市長コラム「夢かなうまちおびひろ」-平成28年度

三月に思うこと〜広報おびひろ平成29年3月号掲載
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 早いものでもう三月になります。ところで、皆さんは、数字の「三」から何を連想されますか。
 「三日坊主」「石の上にも三年」「三人寄れば文殊の知恵」などのことわざや、「衣・食・住」「金・銀・銅メダル」「過去・現在・未来」などの物事を三つ並べる表現など。私たちの身近には、「三」にまつわる言葉が多くあることに気付かされます。お年玉やご祝儀などは奇数の金額を包むなど、古くから日本では奇数が好まれてきたようですが、中でも、二では少なく四では多い、三がちょうどいい、という具合に、「三」は昔から、私たちにとって収まりのよい、なじみ深い数字として扱われてきたのかもしれません。
 私たちが、普段、物事を判断するときによく使っている「あれかこれか」「イエスかノーか」などの二者択一の考え方は、シンプルで分かりやすく、速やかに意志を決めるには効率的と言えます。しかし、物事を考える場合において、すべてが二者択一で解決できるものばかりではありません。
 私たちは、とかく、これまでの常識や価値観にとらわれて、表面的な事柄や前例踏襲などの既定路線の選択肢の中だけで判断してしまうなど、本質的な部分を見落としがちです。従来の視点とは異なる位置から広く物事を捉え、本質は何か、他の選択肢はないか、と自問する「第三の視点」が大切なのではないでしょうか。
 このことは、まちづくりにおいても同じだと思います。市民の皆さんの想いや願いを受け止め、限りある資源を最大限に生かした効果的なまちづくりを進めるためには、従来の当たり前を疑い、あらゆる可能性を追求する。見方を変えれば、見慣れたものでも資源となり、難しい課題もチャンスに変わる。そうした思いからスタートしたのが、「フードバレーとかち」の取り組みです。この地域の強みである「食」と「農林漁業」を生かし、新たな視点からこれまでにない価値や感動を生み出すことで、地域の力を高めながら、自立したまちづくりを目指してきました。
 他から何かを与えられるのを待つのではなく、二者択一の考え方にもう一つを足して、自ら何を取るべきかを選択していく。こうした考え方は、人々の生き方を多様にし、さまざまな可能性を広げると思います。これからも、皆さんとともに、十勝・帯広の輝かしい未来に向かって「一、二の三」と、飛躍していきたい。三月の「三」から、そんなことを考えました。

冬季アジア大会〜広報おびひろ平成29年2月号掲載
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 2月下旬、第8回冬季アジア大会が札幌市と帯広市で開催されます。帯広市では、20日から23日までの4日間、日本を含む10の国と地域の選手約90人が、帯広の森屋内スピードスケート場「明治北海道十勝オーバル」を舞台に、白熱の戦いを繰り広げます。
 十勝・帯広は、これまでに6回、世界スプリント選手権やワールドカップなど、国際クラスのスピードスケート大会を積極的に受け入れてきました。こうした背景には、もちろん、国内屈指の製氷技術を誇る屋内スピードスケート場の存在があります。しかし、国際大会の開催には、競技施設だけでなく、首都圏からの交通アクセス、トップアスリートが快適に過ごせる宿泊施設、栄養バランスに配慮した食事など、さまざまな条件が求められます。
 帯広市では、スピードスケートの国際大会のほか、日本クラブユースサッカー選手権や大学・実業団の合宿の受け入れにも地域を挙げて取り組んできました。
 こうした各種大会の誘致は、国際クラスの大会では何が求められているのか、あるいは、アスリートや同伴する家族、観戦する人たちは何を望んでいるのかを理解し、それらにどう対応していくのかということを考え、実践していく貴重な機会になっています。
 私たちは、外からお客さまをお迎えするとき、自分たちが考える地域の魅力を売り込むことに力を注ぎがちになります。しかし、「選ばれる地域」になるためには、訪れる人の立場に立ち、何を求めているのかを理解することも重要ではないかと考えます。お客さまの求めに、この地域にある資源を使って工夫を凝らしながら対応していく。その中で、隠れた地域資源がお客さまのニーズと結びつけば、地域特有の魅力ある資源に生まれ変わるかもしれません。そして、このまちを訪れた人たちが、私たちのぬくもりのある親切な対応に触れ、心地よく過ごせたなら、きっと「また行ってみたい」とリピーターになってくれるはずです。
 冬季アジア大会も、「十勝・帯広のおもてなし」を見つめ、学ぶ貴重な機会になると思います。これを次のチャンスにつなげ、積み重ねていくことで、この地域の魅力をさらに高め、十勝・帯広への新たな人の流れを創り出していきたいと考えています。
 この冬、十勝・帯広、そして北海道全体が冬季スポーツの熱気に包まれ、大いに盛り上がることを期待しています。

国際交流〜広報おびひろ平成28年12月号掲載
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 1996年、帯広の森の一角に、国際協力と国際交流の拠点となる「JICA北海道国際センター(帯広)」と「森の交流館・十勝」が開設され今年で20周年を迎えました。
 JICA北海道(帯広)では、開発途上国の国づくりを担う指導的立場の外国人を受け入れ、十勝・帯広の先進的な農業技術をはじめとする各種研修の機会が提供されています。受講者は、この20年で5300人を超え、帰国後それぞれの国の発展に大きく貢献しています。森の交流館では、外国人と地域住民との相互理解を深める場として、外国文化を紹介する講演会や世界各国の人たちとの交流イベントなどを行っています。
 これら施設の運営をサポートし、外国人と地域住民をつなぐ架け橋となってきたのが、十勝インターナショナル協会などの民間団体や大学、企業、そして住民の方々です。こうした地域が一体となって住民の国際協力への理解促進に貢献したことなどが評価され、先日、帯広市はJICA理事長から「国際協力感謝賞」をいただきました。
 20年の積み重ねで、十勝にゆかりのある外国人は世界137カ国に広がり、それぞれの国で十勝・帯広で得た経験や技術を生かして活躍されていることは、とても喜ばしいことです。
 ところで、皆さんは、外国人と接する機会はありますか。毎年夏に、森の交流館で行われる十勝最大の国際交流イベント「世界のともだち」は、多様な世界に触れる絶好の機会です。言葉や文化の異なる外国人との触れ合いや、各国の珍しい伝統料理、踊りや音楽など、その全てが新鮮な体験になるのではないかと思います。
 私たちは、「あの人にあって私にはないもの」「私はこう考えるがあの人はこう思っている」など、日頃、自分と他人との違いを感じながら生きています。その違いを、多様な個性として受け入れ、お互いに刺激し合うことで、今までなかった新たな発見や創造が生まれ、自らの成長にもつながるものと思います。
 十勝・帯広には、世界のさまざまな人たちと出会い、お互いの違いや良さを知り、多様な価値観に触れられる機会があります。これは私たちにとって、大変貴重な財産ではないかと、20年を振り返り改めて感じているところです。
 国際交流が、皆さんにとって、新しい可能性を広げるきっかけになれば素晴らしいと思います。まずは「こんにちは、十勝・帯広へようこそ」から始めてみませんか。

働くこと〜広報おびひろ平成28年11月号掲載
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 「仕事は楽しいですか」と問われたら、皆さんはどう答えますか。毎日忙しく、心配事も多くて楽しいなんてとても思えない方もおられるかもしれません。あるいは、職場の雰囲気が良く、やりがいもあり、楽しいと感じている方など―。人それぞれでしょうが、働くことが楽しければ、気持ちは前向きになり、暮らしにも張りが出てくると思います。
 私は、楽しく働き続けるためには、生活に必要な収入が得られることはもちろん、仕事を通して、社会の中における自分の役割や成長、変化を実感できることも大切だと思っています。
 最近、これまでのキャリアを振り返って感じるのは、仕事は、自らを大きく成長させるチャンスにつながるということです。さまざまな仕事や人との出会いは、新しい発見や学びの連続です。昨日まで出来なかったことが、出来るようになる喜び。勇気を持って困難に立ち向かい、乗り越えたときの達成感や満足感は、とても大きく、さらなる成長の糧になるものだと思います。
 ところで、「働く」という字は、「人」が「動く」と書きます。自分が動くことで他人も動き、社会に影響を与えていくという、働くことの本質を的確に表していると思います。裏を返せば、うまくいかないのを他人のせいにせず、まず自分が動き、周りを変えていくことが重要だということです。
 「ともかく具体的に動いてごらん 具体的に動けば 具体的な答が出るから」相田みつをさんのこの言葉も、まずは自分から動くことの大切さを教えてくれます。
 毎日同じことの繰り返しで、成果が見えにくい仕事をしていると、働く意味や価値を見失いそうになることがあります。そんな時は、仕事に対する自らの考え方や取り組み方を振り返り、働くことで得られた気付きや成長の喜び、人との関わりなどを思い出してみてはいかがでしょうか。これまで、黙々と努力してきたことや積み重ねてきたことの大きさ、大切さを感じることと思います。
 誰もが、その知恵や経験などを生かし、自らを磨き、楽しく働けるまち。そして、お互いを大切にし、思いを共有できる仲間との出会いと感動のあるまち。そんな帯広を実現していくのは、とても楽しいことではないかと思います。
 11月23日は勤労感謝の日です。皆さんも、ぜひこの機会に、働くことについて改めて考えてみてはいかがでしょうか。

体育の日に思うこと〜広報おびひろ平成28年10月号掲載
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 10月10日は体育の日です。
 1964年のこの日に行われた東京オリンピックの開会式を記念し、「国民がスポーツに親しみ、健康な心身を培う日」として、国民の祝日に制定されました。
 今年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックもまた、国民に大きな感動を与えました。
 テレビなどでは、勝ち負けの結果よりも、最後まで諦めない選手の姿勢やその裏にあるひたむきな努力、そこに至るまでの選手それぞれの道のりを評価する内容が多く報じられていました。
 これまでの、獲得したメダルの数や色などの結果を重視していた風潮とは違い、報道も競技を終えた選手たちの笑顔や涙の奥にある物語を理解し、応援する側である私たちも、ある種の「納得感」をもって選手たちに拍手を送っていたように感じました。
 「試合という字の意味を考えたことがありますか」。先日、市内で行われた全道高校剣道大会の開会式で審判長がこう切り出しました。
 「試合とは、試し合うということ。今までの練習の成果を試すのが試合です。勝ち負けが問題なのではありません。一人でどんなに素振りをしても、どれだけ上達したかは分からない。試し合う相手が必要です。そして、試す相手と場所に感謝の気持ちを込めて、試合の前後に礼をするのです」。私は、この挨拶に、競技者が互いを尊重し、心・技・体を磨き合う武道の本質を教えられた気がしました。
 勝ち負けなどの結果ばかりにこだわらず、切磋琢磨を通じて道を極めていくことにこそ価値を置く。一人の力ではなし得ないことも、他者がいることで共振や共鳴、共感が生まれ、納得感のある結果へとつながる。こうした考え方は、スポーツばかりではなく、まちづくりにも相通じるものではないかと思います。
 これからのまちづくりは、行政のみ、市民のみでは成り立ちません。多くの人々が力を合わせ、高め合いながら、一歩一歩、前に進むことが大切です。そこで必要なのは、共に歩むことから得られる人々の信頼感と納得感ではないか。リオの余韻が冷めやらぬ中、そんな思いを持ちました。
 10月30日、十勝・帯広の秋を盛り上げる第5回フードバレーとかちマラソンが開催されます。前日には、マラソンコース沿道のボランティア清掃も予定されています。ぜひ皆さんも、さまざまな形でスポーツに触れて、楽しんでいただければと思います。

もりの山〜広報おびひろ平成28年9月号掲載
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 「新しい赴任地に行ったら、まずそのまちで一番高い場所に上る」。かつて転勤族であった30代に、先輩から教えていただいた「初動」です。先輩たちは、新天地に向かう時、まずこれからの数年間、チャレンジの対象となる地域・まちの全体を眺め、目に焼き付け、決意を新たにしたのだと思います。
 私もこれに倣い、英国駐在時はオフィスの前にあったロンドン大火記念塔、札幌時代は藻岩山に登り、帯広に戻ってきた時には、当時、市街地で最も高かった市役所から帯広のまち全体を眺めました。自分の生きる場所を、まず遠目に全体として見ることが大切であると感じたことを思い出します。
 さて、今、帯広の市街地で一番高い所はどこか、ご存知ですか。
 今年の6月、帯広の森市民農園サラダ館の東側にできた高さ17メートルの築山がそれで、頂上の標高は市役所の屋上より高い95メートルあります。
 市内児童が「もりの山」と名付けてくれたこの山の頂まで、110段の階段。それを上り切ると、「あおあお、ひろびろ」とした空間が、気分を爽快にさせてくれます。眼下には、市民の手で育まれてきた帯広の森の豊かな緑が広がり、北東には市街地が見渡せます。振り返ると、農業王国、十勝・帯広を支える広大な大地に、日高山脈の山並みが一望できます。市役所からの眺めとは一味違う景色に、十勝・帯広の魅力の神髄を見たように思いました。
 私たちは日常において、仕事や家事、育児、介護など、日々の慌しさに追われ、つい目先や足元のことに心を奪われがちです。そして、心のゆとりや他者への思いやりを忘れてしまいます。そんな時に、広々とした所で遠く山を見たり、高い所から日々の日常の詰まった市街地を眺めたりすることはとても大切だと思います。
 これからのまちづくりでも、遠く全体を見る視点と、近く足元を見る視点の両方が重要です。
 より良い明日に向かって進んでいくためには、市民の幸せとは何かを思い、時代の変化の中で、一人ひとりの暮らしと社会全体のありようをバランスよく見つめながら対応しなければならない―。「もりの山」から帯広を眺め、かつての先輩の教えと重ね合わせながら考えました。
 これから秋が深まり、まちも色づき始める良い季節を迎えます。
 ぜひ、「もりの山」に上って、皆さんの暮らすこのまちについて、考えていただければと思います。

「まつり」がつなぐもの〜広報おびひろ平成28年8月号掲載
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 十勝・帯広の夏を盛り上げる「おびひろ平原まつり」が、8月13日から16日までの4日間、西2条通と広小路を中心に開催されます。昭和22年、戦後の混乱を乗り越え、市民の気分を盛り上げる「帯広平和まつり」として産声をあげて以来、多くの方々の手で創り、受け継がれて、今年で69回目を迎えることとなりました。
 軽快なまつりばやしと威勢の良い掛け声。五穀豊穣を願うみこしの練り歩き。華やかな装いで踊る老若男女。沿道からの熱い声援。会場にほのかに漂う十勝の「食」の香り。久しぶりの再会に笑顔を交わし語らう人たち―。
 平原まつりは、市民の皆さんにとって、思い思いの楽しみ方を通して、家族や友人との絆を深め、ふるさとの良さを改めて実感する機会になっているのではないかと思います。
 まつりはまた、幅広い世代や立場の方々が協力し、地域の活性化に向けて取り組む大切な機会でもあります。とりわけ帯広では、平原まつりの「けんかみこし」や「夢降夜」、氷まつりの「氷の文化祭」をはじめ、若者たちが企画・運営に主体的な役割を果たす「場」が提供されてきました。
 まつりの成功という目標達成のため、仲間が力を合わせて知恵を出し、人を巻き込み、実践してゆくことで、地域のリーダーが育つ。彼らを模範として、さらに次のリーダーが育つ。こうした好循環が、世代を超えた一体感を生み、まちの活力につながってきていると感じています。
 平原まつりの中核的な担い手も、先輩方の寛容さにより参加機会を与えられ、実践を重ねてきた20〜40代へとバトンタッチが進みました。その若い世代の発案により、今年のまつりは、プレオープンとして13日からスタートし、学生などによる音楽ライブや、おいしい地場産食材を楽しめる飲食ブースのほか、盆踊りの審査に市民投票を取り入れるなど、新たな試みも予定されています。
 これからも、まつりを通して、人と人、人と地域、昔と今がつながり、未来に向けた新たなエネルギーが生まれてくることを願っているところです。
 今年は、花咲くコンサート、十勝ジンギスカン会議、花火大会など、管内イベントとの相乗効果も期待されます。十勝・帯広の夏は多くの人たちでにぎわい、ますます熱くなりそうです。皆さんもぜひ会場に足を運び、まつりを満喫していただければと思います。

こども学校応援地域基金〜広報おびひろ平成28年7月号掲載
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 帯広市では、子どもたちの健やかな成長を支えるため、学校での学習支援や登下校時の見守り、放課後や休日の居場所づくりなど、学校・家庭・地域が連携した取り組みが盛んに進められてきました。
 保護者や先生と子どもたちとの関係を「タテ」、友達同士の関係を「ヨコ」と表現するならば、「ナナメ」とも言える地域の大人たちとの関係が、こうしたボランティア活動を通じて育まれ、帯広の子どもたちの学びを豊かにし、地域の大人たちの生きがいづくりにもつながっています。
 今年度からは、より多くの大人が参加し、地域の子どもを応援するための「こども学校応援地域基金」がスタートしました。個人や企業などからの寄附金を活用して、これまで以上に、多様な団体が連携して行う特色ある取り組みを支援することで、学校を中心に地域ぐるみで子どもを育てる活動が充実し、地域の活性化にも結びつけていく仕組みです。
 昨今、地域コミュニティについては、人口減少・少子高齢化を背景に、人間関係の希薄化や担い手の減少などのマイナス面ばかりが強調されています。しかし、総人口に占める子どもと高齢者の合計人口割合の高まりを、生活の中心が身近な地域にある「地域密着人口」の増加ととらえ、コミュニティの新たな可能性を生み出す力になると考える識者もいます。学校・家庭・地域の連携は、そうした前向きな可能性を実現する手段になるのではないかと思います。
 物の豊かさよりも心の豊かさが重視される時代を迎え、人々の価値観は多様化しています。こうした中で、誰もが幸せを感じながら暮らしていくためには、唯一の「正解」を追い求めるのではなく、試行錯誤を繰り返しながら、「何を大切にしていくか」を徐々にすり合わせ、みんなで共有していくプロセスが重要だと考えています。
 きれいな空気、おいしい水、豊富な農畜産物など、十勝・帯広の恵まれた環境に加えて、身近なコミュニティにおける人の絆を通し、大都会にはない人のぬくもりや心の豊かさを感じられること、支え合いによって、一人ひとりが主役となれる地域社会を築いていくことが必要ではないでしょうか。
 こども学校応援地域基金を活用して、それぞれの地域において主体的に取り組みを始めてみることで、人と人の緩やかなつながりや触れ合いが広がり、温かみを感じる新しい何かが生まれてくることを期待したいと思います。

ポロシリ〜広報おびひろ平成28年6月号掲載
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 半袖のシャツの軽やかさが、うれしい季節になりました。
 澄み渡る青空、山々のかすかな残雪、木々の鮮やかな緑、生命力ほとばしる広大な大地。十勝・帯広の圧倒的な初夏の風景は、私たちに高揚感を与えてくれます。
 遠くを眺めると、私たちの暮らしに豊かな恵みをもたらしてくれる日高の山並みが目に飛び込みます。雄大で凛として、優しく包み込むような安らぎを感じさせる山々の中でも、ひときわ威容を誇っているのが「ポロシリ」です。
 標高1846メートル、アイヌ語で「大きい山」を意味するポロシリは、「アイヌの神カムイが遊んだ神秘的な山」とも伝えられ、鑑賞上価値の高いものとして国の名勝に指定されています。また、市立清川中学校の校歌にも、「ポロシリの高きを仰ぎ」と登場するなど、十勝・帯広のシンボルとして愛されてきました。
 ポロシリの山裾には、キャンプ場や自然観察体験施設をはじめ、拓成湖や岩内仙峡などのレジャースポットが広がり、6月の八千代牧場まつりなど、さまざまなイベントが行われています。
 7月初めには、日本屈指のアウトドア用品メーカー「スノーピーク」社の主催により、全国でも有名なキャンプイベントがポロシリ自然公園オートキャンプ場で開催されることになりました。
 アウトドア愛好家が日本中から集まる国内有数のイベントがこの地で開催されることになったのは、国内外のフィールドを知り尽くすスノーピークの山井社長から、ポロシリを「ワールドクラス」と評価していただいたことが発端です。
 「真の発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ」フランスの作家マルセル・プルーストの名言で私のお気に入りの一つです。
 この地に暮らす私たちは、身近であるが故、この恵まれた環境に気付きにくいものです。さまざまな人に、十勝・帯広の自然を高く評価していただくことで、新たな魅力が生まれ、この地に暮らす私たちも、改めて、その価値を再認識し、その恩恵を享受できることに喜び、感謝する。そうした多くの方々の想いが幾重にも積み重ねられて、ポロシリのごとく、誇り高き十勝・帯広が形づくられていくと思います。
 これからの行楽シーズン、十勝・帯広の恵まれた自然環境の魅力を再発見する絶好の機会です。
 ぜひ気軽に出掛けて、豊かな自然をぜいたくに楽しみませんか。

まちづくりを支えるもの〜広報おびひろ平成28年5月号掲載
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 桜の開花とともに、植物たちが長かった冬の寒さから目覚め、若葉を広げる季節になりました。帯広の森球技場や河川敷にあるサッカー場の芝生の緑も、日に日に鮮やかさを増してきます。
 十勝の天然芝のサッカー場では、今年の夏も、中学生世代のクラブチーム日本一を決める「日本クラブユースサッカー選手権(U―15)」が開催されます。
 選手とその家族、コーチや審判員、大会役員など、延べ1万人が滞在するこの大会。経済波及効果はもとより、十勝のサッカー選手たちの大きな刺激になっています。
 大変うれしいことに、日本クラブユースサッカー連盟は、「ここ十勝で大会を開きたいという声が多くある」として、2019年までの3年間、十勝での継続開催を理事会で決定しています。
 日本全国にあるクラブチームが、バスで移動できる本州に比べ、航空運賃が大きな負担となるこの十勝において、なぜ継続開催されると皆さんはお考えでしょうか。
 この大会は、1986年に長野県で第1回大会が開催され、1997年からは福島県で開催されていました。2011年3月の東日本大震災の影響で、福島県での開催ができなくなり、十勝地区サッカー協会など、関係団体の強い結束力のもと、急きょ十勝で受け入れ開催することになり、今年で6年目の開催となります。
 この間、選手が宿泊するホテルでは、試合前と後の2種類の食事を提供したり、事業者と協力して、洗濯物を回収し届けたり、練習会場へのバスを運行するなど、毎年開催するたびに、きめ細やかに受け入れ態勢を整えてきました。
 また、公認審判員の資格を取得し審判員として活躍する人、会場の設営や案内、ボールパーソンなどの大会運営を手伝う地元の学生たちなど、多くの十勝の人たちが大会を支えています。
 施設の充実を競うのではなく、選手や関係者が快適に滞在してもらうために、この地域の人たちができることを考え、受け入れ態勢を充実していく。こうした積み重ねにより、地域のホスピタリティーが磨かれ、9年間の連続開催につながったのだと考えます。
 選手が高いパフォーマンスを発揮できる十勝特有の冷涼で湿度の低い気候や、「ワールドカップクラス」と評価される天然芝。こうした十勝の優位性に気付き、この地域の人たちの思いと努力が積み重なれば、これこそが真の「地域資源」になるのではないでしょうか。

帯広市図書館〜広報おびひろ平成28年4月号掲載
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 帯広市図書館が、現在の場所に開館してから、10周年を迎えました。図書館建設にあたり、複数の候補地が挙げられ、活発な議論が交わされた結果、現在の場所に建設することが決まりました。
 帯広の玄関口である駅南に、図書館が建設されたことで、とかちプラザ、文化ホールなどの社会教育施設が、ここに集積しています。
 また、駅南の公園大通の東側には、レンガ造りのホテル、図書館、金融機関が並んでおり、四季ごとに色合いを変える街路樹と、レンガがもつ暖かい色合いとの調和が、まちに彩りを添えています。
 ガラス張りの解放的な建物のとかちプラザと、隣接する南公園の芝生があいまって、駅南の景観は、十勝らしい広々とした雰囲気の中に、文化の香りと品の良さを感じるまちなみが形成されています。
 開館当初から、市民とともに歩んできた図書館。この10年間に、皆さまからいただいた寄附金の総額は約1億円になります。開館当時、約34万冊だった蔵書は、図書購入の予算に加えて、こうした皆さんからのご厚意により、今では、約52万冊になりました。
 図書館の運営においても、館内の生け花や観葉植物の管理、障害のある方に対する音訳や宅配などを行う、さまざまなボランティアに支えられています。
 先日、本の修理や布の本の製作、朗読などの奉仕活動を行っている「帯広図書館友の会」の活動の場にお伺いする機会がありました。会員たちの性別や年齢などはさまざまですが、本や図書館を愛する強い気持ちを、皆さんが共通して持っており、お互いを尊重して、生きがいを感じながら活動している姿を拝見し、ボランティアのあるべき姿というものが、この図書館に根付いていると感じました。
 小さな子どもから、学生、社会人、お年寄りまで、幅広い年齢の人たちが利用する図書館。図書館の静かな空気の中で、本を開けば、際限のない知の世界が、それぞれの人の中に広がります。
 字がまだ読めない子どもも、絵本をめくる紙の手触りを感じながら、イラストなどからいろいろな刺激を受けています。
 仕事や人生の壁にぶつかりながらも、自らを成長させて、将来に向けてチャレンジしようとする人たちが、異なる考え方や未知の世界を知り、輝く未来を創り出していくために、いろいろな刺激を受けることができる場所。皆さんと一緒に、そんな図書館に育てていけたらいいと思います。

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