
- 性別
- オス
- 年齢
- 推定1歳
- 好きなもの
- ひまわりの種、柳の枝
飼育担当者 小林 紗央梨
"はがれない"リスザル 茶々丸 広報おびひろ平成26年6月号
現在16頭のリスザルの群れの中で、あどけない顔の小さな3頭が昨年生まれの子どもたちです。そのうち2頭は母親に育児放棄されたので、代わりに育てた飼育員を母親だと思っています。
なかでも「茶々丸」は育ての親である2人の飼育員がリスザル舎に入ると、すぐさま「あ、お母さんだーっ」とばかりに肩に飛び乗り、片時も離れません。飼育員がブラシで床を掃除をしている間も、腕にしがみついたり、頭に登ったり、上手にバランスを取ってずっと乗っかっています。降りてほしくても、しっかりしがみついて簡単には離れません。
午前中のリスザル舎では、リスザルをはがせなくて困っている飼育員の様子が見られるかもしれません。
コモンリスザル
- 性別
- オス
- 生年月日
- 平成25年8月17日
- 出生地
- おびひろ動物園
- 好きな食べ物
- バナナ、ブドウ、ゆで卵
- 特技
- 飼育員のポケットからペンを奪うこと
飼育担当者 杉本 美紀
園内で最高齢?アンデスコンドルのジャック 広報おびひろ平成26年5月号
園内西側にあるアンデスコンドルの獣舎に、とさかが有るオスのジャックと、とさかが無いメスのジェーンが一緒に暮らしています。この2羽は、おびひろ動物園に一緒に来園しました。
アンデスコンドルの平均寿命は50歳といわれています。生年月日の正確な記録が無くなっていますが、ジャックは推定年齢57歳。なので、ジャックは動物園の中で最高齢?なのです。
そんなジャックは高齢動物と呼ばれるようになっても食欲旺盛。自分の餌を食べながらジェーンが食べている餌を横取りしちゃいます。
昨年はジェーンが卵を生んだので、2羽の仲は悪くないと思うのですが、もっとジェーンに優しくしてあげてほしいなぁと思ってしまいます。
アンデスコンドル
- 性別
- オス
- 年齢
- 推定57歳
- 生年月日
- 昭和56年3月9日
- 好きな食べ物
- 丸鶏、牛肉
- 特徴
- 食いしん坊
飼育担当者 新井 憲
ツンデレ女子 ミニチュアホースのモコ 広報おびひろ平成26年4月号
動物園には、3頭のミニチュアホースがいます。お父さんのポーリー、お母さんのモコ、娘のポコリンです。今回ご紹介するのは、お母さんのモコです。
人懐つこいポーリーやポコリンとは対照的に、モコはクールでマイペース。人間に愛嬌は振りまきません。飼育員が名前を呼んでも顔を向けるだけ。ブラッシングや診察も、飽きると走って逃げてしまいます。人間にこびず、我が道を行くモコ。
しかし、気が向いたときには、飼育員に鼻を鳴らしてご挨拶。また、ポーリーの一歩後ろをけなげについて歩いていたり、雪が降るとはしゃいで走り回っていることも。
普段はクールですが、時折かわいらしい一面を見せるモコ。ツンデレ女子なモコに誰もがメロメロになるでしょう。
ミニチュアホース
- 性別
- メス
- 生年月日
- 平成16年4月20日
- 好きな食べ物
- ニンジン
- 特徴
- 1頭だけ体が真っ黒
飼育担当者 中川 千明
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