市長コラム「夢かなうまちおびひろ」-平成27年度

国際認証制度〜広報おびひろ平成28年3月号掲載
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 「HACCP」「GAP」「MSC」「FSC」、ズラリと並んだこれらの横文字。なじみの薄い言葉ばかりですが、これらはいずれも、食品などの安全性を高める仕組みや国際認証制度の名称です。
 HACCP(ハサップ)は、食品の安全性を確保する衛生管理システムの名称で、アメリカ航空宇宙局が、病院のない宇宙において、絶対に安全な宇宙食が不可欠であることから考案したものです。
 現在では食品製造業などで、原材料の受け入れから製品が完成するまでの工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などの危険を分析し、その防止方法をチェックする安全管理の仕組みとして、十勝管内の企業にも徐々に広がってきています。
 また、農畜産物の生産において、農薬や肥料の適正な使用、農業従事者の衛生管理など、生産・収穫、調製・出荷までの一連の生産工程を管理する手法が、GAP(ギャップ)といわれているものです。
 自分の作った物をいくら自ら安全だと主張しても、それを証明する手段がなくては、安心して取引することはできません。
 食材などが国境を越えて広く流通する欧米諸国では、安全性を確保するために、特定の規格や基準に対する適合性を第三者が評価して認証するさまざまな国際認証制度が早くからできました。
 環境や生態系に配慮した漁業で収穫された海産物であることを証明するMSC、適切に管理された森林から生産された木材であることを証明するFSCなど、国際認証制度は食品などの安全確保にとどまることなく、持続可能な環境、社会、経済の実現を地球規模で目指す仕組みへと拡大しています。
 今では国を越えた流通や国際イベントにおいて、世界のスタンダードとなった国際認証制度。現在、わが国は、2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けて準備を進めていますが、国際オリンピック委員会は、会場で使用する食材や、競技場の建設に使用する木材に、国際認証を取得したものを求めていることを、皆さんはご存知でしょうか。
 オリンピック・パラリンピックなどの国際的なイベントの開催や参加を通じて、日本独自の文化の素晴らしさを改めて見つめ直し、海外に発信していく。その一方で、世界標準となっている考え方を、私たち一人ひとりが理解し、高い意識を持って受け入れ対応していく。こうした柔軟性が求められてくるのではないでしょうか。

バイスタンダー〜広報おびひろ平成28年2月号掲載
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 突然、正常に拍動できなくなった心臓に、電気ショックを与え、正常なリズムに戻す医療機器「AED」。日本において、医療従事者以外の一般の人が、この機器を使えるようになったのは、今からおおむね10年前だそうです。
 病院以外で、突然心臓が停止して亡くなる人は、全国で年間約7万人。交通事故で亡くなる人のおよそ17倍で、毎日190人ほどの人が亡くなっている計算です。
 「バイスタンダー」とは、第一発見者や同伴者など、「救急現場に居合わせた人」を指す言葉です。AEDの普及とともに、この言葉を耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか。
 心臓が血液を送らなくなると、1分経過するごとに、生存率は7〜10%低下、3〜4分以上で脳の回復が困難になるといわれています。救急車の到着までの間、バイスタンダーが、心臓マッサージの実施やAEDを使うことができれば、救命率が高まります。
 おととしは、救命講習を受講していた当時帯広三条高校の女子生徒が、昨年末には、スポーツクラブのスタッフが、それぞれ心肺停止状態の人を救護しています。 
 しかし、いざ自分がこうした場面に遭遇したとき、助けたいという気持ちがあっても、ためらいや葛藤が生じて、傍観者となってしまうのが現実ではないでしょうか。
 人は、知らないことや、経験の無いことに対して、ためらいや葛藤が生じます。AEDに触れたことの無い人が、人の生命を左右する緊迫した場面に遭遇すれば、AEDを使うことに、恐怖心すら覚えるかもしれません。
 「小さきことは分別せよ。大きなことは驚くべからず」徳川光圀の言葉ですが、大きな出来事に平常心を保てる人は、ほとんどいません。しかしながら、普段から、いざというときに備えて、準備をしておけば、大きなことに対する驚きは小さくなるものと思います。
 救命措置と同様に、この広報で紹介している「認知症サポーター」「消防団」「献血」など、少子・高齢社会の到来により、これまで以上に、人が人を支えていく仕組みが、ますます重要になってきます。
 市民の皆さん一人ひとりが、相手の立場や気持ちを、自分のこととして捉え、自らができることを、勇気を持って実践していけば、もっと住み良いまちになります。
 帯広市では、毎月9日と19日に普通救命講習を開催しています。あなたにも救える命があります。ぜひ受講してほしいと思います。

しあわせの基準〜広報おびひろ平成27年12月号掲載
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 市民の皆さんの意見をお聴きし、市の施策や事業に反映させることを目的として、毎年市内8カ所で開催している地区懇談会。今年は、「しあわせの基準とまちづくり」というテーマで開催しました。
 価値観が多様化する現代社会において、達成感や充足感、爽快感、あるいは安堵感や癒しを感じる対象は、十人十色であり、「しあわせ」の形態も同様であるはずです。
 しかしながら、市民の皆さんが、日々の生活をする中で、「しあわせ」を実感できる共通の礎となる部分は、一体何だろうと思ったことが、このテーマを選定した理由です。また、「基準」には、「ものごとの基礎となるもの」「比較して考えるためのよりどころ」といった意味があります。
 懇談会では、生活に係るさまざまな統計データによる都市間比較を行い、私と市役所の部長職、そして参加された市民の皆さんが、「しあわせ」を感じることや、その裏返しであるストレスを感じることについて意見を交わす中で、「しあわせ」を感じて生活できるための三条件とでもいえるものが浮かび上がってきました。
 それは、「健康であること」「仕事や収入があること」「家族や気の合う仲間と一緒にいられること」の三つです。これらは、どなたにとっても一つでも欠けてはならない「必要条件」といえるのではないでしょうか。仕事や収入があり、生活が安定し、元気で家族や仲間と暮らせること。一見すると、ごく普通の日常生活に「しあわせ」を感じる方が大半でした。
 働き盛りの世代の人は仕事、歳を重ねてくると健康への関心が増してきます。三つの「しあわせ」の必要条件は、どれも欠くことができないものですが、一つ一つの重みは、人によって異なります。
 行政には、時代変化に応じた生活基盤の整備に取り組み、この地域で生活する人たちが、「しあわせ」を実感できるための三つの条件を底支えする役割があります。
 一方で、三つの条件のバランスをどのようにするのかを考え、自らの夢や希望を実現していくことは、個々の人生の選択になります。
 物事を前向きに捉え、夢や希望にチャレンジする人たちが増えてくると、「しあわせ」の三つの条件はより確かなものになるはずです。
 帯広・十勝の美しく雄大な風景に、ここで生活する人々の活気が映り込むようになれば、豊かな自然と都市的な便利さが調和するこの地域で、ずっと住み続けていきたいと誰もが思うはずです。

文化の香り〜広報おびひろ平成27年11月号掲載
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 11月3日は、文化の日です。この日、皇居では文化勲章の親授式が行われ、本市においても、地域文化の向上に貢献のあった個人や団体に、帯広市文化活動功労賞の授与が行われます。
 「文化」という言葉を聞いて、初めにイメージするのは、絵画、音楽、書道、演劇などの「芸術」や「文学」などではないでしょうか。その他にも、「食文化」、「馬文化」などといった言葉も日常的に使用されています。
 広辞苑によると、文化とは、「人間が自然に手を加えて形成してきた物と心の両面の成果」、「西洋では、人間の精神的生活に関わるものを文化と呼ぶ」とあります。文化という言葉は、人間が自然との触れ合いの中で、形づくられた思考や行動様式、そして人間のもつ創造力といった広い意味があるようです。
 以前、イギリスの田舎町を訪れたとき、整然と形づくられた庭とは異なり、一見すると自然に生えたままの姿に見える庭を見て、何ともいえぬ風情や品の良さを感じたことがあります。また、そこに住む人たちは、ご近所の方と出会うと、静かに笑みを交わしていました。ありのままの自然の風景を大切にする考え方で手入れされたイングリッシュガーデンや、少し控え目で心地良い、人との接し方など、まちに文化の香りが漂っていたことを思い出します。
 日本は、人口減少社会が到来し、地方創生の議論がされています。人口減少のマイナス面が強調されていますが、歴史を振り返ると、文化が熟成して花開くのは、人口が減少または停滞している時期と重なるといいます。
 人口が減少すると、一人当たりの資産が増え、生活の糧が充足することで、人々は余暇を楽しみ、文化にお金が回ることも要因の一つといわれていますが、人口減少というこれまでの世の中の流れの転換期に、一度立ち止まり、何が大切なのかについて熟考を重ねたことが、新たな価値の創造や、文化を高める原動力となったのではないでしょうか。
 人口減少という転換期をむかえた今、十勝の豊かな自然の中で暮らす人たちが、この地域が持続的に発展していくために、何を大切にし、何をすべきかについて議論を重ねていく。これまでの量を拡大していく価値観から、質も重視する価値観への転換がされていくことで、やがて、とかちらしい文化の香りのする地域になってくるのではないかと思います。

とかちの暮らし〜広報おびひろ平成27年10月号掲載
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 先日、88歳の女性からお手紙をいただきました。この方は、以前訪れた十勝が好きになり、10年前に移住されてこられました。お手紙には「この美しい空と風、私は花を育て、つたない短歌をよみ、老後を楽しく過ごさせていただいています」「病気により視力が低下していますが、この風とお空の美しさは、肌で心で感じます。そして、お豆さんが多くおいしい。本当にお豆の国。何は無くとも幸せです」と書かれていました。
 高齢者の方が、どんな思いを抱いて、自らの人生を見つめているのか、どのような精神的な充足感を求めて日々生きているのか、帯広は本当に住みよいのかなど、来年還暦を迎える年齢となった今、こうしたことを考える機会も多くなってきました。
 今年5月に行った「市民まちづくりアンケート」では、「住み心地が良い」と答えた人が86.5%。東洋経済新報社の2015年「全都市住みよさランキング」では、帯広市は道内2位、人口10万人以上の都市では道内トップとなっています。
 市民まちづくりアンケートでは、「住み続けたい」と回答した理由として、「気候が好きだから」が最も多く、次に「自然に恵まれているから」となっています。
 窓を開けて感じる空気のすがすがしさ、十勝特有の湿気のない乾いた空気の透明感、濃く高い青空、夕焼けに染まる雪山などの美しい風景、また、食べ物がおいしい、夏でも冷たくおいしい水道水が飲めるなど、人間は自然の中に生かされている存在であるが故に、豊かな自然の恩恵を日々の生活の中で実感できることが、住みよさとなるのではないでしょうか。
 豊かな自然を享受し、安心して暮らしていくためには、医療や福祉、消防などのインフラや公共交通が備わっていることに加え、生活の基盤である仕事が、この地域にしっかり根付いたものになっていなければなりません。
 この地域の活力の源である豊かな自然を大切にする人たちが暮らし、ここから生まれる農業を中心とした新しい価値づくりに挑戦する人たちが、生き生きと元気に働く地域「とかち」になれば、やがて、農業に関わるさまざまなインフラや技術、情報、人などが集積し、ここでなければできない「とかちプレミアム」が生まれます。こうしたとかちの人たちの価値観や暮らしに共鳴し、この地域を訪れてみたいという人も増えれば、「とかちの暮らし」は、もっと豊かで輝くものになると思います。

とかちの人づくり〜広報おびひろ平成27年9月号掲載
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 「人づくり」という言葉が、最近クローズアップされています。「モノづくり」と大きく異なり、設計図のとおりに人を形づくることはできません。人は生まれてから、家庭や学校における教育環境などにより、人格が形成され、やがて、自らの「意思」を持って行動するようになるからです。
 「人づくり」の定義は、さまざまな考え方があると思いますが、「自らの夢や目標の実現に向けて、自らを磨き、最後までやり遂げるという『強い意思』を持って挑戦する人を、支援していく取り組み」であると私は考えています。
 こうした「人づくり」により人を育て、育った人が活躍できる地域となることで、共感する人が外からも集まり、人や会社が増える。たとえ失敗しても、未来の価値創造に挑戦していくことを是とする「とかちの気風」が生まれ、そして広がれば、開拓精神と相まって、次の世代にもつながっていくのではないでしょうか。
 「人づくり」は、自主的に取り組む人や、地域社会に貢献する企業や大学、試験研究機関などが連携し、それぞれの特性を生かしながら、進めていくことが重要です。
 帯広市と帯広畜産大学の共同事業である「フードバレーとかち人材育成事業」や、民間人からの寄附金を活用した「十勝人チャレンジ支援事業」においては、数年間にわたり、各種研修や海外視察を実施しています。
 また、これまでの既成概念にとらわれず、地域の可能性を生かした新たなものに挑戦し、革新や創造を生み出すためには、これまで接したことのない外部の人たちとコミュニケーションすることで、お互いに刺激を受け、今まで当たり前だと思っていたことに変化をもたらす「気づき」が生まれます。
 先月、このコラムにおいて紹介した帯広畜産大学の「十勝カレッジSILO」事業では、畜大生が稲田町のキャンパスを飛び出して、まちなかで異なる年齢や領域の人たちと交流を始めています。また、金融機関などが主催する「とかち・イノベーション・プログラム」では、管内のみならず道内各地や本州から、70人を超える人材が集まり、事業創出を目指す経営者や起業希望者が、異なる年齢や職種の人たちと交流を始めています。
 民間主導で動き始めた「とかちの人づくり」。ワクワクする未来に向けて、「とかちの新しい芽」が生まれてくることを期待したいと思います。

帯広畜産大学〜広報おびひろ平成27年8月号掲載
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 帯広市の中心部から車で約20分、稲田町の閑静な住宅街に隣接する帯広畜産大学は、創立から74年を迎える国内唯一の国立獣医・農畜産学系の単科大学です。
 市民には、「畜大」と呼ばれ、身近な存在ですが、実は、皆さんが知らないことも多くあるのではないでしょうか。
 「畜産大学」という名前から、馬や牛などの大動物を連想し、男子学生が多いというイメージを持つかもしれませんが、この春入学した学生の女子の比率は約55%。この比率は、数年前から5割を超え、今や畜大は、女子学生の方が多い大学なのです。また、19カ国から70人近くの留学生を受け入れ、国際色も豊かになっています。
 日本の食料生産基地である十勝・帯広。国内産小麦の約6割を生産する北海道の中でも、ここ十勝は、日本一の小麦の生産地です。
 この地で「食」に関わるさまざまな研究を行っている畜大。最近では、国内需要の多い「パン用小麦」として、品種改良を重ねて誕生した『ゆめちから』を科学的に研究し、製パン業界大手と、高品質なパンを共同開発しました。
 畜大が、この地域の農作物を利用した付加価値の高い食品の研究・開発などを行うことで、地域産業に新たな可能性が生まれることは、この地域にとって大きな強みとなっています。
 また、畜大生は、帯広のまちづくりにも積極的に参加しています。子どもたちや障害のある人を対象に、馬と触れ合う楽しさを伝える活動や、おびひろ動物園で来園者に動物の特徴を解説するボランティア活動など、さまざまなグループが市民との交流を行っています。
 さらに今年4月からは、市内中心部に研究教育拠点を設け、学生の企画によって、企業や市民との交流や学び合いなどを行う「十勝カレッジSILO(サイロ)」事業が開始されました。これから、畜大生をまちなかで見かける機会が増えると思います。市民の皆さんには、ぜひ学生とつながりを持っていただき、温かく迎えてほしいと思います。
 全国に多くの人材を輩出し、地域の発展にさまざまな貢献をしている畜大。学生たちの「若さ」や「活気」、「明るさ」は、帯広のまちに輝きを与えてくれます。
 今後も、地域の「知の拠点」として、地元企業との連携や、海外の大学との学術交流などにより、教育・研究のグローバル化を推進し、さらなる発展をしていってほしいと思います。

とかち帯広空港〜広報おびひろ平成27年7月号掲載
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 7月に入ると、いよいよ本格的な観光シーズンの到来となります。空の玄関口「とかち帯広空港」では、今年の夏も、多くの観光客やビジネス客などに対応するために、東京線で使用する機材の一部を既に大型化し、8月は、中部国際空港への直行便が週4往復運航されます。
 観光は、旅行業を中心として、運輸業・宿泊業・飲食業などに関連する裾野の広い総合産業といわれています。したがって、需要創出や雇用創出などの経済効果が非常に大きく、多くの観光客が訪れることは、この地域に好循環をもたらします。
 最近、中国を中心とする東アジアの観光客が急増しています。「とかち帯広空港」が、こうした外国人観光客を受け入れるためには、税関・入国管理・検疫(CIQ)の対応が必要です。また、国内線7往復の合間を縫って就航するためには、施設の整備・拡充も必要となります。
 「とかち帯広空港」の受入態勢が拡大すれば、それに見合った宿泊や飲食の施設なども必要となります。単に空港を利用するだけの「通過型」ではなく、この地域で楽しんでもらう「滞在型」の観光でなければ、地域経済の好循環は生まれません。
 観光客は、夏場がピークとなります。年間を通して、訪れる観光客を維持することは容易ではありませんが、この地の強みである豊かな「自然」と、そのもとで育まれた「食」を生かし、冬場の魅力を創出することや、この地域の産業を強くすることで、ビジネス客を増やすことも重要です。
 また、十勝から海外や本州に向かう人が少なければ、機材を小型化したり、路線が縮小されることもあります。このため、地元の人たちの更なる空港利用が、「とかち帯広空港」の発展につながります。これまで以上に外に出掛けることで、自分たちが気付いていない十勝の魅力や価値を発見したり、新たな人とのつながりや、ビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
 観光客のニーズを把握し、「とかち帯広らしさ」という付加価値をつくり提供するにはどうするか。観光客の満足を得られる受入態勢・能力は充分か。来年、開港35年を迎える「とかち帯広空港」を取り巻く環境の変化を見据え、この地域全体の将来収益を最大化するために、今準備しておくべきことは何かということを、地域全体で考える必要があると思います。

花の彩り〜広報おびひろ平成27年6月号掲載
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 日差しに力強さを感じる季節になりました。植物は、これから北国の短い夏を満喫するかのように、太陽に向かって背丈を伸ばし、やがて彩り豊かに花を咲かせます。
 人は、人生のさまざまな場面で、感謝や祝福の想いを込めて、花を贈ります。また、食卓に飾られた花や庭先の花など、日常生活の中に花があると、心が癒され、気持ちが明るく、豊かになることを私たち誰もが知っています。花の持つこの不思議な力は、その姿や香りに加えて、色彩の魅力に有るのかもしれません。
 日本は、四季がはっきりしており、植物の種類が豊富なことから、日本人には、豊かな色彩感覚が育まれ、草木染めや、花の色に由来する日本文化特有の伝統的な色の名称が数百色も作られたといわれています。
 「紫がかった鮮やかなピンク色」である「ツツジ色」、「鮮やかな赤みを帯びた黄色」である「山吹色」、「青みを帯びた紫色」である「桔梗色」など、色彩感覚豊かな日本人が、色彩語彙を補うために、繊細で微妙な花の色合いを表現してきました。
 帯広市の花であるクロユリの花びらも、「黒」と言うより、「濃い黒紫色」、あるいは、日本の伝統色でいうと「黒味を帯びた深い紅色」である「エンジ色」に近いのではないでしょうか。
 厳しい冬の寒さや積雪の重さに耐えて咲く、深い色合いの花びらと、鮮やかな黄色の花粉をまとった雄しべとのコントラストは、とても印象的で、小さいながらも、生命の息吹きのたくましさを感じます。
 例年、とかち帯広空港と大正市街地を結ぶ通称ウェルカムロードや市内中心部において、地域の皆さんのご協力によって、植樹枡に、たくさんの花が植えられています。こうした公共の場に加えて、各家庭の玄関や庭先など、身近な場所においても、花や緑のある空間が広がると、まち全体に明るさが増し、そこに住む人たちの優しさや思いやりの心を感じさせてくれます。そして、そんな市民の皆さんの心が、帯広を訪れる人々への「おもてなし」につながります。
 6月は、皆さんが作った自慢の花のバスケットやコンテナを展示する「花コミュニケーションとかち」をはじめ、花と緑に係る各種イベントが開催されます。こうしたイベントを通して、多くの市民の皆さんが花との触れ合いを楽しんでいただき、花のある空間が広がるとすてきだと思います。

味のある公共施設〜広報おびひろ平成27年5月号掲載
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 昭和57年度から33年間稼動し続けてきた学校給食共同調理場。
 最後の給食の翌日、小学校で卒業式が行われているまさにその時の出来事でした。
 調理場の生命線であるボイラーが力尽き、動かなくなったのです。「新しい給食センターが出来るまで何とかしようと、苦労してきたんです」と話す職員の目には、うっすらと光るものが浮かんでいます。古くなった設備と、それを大切に使い続けた現場。有終の美に向けて、こんな魂の通い合いがあったのかと、胸に込み上げてくるものを感じました。
 市役所の本庁舎は、建設から20年余り、動物園や児童会館は、半世紀を超える歴史を持っています。多くの施設で老朽化が進んでいますが、古いからといって、すぐに建て替えたり、なくしたりすることだけでなく、何とかして長持ちさせる工夫も必要です。 
 一方、施設は長く使われることで、利用する方の愛着が生まれます。児童会館が昭和39年から宿泊学習で受け入れてきた利用者数は37万人。「子どもと一緒に、久しぶりに見に来ました」という笑顔も、しばしば拝見します。
 昔と変わらない姿の施設があることで、利用した当時を思い出し、愛着を感じていただいている。愛着があるから、これからも大切に使われ、そこに歴史が積み重ねられるのではないでしょうか。
 もちろん、皆さんに愛される施設とするために、さまざまな工夫を凝らすことも大切です。動物園では、子どもたちが、より見やすくなるように、カバ舎に手作りの踏み台を置いています。また、チンパンジーが道具を使ってえさを取り出す姿や、キリンの舌の長さを観察できるように、えさ箱を製作するなど、ハード(施設)が古くても、ハート(心)はいつも新鮮に、楽しい時間を過ごしていただけるよう努力しています。
 変わるものと変わらないものが共存し、懐かしさの中に新たな発見がある場所。形あるものはいずれ壊れますが、職員の知恵と市民の皆さんの愛着に支えられながら大切に使い続け、「味のある」公共施設にしていきたいと思っています。
 桜の開花とともに、本格的な行楽シーズンを迎えます。緑ヶ丘公園や周辺の施設に遊びに行きませんか。建設から30年が経過した「おびひろグリーンステージ」もお色直しが行われます。私も帯広の春を感じに出かけたいと思います。

十勝はひとつ〜広報おびひろ平成27年4月号掲載
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 いよいよ平成28年度から十勝圏の消防広域化がスタートします。
 広域化とは、現在6つある管内の消防本部を1つに統合し、より効率的な体制で消防業務を行い、住民サービスの向上を図るものです。
 広域化によって、消防車や救急車などが市町村の区域を越えて出動可能となり、現場到着時間が短縮され、大規模災害発生時にもより緊密な協力体制をとることができます。
 十勝の広域消防は全国一の管轄面積、構成自治体数では全国2番目となります。
 全国・北海道の他地域でも消防の広域化を試みた自治体は多々ありますが、なかなかうまく進んでいない現状と伺っています。十勝圏でも、平成21年度から検討を続けて来ました。この間、各議会・町村長・職員の方々と課題を共有し、一つ一つ解決に向けて地道に議論を重ねてきたところです。
 それぞれの地域・組織の持つ歴史・慣習・文化の違いを超えて、一つになるということは並大抵なことではありません。しかし、将来の人口減少社会を見据えて、19市町村で力を合わせて、安全安心な地域を創るという思いが、数々の壁を乗り越える原動力になったと思います。
 ローマはその繁栄を築きあげる過程で、常に譲り続けたといわれます。十勝の19市町村は、最も大切な安全安心という市民サービスの向上に向けて、「お互い様」「謙譲」の精神を持って、広域消防の合意に至りました。
 2月20日に、管内19市町村長が一堂に会し、「とかち広域消防事務組合」の設立に向けた調印式を行いました。平成23年7月7日の「十勝定住自立圏協定」に続く「十勝はひとつの証」、強い信頼関係をベースに、広域連携による十勝らしい地方創生に向けた狼煙を高々とあげた大変意義深い日となりました。
 私は管内首長の中では最も若輩になります。この間先輩首長の皆さんに多くを教えていただきました。わけてもお互いを知ること、そして信頼関係構築の大切さを教えていただきました。広域化の道筋がついたこの間、19首長が一人も変わらなかったことも大きな縁というものを感じます。
 消防の広域化を通じて、十勝は一段とお互いの地域を理解し、尊重しあうことが出来るようになりました。開くこと、動くこと、繋がることの大切さを知った十勝はひとつです。

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