平成22年度市政執行方針

はじめに

 平成22年第4回定例市議会の開会にあたり、今後の市政執行に対する所信を申し上げ、市議会議員の皆様、並びに市民の皆様にご理解とご協力をお願いするものであります。

 私は、先に行われた選挙におきまして、市民の皆様のご支持をいただき、第9代帯広市長として、市政を担うことになりました。

 あらためまして、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 帯広は、私が生まれた“ふるさと”であります。
 豊かな自然と人々の優しさや温もりに触れながら育ったまちであります。
 その後、帯広を離れていた間も、常にふるさとの発展を思い続けてまいりました。

 今般、私に与えられた自治体の長の職責の重さを認識し、市民の皆さんから寄せられた期待を胸に、自らの経験を活かして、この地に新しい風をおこし、皆さんとともに、「夢かなうまち おびひろ」を創り上げていくため、全力で市政執行にあたる決意であります。

時代の潮流

 世界経済は、産業革命以来、様々な課題に直面しながらも、一貫して成長を続けてまいりました。

 近年の経済社会のグローバル化の進展の中で、中国やインドなどの新興国の急速な経済成長や貿易自由化の拡大などにより、国や地域を越えて、経済の結びつきが強まってきております。

 経済的発展は、豊かな暮らしをもたらす一方で、地球環境問題や食料問題、人口問題など、様々な問題も引き起こしております。
 米国発の金融危機やギリシャの財政問題などの影響に象徴されるように、今日、私たちの地域社会も、国際社会の動向と無関係ではいられないことを認識し、様々な地域課題にグローバルな視点で考え、対応することが求められております。

 国内においては、人口減少や産業の空洞化、医療・福祉や教育、国と地方のあり方など、解決すべき様々な課題があります。
 特に、大都市への人口や産業の行き過ぎた集中は、まちの個性や魅力を低下させ、地域活力の衰退を招くことが懸念されております。

 私は、地域が元気になることが、ひいては国の繁栄につながるものと考えております。
 将来にわたり、地域が持続的に発展していくためには、それぞれの特色を活かしながら、諸課題に積極果敢に挑戦していくことが何よりも重要であり、それを可能とする地域主権型社会の確立が強く求められております。

 こうした時代の変革期の中で、地域が複雑・多様化する政策課題に適切に対応し、新たな発展の可能性を拓いていくためには、従来の仕組みや考えにとらわれない柔軟な発想で、まちづくりを進めていくことが必要であると考えております。

基本姿勢

 これからの自治体は、自らが主張・発信し、行動できる「地方政府」として、自立に向けた確かな基盤を築いていかなければなりません。

 そのためには、地域にある、人、物、金、情報などの経営資源を活用し、50年、100年を見据えながら、新たな挑戦を続け、時代の先駆けとなる自治体を創っていかなければならないと考えております。

 また、適切な時期、タイミングの情報提供や、情報公開を通して、行政の透明性を高め、市民と行政の信頼関係を築きながら、一人ひとりの市民の力を、地域の力として一つに集め、協働によるまちづくりを進めてまいります。

 さらには、帯広と十勝のまちが、開拓以来、互いに連携しながら築き上げてきた地域意識を、かけがえのない財産として最大限に活用し、十勝が力を合わせて、新しい時代の地域づくりを進めていく必要があります。
 私は、これから、まちづくりを進めるにあたり、国内や海外での企業経験やこれまで培った人とのつながりを十分活かしながら、常に市民の幸せを願い、守るべきは守る「冷静さ」と、変えるべきは変える「勇気」、いずれを守りいずれを変えるかを判断する「知恵」と、未来を拓く「開拓精神」をキーワードに、自ら先頭に立って、汗をかき、市民の皆さんとともに、新しい帯広を創ってまいります。

まちづくりの考え方

 次に、まちづくりの基本的な考え方について申し上げます。

【元気なおびひろ】

 はじめに、【元気なおびひろ】について申し上げます。

 私は、古今東西を問わず、新たな時代を切り拓く原動力となったのは、常にリスクを恐れない挑戦者としての開拓精神であったと思っております。
 このことが、変革の時代におけるまちづくりを進めるにあたり、最も求められるものであると考えております。

 地域産業の発展は、地域経済力の向上はもとより、まちの賑わい、人口の増加など、まちづくり全体への波及効果が期待できるものであります。
 地域が将来にわたり、持続的かつ安定的に発展し続けるためには、地域経済を牽引する産業政策をまちづくりの基軸に据え、これまでの取り組みの課題や成果を検証し、試行錯誤を繰り返しながら、地域の活性化や雇用の創出に取り組んでいく必要があります。

 豊かな自然環境に恵まれた広大な十勝は、我が国を代表する 食料供給基地として、確固たる基盤を確立しております。
 帯広・十勝には、安全・良質な食料生産機能や関連産業の集積はもとより、帯広畜産大学をはじめとする試験研究機関が多数立地しております。
 私は、こうした地域資源や人材などの優位性を地域づくりに活用し、政策展開することが、最善の地域振興策につながるものと考えております。

 この地域の素材の中で、人々が身近に感じ、かつ21世紀の日本や世界の重要な政策課題である「食と農業」を中心テーマとした、地域の経済成長戦略を、スピード感をもって展開し、次の時代を拓いてまいりたいと強く思っております。

 無限の可能性を秘めた帯広・十勝の優位性である「食と農業」と、蓄積された知恵と力を最大限に活かし、産学官連携や農商工連携をはかりながら、創業・起業の促進、ベンチャー企業の育成、環境関連企業の誘致、地場資源の付加価値向上、地域のブランド化などの取り組みを、総合的に展開しながら、国内外に地域の魅力を発信し、自立した地域の産業基盤を確立していく考えであります。
 私は、こうした「食と農業」を柱とした地域産業政策の考え方を「フードバレーとかち」と総称し、これからのまちづくりの旗印として、十勝全域とスクラムを組みながら、帯広の特徴的な政策として進めてまいります。
 その推進にあたっては、体制を強化し、関係機関や団体などと連携をはかりながら、全職員が一丸となって、「元気なおびひろ」、「フードバレーとかち」の実現に向けて、最大限の努力をしてまいります。

【人に優しいおびひろ】

 次に、【人に優しいおびひろ】について申し上げます。

 私は、まちなかに、子どもからお年寄りまで、笑い声があふれるような、そんな温もりのあるまちを創っていきたいと思っております。
 そのためには、子どもや高齢者、障害のある人などを社会全体で思いやる優しさの視点をもちながら、誰もが健康で安全・安心に暮らすことができる地域社会づくりを進めることが重要であると考えております。

 このため、保健事業の充実などにより、市民の健康を守るほか、高齢者の社会参加の促進や、高齢者や障害のある人を地域で支える仕組みづくりなどを進めてまいります。

 また、乳幼児等医療費助成の拡充や細菌性髄膜炎などの予防接種への助成を行うほか、地域ぐるみで子育てを応援する環境づくりを進めてまいります。

 地震や災害、事件・事故から、市民の生命と暮らしを守るためには、災害に強い都市基盤の整備とともに、安全・安心に対する市民意識の向上や、支え合いの仕組みづくりなど、「フードバレーとかち」らしいまちづくりに、ハード・ソフトの両面から取り組むことが重要であります。
 このため、学校の耐震化や災害に対する避難支援体制の整備などに取り組んでまいります。

【環境都市おびひろ】

 次に、【環境都市おびひろ】について申し上げます。

 環境の重要性が国際的に再認識され、世界各地で地球環境を 守るための様々な取り組みが進められております。

 帯広・十勝のおいしい水やきれいな空気、豊かな自然は、国内はもとより、海外の都市にも決して引けをとらない優れたものであり、地域の貴重な財産であります。
 先人から受け継いだこのすばらしい環境を、守り育て、次の世代へと引き継ぎながら、持続可能な地域づくりを進めていく必要があります。

 家庭や企業、行政など地域社会が環境の大切さの意識を共有し、力を合わせて行動していく地域独自の仕組みとして、環境基金を創設し、市民の自主的活動を進めてまいります。

 また、市民の手による帯広の森づくりで培った市民協働の蓄積を活かし、環境負荷の少ないエネルギー利用や公共交通の利用促進などに取り組んでまいります。

 私は、地球温暖化防止の先導的な役割を担う環境モデル都市の意義を踏まえ、地域における行動・実践を通して、国内外に発信しうる地域社会づくり、「フードバレーとかち」づくりを進めていく考えであります。

【人輝くおびひろ】

 次に、【人輝くおびひろ】について申し上げます。

 人づくりは、地域の持続的な発展に欠くことのできないまちづくりの基本となるものであります。
 しかし、人づくりは、一朝一夕には決して成し遂げられないものであります。
 その意味で、人づくりは、将来に向けて、私たちが今やっておかなければならない未来への投資であると考えております。

 これからのまちづくりには、次代を担う子どもたちの教育はもとより、産業・経済、環境、文化・スポーツなど、様々な分野における人材を育てていくことが求められております。
 このため、子どもたちが健康で生き生きと学ぶことができるよう、少人数指導など、教育環境の充実をはかるとともに、学校・家庭・地域が一体となり、地域ぐるみで子どもの教育を支援する環境づくりを進めてまいります。

 また、市民が生涯にわたり、学ぶことができる環境づくりや地域で活躍する人材の育成のほか、帯広・十勝を応援する人材ネットワークづくりに取り組んでまいります。
 さらに、人材育成や地域振興など、まちづくりにおいて重要な役割を担う高等教育機関のあり方について、検討してまいります。

 帯広の未来を担う人づくりについて、縷々申し上げましたが、「人輝くおびひろ」の実現に向けて、何にも増して重要なのは、今を生きる私たち自身が正に「輝く」生き方をすることであります。

 今を生きる私たちの一日一日の生き方そのものが「フードバレーとかち」における人づくりの要諦であると考えております。

【未来に続くおびひろ】

 次に、【未来に続くおびひろ】について申し上げます。

 地方自治は、国が決め地方が従う「官治・集権」から、国と地方が対等の立場で、地方の実情に合わせて、市民と行政が協力し、個性と魅力のある地域社会を創る「自治・分権」へと改革が進められております。
 明治以来の地方自治の仕組みが大きな転換期を迎える中で、自らのまちは自ら創るという強い意志をもって、まちづくりに臨むことが重要であります。

 そのためには、従来の延長線上ではなく、慣例にとらわれない柔軟な発想で、新たな都市経営の視点に立って、満足度の高い行政サービスを提供する必要があると考えております。

 私は、行政サービスの担い手である職員の意識を改革しながら、行政コストの見直しや事業の選択と集中による効率的・効果的な行財政運営を進めてまいります。
 また、重要政策などを決定する過程において、市民意見をお聞きする仕組みづくりなどに取り組み、市民主体の市政運営を行ってまいります。

 私は、市民が地域活動を通して、積極的にまちづくりに参加することが、地域の明日への活力につながるものと考えております。
 このため、高齢者や若者、女性など、幅広い世代の市民がまちづくりの担い手として、個性や能力を発揮できる地域社会づくりを進めてまいります。

 私は、ただいま申し上げましたことを含めまして、これからの政策の推進にあたっては、総合計画をまちづくりの基軸に据えて、内外の諸情勢やまちづくりの継続性などを踏まえながら、一歩一歩、着実に取り組んでまいります。

 私は、いま本市を取り巻く状況は、明年のとかち帯広空港のダブルトラッキング化の実現、道央圏との高速道路の開通による新たな高速交通ネットワーク時代が到来するという、これまでとは大きく異なる競争・成長条件の中で、いかに明日の帯広を方向づけるのかという重要な転換点に立っていると考えております。

 今一度、私たちのもつ歴史・文化・地域資源と時代の流れをじかに見つめて、地域の活性化や交流人口の拡大等に取り組み、「未来に続くおびひろ」を志向してまいる所存であります。

 以上、申し上げましたことを基本に、これからのまちづくり、「フードバレーとかち」づくりにあたってまいる考えであります。

むすび

 過日、田本憲吾さん、高橋幹夫さん、砂川敏文さん、そして私の4人が集い、一緒に「帯広の森・はぐくーむ」のオープンを記念して植樹をいたしました。
 帯広の森構想から40年。歴代市長と多くの市民の手によって受け継がれてきた森づくりは、大地にしっかりと根をおろしております。

 帯広のまちづくりの原点とも言うべきこの壮大な構想を立案された吉村市長は、昭和31年3月12日、就任後初の市政執行方針の中で、帯広市のまちづくりの方向性を示唆する演説をされております。その一節をご紹介させていただきます。
 「当市の置かれております地位は、ご承知のごとく十勝郡部との緊密なる相関関係の上に立ち、特に経済的には常にその消長を一にしているのでありまして、将来、市がいかなる方向を取ってその発展に資するかという問題も、この軌範を脱するわけには参らぬのであります。」

 そして、さらに、続けて
 「なお、開拓すべき幾多の原素材を背景とする当市は、われわれの活動のいかんによっては、まことに前途洋々たるものありと確信するものであります。」
 と述べられております。

 この昭和31年3月12日は、私が帯広市で生まれた日であります。
 偶然の一致・予期せぬ偶然ではありますが、正に54年後に、市長としてこの立場に立っていること、そして、志をつないで市政を担わせていただいていることに、縁というものの不思議を感じている次第であります。

 私は、十勝とともに歩んできた帯広が、その素材を活かしきることで、必ずや未来への確かな道を歩みうるものと確信するものでありまして、その道を皆さんとともに進まなければならないものと、決意を新たにしているところであります。

 歴代の市長が積み重ねてこられたまちづくりをしっかりと受け継ぎ、帯広の輝かしい未来に向って、全力で臨んでまいりますので、皆様のご理解とご協力を心からお願いを申し上げまして、市政執行方針といたします。

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帯広市政策推進部政策室

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