市政執行方針

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ページ番号1001489  更新日 2023年4月25日

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令和5年度

はじめに

令和5年第1回帯広市議会定例会の開会に当たり、市政執行に対する所信を申し上げ、市議会議員の皆様、並びに市民の皆さんにご理解とご協力をお願いするものであります。

新型コロナウイルス感染症の流行や地球温暖化の進行、食料安全保障の懸念、さらにはエネルギー危機など、人々の安全・安心な暮らし、命をも脅かす事態が生じており、経済発展を重視してきた社会に潜在していた様々な課題が浮き彫りになってきています。

地球環境の保全と経済成長、社会活動の維持を両立し、人が心身ともに健やかに、そして、より良く生きるためには、経済と環境、暮らしが負荷をかけ合い、我慢を強いるのではなく、調和のとれた関係性を構築し、互いに新しい価値を生み出していくことが以前にも増して重要になっていると考えています。

帯広市は、初めて総合計画を策定して以来、都市と農村の調和を基本理念に、人を真ん中に置き、自然を大切にしながら、まちづくりを進めてきました。

私は、こうして高めてきた、十勝・帯広の「食」と「農」、そして「自然」に「未来」の可能性を見出し、「フードバレーとかち」を旗印に、地域の魅力の発信などに取り組み、人や投資を呼び込むことで、新しい仕事づくりにつなげてきました。

最近では、域内外での共感の広がりにより、十勝・帯広の可能性を信じる前向きな人たちが集まり、新たな交流が生まれるなど、地域の発展に向けた活力が高まってきていると感じています。

私は、こうして生まれてきた活力を推進力に変え、様々な分野を相互に連関させ、相乗効果や調和を模索しながら、新しい価値を生み出し、「フードバレーとかちのNew Stage」、十勝・帯広の未来づくりに取り組んでまいる考えであります。

主要な施策の推進

次に、主要な施策について申し上げます。

令和5年度予算については、第七期帯広市総合計画の着実な推進をはかるため、令和4年度補正予算との一体的な編成に努めたところであります。

以下、総合計画の体系に沿って申し上げます。

ともに支え合い、子どもも大人も健やかに暮らせるまち

はじめに、「ともに支え合い、子どもも大人も健やかに暮らせるまち」について申し上げます。

健康・医療については、保健事業と介護予防に一体的に取り組み、高齢者の健康づくりや地域参加を支援する体制の充実をはかるほか、市民の健康づくり等の指針となる計画を策定します。

子育て支援については、母子健康手帳のデジタル化により、妊娠から出産及び育児にかかわる保健事業の利便性の向上をはかるほか、新生児・乳幼児を対象とする検査体制の充実、待機児童の解消に向けた児童保育センターの分室整備を進めます。

また、子育て世帯の経済的負担の軽減をはかるため、出産・子育て応援給付金を支給するほか、中学生までを対象とする子ども医療費助成制度の拡充に向けた準備に取り組みます。

福祉については、高齢者等の権利擁護をはかる成年後見制度の利用支援を行うほか、困りごとを抱えた高齢者や障害のある人、その家族を地域全体で支え合う、生活支援の環境づくりを進めます。

社会保障については、生活困窮者等の自立に向けた支援を行うほか、国民健康保険制度や介護保険制度等の持続的な運営に努めます。

活力とにぎわいと挑戦があるまち

次に、「活力とにぎわいと挑戦があるまち」について申し上げます。

農林業については、生産基盤の整備や先進技術の導入支援などにより、農業経営の強化に取り組むほか、農村集落の活性化をはかるため、農業センターの整備を行います。

また、森林環境譲与税を活用した私有林の整備支援や市有林の適切な維持管理等を進めます。

ばんえい競馬については、生産者支援や走路整備などを行うほか、運営体制の強化に向けた取り組みを進めます。

地域産業については、地元企業が行う十勝の食を活用した商品開発や販路拡大などの取り組みを後押しするほか、先端技術の展示・発表を行う「国際農業機械展」の開催を支援します。

また、域内外の人材の交流を通じた創業・起業の支援や、幅広い世代を対象とした学び直しの環境づくりを進めす。

交流人口の拡大に向けては、ナショナルサイクルルートを活用した観光振興や、海外から関係者が集うアドベンチャートラベルワールドサミットに参画するほか、域外の知見を取り込んだ新たな価値づくりに向け、十勝ファンを活かした地元企業の新事業創出を支援します。

広域交通については、とかち帯広空港の誘導路の整備などを進めるほか、空港の脱炭素化に向けた計画を策定します。

ともに学び、輝く人を育むまち

次に、「ともに学び、輝く人を育むまち」について申し上げます。

学校教育については、効果的なプログラミング教育の推進に向けた教材の導入や、オンラインにより不登校の児童生徒に多様な学びの機会を提供するほか、学校施設の長寿命化や教材備品の更新など、教育環境の充実をはかります。

また、食材価格の高騰に伴う保護者負担を増やすことなく学校給食を提供するほか、新たなメニュー開発などにより給食の魅力向上に取り組みます。

学習活動については、動物園において、馬ふれあい舎の整備などによる動物展示の充実や、来園者の休憩場所となるビジターセンターを整備するほか、とかちプラザ等の施設の改修を行います。

高等教育については、関係機関と連携しながら、地域の発展に寄与する人材の育成に取り組みます。

文化芸術については、地元芸術家や市民の発表機会を提供するほか、市民文化ホールの改修を行います。

スポーツについては、市民が気楽にスポーツに親しむ機会を提供するほか、全国高等学校総合体育大会の実施や、ツール・ド・北海道2023の開催支援、体育施設の長寿命化などに取り組みます。

安全・安心で快適に暮らせるまち

次に、「安全・安心で快適に暮らせるまち」について申し上げます。

環境保全については、太陽光発電システムや蓄電池などの新エネルギー機器導入を促進するほか、「2050年ゼロカーボン」の実現に向け、地域特性を活かして脱炭素を推進するため、地方公共団体実行計画を策定します。

防災・減災については、防災訓練や防災出前講座の実施のほか、指定避難所の非常用発電機の整備や、地域防災無線の更新、備蓄資材の充実などに取り組みます。

消防・救急については、車両の更新や農業センターとの複合化による消防団詰所の整備などにより、消防体制の強化をはかります。

安全な生活環境については、交通安全や防犯の意識啓発、危険箇所の注意喚起を行う看板整備などを行うほか、若年者や高齢者等の消費者被害の未然防止に取り組みます。

上下水道については、配水管の更新や下水道の長寿命化をはかるほか、稲田浄水場の地震対策や中島配水場の設備更新、汚水処理施設の統合に向けた帯広川下水終末処理場の施設改修などを進めます。

都市基盤については、道路の整備や橋梁の長寿命化、公営住宅の建て替え・改修を行うほか、公園整備や帯広の森の園路整備、中島緑地の造成などを進めます。

また、緑ヶ丘公園一帯の魅力向上に向け、旧帯広少年院跡地の土地利用などの可能性調査を行うほか、安全で快適な自転車の利用環境の確保に向け、ナショナルサイクルルートにおける通行空間の整備を進めます。

市民主体のまちづくり・自治体経営

最後に、市民主体のまちづくりと自治体経営について申し上げます。

地域社会活動については、老人クラブに対する支援を拡充し、高齢者が生き生きと活動できる環境づくりを行うほか、多様な性への理解促進や、松崎町やスワード市など、国内外の姉妹都市との周年事業を実施します。

また、アイヌ民族の歴史・文化への理解促進に向けては、次代にアイヌ文化を継承する機会の確保に取り組むほか、文化伝承を促進するため帯広市生活館を改修します。

自治体経営については、公共施設マネジメントの推進のほか、帯広圏でのデジタル化推進に向けた構想策定や市民向けデジタルサービスの導入検討、SNSや動画を活用した分かりやすい市政情報の発信などに取り組みます。

以上、令和5年度の主要施策について申し上げました。

むすび

「マチをぬけると森がある。どの道を行っても十勝特有の樹々が私達を迎えいれてくれる。そこでは、小鳥達がさえずり、虫の羽音が聞こえてくる。市民のだれもが緑と太陽につつまれ、家族そろって楽しい一日をすごす。」

昭和50年に策定された帯広の森造成計画書の冒頭の一節です。

日本経済が活気にあふれ、誰もが豊かな生活を求めていた時代。経済だけでなく、緑そして森に価値を見出し、市民一人一人が自らの手で、木を植え、育て、森づくりは進められてきました。

約50年の時を経た今、帯広の森は、命を育む豊かな森として、その姿を現しています。

私たちは、未来の幸せを願う、その想いをしっかりと受け継ぎ、将来へつなげていかなければなりません。

あおあお ひろびろ いきいき 未来を信じる 帯広

私は、この地にそれぞれの可能性を見出し前向きに行動する人たちと共に、誰もが幸せに暮らせる明るい未来に向けて、まちづくりを進めてまいります。

市議会議員の皆様をはじめ、市民の皆さんの一層のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、市政執行方針といたします。

このページに関するご意見・お問い合わせ

政策推進部企画室企画課
〒080-8670 帯広市西5条南7丁目1番地
電話:0155-65-4105 ファクス:0155-23-0151
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