アイヌ古式舞踊 ユネスコ無形文化遺産

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ページ番号1010825  更新日 2024年2月13日

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帯広カムイトウウポポ保存会

写真:古式舞踊の様子1

写真:古式舞踊2

帯広カムイトウウポポ保存会について

アイヌ民族の伝統的な歌や踊り、儀式と十勝の歴史を後世に受け継いでいくため、1964年に設立されました。
1984年に国の重要無形民俗文化財に指定された「アイヌ古式舞踊」を保護する団体の中でも古い歴史があり、会員数は2024年2月現在で35名です。
「カムイ」はアイヌ語で神様、「トウ」は沼や湖、「ウポポ」は歌を意味します。
現在、伝承している歌や舞踊は30種類以上あり、若者が多く所属し活動を行っています。

これまでの活動内容

全国各地で公演活動を行っており、2004年に九州公演を成功させ、2007年には東京国立劇場で開かれた文化庁主催の国際民族芸能フェスティバルに出演しました。
2017年2月に札幌市で開催された冬季アジア大会の開会式では、当保存会の歌と踊りを中心にアイヌ古式舞踊を披露し、同年8月にはハワイの先住民族を招待し、文化交流を深めました。
2021年8月に、東京オリンピックの競歩とマラソン会場になった札幌の大通公園では、当保存会から派遣したメンバーも加わり、アイヌ民族の舞踊や歌を通じて世界に民族共生・多文化共生を発信しました。

帯広カムイトウウポポ保存会又は会員の主な受賞


1971年 帯広市文化奨励賞受賞

1982年 帯広市指定文化財第3号(無形文化財第1号)指定

1984年 アイヌ古式舞踊が国の重要無形民俗文化財に指定される

1999年 財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(現 公益財団法人アイヌ民族文化財団)のアイヌ文化奨励賞受賞

2008年 北海道文化財保護功労賞受賞

2009年 十勝文化賞受賞 <会長 酒井奈々子>

2009年 ユネスコ無形文化遺産にアイヌ古式舞踊が登録される

2014年 帯広市市民劇場賞受賞

2015年 公益財団法人アイヌ民族文化財団のアイヌ文化奨励賞受賞 <会長 酒井奈々子>

2018年 帯広市文化賞受賞 <会長 酒井奈々子>

2021年 文化庁長官表彰 <会長 酒井奈々子>


会長のことば
持続可能で平和な世界へ ~私が伝えたいこと~

あああああ

皆さん、イランカラㇷ゚テ!
イランカラㇷ゚テとは、
「あなたの心にそっと触れさせてください」という気持ちで使う言葉で、日本語で「こんにちは」あるいは「こんばんは」と表現されているようですね。
実はアイヌ語の挨拶にはさまざまな言い方がありまして、帯広ではイランカラㇷ゚テではなく、イショロレーという挨拶の言葉を多く使います。

私たちアイヌはその昔、文字を使わず、言い伝えや食べ物などの交換だけでおよそ150年前まで暮らしていました。
今は皆さんと同じように暮らしていますが、私が小さかったころ、夜は チセという木や草でできたアイヌの家でいろりを囲みながら、お爺さんやお婆さんからいろんな話を聞くのが楽しみでした。
自然の中にはさまざまな神様がいること、自然の恵みに感謝すること、必要以上の生き物を取りすぎないこと。山菜も もちろんのこと。
お爺さんお婆さんは何でも教えてくれるので、家族みんなの大切な存在でした。
いろんな話を聞いて楽しくなると、自然に歌いたく踊りたくなりました。

家族や仲間と語り、共に歌や踊りで楽しいと感じることは、物が豊かな今では忘れがちな、本来の豊かさの発見になるかもしれません。
言葉や民族・国の壁はありません。
心ひとつにしてくれる歌や踊りは、皆さんのすぐそばにあるのです。
私たちと一緒に輪になって踊り、アイヌのその昔の時代を振り返って、家族のように語り合いませんか。


帯広アイヌ古式舞踊について

苦難を乗り越え一つの社会に ~私たちが踊りで表現したいこと~

アイヌ古式舞踊は、北海道各地に居住しているアイヌの人たちが、先祖から伝承されてきた歌や踊りを受け継ぐ伝統芸能です。
道内各地で披露されており、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
主に祭りや家庭での祝宴で踊られることが多く、カムイ(神)への信仰や日常の暮らしが芸能と結びついています。
地域によって伝わっている歌や踊りはさまざまで、帯広カムイトウウポポ保存会では「バッタキウポポ(バッタの踊り)」が特に有名です。これは明治の開拓期に十勝でバッタが大発生したときの大変さや苦労を今に伝承しています。バッタは十勝のみならず日高山脈を越えて札幌近辺まで作物に大きな被害を及ぼし、道内各地で和人とアイヌが一緒になってバッタを駆除しました。今は有数の農業地帯として知られる十勝ですが、当時試みた日本の稲作は寒い北海道に適さず、亜寒帯気候での開拓は苦労と失敗の連続でした。北海道の地理や自然を良く知るアイヌの力無くしては、北の大地を開拓することはできなかったのです。先住民として北海道に根付いていたアイヌだからこそ、今でも語れる歴史や思いがあります。

当保存会では、アイヌ民族が狩猟採集を行っていた時から伝わる「ムックリ(アイヌの民族楽器・口琴)」の演奏や、仲睦まじく飛ぶ鳥を射ようか射まいか悩む「クリㇺセ(弓の舞い)」などによって自然界の情景を伝えると同時に、明治以降に生まれたとされる「シッチョチョイチョイナ(農耕の踊り)」「サランぺ(和人との交易で絹をもらい喜ぶ踊り)」なども披露しています。
自然に感謝し共生してきた帯広のアイヌ自らがこれまでの歴史を振り返り、民族共生やこれからの持続可能な社会に何が必要なのか、メッセージを古式舞踊に込めて披露していきたいと思います。

写真:ムックリ(口琴)の演奏
ムックリ(口琴)の演奏
写真:バッタキウポポ(バッタの踊り)
バッタキウポポ(バッタの踊り)
写真:ポロリムセ(輪踊り)
ポロリㇺセ(輪踊り)

帯広アイヌ古式舞踊の動画

帯広アイヌ古式舞踊の動画

帯広アイヌ古式舞踊 実演・体験のお申込みについて

写真:古式舞踊3

帯広アイヌ古式舞踊等観光コンテンツ化推進協議会では、アイヌ古式舞踊の実演や一緒に踊る体験プログラムのお申し込みを受け付けています。

  • 観光団体・観光事業者様などからのイベント出演
  • 修学旅行や学校行事での交流プログラム
  • 任意団体や個人による地域の生涯学習プログラムなど

帯広カムイトウウポポ保存会会長(2021年に文化庁長官表彰)による語りや歌に合わせて、昔の暮らしや世界観などを体感いただけます。
舞踊以外にも、アイヌ伝統料理やムックリの演奏体験なども受け付けております。

詳細につきましては、下記の公式ホームページをご覧ください。
そのほか料金、時間、ご希望・ご要望などは、
帯広アイヌ古式舞踊等観光コンテンツ化推進協議会(事務局:帯広市経済部観光交流室観光交流課 電話:0155-65-4169)
までお問い合わせください。


このページに関するご意見・お問い合わせ

帯広アイヌ古式舞踊等観光コンテンツ化推進協議会
(帯広市 経済部 観光交流室 観光交流課内)

〒080-8670 帯広市西5条南7丁目1番地
電話:0155-65-4169 担当:藤原