市政執行方針

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ページ番号1001489  更新日 2024年3月1日

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令和6年度

はじめに

令和6年第1回帯広市議会定例会の開会に当たり、市政執行に対する所信を申し上げ、市議会議員の皆様、並びに市民の皆さんにご理解とご協力をお願いするものであります。

これまで、経済成長を重視してきた社会経済システムは、経済的な豊かさをもたらしてきた一方で、地球環境や社会に様々な影響を及ぼしており、これらを両立し持続的に発展できる社会の構築が世界共通の課題となっています。

こうした中、経済成長と環境保全や社会問題を対峙する関係として考えるのではなく、一体として捉え、支え合う関係を模索し、新たな価値の創出につなげる包摂的すなわちインクルーシブな視点が重要になってきています。

異なる分野を掛け合わせたり、多様な人たちとの関わりを通じて多様な考え方を取り込んだりすることで、新しい価値を創出していくことは、地域の発展にも大きく影響を及ぼします。

140年前、この地に将来発展の可能性を見出し入植した先人たちは、文化の異なるアイヌの人たちと協調しながら、いくつもの困難を乗り越え、十勝・帯広の開拓を進めてきました。

開拓以降、帯広市は、都市と農村の調和をはかりながら、食や農業を基盤とした関連産業の振興や、みどり豊かで秩序ある都市づくりを通して、地域の発展基盤の形成に取り組んできました。

私は、こうして積み上げられてきた地域の価値をさらに高めていくため、「フードバレーとかち」を掲げ、十勝全体で地域資源の付加価値向上や魅力の発信に取り組んでまいりました。

これまでの取り組みを通し、多様な人材の触発による新事業の創出や、域外企業との連携による食の付加価値向上など、域外からも投資や前向きに挑戦する人たちが集まり、新しい仕事や機会が生まれてきています。

この地域が受け継いできた食や農、自然環境などの豊かな資源と、人の生活を取り巻くみどりや環境を大切にする価値観は、域内外の人々の共感と相まって地域の存在感を高め、十勝・帯広の大きな資産になっています。

最近では、高速道路網の整備の進展や日高山脈周辺地域の国立公園化などの動きにより、十勝・帯広への注目度や、新たな人や物の流れを生み出す可能性が高まってきています。

私は、こうした地域を取り巻く環境の変化を契機と捉え、様々な分野を繋ぎ、前向きで多様な人たちの考え方を取り入れながら、時代に即した新たな価値を創出し、十勝・帯広の「資産価値」を高め、地域の将来発展につなげてまいる所存であります。

主要な施策の推進

次に、主要な施策について申し上げます。

令和6年度予算については、第七期帯広市総合計画の着実な推進をはかるため、令和5年度補正予算との一体的な編成に努めたところであります。

以下、総合計画の体系に沿って申し上げます。

ともに支え合い、子どもも大人も健やかに暮らせるまち

はじめに、「ともに支え合い、子どもも大人も健やかに暮らせるまち」について申し上げます。

健康・医療については、けんこう帯広21に基づき生活習慣病予防やがん対策を推進し、市民の自発的な健康づくりを促進するほか、妊婦への歯科健康診査の助成を実施します。

子育て支援については、保育ICTシステムの導入により保護者の利便性向上や保育士の負担軽減を通した保育の充実をはかるほか、ひとり親世帯等へのファミリーサポートセンターの利用支援や、障害や発達に心配のある子どもへの障害福祉サービス給付を拡充します。

また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、児童手当や児童扶養手当、子ども医療費助成制度を拡充するほか、物価高騰子育て支援給付金を支給します。

福祉については、困りごとを抱える人や障害がある人、その家族が地域で安心して生活できる環境づくりを進めるほか、地域福祉施策の指針となる計画を策定します。

社会保障については、生活困窮者等の自立に向けた支援の充実をはかるほか、国民健康保険制度や介護保険制度等の持続的な運営に努めます。

活力とにぎわいと挑戦があるまち

次に、「活力とにぎわいと挑戦があるまち」について申し上げます。

農林業については、生産基盤の整備や先進技術の導入支援などにより、農業経営の強化に取り組むほか、八千代公共育成牧場の草地及び機械を更新し自給飼料の増産と質の向上をはかります。

また、老朽化した上帯広農業センター及び愛国農業センターについて、それぞれ近隣の消防団詰所と複合化した施設の整備を進め、農村地域の活性化と施設総量の適正化をはかります。

ばんえい競馬については、生産者支援や広報活動を通した魅力発信などを進めます。

地域産業については、民間事業者との連携のもと、十勝の農産品を活用した商品開発や販路拡大などに取り組むほか、域内外の人材の交流を通じた創業・起業の支援や、幅広い世代を対象とした学び直しの環境づくりを進めます。

交流人口の拡大に向けては、アドベンチャートラベル推進に向けた受け入れ体制の整備やツアーの造成を行うほか、東京圏からの移住者に対する支援の拡充などにより、UIJターンの促進をはかります。

広域交通については、とかち帯広空港の利用促進に向けた取り組みを行うほか、誘導路の整備などを進めます。

ともに学び、輝く人を育むまち

次に、「ともに学び、輝く人を育むまち」について申し上げます。

学校教育については、小学校及び義務教育学校の空調設備の整備や、小中学校の体育館照明についてLED化を進めるほか、南町中学校の長寿命化改修などに係る実施設計を行います。

また、不登校児童生徒への支援を充実するほか、学校教育の振興に資する施策に幅広く活用することを目的として、教育振興基金とこども学校応援地域基金を統合し、新たな基金を創設します。

学習活動については、児童会館の開館60周年を記念した新たな子どもの遊び場を設置するほか、動物園において、乳幼児を連れた方が安心して利用できる休憩場所の整備に向けて実施設計を行います。

文化芸術については、地元の若手芸術家や市民の発表機会を提供するほか、市民文化ホールの設備更新や代替駐車場の確保などを行います。

スポーツについては、フードバレーとかちマラソンなどのスポーツイベントの開催や、総合型地域スポーツクラブの運営支援などを通じて市民が気軽にスポーツに親しむ機会を提供します。

安全・安心で快適に暮らせるまち

次に、「安全・安心で快適に暮らせるまち」について申し上げます。

環境保全については、帯広市ゼロカーボン推進計画に基づき、再生可能エネルギーの有効活用や省エネルギー対策を進めるため、住宅や工場などにおける太陽光発電システムや蓄電池等の省エネルギー機器導入を促進します。

防災・減災については、指定避難所の機能強化をはかるため、非常用発電機の整備を進めるほか、地域防災無線や備蓄資材の更新などに取り組みます。

消防・救急については、老朽化した川西第2分団詰所及び大正第2分団詰所について、それぞれ近隣の農業センターと複合化した施設の整備を進めるほか、消防車両や防火水槽の更新などにより、消防体制の強化をはかります。

安全な生活環境については、防犯灯の帯広市への移管に向け、設置状況の調査などを行うほか、若年者や高齢者等の消費者被害の未然防止に取り組みます。

上下水道については、「帯広市上下水道お客様センター」を開設し市民の利便性向上や業務の効率化をはかるほか、稲田浄水場の地震対策や水道管路の耐震化、汚水処理施設の統合に向けた帯広川下水終末処理場の施設改修などを行います。

都市基盤については、除雪等に係る委託費の増額などによる除雪体制の確保や、優先路線の設定による排雪作業の迅速化をはかるほか、道路や公営住宅の整備、橋梁の長寿命化などを行います。

また、造成開始から50年を迎える帯広の森の価値や魅力を将来につなげていくため、シンポジウム等の記念事業を実施し、次の50年に向けた利活用の方向性について検討を進めます。

帯広少年院跡地を含めた緑ケ丘公園エリアについては、今後の土地利用の方向性を示すエリアビジョンを策定します。

市民主体のまちづくり・自治体経営

最後に、市民主体のまちづくりと自治体経営について申し上げます。

地域社会活動については、老朽化した大空会館の移転改築に向けた基本設計を進めるほか、徳島市との姉妹都市締結40周年を記念した阿波おどり大会の開催などを通し、姉妹都市・友好都市との交流をはかります。

また、アイヌ民族の歴史・文化への理解促進に向け、生活館の整備を行いアイヌ文化の伝承活動を促進するほか、アイヌ舞踊の観光コンテンツ化に向けた取り組みを進めます。

自治体経営については、行政手続きに関わる市民の利便性向上をはかるため、窓口サービスのスマート化を進めるほか、業務システムの標準化への対応や定住自立圏次期共生ビジョンの策定に取り組みます。

また、公共施設等整備保全基金を創設し、公共施設マネジメントの効果的な推進に取り組みます。

以上、令和6年度の主要施策について申し上げました。

むすび

「成功する秘訣は、然るべき時に然るべき場所にいること。」

アメリカの芸術家アンディ・ウォーホルの言葉です。

将来を見据えて、好機を逃さず、自らの強みを活かしチャレンジしていくことが必要です。

私は、先人たちが見出し、蓄積してきた、十勝・帯広の価値を、時代を捉えて然るべく高めていくために、前向きに行動する人たちとともに挑戦を続け、誰もが幸福に暮らせる未来につなげていく所存であります。

市議会議員の皆様をはじめ、市民の皆様の一層のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、市政執行方針といたします。

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政策推進部企画室企画課
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