平成31年度市政執行方針

はじめに

 平成31年第1回帯広市議会定例会の開会に当たり、市政執行に対する所信を申し上げ、市議会議員の皆様、並びに市民の皆さんにご理解とご協力をお願いするものであります。

 私たちは今、不確実性が高く、先行きを見通すことが難しい時代を迎えています。

 社会・経済の変化に立ち向かい、自ら変わっていく強い意思を持って、前向きにまちづくりを進めていくことが求められているところであります。

 十勝・帯広は、雄大な自然、食や農などの地域資源と、チャレンジ精神あふれる人材に恵まれています。

 私は、こうした地域の共有財産を活かし、将来発展の基盤づくりをはかりながら、豊かな地域社会の実現に向け邁進してまいる決意であります。

時代の潮流とまちづくり

 さて、わが国は、少子化の進行や超長寿社会の到来に伴い、教育・仕事・老後と続くライフステージや、現役世代が高齢者を支える社会保障制度など、人々の生き方や社会の仕組みに関わる大きな転換期を迎えています。

 また、第4次産業革命の進展や経済のグローバル化などを背景に、AIやIoTの普及、外国人労働者の増加、人々の働き方や消費行動の多様化など、産業・経済の構造的な変化に直面しているところであります。

 加速化する変化の中で、従来の経験や常識を拠り所として、社会や経済を繁栄に導くことが期待できる時代は、終わりを告げました。

 これからは、過去からの延長線上に、よりよい明日が約束されることのない、いわばモデルなき時代であります。

 私たちは、変化に立ち遅れることへの漠然とした不安を乗り越え、将来に向け、自ら考え、行動していかなければなりません。

 環境の変化を複眼的に捉える視野の広さを持ち、確かな足掛かりを見出して、未来を切り拓いていくことが求められています。

 十勝・帯広では、「フードバレーとかち」を旗印に、食・農業などの強みや魅力を最大限に活かし、新たな価値の創造に取り組んでまいりました。

 域内外の人材の触発や異業種の掛け合わせにより、知恵や工夫を引き出しながら、農業ICTの普及、バイオガスプラントの面的な拡大、アウトドア観光の活性化などにつなげてきています。

 また、国際戦略総合特区制度などを活用し、食の生産拠点整備や研究開発等を進めてきたことで、農産物の輸出は拡大し、加工食品の海外展開も広がってきています。

 食や環境、エネルギーなど、世界共通課題へのたゆまぬチャレンジを通し、国内はもとより、アジアの国々とのつながりは、ますます深まってきていると実感しております。

 私は、この地には、アジアにおいて食・農業の分野で存在感を放ち、力強く発展し続けるポテンシャルがあると考えています。

 十勝・帯広なら、できる。

 重ねてきた実績に自信を持ち、地域への誇りを共有しながら、域内外の結びつきをさらに広げ、豊かで明るい未来の創造に全力で取り組んでまいる所存であります。

まちづくりの基本方向

 これからのまちづくりにおいては、持続可能な自治体経営を推進しつつ、地域のありたい姿を展望し、その実現に向け、着実に取り組んでいくことが求められます。

 下りエスカレーターを上るが如き今の時代にあって、常に自らの位置を確認し、決して立ち止まることなく、選んだ道を一歩一歩進んで行かなければなりません。

 私は、人々の主体性と多様性、つながりを大切にしながら、この地の衆知と行動を結集し、強い意思を持って、住みよいまちづくりを進めていく考えであります。

 平成31年度は、中長期的な視点を持ち、総合計画等の策定のほか、以下の三つの取り組みを重点に、市政執行に当たってまいります。

【地域経済の将来発展の基盤をつくる】

 一つ目は、【地域経済の将来発展の基盤をつくる】であります。

 少子高齢化や技術革新の進展、新興国の経済成長とグローバル競争の拡大などを背景に、地域産業は今、構造的な環境変化に直面しています。 

 かつて経験のない変化の中で、従来とは異なる視点や発想で試行錯誤を重ね、生産設備の老朽化、担い手の減少、収益力の低下などの課題解決に取り組んでいくことが求められているところであります。

 時代の変化に伴う「壁」を乗り越え、地域産業にイノベーションを生み出すためには、地域固有の資源と多彩な人材のネットワークを基礎に、常に新たな可能性を模索していかなければなりません。

 十勝・帯広においても、食・農の強みと魅力を活かし、域内外の人々が手を携え、先進技術の導入や海外展開、エネルギーの自給など、未知の領域に取り組んできたことにより、地域産業の活力は徐々に高まってきているところであります。

 広がってきた可能性をより確かなものとし、地域経済の持続的な発展につなげるため、築いてきた産業基盤を維持・向上しつつ、投資を呼び込みながら、新たな仕事や域外からの人の流れの創出などをはかっていく必要があります。

 このため、農業生産基盤や関連施設等の整備をはじめ、スマート農業の普及・拡大、多様なアグリビジネスの創出に向けた産業間連携の促進などを通し、農業・食関連産業の生産性や収益性の向上に取り組んでまいります。

 また、創業・起業や事業承継への支援を拡充するほか、工業団地の整備、人材の確保・育成などを促進し、中小企業の経営基盤の強化をはかってまいります。

 さらに、交流人口の拡大をめざし、アウトドア観光の自走化に向けた取り組みを支援するほか、首都圏等へのプロモーションの強化や空港の経営改革などを進めてまいります。

【未来に向けて活躍できる人をつくる】

 二つ目は、【未来に向けて活躍できる人をつくる】であります。

 私は、十勝・帯広の最大の魅力とは、先人たちの開拓者精神を継承し、今また、新たなフロンティアを拓こうとする、この地の人々のたくましさと前向きさ、そして、突き抜けた夏空のような明るさであると感じています。

 こうした精神風土は、活力ある未来を築いていく上で、揺るがぬ土台となるものであると考えております。 

 教育は、国家百年の計と言われます。

 十勝・帯広においても、この地に暮らす一人ひとりが、地域に根ざすスピリットを受け継ぎながら、新たな時代に必要な知識や技能等を習得し、個性と能力を発揮できるよう、長いスパンで、人づくりへの投資を進めていかなければなりません。 

 このため、母子保健サービスや子育て相談体制の充実、保育所の整備などを通し、親子がともに健やかに成長できる環境づくりを進めてまいります。

 さらに、学校施設の長寿命化やICT機器等の整備、家庭や地域とのさらなる連携の推進など、学校教育環境の充実をはかるほか、幅広い世代が生涯学習、文化、スポーツに親しめる場づくりや機会の提供に取り組んでまいります。 

 人材の活躍促進については、介護士・保育士等の復職支援のほか、高齢者・障害者の就労、学生や市民団体等によるまちづくり活動などへの支援を進めてまいります。

【安全安心に暮らし続けられるまちをつくる】

 三つ目は、【安全安心に暮らし続けられるまちをつくる】であります。

 昨年、私たちは、二日間に及ぶ「ブラックアウト」、全道一斉停電という、未曽有の事態を経験しました。

 電力喪失に伴う広範かつ甚大な影響を通し、私たちの日常生活が、電気や水道、通信、物流、医療など、幅広い都市機能の結びつきの上に成り立っていることを、改めて実感したところであります。

 まちづくりの課題は、様々な要素が相互に関連し、影響し合いながら、ますます複雑・多様化しています。

 今日の世界的な潮流であるSDGs、すなわち、経済・社会・環境への包括的なアプローチは、こうした複合的な課題の解決に向けた時代の要請であると考えております。

 十勝・帯広においても、「フードバレーとかち」の経験を活かし、食と農業、環境・エネルギー、健康などの様々な分野をつなぎ、施策を横断的に進め、生活環境の総合的な安全安心を確保していく必要があります。

 このため、バイオマスの利活用や家庭における新エネルギーの導入、快適な緑の空間整備、農業・森林の多面的機能の保全などを通し、農業・環境・エネルギーが調和した循環型の地域づくりを進めてまいります。

 災害に強いまちづくりについては、水道や通信などのライフラインの確保、身近な地域における防災体制の充実のほか、公共施設等の長寿命化などに総合的に取り組んでまいります。

 さらに、人がつながり、支え合うまちづくりをめざし、地域を挙げた子育て・教育支援、市民主体の健康づくりや地域包括ケアシステムの充実のほか、コミュニティの活性化に向けた検討などを進めてまいります。

 以上、まちづくりの基本的な方向について申し上げました。

主要な施策の推進

 次に、主要な施策について、総合計画の体系に沿って申し上げます。

【安全に暮らせるまち】

 はじめに、【安全に暮らせるまち】について申し上げます。

 防災につきましては、自主防災組織の育成や地域防災訓練の実施、洪水ハザードマップの更新などを通し、防災意識の向上をはかるほか、停電時を想定した通信機能や上下水道の確保、公用車への電気自動車の導入など、防災体制の充実に取り組んでまいります。

 また、歩道の再整備を行うほか、消防の新出張所の整備や車両の更新など、安全安心な生活環境づくりを進めてまいります。

【健康でやすらぐまち】

 次に、【健康でやすらぐまち】について申し上げます。

 医療・福祉につきましては、がん対策推進条例の制定を踏まえ、検診の拡充や周知啓発に取り組むほか、在宅医療と介護サービスの一体的な提供に向け、地域包括支援センターや医療機関などとの連携体制の構築をはかってまいります。

 また、介護保険施設の整備や低所得高齢者の介護保険料の軽減、人々がつながり支え合う「地域共生社会」の構築に向けた関連計画の策定を進めてまいります。

 子育てにつきましては、保育環境の充実をはかるため、へき地保育所の認可化に向けた施設整備のほか、相談・支援体制の強化や、産後ケアの拡充などを通し、妊娠・出産期から子育て期にわたる切れ目のない支援に取り組んでまいります。

 さらに、幼児教育・保育の無償化の着実な実施や、ひとり親家庭への支援の充実をはかってまいります。

【活力あふれるまち】

 次に、【活力あふれるまち】について申し上げます。

 農林業につきましては、生産基盤の整備をはじめ、ICT等の先進技術の導入、施設・設備の整備など、生産性や収益性の向上に向けた取り組みを促進してまいります。

 また、農業・農村の多面的機能に関する支援を拡充するほか、適正な森林管理を目的とする基金の創設などを進めてまいります。

 ばんえい競馬につきましては、公正競馬の確保はもとより、生産者支援やコスト削減などを通し、引き続き安定経営に努めるほか、エレベーター設置など来場者の利用環境の改善を進めてまいります。

 商工業につきましては、西19条北工業団地の造成を進めるほか、事業承継の円滑化に向けた融資制度の拡充や、新製品開発などの支援に取り組んでまいります。

 また、「とかち・イノベーション・プログラム」などを通し、新事業の創出や産業人の育成を推進するほか、創業・起業をめざす人材を支援するため、国内外の起業家との交流機会の創出や、市内中心部において起業家がつながる拠点づくりなどを進めてまいります。

 産業間連携につきましては、地元食材の高付加価値化などを進めるほか、新たな地産地消モデルの形成を促進してまいります。

 雇用につきましては、東京圏からの就業・起業など、UIJターンの促進などに取り組んでまいります。

 観光につきましては、TVドラマと連動した十勝・帯広のプロモーションや、菊まつり50周年事業をはじめとする各種イベントの開催などを通し、地域の魅力発信や交流人口の拡大をはかってまいります。

 また、体験・滞在型観光の振興に向け、サイクルツーリズムの推進のほか、DMOへの支援やポロシリ自然公園の整備などに取り組んでまいります。

 このほか、事業規模や発注時期などに配慮しながら、公共事業等を進めてまいります。

【自然と共生するまち】

 次に、【自然と共生するまち】について申し上げます。

 環境保全につきましては、温室効果ガスの削減に向け、太陽光発電システムや蓄電池などの新エネルギー機器導入を促進するほか、廃棄物の適正処理、資源化などを通し、環境負荷の低減をはかってまいります。

 公園・緑化につきましては、公園のバリアフリー化や木製遊具の更新のほか、中島緑地の整備などを行ってまいります。

 水道・下水道につきましては、老朽化した水道管の更新や、下水道管の長寿命化、災害対策備蓄資器材の充実のほか、都市部と農村部の上下水道事業一元化に向けた取り組みを進めてまいります。

【快適で住みよいまち】

 次に、【快適で住みよいまち】について申し上げます。

 住環境につきましては、市営住宅の建て替えや改修を行うほか、民間活力の活用による、子育て世帯向けの公的賃貸住宅を整備してまいります。

 道路につきましては、幹線や生活道路の整備、橋りょうの長寿命化を進めるほか、交差点周辺やバス路線・通学路等の排雪を強化してまいります。

 空港につきましては、滑走路・灯火の改良工事などを行うほか、北海道内7空港一括民間委託に向けた取り組みを進めてまいります。

 火葬場につきましては、施設のバリアフリー化を進めるほか、長寿命化改修などを通し、将来を見据えた安定的な稼動の確保をはかってまいります。

【生涯にわたる学びのまち】

 次に、【生涯にわたる学びのまち】について申し上げます。

 学校教育につきましては、大空地区における義務教育学校の開校に向けた取り組みのほか、老朽化した施設の改修や学校トイレの洋式化などを行ってまいります。

 また、机・椅子の更新やスクールロッカーの整備を進めるほか、大型提示装置やパソコンの整備など、教育環境の充実に取り組んでまいります。

 さらに、地域住民・保護者などが学校運営に参画するコミュニティ・スクールを導入するほか、幼保小中が連携した「エリア・ファミリー構想」の取り組みを基盤に、小中一貫教育を進めてまいります。

 高等教育につきましては、関係機関等と連携し、地域の発展に必要な人材の育成や高等教育機能の充実に取り組んでまいります。

 生涯学習につきましては、動物園の新たな魅力づくりや新総合体育館の整備に取り組むほか、市民オペラ公演の開催や総合型地域スポーツクラブの設立を支援してまいります。

【思いやりとふれあいのまち】

 次に、【思いやりとふれあいのまち】について申し上げます。

 地域コミュニティにつきましては、コミュニティ施設の効果的な管理運営手法の検討のほか、トイレの洋式化などを進めてまいります。

 親善交流につきましては、徳島市との産業文化姉妹都市締結35周年を記念し、交流事業を行ってまいります。

【自立と協働のまち】

 次に、【自立と協働のまち】について申し上げます。

 市民協働につきましては、広報紙やホームページ、SNS、市民対話の機会などを通し、効果的な情報発信に努めるほか、市民提案型協働事業などにより、まちづくりへの幅広い市民参加を促進してまいります。

 自治体経営の推進につきましては、公共施設の長寿命化等に向けた個別施設計画の策定など、公共施設マネジメントの推進のほか、次期総合計画及び各個別計画等の策定を進めてまいります。

 行政サービスの充実につきましては、住民票等のコンビニ交付サービスを導入するほか、パスポート窓口の本庁舎移転に伴い、窓口カウンターを改修するなど、利便性の向上に努めてまいります。

 以上、平成31年度の主要施策について申し上げました。

むすび

 帯広市は、全国に先駆けて総合計画を策定して以来、都市と農村、環境と産業が調和したまちづくりを進めてきています。

 その中心には、恵まれた自然や食・農などの地域資源と、人間尊重を基調とした「田園都市」の創造という、一貫した理念があります。

 こうした基本的な価値やまちづくりの哲学は、豊かな地域社会を実現する上で、時代を超えた普遍性を持つものであります。

 今後とも、この地の歴史と文化への誇りを胸に、高い志と広い視野を持ち、存在感と品格ある十勝・帯広の創発に、力を尽くしてまいる考えであります。

 市議会議員の皆様をはじめ、市民の皆さんの一層のご理解とご協力を、心からお願い申し上げ、市政執行方針といたします。

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