大学生と話して感じたこと(広報おびひろ令和6年11月号掲載)
先日、帯広畜産大学ボランティア団体「とことこあるこう」の皆さんと、まちづくりについて意見を交わす機会がありました。体が不自由な方への買い物支援や子どもの学習支援、高齢者宅の除雪など、活動内容や立ち上げのきっかけをはじめ、「自分たちにできるまちづくりがしたい」「地域でお世話になった人に貢献したい」と、さまざまな話をしてくれました。
私の若い頃は、現在のように安全・快適・便利な時代ではなく、勉強にしろ仕事にしろ、誰かのためにというよりは、まず自分自身がより豊かになるためといった考え方が主流であったように思います。今回、彼らの行動力や前向きさ、そしてまちを良くしていきたいという姿勢に触れ、何ともいえぬうれしさを覚えました。
市長という立場になってから、このように若い方と話をする機会が多くありますが、実は、話をするときはいつも緊張します。
昔と今では若者が育つ環境も、言葉の使い方も大きく異なります。また、言うまでもなく価値観や考え方も人それぞれです。彼らは自分が使っている言葉を理解してくれているだろうか、自分は彼らの言葉の意味をちゃんと理解できているだろうか、「若者だから」と決めつけて、先入観や偏見を持って接してはいないだろうか。さまざまな思いを巡らせながら、しっかりコミュニケーションを図るため真剣に言葉を選びます。
昨今、社会がグローバル化、成熟化し、一人ひとりが持つ価値観や個性、多様性が尊ばれる中、人と人の関係性を築く力やその基盤となる人間性、人を思いやる力などがますます大事になっているように感じています。
生きてきた年数や経験が長くなると、つい自分の考え方を押し付けてしまいがちですが、高校生や大学生との対話で、相手の考えを尊重し、相手のことを考えて一生懸命に話そうとしている若者に出会うと、人生を生きていく上での最も重要な力に年齢は関係ないのだと気付かされます。
「私はあの頃若くて愚かだった。今は年老いてさらに愚かになった」トム・ソーヤーの冒険で知られるアメリカの小説家マーク・トウェインの言葉です。実にユーモラスな表現で、いくつになっても謙虚さを忘れてはならないという意味が込められているそうです。日々の人間関係において、忘れてしまいがちな視点を思い出させてくれる、若者との対話機会をこれからも大切にしていきたいと思います。
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