熱中症を予防するために
熱中症は人の身体が本来行っている「熱を作る機能」と「熱を発散する機能」のバランスが崩れ、体温調節がうまくできない状態です。
放っておくと体温が上昇し続けて死に至ることもありますが、適切な対策をすることで予防することが可能です。
熱中症予防に工夫を加えましょう
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止における新しい生活様式では、マスクの着用や換気の実施により熱中症の危険性が高まる場面があります。
普段の熱中症予防に工夫を加えることで、より効果的で快適な対策になります。
日常生活での工夫のポイントを確認しましょう。
屋内での工夫
- 窓を開けることで室温が上がるため、エアコンの温度設定をいつもより下げて換気しましょう
- 窓を開けてから扇風機やサーキュレーターを外に向けることで、換気しながら室温が下がります
屋外での工夫
- 気温の高い時間帯や混雑する時間帯のどちらも避けましょう
- 日傘を利用すると、暑さを避けるだけでなく、人との距離を取ることもできます
こまめな水分補給
- 1日に飲む量や飲む時間を決めておくことで、確実に摂取できます
- 激しい運動などで大量に汗をかいた時には、スポーツ飲料等を飲みましょう
日ごろの健康管理
- 毎日、体温測定と健康チェックを実施し、普段と違う体調の時は、外出を控えましょう
- 寒暑の差に身体を慣らすため、運動等をして汗をかく習慣をつける
マスクを外したほうが良い時は
飛沫の拡散を防ぐためマスクをつけることは必要ですが、気温や湿度の高い中でマスクをつけると、身体に負担がかかるため、注意しなければなりません。
周囲を確認して、次のような時にマスクを外しましょう。
- 人との距離を十分にとれている
- 激しい運動や負荷のかかる作業をする
- めまいや発熱などの普段と違う症状がある
※外したマスクをビニール袋等に入れ、手を洗うか消毒しましょう
※小さな子どもはマスクをすることで熱中症の危険が高まります。マスクをしていないことがありますが、周りの方もご理解をお願いいたします。
チラシ
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熱中症の基本的な知識
なぜ起こるのか
暑い時には、自律神経を介して身体の細い血管が拡張します。そのため皮膚の表面に多くの血液が流れ、外へ熱を逃がすことにより体温を低下させています。また汗は身体にある水分を原料にして皮膚の表面に分泌されます。汗をたくさんかけば、水分の蒸発に伴って熱が奪われる(気化熱)ことからも体温は低下します。
このような状況では血流が皮膚表面へ移動し、本来必要である重要な臓器への血流が少なくなります。また大量に汗をかくことで身体から水分や塩分が失われ、脱水状態になります。結果、筋肉のこむら返りや失神(いわゆる脳貧血:脳への血流が一時的に滞る現象)を起こします。
そして、熱の産生と熱の放散とのバランスが崩れてしまうと、体温が急激に上昇します。このような状態が熱中症です。
どれくらい起こっているのか
熱中症やその疑いにより救急搬送される方は、年々増加しています。
平成30年の消防庁の統計によると、5月~9月で95,137人となり、前年と比べ40,000人以上増加しました。とかち広域消防局管内でも110人が救急搬送されています。
熱中症が発症した場所でもっとも多いのは、住居内(40.3%)であり、屋外や道路(26.2%)よりも多くなっています。このことからも、どこで過ごしていても熱中症を発症する危険があることがわかります。
熱中症の症状
症状の重症度
分類
|
症状
|
重症度
|
---|---|---|
I度 | めまい、立ちくらみ、失神、筋肉痛、筋肉の硬直 | 軽症 |
II度 | 頭痛、吐き気、おう吐、倦怠感、虚脱感 | 中等度 |
III度 | IIの症状に加えて 意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、肝機能異常、腎機能障害、血液凝固障害 |
重症 |
次のような症状があると、重度の熱中症が疑われます
- 高い体温
- 赤い(熱い)乾いた皮膚〜全く汗をかかない、触るととても熱い
- ズキンズキンとする頭痛
- めまい、吐き気
- 意識の障害〜応答が異常である、呼びかけに反応がない等
その中でも、意識がない、自分で水を飲めない、症状が改善しない場合は、救急搬送が必要です
熱中症の対策
予防方法
熱中症になる前に予防をすることが重要です。熱中症予防の方法についてご紹介します。
暑さを避けるために次のことを実施しましょう
- 暑い日には外出しない
- 積極的に冷房を入れ、同時に扇風機を使う
- ブラインドやすだれを使う(カーテンは風通しが悪くなるため注意)
- 日傘や帽子を使用する
こまめに水分補給をすることが必要です
- のどが渇く、暑い場所に行く前から水分補給をする
- 一日に必要な水分は1.2L+汗をかいた分
- 起床時や入浴後は必ず水分補給をする
- (大量に汗をかいたときのみ)スポーツ飲料など塩分が含まれているものを摂取する
暑さに備えた身体作りをしましょう
- 日頃からウォーキング等で身体を暑さに慣らす
体力や体調を考慮しましょう
- 脱水状態や食事抜きといった万全ではない体調のまま暑い環境に行くことは、絶対に避ける
- 体調が回復して、食事や水分摂取が十分にできるまでは、暑いところでの活動は控える
- 活動の後は水分と睡眠を十分に取り、涼しい環境で安静に過ごす
集団活動の場ではお互いに注意しましょう
- 熱中症予防を担当する人を決める
- 個人のペースを守り無理をさせない
- すぐ利用できる休憩場所を確保する
- いつでも飲める冷たい飲料を準備する
- こまめに休憩が取れるように休み時間を予定に入れる
- 相互に体調を気遣うよう伝える
熱中症に特に気を付ける人
高齢者と子どもは成人に比べ熱中症になりやすいといえます。それぞれ次の点に気を付けましょう。
高齢者
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子ども
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熱中症になってしまったら
応急処置として実施すべきことは、「避難」「冷却」「水分、塩分の補給」です。応急処置をして、症状が改善しない場合は医療機関に行くことが必要になります。
避難
クーラーの効いている部屋に移動しましょう。できなければ、風通しの良い日陰に移動します。
冷却
できるだけ、早く体温を下げる必要があります。衣服を脱がせて、体から熱の放散を助けます。きついベルトやネクタイ、下着はゆるめて風通しを良くします。
皮膚に濡らしたタオルやハンカチをあて、うちわや扇風機等で風を送ることにより身体を冷やします。服や下着の上から少しずつ冷やした水をかける方法もあります。
冷やしたペットボトルや氷入りのビニール袋等を、首の付け根、脇の下、太ももの付け根の前面に当てて冷やすことも有効です。
水分、塩分の補給
冷たい水を飲んでもらいます。冷たい飲み物は身体の中から冷やすことができ、同時に水分補給もできます。
普段は必要ありませんが、大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンク等が最適です。食塩水(水1Lに1 〜 2g の食塩)も有効です。
受けこたえが明確で、意識がはっきりしているなら、冷やした水はどんどん飲んだほうが良いです。
意識がはっきりしない時には、水分が気道に流れ込む可能性があります。また吐き気があるときは、すでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。これらの場合には、口から水分を飲んでもらうのは禁物です。
その他、熱中症の情報についてはこちら
熱中症関連情報<施策紹介、熱中症予防リーフレット、熱中症診療ガイドラインなど>(厚生労働省)
熱中症予防情報サイト<暑さ指数(WBGT)予報、熱中症環境保健マニュアル、熱中症予防リーフレットなど>(環境省)
熱中症から身を守るために<気温の予測情報、天気予報など>(気象庁)
熱中症情報<熱中症による救急搬送の情報など>(消防庁)
このページに関するご意見・お問い合わせ
- お問い合わせ先
- 帯広市市民福祉部健康保険室健康推進課
- 所在:〒080-0808 帯広市東8条南13丁目1 帯広市保健福祉センター内
- 電話:0155-25ー9720
- FAX:0155-25-7445